VW Tiguan 分解調査:1.4L TSIエンジン

ドライブシステム、シリンダーブロックなどのモジュール構造

2019/03/15

要約

  2019年2月にVW Tiguanの車両分解調査がひろしま産業振興機構のベンチマーク活動で実施された。VWのコンパクトクロスオーバーSUV、Tiguanは世界的なSUV人気の高まりを背景に販売が拡大している。特に欧州で2016年、北米、中国で2017年に投入された現行モデルから販売が急増。2018年のグローバル販売台数は前年比10.8%増の77万台となり、欧州で約18万台、米国で10.3万台、中国で30.3万台を売り上げている。(MarkLinesモデル別販売台数データ)

  VWは新プラットフォームMQB(横置きエンジン用車両モジュールマトリックス)の導入にあわせて、新しくEA211エンジンファミリーを開発した。このエンジンファミリーは、1.0L、1.2L、1.4Lの3種類の排気量があり、AからCセグメントまでの車両モデルを幅広くカバーしている。
  今回ベンチマークしたTiguanもMQBプラットフォームを採用しており、EA211エンジンファミリーの1.4L TSIエンジンを搭載している。このエンジンは2012年のMQB導入時から量産されているものと基本的な仕様は同一であるが、現在でも十分な競合力を持っている。本稿ではその概要と主要構造を紹介する。

VW Tiguan分解調査
VW Tiguan 分解調査

  EA211エンジンは、MQBを実現するための大きな鍵となっている。商品性を長期間維持するための先進技術のモジュール化、開発や生産の効率を高めるための構造のモジュール化等を成し遂げている。今回はこのモジュール部分に着目して報告する。

  なお同型エンジンの個々の部品の詳細については、下記レポートで紹介している。


関連レポート:
VW パサート車両分解調査(Ⅰ)1.4Lガソリンターボエンジン(2016年10月)

 

 



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