中国市場(2025年第2四半期)
外資は現地での研究開発と生産能力を強化、政府は車載半導体の標準化へ注力
2025/07/28
要約
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上汽集団とHuaweiによる尚界ブランドの発表 (出所:HIMA) |
中国自動車工業協会(CAAM)が2025年7月10日に発表した自動車販売台数は前年同期比11.4%増の1,565.3万台となった。このうち乗用車は前年同期比13.0%増の1,353.1万台、商用車は前年比2.6%増の212.2万台。新エネルギー車(NEV)は前年比40.3%増の693.7万台で、新車全体に占める割合は4.3%となった。
本レポートは2025年第2四半期の中国自動車メーカー及び外資自動車メーカーの中国市場における主要動向について紹介する。
中国自動車メーカーはスマート化分野への取り組みを深めている。BYDは今後3~5年間にコアとなる自動運転技術を製品に集中的に実装すると発表した。上汽集団とHuaweiは、スマートモビリティソリューションを搭載した新ブランド「SAIC尚界(Shangjie)」を共同発表した。奇瑞汽車は奇瑞インテリジェント化センターを設立。広汽集団と江汽集団はそれぞれHuaweiと提携契約を締結し、スマート化分野を深化させる。
外資自動車メーカーは中国での研究開発と生産能力向上を加速している。一汽VW天津分公司は既存の生産ラインの技術改良を行い、5車種から7車種に拡充する。Porscheは上海に1万平方メートルを超える中国研究開発センターを建設する。Lexusは上海にNEV生産拠点を構えることになった。
政策面では、工業情報化部が2025年4月に《2025年自動車標準化作業要点》を公布。車載半導体の環境及び信頼性に関する共通規格、情報セキュリティ、一致性検査等の基準策定を加速し、セキュリティチップ、電動車駆動用パワー半導体等の基準公表と実施を推進する。