VW パサート車両分解調査(Ⅰ)1.4Lガソリンターボエンジン

水冷式インタークーラー、気筒休止システムの詳細

2016/10/17

要約

パサートのエンジンカムシャフトまわり
パサートのエンジンカムシャフトまわり

 VW パサート(1.4L TSIコンフォートライン/日本仕様)の車両分解調査が、2016年9月にひろしま産業振興機構のベンチマーク活動で実施された。このパサート(8代目:2014年発売)は、運動性能、快適性、安全性そして実用性を高い次元で両立しているとして、2015年欧州カーオブザイヤーを受賞している。

 7代目ゴルフと共通のプラットフォームMQBを使って、軽量化を行いながら車体剛性を向上することなどで、運動性能と乗り心地、静粛性の性能向上を行っている。エンジンは1.4Lの水冷式インタークーラー付きシングルターボチャージャーを備えた直噴ガソリンエンジンで、110kW(150PS)の最高出力と250Nm(25.5kgm)を発揮し、低負荷時には4気筒のうち、2気筒を休止する機能をそなえ、JC08燃費は20.4km/lとなっている。今回のレポートは、水冷インタークーラーや気筒休止システム等のエンジンに関する搭載技術を紹介する。次回レポートは、MQBプラットフォームの車体構造等を紹介する予定である。

過去の分解レポート:

トヨタクラウン
(Ⅰ)直噴V6 2.5Lエンジン「4GR-FSEエンジン」(2016年5月)
(Ⅱ)レクサス車と共通のFR高級車用シャシー技術(2016年5月)
(Ⅲ)車体構造と遮音吸音材 (2016年8月)
(Ⅳ)トヨタクラウン車両分解調査:写真集 (2016年9月)

トヨタ 4代目プリウス
(上)燃費40km/Lのために高効率化と軽量化されたパワートレーンユニットの進化(2016年2月)
(中)TNGA/シャシー・空力性能技術の進化(2016年3月)
(下)新プラットフォームTNGAの車体構造と遮音吸音材・制振材の技術(2016年3月)
132部品の写真集:TNGAのコンポーネント/部品の詳細写真と主要部品サプライヤー一覧(2016年4月)

ダイハツムーブ (2015年2/3月掲載)
(上) サプライヤーリストとシャシー/シート/電装関係部品
(中) 軽量化・小型化を追求したターボエンジンと3軸ギヤトレーンのCVT
(下) 直線的骨格で合理性を追求した車体構造

ホンダ フィットハイブリッド (2013年12月掲載)
(1) 電池関連部品と電動サーボブレーキシステム
(2) エンジンとモーター内蔵7速デュアルクラッチトランスミッション

VW Polo (2014年11/12月掲載)
(上):サプライヤーリストとエンジンルーム、運転席周りの分解
(下):1.2TDIターボディーゼルエンジン、サスペンションの構造

トヨタ アクア (2012年11月掲載)
(1) 主要部品サプライヤーと電池関連部品
(2) 燃費35.4km/Lを達成したハイブリッドシステム

日産 ノート (2014年9月掲載)
(上):主要安全技術と先進運転支援システム
(下):スーパーチャージャーを採用したドライブユニット

日産 リーフ
(1) 分解調査(2012年2月掲載)
(2) 主要部品の分解展示報告 (2012年9月掲載)
(3) カットボディーの展示取材報告(2012年11月掲載)

ホンダ アコードハイブリッド (2014年2月掲載)
(上):PCUとシャシ関連部品
(中):電池関連部品と電動サーボブレーキシステム
(下):ドライブユニット

トヨタ プリウス (2010年3月掲載)
プリウスの分解実験



合理的にレイアウトされたコンパクトなダウンサイジングターボエンジン

車両後方から見たエンジンルーム

車両後方から見たエンジンルーム

車両左前方から見たエンジンルーム

車両左前方から見たエンジンルーム


 1.4L水冷インタークーラー付きシングルターボチャージャーを備えた直噴ガソリンエンジンは、MQBプラットフォーム共通のエンジンルームにすっぽりと無理なく収まっている。吸気系は車両前方に、排気系は車両後方に配置されている。吸気系の空気の流れは、まずエンジンルーム前端の外気導入ダクトから、エンジン上部に搭載されたエアクリーナーを経由して、エンジン後面とダッシュパネルの間にあるターボチャージャーへエアダクトでつなげられる。ターボチャージャーで過給された空気は、エンジン上部のインテークパイプを通ってスロットルボディに送られる。スロットルボディは、水冷式インタークーラーを内蔵したインテークマニホールドの入口に配置されており、吸入空気は水冷式インタークーラーで冷却され、インテークマニホールドからシリンダーヘッドに送り込まれる。

車両後方から見たエンジンアッセンブリー

車両後方から見たエンジンアッセンブリー

車両左前方から見たエンジンアッセンブリー

車両左前方から見たエンジンアッセンブリー



吸気系配管経路が短い水冷式インタークーラーシステム

インテークマニホールド(シリンダーヘッド取り付け面)とスロットルボディ
インテークマニホールド(シリンダーヘッド取り付け面)とスロットルボディ
エンジン上側から見たインテークマニホールドとスロットルボディ
エンジン上側から見たインテークマニホールドとスロットルボディ


  エンジン上部のエアクリーナーを取り外すと、その下にインテークマニホールドがある。このインテークマニホールドには水冷式インタークーラーが内蔵されている。インテークマニホールドの入口にスロットルボディが取り付けられ、そこへターボチャージャーからダイレクトにエアインテークパイプを通じて、過給された空気が送られる。空冷式インタークーラーの場合は、車両前端部のラジエーターの前にインタークーラーを配置するのが通例で、ターボチャージャーから遠く離れたインタークーラーへ行って、そこからスロットルボディ、インテークマニホールドまで戻ってくるという、数メートルの長い配管となる。水冷式インタークーラーにすることで、大幅な配管経路短縮が可能になり、吸入空気のエアボリュームを少なくすることで、吸入空気の慣性質量を減らし、アクセルレスポンスを向上することができることが特徴である。

 インテークマニホールドはナイロン製(PA6 GF30)で、アルミ製のインタークーラーが内蔵され、スロットルボディから過給されて高温になった吸入空気が、アルミ製のインタークーラーを通過することで冷却される。インタークーラーのコアサイズは、縦103mm x 横284mm x 幅55mmである。インテークマニホールドは、POLYTEC GROUP製で、スロットルボディはMagneti Marelli製、エアインテークパイプ(ナイロン製PA6 GF30)は、RÖCHLING製である。

インテークマニホールドからインタークーラーのコアを外したもの
インテークマニホールドからインタークーラーのコアを外したもの
インテークマニホールドに組み込まれた水冷式インタークーラー
インテークマニホールドに組み込まれた水冷式インタークーラー
水冷式インタークーラーコア
水冷式インタークーラーコア
エアインテークパイプ(RÖCHLING製PA6 GF30)
エアインテークパイプ(RÖCHLING製PA6 GF30)


 水冷式インタークーラーコアを冷やすための冷却水は、エンジンの冷却水とは別系統のインタークーラー専用のラジエーターが設けられている。インタークーラー用ラジエーターは、エンジン冷却水用ラジエーターと同じ、フロントエンドモジュールに設置されている。インタークーラー用ラジーターのサイズは、幅420mm x 高さ622mm x 厚み28mmで、その背後に設置されるエンジン冷却水用ラジエーター(幅650mm x 高さ455mm x 厚み27mm)とほぼ同じサイズである。フロントエンドモジュールには、車両前方から、エアコンコンデンサー、水冷インタークーラー用ラジエーター、エンジン冷却水用ラジエーターの3つが設置されている。

フロントエンドモジュール
フロントエンドモジュール
水冷式インタークーラー用ラジエーター(MAHLE製)
水冷式インタークーラー用ラジエーター(MAHLE製)
水冷式インタークーラー用ウォーターポンプ
水冷式インタークーラー用ウォーターポンプ
車両搭載状態のエンジン(フロントエンドモジュールを取り外した状態)
車両搭載状態のエンジン(フロントエンドモジュールを取り外した状態)


ターボチャージャー(三菱重工製)

ターボチャージャー(三菱重工製) ターボチャージャー(三菱重工製)
ターボチャージャー(三菱重工製)


 ターボチャージャーは三菱重工製で、エンジン回転1500rpm~3500rpmで最大トルクが発生するように、低回転域からの過給を重視し、タービン径は小径のものとなっている。エアクリーナー側のエアダクトは、レゾネーター効果を狙った形状となっており、振動共鳴音低減か、吸入空気の共振に伴う通気抵抗低減が目的と推定される。ツインスクロールや可変ジオメトリー等の機構は持たず、シンプルな構造である。

ターボチャージャー(エンジン取り付け状態)
ターボチャージャー(エンジン取り付け状態)
過給圧制御バルブと排気タービン
過給圧制御バルブと排気タービン


気筒休止システム(アクティブシリンダーテクノロジー)

カムキャリア一体のヘッドカバーに組み込まれた吸排気カムシャフト
カムキャリア一体のヘッドカバーに組み込まれた吸排気カムシャフト
排気カムシャフトのスライド機構部分
排気カムシャフトのスライド機構部分


 この1.4Lターボエンジンには、アクティブシリンダーテクノロジー(ACT)という気筒休止システムが備わっている。2012年にVWポロ ブルーGTに初めて搭載されて以来、VWの各車ラインナップの主要エンジンの一つとなっている。構造は2番、3番シリンダー用のカムシャフトをリフトしないように切り替えて、吸排気バルブの両方を閉じたままにして、燃料供給を停止する仕組みである。ピストンとコンロッドの上下往復運動を止めるわけではないため、該当部品の摩擦損失は減らないが、バルブが全閉したシリンダー内の空気が圧縮、膨張を繰り返しても、空気バネを伸縮させているだけとなり、エンジンの吸気、圧縮、膨張、排気行程で使うエネルギー損失を減らすことで、排気量を小さくするのと、ほぼ同じ燃費効果が得られることになる。

 上左の写真は、上が吸気カムシャフト、下が排気カムシャフトで、ヘッドカバーに一体化されたカムキャリアに組み込まれた状態である。下の排気カムシャフトはカムキャップを取り外した状態である。2番、3番シリンダー用には同軸上に2つカムが用意され、その2つのカムを切り替えることで、吸排気バルブの作動を切り替える仕組みになっている。

 右上の写真は、左写真の排気カムシャフトの2番、3番シリンダー用のカムの部分を拡大している。2番、3番シリンダー用のカムは、通常のおむすび形のカムの隣に真円のカムが並んでおり、この2つのカムをカムシャフトの軸方向にスライドさせて切り替える。おむすび形のカムはバルブを通常通り開閉作動させるが、真円のカムはバルブをリフトさせる凸部がなく、バルブは常に閉じたままとなる。そのカムに隣接する黒色樹脂がカムを軸方向にスライドさせるための機構である。

 下右の画像がカムを軸方向にスライドさせる機構を示している。カムシャフトの上部に2つのカムを切り替えるアクチュエーターが取り付けられている。アクチュエータに備わる突起ピンが、上右写真の黒色樹脂の溝に挿しこまれ、突起ピンの作動すると、下左の画像のように、カムシャフトが軸方向にスライドして、2つのカムを選択する構造になっている。

気筒休止システム カムシャフトをスライドさせて2種のカムを切り替える
気筒休止システムカムシャフトをスライドさせて2種のカムを切り替える
資料:VW
気筒休止システムの構造
気筒休止システムの構造
資料:Audi
ヘッドカバー上面にアクチュエーターが作動するための穴があり、奥にカムシャフトをスライドさせるための、黒色樹脂の溝が見える
ヘッドカバー上面にアクチュエーターが作動するための穴があり、奥にカムシャフトをスライドさせるための、黒色樹脂の溝が見える
ヘッドカバー上部に取り付けられたカムシャフトスライド機構用アクチュエーター
ヘッドカバー上部に取り付けられたカムシャフトスライド機構用アクチュエーター
気筒休止システムのカムシャフトスライド機構用アクチュエーター
気筒休止システムのカムシャフトスライド機構用アクチュエーター


可変バルブタイミング機構

可変バルブタイミング機構(左:排気側カムシャフト、右:吸気側カムシャフト)
可変バルブタイミング機構(左:排気側カムシャフト、右:吸気側カムシャフト)
前端部(車両搭載状態では車両右側)の可変バルブタイミング機構
エンジン前端部(車両搭載状態では車両右側)の可変バルブタイミング機構


 この1.4Lターボエンジンには、吸気側カムシャフトと排気側カムシャフトの両方に位相角度調整機構が備わる。コグベルトで駆動されるスプロケットの内側に、円筒形のカムシャフトの位相角制御機構が取り付けられており、外側のスプロケットの角度に対して、中心のカムシャフトの角度を変更することが可能になっている。作動は油圧制御で、位相角制御機構の中に設けられた2系統の油圧室の油圧を調節し、外周と内側のカムシャフトの角度を調節する。カムキャリア一体のヘッドカバー上面にとりつけられた、油圧ソレノイドバルブがその油圧を制御する。

ヘッドカバー上面の油圧ソレノイドバルブ
ヘッドカバー上面の油圧ソレノイドバルブ
油圧ソレノイドバルブ
油圧ソレノイドバルブ


エキゾーストマニホールドを一体化したシリンダーヘッド

シリンダーヘッド上部(バルブ、ロッカーアームを取り付けた状態)
シリンダーヘッド上部(バルブ、ロッカーアームを取り付けた状態)
シリンダーヘッド下面とエキゾーストポート
シリンダーヘッド下面とエキゾーストポート


 左上の写真はシリンダーヘッドを上方から撮影したもので、吸排気バルブとロッカーアーム(ローラーロッカー)が組み込まれた状態である。この上に、前述のカムシャフトが組み込まれたカムキャリア一体のヘッドカバーが組み付けられる。右上の写真は、シリンダーヘッドを下から撮影したもので、排気ポートは出口を一本にまとめてあり、エキゾーストマニホールドの部品設定を省略している。写真の排気側出口に、ターボチャージャーが直接取り付けられる構造となっている。部品点数削減と、排気ガスを断熱してターボチャージャーに送ることでエネルギー損失の低減、さらに周囲部品への高熱対策の削減の効果がある。燃焼室はオーソドックスなペントルーフ型燃焼室である。吸気バルブの外側中央に、直噴インジェクターからの燃料噴射孔が設定されている。ヘッドガスケットは5枚も設定されている。これはシリンダーブロックとシリンダーヘッドの間で起こる、温度差による熱収縮によるズレを吸収する目的と考えられる。

ペントルーフ型燃焼室
ペントルーフ型燃焼室
5枚のヘッドガスケット
5枚のヘッドガスケット


エンジン冷却水用ウォーターポンプ

ウォーターポンプ
ウォーターポンプ
シリンダーヘッドに取り付けられた状態のウォーターポンプ
シリンダーヘッドに取り付けられた状態のウォーターポンプ


 ウォーターポンプはシリンダーブロックに取り付けられるのが一般的であるが、このエンジンではシリンダーヘッドの後面(トランスミッション側)に取り付けられている。クランクシャフトに対して、回転数が2倍のカムシャフトからポンプのプーリーを駆動することで、ベーンの回転数を上げて、ベーンの小型化を狙っていると考えられる。写真左のポンプベーンの裏側にポンプ駆動用プーリーがあり、写真右のカムシャフト軸のプーリーからベルトで駆動される。また、車両搭載時のレイアウトで考えると、この場所はトランスミッションの上方となり、他部品とのレイアウトの観点で、スペースを確保しやすい場所である。

ウォーターポンプのシリンダーヘッド取り付け面側
ウォーターポンプのシリンダーヘッド取り付け面側
カムシャフトから駆動されるプーリーと冷却水の吸入口/吐出口
シリンダーヘッドのウォーターポンプ取り付け面
シリンダーヘッドのウォーターポンプ取り付け面


高剛性なシリンダーブロック

シリンダーブロック
シリンダーブロック
シリンダーブロック上面
シリンダーブロック上面


 シリンダーグロックはサイヤミーズのアルミダイキャスト製である。写真左の黒色樹脂の部品は、ブローバイガスのオイルセパレーターである。

シリンダーブロック下側
シリンダーブロック下面に取り付けられたオイルバッフルプレート

シリンダーブロック下面に取り付けられたオイルバッフルプレート
シリンダーブロック下側

クランクシャフト、ベアリングキャップ、コンロッド等が組み込まれた状態

シリンダーブロック上面
シリンダーブロック上面
シリンダーブロッククランクケース側
シリンダーブロッククランクケース側


エンジン全体の振動低減を狙った高剛性なオイルパン

エンジン側のトランスミッションとの結合面
オイルパン(シリンダーブロック取り付け面)
エンジンとトランスミッション(DCT)の結合状態
オイルパン下側


 極めて高い剛性構造となっているアルミダイキャスト製オイルパン。アルミダイキャスト製で高剛性を狙うものが増えているが、大量生産車でここまでリブ配置を徹底している例はない。シリンダーブロック及びクランクシャフト周りの振動に対し、高剛性化で、振動の共振と異音を下げる考え方である。4気筒エンジンの振動抑制にバランスシャフトという方策があるが、この車には設定がない。考え方とアプローチが全く違うが、このエンジンの高剛性化はバランスシャフトを設定するのと同じくらいの、コストと重量をかけていると思われるほどである。

 下左の写真はトランスミッション(DCT)との結合面で、オイルパンの形状によって、結合面を下側に大きく広げている。下右の写真はエンジンとトランスミッション(DCT)との結合状態をしめしており、結合面だけでなく、エンジンの全長にわたって剛性を向上することで、2つのユニット全体の振動を抑えている。このオイルパンがシリンダーブロックと一体になって、2つのユニットの結合剛性と、ユニット全体の剛性を高めている。VW、Audiでこのエンジン搭載車の振動が非常に小さいことの理由の一つは、このオイルパンをはじめエンジンの構成部品が、高剛性化にこだわった結果であると考えられる。

エンジン側のトランスミッションとの結合面
エンジン側のトランスミッションとの結合面
エンジンとトランスミッション(DCT)の結合状態
エンジンとトランスミッション(DCT)の結合状態
オイルパン下面に取り付けられたオイルポンプ
オイルパン下面に取り付けられたオイルポンプ
オイルポンプ
オイルポンプ


 アルミダイキャスト製オイルパンの下面にオイルポンプが取り付けられている。オイルポンプは、クランクシャフトのクランクケース内の一番前側(トランスミッションと反対側)のスプロケットからチェーンで駆動される。アルミダイキャスト製オイルパンの下面には、スチールパネル製のオイルパン下面カバーが取り付けられる。このオイルパン下面カバーがエンジン本体の最下面となるため、万が一、その下の樹脂製アンダーカバーを突き破って、岩や想定しない固い異物がぶつかってきても、スチールパネルが変形して、その上のアルミダイキャストの本体構造へのダメージを最小限にしてくれる。オイルパン下面カバーに、オイルレベルセンサー(HELLA製)が設定されている。

オイルパン下面カバー(上側)
スチール製オイルパン下面カバー(上側)
オイルパン下面カバー(下側)
スチール製オイルパン下面カバー(下側)


ダブルマスフライホイール

ダブルマスフライホイール(エンジン取り付け状態)
ダブルマスフライホイール(エンジン取り付け状態)
ダブルマスフライホイール
ダブルマスフライホイール


 このエンジンは気筒休止中の、アンバランスな振動があること、多段DCTのトランスミッションがもつ多数の歯車はアイドリング状態等の低負荷状態で、ガラガラ音がでやすいこと等から、その対応として、大径のダブルマスフライホイールが設定されている。



主運動系部品

ピストンとコンロッド ピストンとコンロッド
ピストンとコンロッド


 ピストン、コンロッド、クランクシャフト、べアリングキャップについては、オーソドックスな一般的形状となっている。

クランクシャフト
クランクシャフト
ベアリングキャップ
ベアリングキャップ


エアクリーナーとエアダクト

エアクリーナー外観
エアクリーナー外観
エアクリーナー内部
エアクリーナー内部

 エアクリーナーはエンジン上部に配置されることで、フロントエンドモジュールの上端に取り付けられた外気導入ダクトから、エアクリーナー、ターボチャージャーまでのエアダクトがほぼ最短距離でつながれている。エアダクトには、特定周波数特性の吸気音を低減するためのレゾネーターが設定されている。エアクリーナーはMANN+HUMMEL製である。樹脂の材質はダクト類も含めてすべてPP-TD20である。

エアダクト(エアクリーナー→ターボチャージャー)
エアダクト(エアクリーナー→ターボチャージャー)
外気導入ダクト
外気導入ダクト


エンジン補機及び電装品

ブローバイガスオイルセパレーター
ブローバイガスオイルセパレーター
エンジンブロックのオイルセパレーター取り付け部
エンジンブロックのオイルセパレーター取り付け部

 ブローバイガスオイルセパレーターはシリンダーブロック側面(車両前側)に取り付けられている。MANN+HUMMEL製で樹脂はPA6.6/6 MN25 GF15である。

 水冷オイルクーラーは、ブローバイガスオイルセパレーターの上部に取り付けられている。

水冷オイルクーラー
水冷オイルクーラー
水冷オイルクーラー(エンジン取り付け状態)
水冷オイルクーラー(エンジン取り付け状態)

 エンジン関係の電装品はエンジンECUをはじめ、BOSCH製が多い。イグニッションコイルはELDOR製。ターボチャージャー付きエンジンのため、ブレーキブースター等のために、負圧ポンプ(HELLA製)が設定されている。

エンジンECU(BOSCH製)
エンジンECU(BOSCH製)
イグニッションコイル(ELDOR製)
イグニッションコイル(ELDOR製)
オルタネーター(BOSCH製)
オルタネーター(BOSCH製)
スターターモーター(BOSCH製)
スターターモーター(BOSCH製)
インテークパイプ吸気温センサー(BOSCH製)
インテークパイプ吸気温センサー(BOSCH製)
負圧ポンプ(HELLA製)
負圧ポンプ(HELLA製)


排気系

触媒+フロントチューブ
触媒+フロントチューブ
センターマフラー(2つ)+リヤマフラー
センターマフラー(2つ)+リヤマフラー

 ターボチャージャーアウトレットの直後にNo.1触媒が設置されている。O2センサー(日本特殊陶業製)は、No.1触媒の入口と出口に取り付けられている。

 プリマフラーは汎用断面のマフラーであるが、センターマフラーとリヤマフラーは専用のプレス型製である。日本車の大半は、メーカーの円形もしくは楕円の一定断面の汎用型品をベースに内部構造のみ、適合設計しているが、欧州車の大半は専用の成形型を使うマフラーを作っている。プレス製マフラーは型費用が発生するため、コストがかかるが、できるだけマフラー容積を大きくすることが可能であり、排気損失と消音効果、音質チューニングの両立を図りやすい。欧州メーカーの場合、特にVWの場合は、車種数が少なく、1車種当たりの生産台数が多いことも、このような型費の台当たり費用が少なくて済むという点が有利となっている。

 No.1触媒、No.2触媒のメーカーは、容器がVW内製、担体がCORNING製、貴金属加工がUMICORE製である。プリマフラー、センターマフラー、リヤマフラーはTENNECO製である。

O2センサー(触媒前側)NTKセラミック製
O2センサー(No.1触媒前側)
(日本特殊陶業製)
フロント触媒(組み立て:VW製、コア:CORNING製、貴金属:UMICORE製)
No.1触媒
(容器:VW製、担体:CORNING製、貴金属加工:UMICORE製)

センター触媒(組み立て:VW製、コア:CORNING製、貴金属:UMICORE製)
No.2触媒
(容器:VW製、担体:CORNING製、貴金属加工:UMICORE製)

プリマフラー(TENNECO製)
プリマフラー
(TENNECO製)
センターマフラー(TENNECO製)
センターマフラー
(TENNECO製)
リヤマフラー(TENNECO製)
リヤマフラー
(TENNECO製)

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VW、Passat、パサート、MQB、分解、気筒休止、水冷式インタークーラー

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