ダイハツムーヴ分解調査(上):コンパクトカーに匹敵する装備と部品仕様

サプライヤーリストとシャシー/シート/電装関係部品

2015/02/16

要 約

ダイハツムーブ

 公益財団法人ひろしま産業振興機構が主催するベンチマーク活動として、ダイハツムーヴの分解調査が行われた。分解作業は広島国際学院大学自動車短期大学にて、2015年1月21日~27日に行われた。分解に供試された車両は、ダイハツムーヴXターボVS仕様(5代目/2014年製:注)で、衝突回避支援スマートアシスト等が装備されていた。

 一般に軽自動車は安く作られているというイメージがあるが、今回のダイハツムーヴ分解調査では、コンパクトカーと同等もしくは上回る仕様で車が造られていることが明らかになった。性能と品質で競争力を持たせるために、どの部品も手抜きがなく正攻法で作られている。例えば、しっかりした走りと快適な乗り心地のために、表には見えないシャシーやシートフレームにコストが配分されている。

 シャシーサスペンションの構成部品は、車両サイズが一回り大きく、車両重量も重いコンパクトカーと遜色ない仕様である。また、シートフレーム構造は、クッション、シートバック共にSバネが2本ずつ装備されているなど、コンパクトカーを上回る仕様である。乗り心地や静粛性の優れた車である理由が、こういった部品仕様で裏付けられている。また、安全装備でも、今回の車両のムーヴXターボVSスマートセレクションSA仕様では、VSCや前方をレーザーセンサーで監視する緊急ブレーキ警報や緊急ブレーキアシストが装備されている。

 今回レポートでは、主要部品のサプライヤーリストとムーヴの基本性能や安全装備仕様に関わる部品を中心に解説する。

 (注):フルモデルチェンジした6代目ムーヴが2014年12月に発売されている。

過去の分解レポート:

VW Polo (2014年11/12月掲載)
(上):サプライヤーリストとエンジンルーム、運転席周りの分解
(下):1.2TDIターボディーゼルエンジン、サスペンションの構造

日産 ノート (2014年9月掲載)
(上):主要安全技術と先進運転支援システム
(下):スーパーチャージャーを採用したドライブユニット

ホンダ アコードハイブリッド (2014年2月掲載)
(上):PCUとシャシ関連部品
(中):電池関連部品と電動サーボブレーキシステム
(下):ドライブユニット

ホンダ フィットハイブリッド (2013年12月掲載)
(1) 電池関連部品と電動サーボブレーキシステム
(2) エンジンとモーター内蔵7速デュアルクラッチトランスミッション

トヨタ アクア (2012年11月掲載)
(1) 主要部品サプライヤーと電池関連部品
(2) 燃費35.4km/Lを達成したハイブリッドシステム

日産 リーフ
(1) 分解調査(2012年2月掲載)
(2) 主要部品の分解展示報告 (2012年9月掲載)
(3) カットボディーの展示取材報告(2012年11月掲載)

トヨタ プリウス (2010年3月掲載)
プリウスの分解実験

ダイハツムーヴ(2014年モデル)の主な車両仕様

ダイハツムーブ ダイハツムーブ
車両仕様 車両/グレード ダイハツムーヴXターボVS (特別仕様車)+OptionスマートセレクションSA
車両価格 133万円+Option 6万円
車両サイズ 全長3,395mm X 全幅1,475mm X 全高1,620mm
車両重量 820kg
乗車定員 4名
エンジン KF型水冷直列3気筒インタークーラーターボ
トランスミッション トルクコンバーター+ロックアップ機構付きCVT
JC08モード燃費 25.20km/L
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