トヨタ C-HR 分解調査:1.2Lダウンサイズターボエンジン

電動化が進む中、内燃機関車(ICE)用に開発された高効率、低燃費エンジン

2018/10/24

要約

  競争の激化するコンパクトSUVカテゴリーへトヨタが満を持して投入したC-HRはスタイリッシュなデザインとTNGAにより、高い操縦安定性、クラストップレベルの燃費性能などを実現し、欧州を中心に販売台数を増やしている。日本市場向けに投入されたC-HRには、既発売のオーリス用新開発エンジン(型式8NR-FTS:欧州ハイオクガソリン適合)をそのまま使った1.2Lダウンサイズターボエンジンを採用している。ただし、使用ガソリンはレギュラーガソリンである。

  このエンジンはトヨタの高効率、低燃費エンジンを代表する量産エンジンとして従来型比10%以上の燃費向上と最大熱効率で世界トップを目指している。


  本レポートではC-HR日本仕様エンジンの分解調査とトヨタの広報資料(第二回高効率エンジン群説明会)をもとに、HEV、PHEV、そしてEVへと電動化が進む中、ガソリンエンジン技術の進む方向を解説する。

  今回のトヨタ C-HR車両分解調査は、2018年にひろしま産業振興機構のベンチマーク活動として実施された。マークラインズはひろしま産業振興機構と出版権設定に関する契約を締結し、ベンチマーキングレポートの販売を行っている。

トヨタC-HR エンジンルーム 1.2Lターボエンジン8NR-STF
トヨタC-HR エンジンルーム 1.2Lターボエンジン 8NR-FTS

関連レポート:
トヨタ C-HR 分解調査:ADAS (先進運転支援システム) (2018年3月)

 

 



過去の分解レポート
トヨタ 4代目プリウス
(上)燃費40km/Lのために高効率化と軽量化されたパワートレーンユニットの進化(2016年2月)
(中)TNGA/シャシー・空力性能技術の進化(2016年3月)
(下)新プラットフォームTNGAの車体構造と遮音吸音材・制振材の技術(2016年3月)
132部品の写真集:TNGAのコンポーネント/部品の詳細写真と主要部品サプライヤー一覧(2016年4月)
BMW i3
 バッテリーシステム (2017年4月)
 CFRP 製ライフモジュール車体構造 (2017年4月)
 アルミニウム製シャシーフレーム (2017年10月)
トヨタクラウン
(Ⅰ)直噴V6 2.5Lエンジン「4GR-FSEエンジン」(2016年5月)
(Ⅱ)レクサス車と共通のFR高級車用シャシー技術(2016年5月)
(Ⅲ)車体構造と遮音吸音材 (2016年8月)
(Ⅳ)トヨタクラウン車両分解調査:写真集 (2016年9月)
ダイハツムーブ (2015年2/3月掲載)
(上) サプライヤーリストとシャシー/シート/電装関係部品
(中) 軽量化・小型化を追求したターボエンジンと3軸ギヤトレーンのCVT
(下) 直線的骨格で合理性を追求した車体構造
日産セレナ
自動運転技術プロパイロット(2017年2月)
VWパサート
1.4Lガソリンターボエンジン(2016年10月)


基本エンジン技術

トップクラスの熱効率を実現 8NR-STFエンジンと性能曲線
トップクラスの熱効率を実現 8NR-FTSエンジンと性能曲線

出所:トヨタ広報資料


  8NR-FTSはダウンサイズターボエンジンで、1.2Lエンジンを過給し、1.8L並みの出力を得ている。TNGA(Toyota New Global Architecture)の展開に合わせ、下記を含むトヨタのエンジン標準技術を採用し、最高出力を10%以上向上している。同時に、VVT-iW(Variable Valve Timing-intelligent Wide 可変角を拡大した連続可変バルブタイミング機構)の採用でミラーサイクル(アトキンソンサイクル)を実現。過給エンジンのポンプ損失を低減し、燃費を向上している。

  • 高タンブルポート+ターボチャージャー
  • タンブル維持に最適な燃焼室設計
  • 高圧燃料インジェクター
  • シリンダーヘッド一体型排気マニホールド
  • 水冷インタークーラー
  • ブロックのウォータージャケットスペーサー
  • ピストン冷却オイルジェット  など

過給技術に高タンブルを追加し高熱効率を実現 ノッキング改善技術により最高出力を向上 ミラーサイクルを実現して過給エンジンの燃費を向上
過給技術に高タンブルを追加し高熱効率を実現 ノッキング改善技術により最高出力を向上 ミラーサイクル(アトキンソンサイクル)を実現して過給エンジンの燃費を向上

出所:トヨタ広報資料(第二回高効率エンジン群説明会)


  8NR-FTSエンジンはCVTとの組み合わせで横置きに搭載されている。動力はトランスアクスルにより90°向きを変えられ、プロペラシャフトとの連結により後輪へ伝達される。エンジンの左側(車両前方)に吸気が、エンジンの右側(車両後方)に排気が配置されている。ターボチャージャーで圧縮され高温になった吸気はエンジン上に搭載された水冷インタークーラーで冷却され、スロットルチャンバーから吸気マニホールドへと導かれる。

C-HRエンジンルーム エンジンフロントビュー
C-HRエンジンルーム エンジンフロントビュー


  8NR-FTSエンジンは、2Lの8AR-FTSと共にトヨタの高効率、低燃費エンジン群を構成するエンジンであり、以下の特質がある。

(1) 直列4気筒としては1気筒の排気量が300ccと小さく、冷却損失や摩擦損失が大きい。他社では1.5L以下は直列3気筒が常識になっている。

(2) クランクシャフトをフルカウンター(8CW)にしている。そのため、クランク重量が重く、捩れ振動も大きくなるため、ダンパープーリも大きな構造となっている。

(3) 先に発売したハイオク仕様のオーリス120T用エンジンと同じハードウェア(圧縮比10)を用いながらレギュラーガソリン仕様としている。

 

 



エンジン本体構造

  シリンダーブロックはアルミ合金のプレッシャーダイキャスト製法による。トップデッキはオープンデッキで、生産性の高い構造となっている。シリンダーライナーは一般的な鋳鉄ライナーの鋳包み構造となっている。気筒間寸法は全長を短縮するため7mmまで縮小し、サイアミーズ構造としている。これに対応して、ボア間の冷却を確保するために、トップデッキにはドリル加工による水通路を各気筒間に2本設けてある。

  クランクシャフトの中心線はシリンダー列の中心線に対して排気側にオフセットしたオフセットクランクを採用し、膨張行程時のピストンスカートにかかる側圧を減少させ、フリクション低下を図っている。ピストンスカート部の樹脂コーティングもフリクション低減に一役買っている。ロアーデッキ部には高負荷時に、ピストンリングのリング溝への膠着を防ぐためにピストンオイルジェットでピストンの裏側からオイルを噴きかけて冷却している。このオイルジェットはピストン冠面も冷却するのでノッキング防止にも役立っている。

  シリンダーブロックのスカート構造はディープスカート方式として、アッパーオイルパンとともに箱剛性を確保している。オイル落とし通路を油面付近まで下げることで、クランクシャフトのオイル叩きによるフリクション増加を抑えている。メインベアリングキャップは鋳鉄製。

  シリンダーブロックの吸気側リアサイドにはブローバイガスのオイルセパレータ室が設けられている。


  アッパーオイルパンはアルミ合金ダイキャスト製法である。ブラケットを介して油面警告センサーが取り付けられており、油面の監視を行っている。トランスミッションとの結合面はシリンダーブロックと合わせてタイトに結合して剛性を上げ、共振点をエンジン回転速度の実用域外へ追い出している。アッパーオイルパンの下面には蓋の役割を持つ板金製のオイルパンが液状ガスケットで取り付けられている。

シリンダーブロック(トップデッキ側) シリンダーブロック(クランクケース側) アッパーオイルパン
シリンダーブロック(トップデッキ側) シリンダーブロック(クランクケース側) アッパーオイルパン


  シリンダーヘッドはアルミ合金の低圧鋳造製法による。排気マニホールドはシリンダーヘッドに内蔵されている。これは始動時の暖機促進と高回転高負荷時の排気温冷却を促進させるのが目的である。このためシリンダーヘッドから出た排気は直接タービンハウジングに導入される。

  燃焼室は4バルブペントルーフ型で、中央にM12サイズの小型点火プラグを、吸気バルブ間には斜め下向に高圧燃料インジェクターを配置している。バルブメカニズムは外支点型スイングアーム方式で支点は油圧式で常に隙間がゼロになるように調整している。スイングアームはローラーが設けられ、低速時の摺動抵抗を減らしている。カムシャフトホルダーは別体として、生産性を向上している。

シリンダーヘッド上面 シリンダーヘッド燃焼室面 水冷排気マニホールド
シリンダーヘッド上面 シリンダーヘッド燃焼室面 水冷排気マニホールド
出所:トヨタ広報資料(第二回高効率エンジン群説明会)


  カムシャフトホルダーはアルミダイキャスト製で、吸排気カムシャフトを配置した後でアルミダイキャスト製のベアリングキャップをボルト締めしている。カムシャフトの支持は気筒間とし、吸気側は5カ所、排気側はシリンダーヘッド後端に取り付けられた機械式高圧燃料ポンプを駆動するカムが#5ベアリングの外側にオーバーハングしているため、1カ所増やして6カ所にしている。


  点火プラグは燃焼室頂部とカムカバー上面をつなぐスチールパイプ内に取り付ける。


  シリンダーヘッドガスケットは薄板多層のステンレススチール製。ガスケットがへたることによるヘッドボルトのゆるみを小さくするのが目的である。ボア回りや油圧通路にはガスケットの穴部にグロメットを入れ、ヘッドボルトを2度締めして必要面圧を確保している。

燃料インジェクター位置と噴霧形状 カムシャフトホルダー シリンダーヘッドガスケット
燃料インジェクター位置と噴霧形状
出所:トヨタ広報資料(第二回高効率エンジン群説明会)
カムシャフトホルダー シリンダーヘッドガスケット


  フロントカバーは一体成形のアルミ合金ダイキャスト製である。シリンダーブロック、シリンダーヘッド前面で、カムチェーン室を形成している。また、フロントカバーの吸気側にウォーターポンプを、クランクシャフト軸周りにはオイルポンプを内蔵している。

  ラジエーターからくる冷却水はシリンダーブロック前方下側からエンジンに入る。冷却水はフロントカバーに内蔵されたウォーターポンプのベーンで加圧され、シリンダーブロックのウォータージャケットを通り、エンジン本体の各部を冷却する。

  オイルパンよりオイルストレーナ―を通して吸い出されたオイルは、オイルポンプで加圧されてフロントカバー右下に取りつくオイルフィルターで異物を除去しエンジン各部に送られる。


  カムカバーはアルミダイキャスト製で、ブローバイガスのオイル分離機構を内蔵している。カムシャフトホルダーへの取り付けはゴム製ガスケットによるフローティング構造になっており、バルブメカニズムからの放射音を抑制している。

フロントカバー カムカバー
フロントカバー カムカバー


主運動系

  ピストンは軽量化を狙ったモノメタルアルミ合金鋳造で、アート金属工業製である。ピストンリングはトップ、セカンド、オイルリングからなる3本リングで、スチール製である。ピストンピンは静粛性を狙ったフルフロート式である。冠面形状はタンブル維持燃焼室と称され、吸気ポートで作り出すタンブル流(縦スワール)がピストンの冠面付近まで下りて来ても消滅しないように、冠面中央部に突起を設けている。

  コンロッドはスチール鍛造製で小端部にはベアリングを圧入したフルフロートタイプである。ロッド部は一般的なI断面で、大端部はカチ割構造でコンロッドキャップ側からのボルト締めとしている。オイルジェットは付けていない。

ピストン&コンロッド ピストン冠面
ピストン&コンロッド ピストン冠面


  クランクシャフトはスチール鍛造製で、フルカウンター(8CW)となっている。フロントシャフトにはキー溝があり、クランクダンパープーリの駆動用として使われている。

クランクシャフト ドライブプレート
クランクシャフト ドライブプレート


  ダンパープーリは鋳鉄製で、捩れ振動のピークを2分割し振動ピークの山を下げている。また、サーペンタイン補機駆動用ベルトにより、クランクシャフトからウォーターポンプ、オルタネーター、エアコンコンプレッサーを一本のベルトで駆動する。ベルト掛け方は、クランクプーリからベルトテンショナーを背面で回し、オルタネーターを回した後、背面でウォーターポンププーリを回し、エアコンコンプレッサーを回してクランクに戻る。

  クランクシャフト後端とCVTを連結しているドライブプレートは、鋳鉄製のリングギアと板金製の円形プレートを6カ所溶接し結合している。なお、ドライブプレートはクランクシャフト後端フランジ部に8本の高強度ボルトで取り付けられている。

 



動弁、動弁駆動系

  1気筒あたり吸排気2本ずつバルブを有し、吸気用と排気用のカムシャフトで駆動するDOHC4バルブ方式である。2本のカムシャフトはクランクシャフトからシングルチェーンで駆動される。吸排気のカムスプロケット内には油圧式の可変バルブタイミング機構が内蔵される。吸気の可変角80degで、最遅角ABDC(下死点後)99degまでバルブを閉じるタイミングを遅らせ、実圧縮比を下げている。また、排気は掃気効果を活用し、ノッキング防止と内部EGRにも使用している。

カムシャフトとVVT機構 油圧リフターとスイングアーム
カムシャフトとVVT機構 油圧リフターとスイングアーム


  カムシャフトは鋳鉄製でカムノーズ部はチル硬化処理がなされている。吸排気ともカムホルダーにサブアッセンブリされた後、動弁部品が組み付けられているシリンダーヘッドにのせられる。油圧アジャスターを採用しているのでバルブクリアランス調整は不要である。

  吸排気バルブの駆動は油圧アジャスターを外支点として、スイングアーム式のロッカーアームによりカムリフトの約1.5倍のバルブリフトを得ている。スイングアームは接触点にローラーを取り付けてあり、アーム本体は板金製である。

 



吸排気系

  吸排気系の取り回しは、まず外気導入ダクトから取り入れられた吸気は車両左前方(エンジンリア側)のトランスミッション上に搭載されたエアクリーナーに入り、エアクリーナーから車両リア側(エンジンの右側)に配置されたターボチャージャーのコンプレッサー入口へと導かれる。コンプレッサーで圧縮を受けた吸気はコンプレッサー出口からエンジン上に搭載された水冷オイルクーラーのタンクまで樹脂製のパイプで連結されている。吸気はインタークーラーコアで冷却され、出口タンクに設けられているフランジに取り付けられた電子制御スロットルで吸入空気量を調整されて、吸気マニホールドから各気筒の吸気ポートに入る。

  吸気マニホールドは樹脂製で、2分割成形された部材を貼り合わせている。シリンダーヘッドへの取り付け部は金属製のハトメを鋳込んで樹脂のクリープによる締め付け力低下を防いでいる。吸気の入口には電子制御のスロットルチャンバーが取り付けられる。

  スロットルチャンバーは1バレル式で、アクセルペダルの踏み込みに応じてスロットルを開閉する。アクセルペダルの踏み込み量とスロットル開度は走行条件に応じてECUで変化させている。スロットルバルブの開閉はスロットルバルブ脇に配置されている比例ソレノイドバルブによる。

樹脂製吸気マニホールド 電子制御スロットルチャンバー
樹脂製吸気マニホールド 電子制御スロットルチャンバー


  ターボチャージャーの鋳鉄製センターハウジングは水冷式で、シャフトがコーキングを起こさないように留意している。シリンダーヘッド内で1本にまとめられた排気はターボチャージャーのタービンハウジングに導入され、排気タービンを加速し、同軸上の吸気コンプレッサーで吸入空気を加圧する。

  タービンハウジングの出口にはマニホールド直付3元触媒が搭載されている。排気の酸素濃度を測るために3元触媒入口にはO2センサーが配置されている。排気タービンハウジングに設けられた排気バイパス用のスイングバルブは、ダイアフラムで作動するスイングバルブアクチュエータ―で開閉される。その開閉制御は、ダイアフラムに加える正圧を電子制御することにより行っている。

  なお、ターボチャージャーアッセンブリはIHI製である。

ターボチャージャー(吸気側) ターボチャージャー(排気側)
ターボチャージャー(吸気側) ターボチャージャー(排気側)


・水冷インタークーラー

  インタークーラーは、冷却能力から空冷が使われることが多かった。空冷は過給によって100deg以上に上昇した吸気温度を40deg程度まで冷却できたが、水冷では90deg弱程度までしか冷やせなかったためである。しかし、空冷インタークーラーコアは車体上に搭載することが多く、吸気の取り回しが長くなり、レスポンスとともに配管の取り回しに難があった。最新の水冷インタークーラーでは、エンジン冷却と独立した別のラジエーターを使うことで、空冷に劣らぬ冷却効果が得られる。同時に、エンジン上に搭載することで配管も最小の長さにとどめることができる。


・水冷インタークーラーコア

  コア、タンクともアルミ合金製で、コアとタンクは生産性の高いカシメ方式で組み立てられている。コアの大きさは約160mm×120mm×35mmである。ラジエーター側はエンジン用ラジエーターの前方に配置され電動モーターで冷却水を循環している。


・エアクリーナー

  エアクリーナーケースは樹脂製で蓋の中にエアクリーナーエレメントが収められている。エアクリーナーの出口には樹脂ケースに入ったマスフローエアフローメーターが取り付けられており、エンジンの入る空気質量を計測している。

水冷インタークーラーコア 水冷インタークーラー用ラジエーター エアクリーナー
水冷インタークーラーコア 水冷インタークーラー用ラジエーター エアクリーナー


燃料系部品

  燃料はタンクに内蔵された燃料ポンプによりエンジンルームまで運ばれる。エンジンルームでストレーナーを通して不純物がろ過され、シリンダーヘッド前方に取り付けられた高圧燃料ポンプで加圧され、燃料ギャラリーを介し燃料インジェクターから直接筒内に噴射される。余った燃料はリターンチューブで車両の燃料タンクに戻される。


  燃料ギャラリーはアルミ鋳造製で燃圧計が取り付けられている。燃料インジェクターはステンレス製で多孔の先端噴きタイプである。燃料ギャラリーとはOリングシールされ、シリンダーヘッドに固定されている。

高圧燃料ポンプ 燃料ギャラリー 燃料インジェクター
高圧燃料ポンプ* 燃料ギャラリー 燃料インジェクター

*高圧燃料ポンプの画像を修正(2019年3月6日時点)



電装品

  スターターモーターはアイドルストップに対応し、エンジン回転中でも始動可能として待ち時間を短縮している。また、オルタネーターは低回転でも充電性能を確保した、低速充電タイプである。

  ECUはエンジンを集中制御するための制御ユニットであり、エンジンのクランク角度と吸入空気量を検出して、そのときの運転条件に応じて最適な点火時期、混合比を演算(制御マップから読み出して)して燃料を供給し、点火指令を行う。

  ECUはエンジンルームに搭載しているため、耐熱、耐寒、防水、防塵仕様となっている。素子の発熱によるECU内部温度上昇を防ぐため、ケースはアルミ合金製で放熱フィンを設けている。

スターターモーター オルタネーター ECU
スターターモーター オルタネーター ECU


  点火プラグは通常の自動車用よりもネジサイズを小さくして、シリンダーヘッドの点火プラグ周りの冷却水通路を広げ、高負荷時のノッキングの発生を防いでいる。

  点火システムは低圧電子配電方式を採用しており、各気筒の点火プラグ上に超小型イグニッションコイルを配置している。各気筒への点火は、ECUが点火指令を出し、パワートランジスターがイグニッションコイルに通電することで行われる。

イグニッションコイル
イグニッションコイル / パワートランジスター(右部分)


排気系

  マニホールド触媒以降は振動吸収用のフレキシブルチューブを経て、床下3元触媒に入り、マニホールド触媒で浄化しきれなかった排気を酸化、還元する。その後、プリマフラーからメインマフラーを経てテールパイプより排出される。なお、フレキシブルチューブに取り付けられたO2センサーで混合比フィードバック制御を行い、常に理論混合比になるように制御している。

フレキシブルチューブ 床下触媒 プリマフラーとメインマフラー
フレキシブルチューブ 床下触媒 プリマフラーとメインマフラー

 


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キーワード:
分解、トヨタ、C-HR、エンジン、ターボチャージャー、TNGA

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