Aptiv PLC (旧 Delphi Automotive PLC)
会社概要
業容
-自動車テクノロジーおよびモビリティ大手。電気・電子にかかわる製品の設計および製造、安全にかかわるソリューションの提供をハードウェア、ソフトウェアの両面で行っている。
-以下2部門で構成。
部門 | 主な取扱分野・製品 | 競合企業 |
シグナル&パワーソリューションズ (Signal and Power Solutions) |
-コネクター |
-Amphenol Corporation -Draexlmaier -Lear -Leoni -Molex -住友電工 -TE Connectivity -矢崎総業 |
先進安全&ユーザーエクスペリエンス (Advanced Safety and User Experience) |
-センシング&認知システム |
-Bosch |
-2022年1月、AptivはWind River Systems, Inc. (Wind River) を買収する正式契約を締結した。買収は業界全体のコネクテッドインテリジェントシステムの可能性を最大限に活用するほか、ソフトウェア定義モビリティ(software-defined mobility)の能力強化及び高度スマートビークルアーキテクチャの改良などを目的とするもの。Wind Riverはインテリジェントエッジ向けソフトウェアのリーディングカンパニー。Aptivは2021年、Wind Riverと複数の車載アプリケーション向けソフトウェアツールチェーンを開発するため戦略的協業契約を締結していた。
-2020年3月、Aptivは自動運転分野での地位向上を目指し現代自動車グループと合弁会社Motional, Inc. (Motional) を設立した。Motionalは、自動運転技術の設計、開発、商業化を行う企業。2020年に完全無人運転システムのテストを開始し、今後はロボットタクシー事業者、食品配送事業者、フリートオペレーター及び自動車メーカーがテストできる量産型自動運転プラットフォームの開発を2022年に、2023年にはその量産体制を見込む。さらにモビリティプロバイダーや、ボストン、ラスベガス、ロサンゼルス、シンガポールなどのスマートシティと協力関係を結び、モビリティ産業の進化に対応したソリューションの開発に注力している。
資本構成
-ニューヨーク証券取引所に上場。
主要製品
先進安全 (Advanced Safety)
-次世代ADASプラットフォーム (Next-Generation ADAS platform)
-センサーフュージョンソフトウェア (Sensor fusion software)
-ソフトウェアベース周囲環境モデル (Software-based environmental model)
-次世代前方レーダー (Next-generation forward-facing radars)
-コーナーレーダー (Corner radars)
-サイドレーダー (Side radars)
-アクティブセーフティドメインコントローラー (Active safety domain controller)
-サテライトアーキテクチャー (Satellite Architecture)
-前方レーダー (Forward facing radar)
-短距離レーダー (Short range radar)
-車載カメラ (On-board camera)
-ドライバーモニターシステム (Driver monitoring system)
-アクティブセーフティドメインコントローラー (Active safety domain controller)
コネクテッドサービス (Connected Services)
-Aptiv Connect E2Eビークルデータプラットフォーム (Aptiv Connect end-to-end vehicle data platform)
-車両データレコーダー (Vehicle data recorders (VDRs))
-Connect Edgeリアルタイム分析実行ソフトウェア (Connect Edge software performing real-time analytics)
コネクションシステム (Connection Systems)
-コネクター (Connectors)
-ターミナル (Terminals)
-シール (Seals)
-高電圧コネクター (High-voltage connectors)
-チャージャー (Chargers)
-インレット (Inlets)
-車載イーサネットコネクションシステム (Automotive ethernet connection systems (AMEC))
-高速FAKRAコネクター (High Speed FAKRA (HSF) connectors)
-SRSコネクター (Safety Restraint Systems)
-USBメディアモジュール (USB media modules)
-ワイヤレス充電システム (Wireless charging systems)
-パワーコネクション&アイソレーションデバイス (Power Connection & Isolation (PCI) device)
-高電圧配電装置 (High-voltage electrical centers)
-低電圧配電装置 (Low-voltage electrical centers)
コネクティビティ&セキュリティ (Connectivity & Security)
-キーレスエントリー&リモートアクセス (Keyless entry & remote access)
-超音波車室センサー (Ultrasonic interior sensing)
-EV用サウンドジェネレーター (Electric vehicle sound generators)
-ボディコントロールモジュール (Body control modules)
-HVACコントロール (HVAC control)
-4G/5G セルラーコミュニケーション(CDMA/GSM) (4G/5G cellular communication (CDMA/GSM))
-エッジコンピューティング&車両診断機器 (Edge compute and on-board diagnostics)
-ドメインコントローラー (Domain controllers (body & security, propulsion/chassis))
-ゾーンコントローラー (Zone controllers (power management and smart fusing, data input/output))
-セキュアコネクテッドゲートウェイ (Secure connected gateways (vehicle network management, broadcast, cellular, GPS, V2X))
-統合OS及びハイパーバイザー (Integrated OS and hypervisors)
-ミドルウェア (Middleware)
-デジタルツイン及びクラウドサービス (Digital twin and cloud services)
-脅威検出および軽減システム (Threat detection and mitigation systems)
配電システム (Electrical Distribution Systems)
-高電圧ケーブル (High-voltage cabling)
-高電圧コネクター (High-voltage connectors)
-バッテリーコネクター (Internal battery connections)
-充電ケーブルセット&インレット (Charging cable sets and inlets)
-パワーディストリビューションボックス&バッテリーディスコネクトユニット (Power distribution boxes and battery disconnect units)
HellermannTyton製品 (HellermannTyton products)
-結束バンド (Cable ties and fixings)
-熱収縮チューブ (Insulation)
-ケーブル保護システム (Cable protection systems)
-接続部品 (Electrical installation)
-表示用ラベル (Identification systems)
-結束工具 (Application tooling)
ミドルウェア&DevOps (Middleware & DevOps)
-ソフトウェアアプリケーション用ミドルウェアレイヤー (Middleware layer to decouple software applications)
スマートビークルアーキテクチャー (Smart Vehicle Architecture)
-ゾーンコントローラー (Zone controllers)
-セントラルコントローラー (Central vehicle controllers)
-先進ソフトウェア開発 (Advanced software development)
ユーザーエクスペリエンス (User Experience)
-ナビゲーションヘッドユニット (Navigation head unit)
-プロジェクションヘッドユニット (Projection head unit)
-統合コックピットコントローラー (Integrated cockpit controller)
-オープンサーバープラットフォーム (Open server platform)
-ドライバー監視システム (Driver sensing)
-車室内監視システム (Cabin sensing)
-IVIソフトウェアスタック (IVI software stack)
-車室内監視ソフトウェアスイート (Interior sensing software suite)
-サウンドスイート (Sound suite)
車両電動化システム (Vehicle Electrification Systems)
-充電スタンドチャージャー (EVSE chargers)
-丸型ワイヤー (Round wires)
-バスバー (Busbars)
-モジュールバスバーコネクター (Module busbar connectors)
-HVワイヤー(シールド/アンシールド) (HV wire (shielded/unshielded))
-パワーディストリビューションボックス&バッテリーディスコネクトユニット (Power distribution boxes and battery disconnect units)
-ウェザータイトシール (Weather tight seal)
-Direct Mate 2ウェイコネクター (Direct mate connectors)
Wind River
-インテリジェントエッジシステム向けWind River Studio クラウドネイティブプラットフォーム (Wind River Studio cloud-native platform for intelligent edge systems)
-VxWorksリアルタイムOS (VxWorks real-time operating system)
-Wind River Linux埋め込みLinux OS (Wind River Linux embedded Linux operating system)
-Wind River Helix 仮想化プラットフォームマルチOSハイパーバイザー (Wind River Helix Virtualization Platform multi-OS hypervisor)
沿革
1991年 | GMの部品部門、"Automotive Components Group"として設立。 |
1995年 | Delphi Automotive Systemsに組織名を変更。 |
1997年 | Delco Electronics (GM) をDelphiに移管。 |
1998年 | GMの100%子会社として、米国デラウェア州で設立。 |
1999年01月 | GMの部門・子会社整理により、Delphiの事業部門をGMから分離独立。 |
1999年05月 | GMから完全に分離独立。 |
2002年03月 | 社名をDelphi Automotive Systems CorporationからDelphi Corporationに変更。 |
2003年11月 | ドイツのGrundig Car InterMedia System GmbHを約39百万ドルで買収。同社は、自動車用オーディオシステム、テレマティクス機器、その他の自動車用エンターテイメントシステム等を供給。 |
2004年11月 | 古河電気工業と、北米にワイヤーハーネスの設計と生産、販売を行う合弁会社を設立すると発表。 |
2005年07月 | アメリカの2工場を除くバッテリー製品ラインをJohnson Controlsに202.5百万ドルで売却。 |
2005年07月 | 保有する曙ブレーキ工業の全株式を売却したことが明らかになった。 |
2005年10月 | 米国連邦破産法第11章 (Chapter11) による会社更生手続きの申請を破産裁判所に行った。 |
2006年03月 | 欧州のブレーキメーカー、ローランド・ブレーキシステムズとインドにブレーキ用摩擦材の合弁会社を設立したと発表。 |
2006年第2四半期 | 中国上海のShanghai Delphi Automotive Air Conditioning Co. ("SDAAC") に約14百万米ドルを追加投資、SDAACの株主所有権を34%から50%に増加させた。 |
2006年04月 | 中国・上海に「中国テクニカルセンター (CTC)」を開設した。 |
2006年08月 | 芦森工業とのシートベルトの合弁事業を解消すると発表。 |
2007年10月 | 北京汽車工業と中国にシートベルト生産の合弁会社を設立。 |
2008年01月 | ニューヨーク南地区の破産裁判所が共同再建計画の1次修正案を承認。 |
2008年10月 | 再建計画の1次修正案に対する再修正案を提出。 |
2009年03月 | GMは同社への支援額を、当初予定の300百万米ドルから450百万米ドルに引き上げることで合意。 |
2009年10月 | 連邦破産法第11章 (チャプターイレブン) から脱却、事業再編計画が事実上完了した旨を発表。 |
2010年 | Autolivに乗員パッシブセーフティ事業 (韓国・中国)、パイロテクニック・セーフティスイッチ事業 (欧州)、北京徳爾福汽車安全産品有限公司の株式51%を売却。 |
2011年11月 | 親会社Delphi Automotive PLCがニューヨーク証券取引所 (NYSE) に上場。 |
2012年10月 | FCIグループより自動車部門MVLを買収。 |
2014年09月 | 北米最大手の自動車ガラス用コネクターメーカーAntaya Technologiesを買収。 |
2014年09月 | メディアコネクティビティ製品を生産するUnwired Technologyを買収。 |
2015年04月 | 電気・電子アーキテクチャー部門の一部であったアルゼンチンのエレクトリカルワイヤー事業から撤退。 |
2015年06月 | サーマルシステム事業をMahleに約660百万米ドルで売却完了。 |
2015年07月 | 自動運転システムソフトウェア開発会社Ottomatika, Inc.を32百万米ドルで買収。 |
2015年07月 | 電子・安全部門の受信システム事業 (自動車用アンテナや車載テレビチューナーなど) を中国の東北工業集団 [Northeast Industries Group] へ25百万ドルで売却。 |
2015年09月 | サーマルシステム事業の一部であった、Korea Delphi Automotive System Corporationの残り株式を70百万米ドルで売却。 |
2015年11月 | テレマティクスおよびクラウドホストデータ分析ソリューション会社であるControl-Tec, LLCを124百万米ドルで買収。 |
2015年12月 | ケーブルマネジメント製品メーカーHellermannTyton Groupを10.7億ポンドで買収。 |
2016年03月 | 上海徳爾福汽車空調系統有限公司 [Shanghai Delphi Automotive Air Conditioning Systems Co., Ltd.] の保有株式50%を合弁先の上海航天汽車機電股份有限公司 [Shanghai Aerospace Automobile Electromechanical Co., Ltd.] に売却。 |
2016年03月 | 3Dディスプレイ技術の大手プロバイダー、PureDepth, Inc.の全株式を約15百万ドルで買収。 |
2016年12月 | 電子・安全部門の一部であったメカトロニクス事業の売却を完了。 |
2017年01月 | OTAソフトウェアおよびデータ管理サービスを自動車産業向けに提供する大手プロバイダー、Movimentoを買収。 |
2017年11月 | 自動運転ソフトウエアーの開発者のnuTonomy,Incを買収。 |
2017年12月 | Delphi Technologiesをスピンオフし、パワートレイン技術の開発に専念。 |
2018年06月 | 自動車向けコネクター専門メーカーKUMの株式100%を526百万ドルで買収。 |
2018年10月 | 光ファイバー・ケーブル等の大手プロバイダーWinchester Interconnectの100%株式を682百万ドルで買収 |
2019年04月 | 中国に「China Autonomous Mobility Center」を設立。 |
2020年03月 | 現代との自動運転技術合弁会社「Motional」を設立。 |
2022年12月 | 595百万ユーロで高電圧配電・相互接続技術を手掛けるIntercable Automotive Solutionsの株式85%を取得。 TPG Capitalから組み込みシステム及びクラウドソフトウェアを提供するWind Riverを買収。 |
2023年12月 | 中国法人であるAptiv中国を同社の事業部門として独立。 |
補足 1
>>>2006年12月期の動向
>>>2007年12月期の動向
>>>2008年12月期の動向
>>>2009年12月期の動向
>>>2010年12月期の動向
>>>2011年12月期の動向
>>>2012年12月期の動向
>>>2013年12月期の動向
>>>2014年12月期の動向
>>>2015年12月期の動向
>>>2016年12月期の動向
>>>2017年12月期の動向
>>>2018年12月期の動向
>>>2019年12月期の動向
>>>2020年12月期の動向
>>>2021年12月期の動向
>>>2022年12月期の動向
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(注) 本文中のカッコ内の数字は、減少幅や損失を指すマイナスを示しています。