Delphi Automotive PLC 2013年12月期の動向

ハイライト

業績

 (単位:百万ドル)
  2013年
12月期
2012年
12月期
増減率 (%) 要因
全社
売上高 16,463 15,519 6.1 1)
営業利益 1,684 1,476 14.1 -

要因
1) 売上高
-2013年12月期の売上高は、前年比6.1%の増加。2012年10月のMVL買収と北米およびアジア太平洋地域での売上増が寄与。

受注

-同社は、先進運転支援システム「RACam」が、2014年末にVolvoのSPAプラットフォームに搭載されると発表。このシステムは、レーダーセンサー、ビジョンセンサー、データ融合などの機能を単一モジュール化することで、さまざまなアクティブセーフティ機能を可能にする。(2013年8月27日付プレスリリースより)

受賞

-2013年、大型トラック向けディーゼルエンジン用コモンレールシステムで「Automotive News PACE Award」を受賞。

-同社は、Volkswagen Groupより同社のディーゼルエンジン用コモンレールシステムに対し「Global Champion」賞を受賞。今回の受賞は特に欧州排ガス基準「Euro 5」に対応するVolkswagenの1.2L 3気筒ディーゼルエンジンに提供したコモンレールシステムの功績によるもの。(2013年7月3日付プレスリリースより)

開発動向

研究開発費

 (単位:億ドル)
2013年12月期 2012年12月期 2011年12月期
合計 13 12 12

-同社は2014年12月期の研究開発費に17億ドルを投じると予想している。

研究開発体制
-2013年12月31日現在、全世界に19,000名を超える科学者、エンジニア、技術者が研究開発に従事している。

-全世界に15の研究拠点を保有。

  • 北米:5拠点
  • 欧州、中東およびアフリカ:5拠点
  • アジア太平洋:4拠点
  • 南米:1拠点

研究開発活動

-同社は、ルクセンブルクにディーゼル噴射・燃焼技術の実験施設を開設。研究者・技術者40名が勤務するこの施設では、ディーゼルおよびガソリン技術の研究を1カ所で行うことができる。Delphiのカスタマーテクノロジーセンター (CTC) 内に位置し、これにより同社の研究とエンジニアリング部門との連携が可能になる。なお、このCTCは同社の欧州・中東・アフリカの地域本社とパワートレインシステムの事業本社も兼ねている。(2013年10月9日付プレスリリースより)

製品開発

<ハイブリッド車および電気自動車用製品>
DC/DCコンバーター
-同社は、12Vのマイクロハイブリッドおよび48Vのマイルドハイブリッド向けに、DC/DCコンバーターの新製品を開発したと発表。12VのDC/DCコンバーターの出力は最大1.2kW。エンジンの再始動時にも供給電圧を安定させ、車内のディスプレイやインフォテインメントシステムの明るさの低下や急激な電圧の変化を回避する。このコンバーターを搭載した複数の欧州自動車メーカーのモデルが、2013年末までに発売される予定。また、マイルドハイブリッド製品用の48VのDC/DCコンバーターは、フルハイブリッドシステムに比べて低コストで規制対応に貢献する。同社は現在、複数の自動車メーカーと提携してこの製品の開発を行っており、発売は2016年を見込んでいる。(2013年4月12日付プレスリリースより)

<ケーブルおよびワイヤー>
ワイヤーハーネス
-同社は、Ferrariのハイブリッドカー「LaFerrari」向けに、高電圧ワイヤーハーネスを開発したと発表。また、Ferrariと共同でエアコンシステム一式も開発。このエアコンシステムは、電動コンプレッサーのほか新たに開発した熱交換器(冷却器)を使用している。DelphiのHVACシステムにより、「LaFerrari」のハイブリッドシステムは冷却能力が3.5kW向上するという。(2013年3月5日付プレスリリースより)

設備投資

部門別設備投資額

 (単位:百万ドル)

2013年12月期 2012年12月期 2011年12月期
電気・電子アーキテクチャー 293 238 219
パワートレインシステム 224 304 228
電子・安全 64 66 100
サーマルシステム 77 63 70
排除およびその他 24 34 13
合計 682 705 630

地域別設備投資額

 (単位:百万ドル)

2013年12月期 2012年12月期 2011年12月期
北米 199 210 176
欧州/中東/アフリカ 281 308 278
アジア太平洋 174 155 118
南米 28 32 58
合計 682 705 630

海外投資

<中国>
-同社は、中国・北京で新たに建設したガソリンエンジンマネジメントシステム (EMS) 工場がフル稼働に達したと発表。床面積は3万平方メートル超。生産と研究開発機能を統合し、ガソリンEMSの生産能力を倍増した。中国国内の顧客向けに、「China IV」や「China V」をはじめ今後の排出ガス基準に対応するEMS製品を提供する。製品に含まれるのは、イグニッションコイル、センサー、電子スロットルボディ、カーボンキャニスター、ソレノイドバルブ、燃料供給モジュール、燃料レールASSYなど。また、「北京テクニカルセンター」には、部品・パワートレインシステムのほか車両性能および排出ガス用の試験設備を完備し、マルチポート燃料噴射 (MPFI) システムやガソリン直噴 (GDi) システムなどの先進研究開発に取り組む計画。(2013年4月18日付プレスリリースより)