米国の日系部品メーカー:受注拡大に対応し、生産能力拡充、R&D体制強化

デンソー、小糸製作所、曙ブレーキ、FCC、東プレ、ブリヂストン、三菱重工、KYB、ニッパツ、ジーテクト

2013/07/03

要 約

米国の年次生産台数(乗用車/小型トラック) 米国の自動車販売(乗用車、小型トラック)は、2012年には1,449.5万台で前年比12.7%増と3年連続の2ケタ増となった。2013年1~6月の累計販売台数は、前年同期比7.7%増の782.9万台で、通年では1,500万台を超える勢いである(米国市場の概況と予測はこちらのレポートをご覧下さい)。

それに伴い、米国での生産も拡大を続け、2012年は前年比19.8%増の1,003.7万台となった。2013年1-4月累計では、増加率が前 年同期比4.3%増と鈍化しているものの374.9万台で、通年では1,100万台をうかがう水準にある。日本メーカーの米国生産は、2012年は前年比 38.8%増の331.5万台と2011年比約100万台の増加をみた。2013年も堅調に増加し、1-4月の現地生産比率(=米国生産/米国販売)は 71%まで高まった。

中期的には、さらなる市場の拡大を見込み、日本メーカー各社は、北米での積極的な生産能力の増強、新モデルの投入を図っている。


こうした動きに対応して、日系部品メーカーも生産能力増強を進めている。デンソーは、2016年3月期までの4年間に米国、カナダ、メキ シコに約10億ドルの大規模投資を行う計画で、うち米国には7.5億ドルを投資する。小糸製作所は、2013年度に米国向けに前年度比3倍の100億円の 設備投資により生産能力を拡充する。

取引先の増加に伴う生産能力増強も数多くみられる。アドヴィックス(新取引先はクライスラー)、シロキ工業(GM)、FCC(フォード、GM)、豊田合成(GM)、ニッパツ(VW)、大豊工業(GM、ホンダ)など。



主な生産品目の追加 メーカー
・熱間プレス 東プレアイシン高丘
・冷延ハイテン 神戸製鋼所(新合弁会社)
・ターボチャージャー 三菱重工(新会社)
・省ジスプロム磁石 日立金属
・CVT関連商品 FCCユニバンス
・防錆製品 曙ブレーキ
・フロントサブフレーム エフテック

米国での燃費規制強化(軽量化などのための熱間プレス、冷延ハイテン、ターボチャージャー)や、取引先の新製品投入(CVT)に対応した生産品目の追加も多い(右上表)。


取引先の現地調達率引き上げ要請への対応も、サンデン(コンプレッサー部品)、東海ゴム(練りゴム)などで行われている。

事業体制の再編では、曙ブレーキ(生産効率向上のために4工場での生産品目の振り分け)、地域統括会社の新設(ニッパツ、日本電産、古河電工三桜工業)、2つの販売会社の合併(原田工業)、修理サービス現地法人の設立(アルパイン)などがみられる。R&D体制強化の動きも活発である(右 下表)。

R&D機能の強化 デンソー(北米統括会社に大型投資)
ジーテクト(開発+営業の新会社)
・ホンダエレシス(開発機能増強)
河西工業(人員増強)
テクニカル
センター新設
KYB、富士通テン、ミツバ、三光合成
クラリオン(出張所)
ブリヂストン(新天然ゴム資源の研究所)


M&Aでは、三井物産による世界最大手のプレス部品メーカーGestamp Automocion, S.L.の米州事業会社群への資本参加、三菱化学の米Comtrex, LLCの樹脂コンパウンド事業買収などがみられる。

以下は、米国(カナダを含む)における日系部品メーカーの最近動向を各社の発表、各種報道によりまとめた(収録対象は、2013年6月中旬までの約1年間)。


日系部品メーカー動向関連レポート:

中国 (華東地区)編 (2013年6月)、メキシコ・ブラジル編 (2013年5月)、タイ編 (2013年3月)
ASEAN編 (2013 年2月)、欧州編 (2012年12月)、インド編 (2012年11月)、メキシコ・ブラジル編 (2012年9月)



生産拠点の構築・増強:横浜ゴムのトラック・バス用タイヤの新工場、デンソーや小糸製作所による大型設備投資計画

愛三工業:ケンタッキー工場の生産能力増強へ

 愛三工業は2013年度中に、米国のFRANKLIN PRECISION INDUSTRY, INC.(Kentucky州)の工場に約10億円を投じて生産ラインを増設し、生産能力を約1割引き上げる。トヨタや日産向けの供給増に対応するもの。 同工場では、主力のスロットルボディや燃料ポンプモジュール、キャニスターを生産している。

アイシン高丘: 熱間プレス部品の提案強化、インディアナ工場では鋳造能力を増強

 アイシン高丘は、熱間プレス部品の海外での提案を強化する。2013年度中に熱間プレスの試験製造設備を米国、中国、タイに導入し、車体骨格部 品を軽量化する生産技術を日系自動車メーカーのみならず米国のサプライヤーなどに提案する。2015年の量産開始を目指す。また、同社は海外での鋳造部品 の生産能力増強も計画。米国ではIndiana州の工場に年産能力約3万トンの鋳造ラインを追加し、約8万トンに増強して2013年中に稼働させる。投資 額は約20億円。

アサヒフォージ:第2拠点のハブベアリング工場が2012年6月に稼働

 アサヒフォージは、2012年6月に米国での第2拠点Asahi Bluegrass Forge corporation(Kentucky州Richmond市)の開所式とハブベアリング工場の鍛造プレスラインの火入れ式を行った。投資額は2030 万ドル。自動車メーカーの現地調達ニーズに対応したもので、トヨタのカムリ、RAV4、ホンダのシビック向けに納入される。

曙ブレーキ工業:テネシー州の工場に軟窒化表面処理施設を導入

 曙ブレーキ工業の米国法人Akebono Brake Corporationは、ローターの錆に起因する振動(ジャダー)対策として、軟窒化表面処理(FNC)を施したローターの開発を完了し、ブレーキメー カーとして初の量産化を進める。Tennessee州Clarksville工場にFNC施設を導入し、2012年末より米国の顧客へ供給を開始。ロー ターの防錆能力を従来の5倍に向上させ、初期品質と生産効率を上げて、利益率向上を図る。

アドヴィックス:フォードとの取引継続、クライスラーとも直接取引へ

 アドヴィックスは、フォード向け部品供給の継続が決定したのに続いて、中期的にクライスラーと初めて直接取引する話がまとまった。(2013年1月報道)

アーレスティ:アルミダイカスト部品工場の能力増強

 アーレスティは、Ahresty Wilmington Corporation(Ohio州)のアルミダイカスト部品工場の生産能力を2013年6月中旬にも従来比で2割程度増強する。既存の工場建屋を増築 し、鋳造機及び機械加工ラインを増設。ホンダや日産の増産計画に対応するもの。

エイチワン:オハイオ州工場の生産体制再配置

 エイチワンは、北米において部品の仕様の多様化で管理コストが増加しているため、2013年度から設備の再配置を含めた最適生産体制への見直し を図る。特に、Ohio州では車体骨格部品を生産する主力工場のKTH Parts Industries, Inc.(Ohio州)で溶接工程の負荷が高まっているため、プレス主体のサブ工場Kalida Manufacturing, Inc.(Ohio州)に溶接用建屋を新たに建設して生産性を高める。サブ工場には主力工場から一部の溶接工程を移管する。ホンダの2工場の完成車組み立 てに同期化できるよう、機種ごとに最適生産体制へと工程を再配置する。

FCC:ホンダのCVT計画に対応、クラッチ搭載量減少には他社への販売増でカバー

 FCCは、主要取引先のホンダが中型車クラスまでの変速機をCVT化することに対応して、クラッチ工場でのCVT対応を進めている。米国では FCC(Indiana) , LLC.で2013年1月までにCVT専用の1ラインを設置。CVTはATに比べクラッチの搭載量が半減するため、FCCは他社への販売を拡大させてい る。2013年はフォード向けAT用クラッチの生産増や、独の変速機メーカーZFの米国工場向けAT用クラッチの組立ラインを新設し同年後半には初の納入 を開始する。2014年末には、ホンダ向けクラッチの減少分を補える見通し。

エフテック:新技術のフロントサブフレームの2012年から量産開始

 エフテックは、ホンダが2012年9月に北米で発売した新型「アコード」のフロントサブフレームの量産をF&P America Mfg.,Inc.(Ohio州)で開始した。同フロントサブフレームは、鉄とアルミニウム合金という異素材を摩擦攪拌接合する新技術で作られ、ホンダが 開発したもの。

小倉クラッチ:フォードのピックアップトラック用部品を増産へ

 小倉クラッチは、2013年10月からOgura Corporation(Michigan州)でフォードのピックアップトラック用のデフロック関連部品の生産台数を、従来の年産約15万台から55万台 に引き上げる。これまで納入している「F-250」の販売拡大や2車種目として人気モデル「F-150」向けの受注を獲得したため。中国子会社の小倉離合 機(広東省)で鍛造や巻線加工を施し、これらを米国で組み立てる。今後、フォード以外のメーカーにも売り込む計画。

河西工業:トランク周辺部品の新工場設立、世界4地域で内装部品の組立工程自動化

 河西工業は、2013年1月にM-TEK INC. (Alabama)の 2つ目の工場Talladega 工場を開設。以前に他社が使用していた建屋を活用し設備を導入し、同年3月に稼働開始。ホンダ向けにトランク周辺の部品を製造。投資額は10億円程度。ま た、2012年には日産からの発注量の急増を受け、Tennessee州とMississippi州の両工場に成形機を合計4台導入した。同社は、 2013年度に日本、米国、中国、英国の10以上の工場に内装部品のドアトリムの組立、溶着、ビス止めなどをロボットで行う自動化新設備を導入する。人員 を30%削減することによる原価低減と同時に、自動車メーカーの世界同一品質の部品要求に応える。

KYB:市販用ショックアブソーバーの専用ラインを導入

 KYBは、2013年度にショックアブソーバー(以下SA)やCVT用ポンプなどの成長分野に世界レベルで集中的な投資を計画。米国では、市販 用SAの専用ラインを1本導入し、SAの設計機能も持たせる。KYBで市販用SAの世界販売が、2012年度に1600万本、2013年度は1750万本 と見込んでいる。

小糸製作所:中期経営計画で北米の生産体制を拡充

 小糸製作所は2013年5月、中期経営計画(2013年度~2015年度)を発表。北米では、日本と米国メーカー向けの新規受注拡大を図る。 2013年度は米国向け設備投資を前年度比3倍の100億円とし、トヨタ向けなどに照明機器を増産する。米子会社North American Lighting, Inc. (NAL)は、2014年1月にAlabama工場を、2014年3月にIllinois州Paris工場をそれぞれ拡張し、両工場の生産能力を前年度比 3割引き上げる。リーマン・ショック後で最大の米国投資となる。この他、NALメキシコは2014年7月に稼働開始する。

神戸製鋼所など:既存合弁会社の生産倍増、新合弁会社のハイテン拠点が稼働

 神戸製鋼所、三井物産、豊田通商は2013年1月、合弁会社Kobe Aluminum Automotive Products, LLC(Kentucky州)のアルミ鍛造サスペンションアームの生産能力の増強を発表。2014年春をめどに鋳造ラインと鍛造プレスラインを拡充して、 生産能力を2012年の月27万本から同50万本に高める。
 また、神戸製鋼所は2013年5月、United States Steel Corporationとの合弁会社で自動車用冷延ハイテンを製造するPRO-TEC Coating Company(Ohio州)の稼働開始を発表。年産能力は50万米トンで世界最大級の自動車用高級鋼板の供給拠点。投資額は約4億ドル。今後は、超ハイ テン材の生産も視野にいれており、燃費向上やCO2 削減に繋がる自動車部品の高強度化・軽量化ニーズに対応する。

サンコール:弁ばねなどの生産ラインを増設

 サンコールは、2014年3月までにSUNCALL AMERICA INC. (Indiana州)の生産ラインを増設する。受注増加で供給能力が不足しているため。エンジン部品の弁ばねラインは、表面処理設備を新たに導入し1ライ ンを2ラインに増やし、月産能力を100万個から200万個に増強。ドライブプレートラインは、リングの溶接機やギア加工機を設置して5ラインから6ライ ンにし、同20万個から26万個に増強する。投資額は約4億円。

サンデン:カーエアコン用コンプレッサー部品の現地調達率引き上げ

 サンデンは、米欧での主力製品で省エネ性能が高く販売が増加しているエアコン用コンプレッサー「PXシリーズ」の現地調達率を2012年度中に それまでの約30%から75%に引き上げる。構成部品の生産設備を日本から移設し、現地で部品を生産する。円高により収益が悪化しているため、為替変動の 影響を回避し、収益確保につなげる。さらに、2014年度から15年度をめどに現地調達率を80%まで高める。

しげる工業:工場を主要納入先近くに移転し、拡張

 しげる工業は、2012年に現地子会社のHeartland Automotive, LLC.(Indiana州)の既存工場の2つ目の生産拠点を富士重の現地工場隣接地に開設し、2013年初に稼働した。インストルメントパネルなどかさ ばる部品の輸送効率を改善するもの。ドアや天井の内張りなどを含め、生産品目に合わせて2拠点で作り分けする。年産規模も従来の約30万台から2割程度引 き上げた。投資額は約10億円。

ジーテクト:ホンダ向け骨格部品の溶接工程を完成車工場近くに移設へ

 ジーテクトは、米国内での生産性向上の一貫として、骨格部品の溶接を完成車工場近くで行うため、生産設備の再配置を段階的に進める計画。富士重 向け工場のAustin Tri-Hawk Automotive, Inc.(Indiana州)で、2015年度を目標にホンダのIndiana工場向けの溶接も行う体制にする計画。

シロキ工業:ドアサッシ増産のため2拠点体制に

 シロキ工業は、GMからドアサッシを初受注したため、シート骨格部品を生産するSHIROKI North America(Tennessee州)をGM向けドアサッシの工場とし、2013年9月から供給を開始する。ドアサッシでは、北米の中核拠点である SHIRAKI-GA(Georgia州)との2拠点体制で生産能力を確保し、トヨタ、日産など納入先各社の増産要請に対応する。

セントラル硝子:需要急増に対応し、旧設備を活用し増産

 セントラル硝子は、現地需要の急増に対応して米国での自動車用ガラスを増産する。2011年4月に買収して社名変更したCarlex Glass America, LLC(Tennessee州)では、2012年に新たに導入した最新設備だけでなく、入れ替える予定だった旧設備も継続使用することにして、受注残に対 応。同工場では、現場スタッフを数十人規模で新規採用したほか、日本から技術スタッフを派遣し、早期の本格稼働を図った。

大同特殊鋼:大型熱間高速精密鍛造機を新たに導入し、供給能力を増強

 大同特殊鋼は2012年12月、OHIO STAR FORGE CO.(Ohio州)に大型熱間高速精密鍛造機を新たに1基導入し、2013年10月から営業運転を開始すると発表。米系・日系の自動車・産業機械・軸受 け等のメーカーからの大型鍛造品や生産能力拡大ニーズを受けたもので、これにより小型鍛造品から中型、大型までの全ての製品ラインナップを揃える。投資額 は2200万ドル。

太平洋工業:TPMSの生産能力を段階的に600万個に拡充

 太平洋工業は、2012年夏からPacific Manufacturing Ohio Inc. (Ohio州)で、戦略商品のタイヤ空気圧モニタリングシステム(TPMS)の最終組み立てを開始。2013年度をめどに構成部品の生産も現地化し、年 300万個の能力を確保する。また、TPMSの生産能力を2014年度までに600万個へ段階的に拡充する計画。製品は米市場への供給と欧州向けに輸出す る。投資額は2014年度にかけて10億円。

大豊工業:2012年にオハイオ工場の生産能力増強、2015年に更なる拡充も

 大豊工業は、GM、ホンダ向けのエンジン軸受を新規受注したことを受けて、2012年にTaiho Corporation of America(Ohio州)の軸受生産能力をそれまでの月180万個から月300万個に拡大させた。2015年度には同450万個への増強を視野に入れ ている。

ダイヤモンド電機:点火コイルなどの生産能力拡大へ

 ダイヤモンド電機は、米国、特に富士重工など向けの点火コイルなど自動車機器事業が好調なため、増産に向けて2013年度からDiamond Electric Mfg. Corp (本社Michigan州)West Virgina Manufacturing Plant でのライン新設などを進める。

津田工業: 初の米国工場を建設し、2014年1月に稼働へ

 津田工業は、国内生産が減少傾向にある中、新中期5カ年経営計画(2013-17年度)では海外事業を成長の軸にする。米国では2012年10 月にTSUDA USA CORPORATION(Indiana州)を設立。変速機やボディ向け冷間鍛造部品を生産する工場を2014年1月に稼働させる計画。トヨタなどの現地 調達に対応すると共に拡販につなげる。

槌屋: 3ヶ所目の樹脂部品工場を建設、生産品目も拡大

 槌屋は、2012年に米国で3ヵ所目の樹脂部品生産会社Tasus Alabama Corporation(Alabama州)を設立。2013年8月に工場を稼働させる計画。アラバマ州周辺の完成車・部品メーカーからの受注が拡大し、 既存工場(Indiana州、Texas州)が手狭となっているため。新工場では押出成形機やブロー成型機も導入し、生産品目も拡大する。まず、小糸製作 所やトヨタなどの現地工場に供給。投資額は約15億円。

ティラド:EGRクーラー増産のために設備投資、オイルクーラーも生産開始へ

 ティラドは、EGR(排出ガス再循環)クーラーのグローバル生産能力を2017年度に2013年度比1.8倍に増強し、うち北米ではT.RAD North America, Inc.(Kentucky州) の生産能力を同2倍以上に増加させる計画。これまで、2015年度をめどにEGRクーラーの年産台数を2012年度(見通し)比60%増にするとされてい たため、さらに増産体制を整えることになる。また、オイルクーラーについても、2014年度には北米で生産開始し、現地の需要増に対応する。

TPR:シリンダライナの第2生産拠点が2013年6月に稼働

 TPRは、米Federal-Mogul Powertrain, Inc.との合弁で2012年に設立したTPR Federal-Mogul Tennessee, Inc.の工場が2013年6月に生産開始。新工場では、日系・非日系メーカーからの受注が増えているアルミ合金製エンジンブロックとの密着性を高める特 殊加工を施した「アズロックシリンダーライナー」に生産を特化する。2015年の生産規模は月産110万本の計画。TPRの米国全体での生産規模は、既存 のMinnesota州の工場と合わせて月産220万本に増加する。

デンソー:今後4年間で北米に約10億ドルを投資し、生産能力を増強

 デンソーは2013年1月、2016年3月期までの4年間に米、加、メキシコに約10億ドル(約950億円)を投資すると発表。うち、米国では 7.5億ドル(713億円)を投資する見通し。2013年度にTennessee州の生産拠点で米メーカー向けのヘッドアップディスプレーの生産を立ち上 げ、2014年度にはハイブリッド車向けインバーターを生産開始する。また、ミシガン州の生産拠点では、1億ドル(95億円)でコンデンサーやラジエー ターの新生産ラインを導入し新製品の投入に備えるほか、老朽化設備を更新する。アイオワ州では大型車向け部品組み立て工場を新設する。

東海ゴム:練りゴムの現地供給体制拡充を計画

 東海ゴムは、北米市場が回復傾向にあるため、日系メーカー向け供給効率を高める。Ohio州、Tennessee州、メキシコにある防振ゴム、 ホースの生産拠点には、練りゴムを供給する素材機能も設置しており、各生産拠点合計の練りゴムの生産能力を2012年の年1000トンから2014年まで に同1300トンに引き上げ、現地化を加速させる。

東プレ:熱間プレス工法の骨格部品の量産を2013年6月から開始

 東プレは、2012年度からTopre America Corporation(Alabama州)に65億円を追加投資して生産能力の拡大を図っている。投資額のうち40億円弱は熱間プレス設備で、2013 年6月から熱間プレス工法によるハイテン材を使用した骨格部品の量産を日系部品メーカーとして初めて開始。米国での新衝突安全規制により、超強度材需要が 高まることに対応したもので、ホンダの新型「オデッセイ」向けに供給。同工場ではこの他に大型プレス機も追加導入し、ホンダの大型SUV向けにも供給。日産向けにも新規・新型車向けプレス製品を供給する。

豊田合成:米メーカー向け供給体制を拡充

 豊田合成は、GM向け燃料チューブの供給が拡大していることから、TG Fluid Systems USA Corporation(Michigan州)の既存拠点の近郊に新建屋を借りて生産ラインを新設し、2013年1月から生産を開始した。同社では、 2011年度にフォードから主要サプライヤーに認定されるなど米メーカーへの拡販が進んでいる。

西川ゴム: 遮音性の高いドア用ゴムシートを米国で生産開始

 西川ゴムは、車外からの音を低減するドア用の発泡ゴムシートを2013年春から米国の既存工場で生産開始。従来、米国向けは中国の工場から輸出 していたが、フル稼働状態のため、米国工場に約2億円を投じて専用ラインを新設した。取引先メーカーの関心も高いため、数社と共同で遮音性の高いシート シールを研究していく方針。また、日米中の3拠点で発泡ゴムシートを生産することで為替対策や安定供給につなげる。

日鍛バルブ: 2014年初までに米国のエンジンバルブ生産能力増強

 日鍛バルブは、2014年初までにエンジンバルブの生産能力を2013年初の年間5000万本から8割増の9000万本へ引き上げる。日系メー カーからの需要が急増したため。まず、合弁生産拠点のU.S Engine Valve(South Carolina州)に2013年9月までに生産ラインを1本増設して年産7500万本まで増やし、2014年初をめどに合弁相手の米Eatonの工場内 に1ラインを増設して同9000本に引き上げる。需要状況に応じて、U.S Engine Valve にさらに1ライン新設することで同1億本レベルまで生産能力を高める。投資額は17億円。

日清紡ブレーキ:米国工場の拡張は困難、メキシコ、ブラジル工場の活用も

 日清紡ブレーキの米国工場はフル操業が続いている。今後も高まる取引先の自動車メーカーからの現地調達化の要請に米国工場の拡張で応えるのは困難なため、将来的にはメキシコやブラジル工場の活用も視野に入れて、米州全体をどうするか考えていく方針。

ニッパツ:VW向け懸架ばねの生産を2013年から開始

 ニッパツは、VWから現行「パサート」向けの懸架ばねを受注し、2013年1月からVWの米Tennessee州工場に納入。生産はNHK of American Suspension Components Inc. (Kentucky州)の既存のばね工場で行っている。VWとは初めての取引。

日本特殊陶業: ブラジル向け自動車酸素センサーを既存工場で増産へ

 日本特殊陶業は、2017年をめどに米国でのブラジル向け自動車酸素センサーの生産量を2012年比3割増の年間390万個程度に引き上げる。 ブラジルで現地生産する日・米・欧メーカー向けの輸出増を見込むもの。増産するのはNGK Spark Plugs Mfg. (U.S.A.), Inc. (West Virginia州)の工場。増産分についての設備増強は行わず、現在の2交代勤務を3交代勤務へのシフトで対応する方針。

日本ピストンリング:バルブシート、エンジンバルブの生産能力を倍増

 日本ピストンリングは、NPR of America, Inc.(Michigan州)工場の生産設備を増設して、2014年にエンジンバルブを2011年比で2倍に、バルブシートを同3倍まで拡大する。 2014年度までの投資額は合計約30億円。バルブシートは、2013年3月に従来の1.5倍の月産300万個に引き上げられたが、それまでは福島とタイ の工場からの輸出で供給を補っていた。2014年には、新たな受注分の生産も始まる。2015年以降の受注動向によっては、更なる投資も検討すると報じら れている。

日本プラスト:既存工場の増築、機械増設で樹脂部品の生産能力拡充

 日本プラストは、海外生産拠点での現地調達率を2013年度に7割に引き上げることでコストダウンを図る計画。また、米国では、内外装樹脂部 品、ハンドル、エアバッグなどを生産するNeaton Rome Inc(Georgia州)で、工場建屋を増築し射出成型機を2012年に7台、2013年には3台増設する。

パイオラックス:金属部品の生産能力を増強

 パイオラックスは、2013年度にPIOLAX CORPORATION(Georgia州)の金属部品の生産能力を増強するために、設備に8億円を投資する。生産を自動化できる部品を米国に集約し、メキシコ工場を含めた北米地域の生産性を高める。

林テレンプ:トヨタ向けの新工場を建設、2014年に稼働

 林テレンプは、ケンタッキー州に新工場を建設する。トヨタのKentucky工場から内装部品を受注したためで、北米では6ヵ所目の工場。 2014年9月から、主力のフロアカーペットなどの内装部品を生産する。投資額は1070万ドル。103人を雇用し、Kentucky州政府から130万 ドルの税制優遇措置を受ける。

日立化成:北米の粉末冶金製品の生産能力を2012年比の2倍増へ

 日立化成工業は、エンジンや軸受けなどの粉末冶金製品を製造する米子会社Hitachi Powdered Metals (USA), Inc.(Indiana州)の生産能力を2012年2月に従来の1.5倍に増強したが、今後の需要拡大に対応してさらに生産設備を増強する。メキシコの グループ会社にも同様の設備を導入し、ともに2014年秋に稼働させる予定。2015年には、両拠点あわせた生産能力を2012年比の2倍に引き上げ、北 米での売上高を倍増させる計画。

日立金属:既存工場で新たに省ジスプロム磁石を量産する方針

 日立金属は、米国でハイブリッド車やEV向け需要の拡大が見込めるため、フェライト磁石の生産拠点のHitachi Metals North Carolina, Ltd.(North Carolina州)で省ジスプロム磁石を量産し、現地の一次サプライヤー、自動車メーカーに供給する方針。原料のジスプロムは米国で調達し、中国に一極 集中しているリスクを分散する。米国生産により、為替リスクの回避を含めサプライチェーンの安定化を図る。

ファインシンター:粉末冶金部品工場を増強し、変速機用部品を新たに生産

 ファインシンターは、2014年秋をめどにAmerican Fine Sinter Co., Ltd(Ohio州)の粉末冶金部品工場を増強する。日系部品メーカーから新たに変速機用オイルポンプユニット部品などを新規受注したため、工場建屋を増 築した上で生産ラインを増設し、供給能力を高める。数量ベースの生産能力は明らかにしていない。投資額は約10億円。同工場は、エンジン用部品の生産が主 力だが、これに変速機用部品が加わる。

ファルテック:2013年度にジョージア工場がフル稼働

 ファルテックは、北米市場の回復などを背景に2013年度にFALTEC AMERICA, INC (Tennessee州)のジョージア工場がフル稼働する予定。2015年度の売上高は42億円と12年度に比べ7割増加させる計画。

プレス工業:車軸の生産能力増強

 プレス工業は、2013年6月からPK U.S.A, INC.(Indiana州)のピックアップトラック用などの車軸の生産能力を2倍の年44万基に引き上げた。従来は日産向けのみだったが、米系自動車 メーカーから新たに受注し、2013-14年にピックアップやSUV向けに生産する。年産規模は15万2000台分を予定。投資額は約8億円。

豊和繊維工業:2015年度までに第3生産拠点設置

 豊和繊維工業は、日系自動車メーカー各社の新型車の立ち上げに合わせて2015年度までに第3工場を設立する計画。現在、中西部の Kentucky州とOhio州に工場があるため、全土をカバーできる拠点配置を検討する。米国の北部・南部が候補だが、メキシコ工場の有効活用も視野に 入れており、日系メーカーの増産の動きも加味しつつ具体的な計画を固める。投資額は15億から20億円を見込む。

三菱重工:インディアナ州にターボチャージャーの生産拠点を新設

 三菱重工は2012年12月、Indiana州にターボチャージャー(過給器)の生産拠点を設立し、2014年秋に量産開始予定と発表。燃費規 制強化により米自動車メーカーでもエンジンのダウンサイジングが進んでおり、ターボチャージャー需要の増大に対応するもの。生産拠点は、エンジン・ターボ チャージャーの販売を行う米子会社のMitsubishi Engine North America, Inc.(Illinois州)の工場として新設。冷熱事業の米子会社Mitsubishi Heavy Industries Climate Control, Inc.がIndiana州Franklin市にもつカーエアコン生産工場の敷地内に生産ラインを建設。投資額は約10億円。年間生産能力は60万台から スタートし、将来的には120万台以上へ順次引き上げる計画。カートリッジと呼ばれるコア部品をタイの子会社工場から輸入し、米国工場で最終製品に組み立 てる。

ムロコーポレーション:幅広い種類のプレス部品の製造体制構築

 ムロコーポレーションは、Murotech Ohio Corporation(Ohio州)で複雑形状を含めた幅広い種類のプレス部品を製造する体制を構築。2012年11月に約3億円を投じて熱処理設備を 導入。これまで熱処理は外部に発注していたが、CVTを始めとするトランスミッション用部品の受注量や種類が増えてきたため設備投資を決定。顧客ニーズに 対応して、従来は日本での生産が中心だった複雑形状のスプロケットも製造開始。

ユニバンス:既存拠点を拡張してトランスファーの生産開始へ

 ユニバンスは、2012年に北米の生産拠点UNIVANCE INC.(Kentucky州)で工場の隣接地に新しい建屋を建設し、工場スペースを2倍に拡張。2013年初めから日産向けにFF車用四輪駆動装置(ト ランスファー)を新たに生産開始、同年末からはホンダ向けCVT用プーリーも生産開始する。生産量の大幅増加により米国の売上高は、2015年度に12年 度比3倍の60億円が見込まれ、海外拠点で最高額となる。

ユニプレス:受注拡大に対応し、大型プレス機設置へ

 ユニプレスは、米国で大型プレス設備の増強を図っている。2500トントランスファー(TRF)プレスをUnipres U.S.A.(Tennessee州)とUnipres Southeast U.S.A.( Mississippi州)の工場に各々1台設置し、2013年度から稼働させる。これは主要取引先の日産のCプラットフォーム車の受注やホンダからの受 注拡大に対応するもの。

八千代工業:樹脂製燃料タンクの生産能力増強

 八千代工業は、US Yachiyo, Inc.(Ohio州)の樹脂製燃料タンクの生産能力を2012年の年80万台から2014年3月期中に100万台に増強する。ホンダでの生産拡大やこれまで受注を取れていなかったモデルへの供給が決まったため。

横浜ゴム:トラック・バス用タイヤ工場を新設

 横浜ゴムは2013年4月、Mississippi州にトラック・バス(TB)用タイヤ工場を建設することを発表。米国で初のタイヤ工場とな る。2013年9月までに工場建設に着工し、2015年10月からの生産開始を予定。年産能力は100万本。初期設備投資額は3億ドルだが、将来的には、 事業規模を4倍まで拡大することを視野に入れている。これまで、北米市場向けタイヤは合弁会社GTYタイヤカンパニーへの生産委託と日本、タイの工場から 輸出してきたが、増加するタイヤ需要に対応するため供給体制強化が必要となったもの。

 

 



米国 事業体制の再編・効率化、強化、地域統括会社の設立:曙ブレーキ、ニッパツ、日本電産、古河電工、三桜工業など

曙ブレーキ:米4工場を品目毎に振り分けて再編

 曙ブレーキは、2013年度から3年間で140億円を投じて米国事業の黒字化を定着させ、再建を加速させる。米国4工場の生産効率を高めるため に、品目毎に各工場の棲み分けを明確にし、Kentucky州Elizabeth town工場はメカニカル部品、同州Glasgow工場は摩擦材、Tennessee州Clarksville工場はモジュール製品、South Carolina州Colombia工場はアルミ部品を中心に再編する。
 その一環としてブレーキやキャリパーの生産設備を従来の専用機から小型・汎用機械に切り替え、受注量の変動に対応しやすくする。また、2014 年後半からの欧州高級車メーカーへのアルミ製キャリパーを使用した高性能ブレーキの輸出や、FNC(軟窒化処理)ローターを主力技術に育てる等により、米 国事業の黒字を2015年までに45億円に引き上げる計画。

アルパイン:修理・サービスの現地法人設立

 アルパインは、2013年4月に北米における自動車メーカー向けカーエレクトロニクス製品の修理サービスを行う現地法人Alpine Customer Service (USA), Inc. (California州Torrance市)を設立。これまで、製品の修理は外部企業に委託してきたが、グループ内に取り組むことで迅速な原因究明と修 理への対応を図る。

三桜工業:米国子会社に品質保証機能設置、中期的に米州地域統括会社設立

 三桜工業は、海外での現地調達部品を2012年の3割から今後2年間で8割に大幅に引き上げる計画。このため、米国など海外各地の現地法人に品 質保証機能を設けるために数人の駐在員を置く。米国ではホンダの「アコード」向けの部品の品質保証を強化するため、現地法人に担当者をすでに派遣した。
 また、2016年3月期までに米州、アジア、欧州に地域統括会社を設置し、日本と中国を加えた世界5極体制を構築する。地域統括会社は、開発か ら調達、生産、管理まで日本本社と同等の機能をもつ。日本三桜はグローバル本社として、地域統括会社を100%子会社化して束ねる。

ニッパツ:ミシガン州のR&D拠点に北米地域統括本社を設置

 ニッパツは、2013年4月に懸架ばねのR&D拠点NHK International(Michigan州)内に統括部門を設けた。今後、同拠点を地域統括本社と位置付ける。同地域統括本社では、米国とメキシコ 内にある6ヵ所の工場や販売会社の財務、購買、人事などの業務を一括して管理する。日本の本社とのやり取りを円滑にするほか、経営資源を効率的に配分でき る体制にして、取引先への対応力を高める。ニッパツでは「生産のグローバル化から、経営のグローバル化」(玉村和己社長)を進めている。

日本電産:車載用モーター事業の米統括会社を設立

 日本電産は、2013年4月にNIDEC AUTOMOTIVE MOTOR AMERICAS CORPORATION (Michigan州)を設立。資本金は約4100万ドル。日本電産は、ブラシレスモータやブラシ付きモーターでの幅広いラインナップで、主に欧州及び中 国の自動車メーカー・部品メーカー向けに売り上げを拡大してきたが、最重点市場である北米市場でも、米統括会社のもとで生産・販売・開発の体制を強化し、 受注拡大を目指す計画。

原田工業:事業基盤強化のため販売2社を合併

 原田工業は、2013年1月1日付で自動車用アンテナを販売する米連結子会社のHARADA INDUSTRY OF AMERICA, INC.(Michigan州)を存続会社として、NIPPON ANTENNA (AMERICA), INC.を合併。重複する販売機能を統合し、経営効率を改善すると共に、米国での販売体制を強化する。

古河電工:ワイヤーハーネスの北米地域統括会社設立へ

 古河電工は、「2015中期計画」で、北米にもワイヤーハーネスの地域統括会社を設立する計画。地域統括会社は、納入先に対する営業活動、現地ニーズに対応した迅速な製品設計、コストや品質を加味した調達体制の強化を図る諸機能を担う。

 

 



米国 研究開発拠点の強化、提携、買収など:デンソー、ブリヂストン、KYB、富士通テン、クラリオン、ジーテクトなど

河西工業:ミシガン州の設計拠点で開発人員などを倍増

 河西工業は、2013年度に主要生産拠点のM-TEK INC.(Tennessee州)に研究開発センターを設立する。Michigan州に設計事務所はあるが業務のカバー範囲が小さいため、顧客の近くの研 究開発センターで新製品の開発(日本で設計したデータ-の製図・試作・実験)する体制を構築し、新車発売後の不具合にも現地で素早く対応できるようにす る。M-TEK INC. (Michigan Office)、M-TEK INC. (Ohio)などの拠点にも開発センターの支店を置く。テネシー州の研究開発センターにはメキシコの生産拠点へのサポート機能も設ける。50-60人の開 発・技術者を現地で新規採用する。投資総額は5億円前後の見通し。

クラリオン:シリコンバレーに開発機能を持つ出張所を開設

 クラリオンは、2013年4月にシリコンバレーにClarion Corporation of America (本部California州 Cypress)の5つ目の出張所を開設。車載クラウドビジネスの窓口とし、カーナビメーカーとしての競争力を高める計画。シリコンバレーに進出を決めた のは、日系自動車大手が同地でIT企業と連携しているため。自動車メーカーのコア開発を支援しながら、現地ニーズに合った製品を供給していく方針。

KYB:ショックアブソーバーを中心とした足回り部品のテクニカルセンター新設

 KYBは、米国での開発体制強化のために2012年度に評価設備を導入した。2013年春には統括会社KYB Americas Corporation (Indiana)にテクニカルセンターを新設し、本格稼働。これは、KYBのグローバル規模でのショックアブソーバーを始めとした足回り部品の開発体制 強化の一環。欧米の主力自動車メーカーや部品メーカーへの新規受注獲得を積極化するとともに、市販品でも的確なニーズの把握によりシェアアップを図る計 画。

三桜工業:米州開発拠点を2015年までに新設

 三桜工業は、欧米、中国など海外での自動車メーカー向け売上比率を、2012年度の1割弱から2015年度に13%、17年度に30%と段階的 に引き上げる計画。このため、米国では2015年までに米州開発拠点を新設し、製品開発が出来る体制を整える。GM、フォードなどに対しても、部品の発注 先を切り替えやすい新車開発段階などに照準を合わせて開発部門に食い込む計画。

三光合成:米国にメキシコ工場のための開発拠点設立

 三光合成は、2012年12月にSANKO GOSEI TECHNOLOGY USA (Ohio州)を設立し、技術者を2名派遣。今後、現地でも技術者を採用する。2013年10月までに新工場を稼働させるメキシコ子会社(SANKO GOSEI MEXICO, S.A. DE C.V.)で生産する北米市場向けの樹脂部品の開発拠点となる。

ジーテクト:北米営業・開発およびホットスタンプ量産対応の新会社設立

 ジーテクトは、2013年4月にG-TEKT North America Corporation(Ohio州)を設立。資本金は2200万ドル。既存の米国生産子会社が担っていた営業・開発機能を新会社に分離、独立させる。 2013年中に日本本社と連携しグローバル24時間体制でボディ1台分の車体骨格部品を解析、提案できる開発体制を構築し、主要得意先の機種開発の増加に 伴うスピーディーな開発ニーズに対応する。また、自動車の軽量化に貢献するホットスタンプの現地調達ニーズに対応して、新会社ではホットスタンプの量産化 に関する品質、生産性、安定生産に向けた技術開発を行い、新規生産ラインを設置しホットスタンプ部品を量産する。

デンソー: 開発力強化のために研究開発拠点に43億円を投資

 デンソーは、開発力を高めるため北米統括会社のDENSO INTERNATIONAL AMERICA, INC.(Michigan州)に4500万ドル(43億円)を投資する。同統括会社の研究開発拠点では、ハイブリッド車やガソリンエンジンの燃費改善技 術のほか、交通事故回避等の安全対策新製品、高出力オルタネーターなどの開発に力を入れているが、研究開発や実験用に設備を新たに導入して開発基盤を底上 げする。人員も営業担当スタッフを含めて、2016年3月期までに約180人を新たに採用し930人に増やす。

日本ピストンリング:米国でエンジンバルブとバブルシートの性能評価へ、海外では初の実施

 日本ピストンリングは、2013年夏をめどに業務提携先の独KSコルベンシュミット社のエンジンテスト用施設(Indiana州)に計測機器な どを導入し、エンジン実機による性能評価を行う。これまで日本で行っていたものを現地化することで開発スピードを速め、日米欧自動車メーカーの要望に迅速 に対応して、北米でのさらなる受注拡大を目指す。

富士通テン:シリコンバレーに研究開発拠点開設、テレマティクスを強化

 富士通テンの米子会社FUJITSU TEN CORP.OF AMERICAは、2012年11月にシリコンバレーに研究開発拠点Silicon Valley Creative Square (California州 Sunnyvale市)を開設。先進技術の調査・発掘・研究を行い、富士通グループや外部パートナーとのアライアンス推進を通じて、つながるシステム(車 載機・サービス)などのプロトタイプの開発に取り組む。とりわけ「テレマティクス」ビジネスの拡大を図る。

ブリヂストン:新たな天然ゴム資源「グアユール」の加工研究所設立

 ブリヂストンの米子会社Bridgestone Americas Tire Operations(Tennessee州)は2013年5月、天然ゴムを含む植物「グアユール」の加工研究所Biorubber Process Research Center(Arizona州Mesa市)の起工式を実施。施設の完成は2014年の予定。40名の研究者と技術者が従事し、2015年には天然ゴムの 試験生産を開始する計画。ブリヂストンでは、ゴムの木(パラゴムノキ)に代わる、あらたな天然ゴム資源の研究開発活動を行っており、同センターでは「グア ユール」の品種改良や栽培技術、天然ゴムを採取するための加工技術の研究開発などを行う。

ホンダエレシス:北米での開発機能を増強、米メーカーにも売り込みを積極化

 ホンダエレシスは、2013年4月にElesys North America Ohio Technical Center(Ohio州Dublin)の事務所を、現在地の近隣へ移転・拡張して車体系用の電子制御ユニット(ECU)などの開発・営業機能を強化す る。開発機能の強化では、完成車のテストや派生機種の開発を現地で行えるようにする。営業機能の強化では、Georgia州にある営業機能を同センターに 集結し、営業と開発が一体となって受注活動を強化する。日系自動車・部品メーカーとの協力関係の強化に加え、GM、フォード、クライスラーへの売り込みも 積極化させる。

三井物産:スペインの世界最大手プレス部品メーカーの米州事業会社群に資本参加

 三井物産は2013年1月、世界最大手のスペイン自動車プレス部品メーカーGestamp Automocion, S.L.(以下「GA」)の米州事業会社群に最大30%出資する契約を締結したことを発表。GAの米州事業会社群は、米国、メキシコ、ブラジル、アルゼン チンの4カ国に計15工場を保有。主に欧米系自動車メーカー向けボディやシャーシなどのブレス部品を製造しており、ホットスタンピングなどの高い技術を 持っている。三井物産は、この共同事業を自動車バリューチェーン拡充の重要なコア事業と位置付けている。

ミツバ:ホンダ工場があるオハイオ州に開発拠点開設

 ミツバは、2013年6月にオハイオ州に開発拠点を設置。American Mitsuba Corp.(Michigan州)の開発拠点のブランチオフィスの位置付け。当初は米国人技術者5人ほどで業務を開始する。ホンダが欧米のメガサプライ ヤーのグローバル標準品の採用検討を加速させているのを踏まえて、開発初期の段階からホンダとの情報交換を密にして、開発提案の強化を図る。また、メガサ プライヤー経由の部品拡販も狙う。

三菱化学:北米での樹脂コンパウンド事業を買収

 三菱化学は2013年4月、北米自動車産業向けに熱可塑性エラストマーおよび塩ビコンパウンドの販売を拡大し、北米における機能性樹脂事業の基 盤を強化するために、米Comtrex, LLC(Michigan州)の樹脂コンパウンド事業を買収したと発表。買収によりComtrex社の事業・顧客基盤を通じた各種シナジー効果を追求す る。将来的には、機能性樹脂事業のグローバル展開を加速させる意向。

 

 



カナダ 部品生産の新工場:豊田合成

豊田合成:内外装樹脂部品の新工場設立

 豊田合成は2012年12月、TG Minto Corporation(Ontario州)の分工場としてTG Minto Corporation Stratford factory(同州)を設立すると発表。既存工場が手狭になったためで、カナダでは5か所目の生産拠点。投資額は約9億円。2013年7月から自動車用 内外装樹脂部品(インストルメントパネル周辺部品、ピラーガーニッシュ、コラムカバーなど)を生産し、トヨタのカナダ工場(Ontario州)に供給す る。

資料:各社広報資料, 各紙報道

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>