メキシコ・ブラジルの日系部品メーカー:工場新設/生産能力の拡充相次ぐ

曙ブレーキ、旭硝子、小糸製作所、新日鉄、タチエス、デンソーなどの動向

2012/09/14

要 約

Mexico Map メキシコの自動車市場は2011年に90.6万台、前年比10.4%増と大きな伸びを記録した。数年内に100万台市場に回復する見通し。生産台数は2011年に約256万台と輸出規模が大きいことを示している。今後も輸出と内需の増加が期待され、日本自動車メーカー各社による生産能力増強が進められている。

 日産は、既存2工場(年産能力60万台)の生産が能力一杯になっており、2011年は60.7万台の生産実績。現在、第3工場(同17.5万台)をAguascalientes州に建設中で、2013年末に稼働する計画。ホンダは、既存工場(同6万台)でCRVを生産しているが、Guanajuato州に第2工場(同20万台)を建設中で、2014年春に小型車生産を開始する計画。マツダは、Guanajuato州に新工場(同14万台)を建設中で、2013年度中の稼働を予定している。

 これに呼応して、Guanajuato州、Aguascalientes州、San Luis Potosi州など中央高原諸州を中心に日系部品メーカーによる新規進出、既存工場での拡充が相次いでいる。


 ブラジルの自動車市場は、2011年に363.3万台(前年比3.4%増)と、中国、米国、日本に続く世界第4位の規模になっている。2014年のサッカー・ワールドカップ、2016年のオリンピック開催に伴い、市場のさらなる拡大が期待されている。日系自動車メーカーではトヨタ、日産の新工場の建設や新興国戦略車の投入などが進められている。

 トヨタは、2012年9月から3つ目の新設工場(Sao Paulo州Sorocaba。年産能力7万台)で戦略小型車エティオスの生産を開始する。2015年には新設のエンジン工場が稼働する計画。日産は、ルノーとのアライアンス工場をもつが、日産独自の新工場(同20万台)を建設し、稼働は当初計画の2014年前半よりも早い時期を予定している。

 これに呼応した日系部品メーカーのブラジルへの新規進出の動きや既進出メーカーによる生産能力・事業分野の拡充が行われている。また、ブラジルではトヨタ、日産のシュアが小さいため、欧州メーカーとの取引開始を目指した動きも見られる。

 以下は、メキシコ、ブラジルにおける日系部品メーカーの最近動向である(収録対象は、2012年8月下旬までの8カ月間)。

 

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中国(華中地区/西南地区)編 (2012年7月)、中国(華南地区-広東省)編 (2012年7月)、

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欧州編 (2011年11月)、ASEAN  (インドネシア、ベトナム、マレーシア他) 編 (2012年6月)、

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