米国の日系部品メーカー:受注拡大に対応し、生産能力拡充、R&D体制強化

デンソー、小糸製作所、曙ブレーキ、FCC、東プレ、ブリヂストン、三菱重工、KYB、ニッパツ、ジーテクト

2013/07/03

要 約

米国の年次生産台数(乗用車/小型トラック) 米国の自動車販売(乗用車、小型トラック)は、2012年には1,449.5万台で前年比12.7%増と3年連続の2ケタ増となった。2013年1~6月の累計販売台数は、前年同期比7.7%増の782.9万台で、通年では1,500万台を超える勢いである(米国市場の概況と予測はこちらのレポートをご覧下さい)。

それに伴い、米国での生産も拡大を続け、2012年は前年比19.8%増の1,003.7万台となった。2013年1-4月累計では、増加率が前 年同期比4.3%増と鈍化しているものの374.9万台で、通年では1,100万台をうかがう水準にある。日本メーカーの米国生産は、2012年は前年比 38.8%増の331.5万台と2011年比約100万台の増加をみた。2013年も堅調に増加し、1-4月の現地生産比率(=米国生産/米国販売)は 71%まで高まった。

中期的には、さらなる市場の拡大を見込み、日本メーカー各社は、北米での積極的な生産能力の増強、新モデルの投入を図っている。


こうした動きに対応して、日系部品メーカーも生産能力増強を進めている。デンソーは、2016年3月期までの4年間に米国、カナダ、メキ シコに約10億ドルの大規模投資を行う計画で、うち米国には7.5億ドルを投資する。小糸製作所は、2013年度に米国向けに前年度比3倍の100億円の 設備投資により生産能力を拡充する。

取引先の増加に伴う生産能力増強も数多くみられる。アドヴィックス(新取引先はクライスラー)、シロキ工業(GM)、FCC(フォード、GM)、豊田合成(GM)、ニッパツ(VW)、大豊工業(GM、ホンダ)など。



主な生産品目の追加 メーカー
・熱間プレス 東プレアイシン高丘
・冷延ハイテン 神戸製鋼所(新合弁会社)
・ターボチャージャー 三菱重工(新会社)
・省ジスプロム磁石 日立金属
・CVT関連商品 FCCユニバンス
・防錆製品 曙ブレーキ
・フロントサブフレーム エフテック

米国での燃費規制強化(軽量化などのための熱間プレス、冷延ハイテン、ターボチャージャー)や、取引先の新製品投入(CVT)に対応した生産品目の追加も多い(右上表)。


取引先の現地調達率引き上げ要請への対応も、サンデン(コンプレッサー部品)、東海ゴム(練りゴム)などで行われている。

事業体制の再編では、曙ブレーキ(生産効率向上のために4工場での生産品目の振り分け)、地域統括会社の新設(ニッパツ、日本電産、古河電工三桜工業)、2つの販売会社の合併(原田工業)、修理サービス現地法人の設立(アルパイン)などがみられる。R&D体制強化の動きも活発である(右 下表)。

R&D機能の強化 デンソー(北米統括会社に大型投資)
ジーテクト(開発+営業の新会社)
・ホンダエレシス(開発機能増強)
河西工業(人員増強)
テクニカル
センター新設
KYB、富士通テン、ミツバ、三光合成
クラリオン(出張所)
ブリヂストン(新天然ゴム資源の研究所)


M&Aでは、三井物産による世界最大手のプレス部品メーカーGestamp Automocion, S.L.の米州事業会社群への資本参加、三菱化学の米Comtrex, LLCの樹脂コンパウンド事業買収などがみられる。

以下は、米国(カナダを含む)における日系部品メーカーの最近動向を各社の発表、各種報道によりまとめた(収録対象は、2013年6月中旬までの約1年間)。


日系部品メーカー動向関連レポート:

中国 (華東地区)編 (2013年6月)、メキシコ・ブラジル編 (2013年5月)、タイ編 (2013年3月)
ASEAN編 (2013 年2月)、欧州編 (2012年12月)、インド編 (2012年11月)、メキシコ・ブラジル編 (2012年9月)