Adient plc (旧 Johnson Controls Inc.の自動車用シート事業部門)

会社概要

■URL

http://www.adient.com/

■本社所在地

49200 Halyard Drive Plymouth, MI 48170 USA

業容

-自動車市場向けにシートシステムを開発・製造。2016年10月にスピンオフする前は、Johnson Controlsの事業部門だった。 (下表参照方)

部門
(2015年9月期全社売上高に占める割合)
主要製品・事業
オートモーティブシステムズ部門
(Automotive Experience) 
(54%)
1. シート事業
*2016年10月、新会社 「Adient」 としてスピンオフ。
シートシステム、機構部品、シートフォーム、シートトリム
2. 内装部品事業
*2015年7月に設立した合弁会社 「延鋒汽車内飾系統有限公司 [Yanfeng Automotive Interiors Co., Ltd.]」 に事業を移管。
インストパネル、フロアコンソール、ドアシステム
パワーソリューションズ部門 (Power Solutions)
(18%)
鉛蓄電池、スタート/ストップシステム搭載車用バッテリー、ハイブリッド車・電気自動車用バッテリー
ビルディングシステム部門 (Building Efficiency)
(28%)
ビルオートメーションシステム、HVAC、産業用冷凍機等の非自動車製品

 

事業再編

オートモーティブシステムズ部門のスピンオフ
-2015年7月、オートモーティブシステムズ部門 (Automotive Experience) に関して、非課税のスピンオフ手続きを進めると発表。内装部品事業は競合企業が多く、利益率が低いため、今後のコア事業となるパワーソリューションズ部門およびビルディングシステム部門に注力する。

内装事業を中国企業との合弁会社に移管
-2015年7月、華域汽車系統股份 (HUAYU) の完全子会社である延鋒汽車飾件系統 [Yanfeng Automotive Trim Systems Co., Ltd] との合弁会社 「延鋒汽車内飾系統有限公司 [Yanfeng Automotive Interiors Co., Ltd.]」 が営業を開始したと発表。Johnson Controlsは同社の株式30%を保有する。新会社は上海を本拠を置き、Johnson Controlsの内装事業を移管する。新会社の売上高は85億ドル、受注残高は100億ドルとなる見込み。世界90カ所に生産、開発、エンジニアリング、カスタマーサービス拠点を保有。インストパネル、コックピットシステム、ドアパネル、フロアコンソール、オーバーヘッドコンソールなどを生産する。

シート事業を新会社 「Adient」 としてスピンオフ
-2016年10月31日、AdientはJohnson Controlsからの分社化が完了し、ニューヨーク証券取引所に上場したと発表した。大手シートサプライヤーとして、自動車メーカーに高品質の製品や優れた技術を提供する。従業員数は75,000名で、33カ国に230の生産・組立拠点を有する。特に中国市場では、17のシート合弁会社が32都市に60の生産拠点を運営している。(2016年10月31日付プレスリリースより)

2015年世界シート市場規模:598億ドル
出典:Adient

 

市場シェア

-同社は自動車シート市場における大手サプライヤーであり、北米、欧州、中国市場ではシェアトップ。

-主な競合先には、LearFaureciaトヨタ紡織Magnaが含まれる。

競合企業

-Aunde
-Brose
-Faurecia
-Grammer
-Lear
-Magna
-Prevent Group
-Sage Automotive
-トヨタ紡織
-Woodbridge

資本構成

-ニューヨーク証券取引所に上場

主要製品

オートモーティブシステムズ部門 (Automotive Experience)
自動車用シート (Automotive Seatings)
-シート一式 (Complete seats)

  • ComfortThin: 軽量薄型シート、自動車の燃費改善に対応
  • Pre-Adjust: エンドユーザー向けシート、乗員のサイズに合わせて自動調整
  • Synergy Seat Loft: 折り畳み式の2列目シート、荷室の拡大が可能

-メタルフレーム (Metal structures & mechanisms)

  • トラック (Tracks)
  • リクライナー (Recliners)
  • 高さ調整アジャスター (Height adjusters)
  • ロック (Locks)

-シートフォーム (Seat foam)
-シートファブリック (Seat fabrics)
-シートトリム (Seat trim)

自動車内装部品 (Automotive Interiors) *2015年7月に設立した合弁会社「延鋒汽車内飾系統有限公司 [Yanfeng Automotive Interiors Co., Ltd.]」 に事業を移管。
-インストパネルおよびコックピット (Instrument panels & cockpits)
-フロアコンソール (Floor consoles)
-ドアパネル (Door panels)
-ヘッドライナーおよびオーバーヘッドシステム (Headliners & overhead systems)
-オーバーヘッドコンソール (Overhead consoles)
-ライト (Lighting)

沿革

1883年 ウィスコンシン州WhitewaterのState Normal School教授のWarren S. Johnson氏が発明した電気式室内用サーモスタットが特許を取得。
1885年 Johnson氏とMilwaukeeの投資家たちによって、建物用自動温度調整システムを生産、設置、保守する会社Johnson Electric Service Companyを設立。また、1885年から1911年の間にJohnson氏は他分野を調査 (電池、蒸気およびガスを動力とした自動車、空気圧式巨大タワー時計、無線通信など)。
1902年 Johnson Service Co.に社名変更。
1910年 欧州に最初の販売事務所を設立。
1911年 Johnson氏が死去し、非住居用建物の温度調整事業への注力を決定。
1940年 株式上場。(今日のNASDAQに該当する市場)
1965年 ニューヨーク証券取引所に上場。
1974年 Johnson Controls, Inc.に社名変更。
1978年 補修用およびOE市場向け自動車用バッテリーの製造メーカーGlobe-Union, Inc. (拠点:ウイスコンシン州) を買収し、自動車用バッテリー事業に参入。
1985年 自動車用シートおよびプラスチック機械加工メーカーHoover Universal (拠点:ミシガン州) を買収。
(当時、自動車用シート事業はフレーム、トラック、クッションなどの個々の部品を自動車メーカーの仕様書に基づいて生産)
1990年代 ヘッドライナーおよびドアトリムなどの内装部品の供給により、乗用車及び小型トラック向けの販売を拡大。
1996年07月 Prince Automotiveを買収し、自動車インテリアシステム事業を拡大。Princeは、照明付きバニティーミラーを初めて開発 (1972年) するなど、電子機器を内装システムに統合した独創性で知られた。
1997年02月 年間売上高1.35億ドルのPlastic Container Divisionを65億ドルで売却。
(売却先はSchmalbach-Lubesca AG/Continental Can Europe)
1998年07月 年間売上高13億ドルの自動車内装部品メーカー Becker Groupを5.48億ドルで買収。
(買収時のBecker Groupは資産5億ドル、負債3.72億ドル。売上高の7割は欧州)
1998年09月 年間売上高1.9億ドルのPlastic Machinery Divisionを1.9億ドルで売却。売却先はMilacron Inc.。
1998年10月 横浜に技術センター、愛知県安城市に駐在員事務所を開設。
1999年01月 旧Becker Groupの射出成型工場8拠点とその他2工場をBecker Venturesに売却。
1999年02月 年間売上高1億ドルのイタリアのドアパネル/フロアコンソール/金型鋳造メーカーのCommerfin S.p.Aを買収。
Fiatとの取引を開始。
1999年03月 年間売上高87百万ドルの産業用バッテリー部門を1.35億ドルで売却(バッテリー事業を自動車用に特化)。売却先はAbcde。
1999年03月 米国ミシガン州のPlastech Engineered Productsと合弁でオーバーヘッドシステムの製造会社TrimQuest L.L.C.を設立。(Ford/LS2000年モデル用オーバーヘッドシステムを1999年8月から納入開始)
1999年05月 1996年設立のタチエスとの北米合弁会社TechnoTrimから、ケンタッキー州Glasgowのシートトリムカバー工場買収。
1999年05月 タチエスとの北米合弁会社TechnoTrimのメキシコSaltillo新工場が稼動、GM・日産・Fordにシートカバーを納入。
1999年09月 ドイツのBenecke-Kaliko AGのヘッドライナー工場、Peine工場とUberherrn工場を買収。
(Beneckeはドイツ最大のヘッドライナーメーカー、欧州4位の自動車ルーフシステムメーカーで、頭部エアバッグ・内装ピラー製品等も生産)
1999年12月 トヨタの関連会社で車体メーカーのアラコ(株)と、合弁会社Trim Leaderを設立。同合弁会社は、スロバキアに縫製工場を新設し、Renault向けのシートカバーを生産。保有比率は自社が51%、アラコが49%。2001年4月までに、Renault 「Clio」および「Twingo」、トヨタ 「Avensis」および「Corolla」用のシートカバーを1日あたり800枚生産。
2000年06月 南アフリカにMercedes-Benz 「C-Class」用のコックピット工場を設立。2001年中頃フル生産体制に入る。同拠点は「C-Class」にヘッドライナーモジュールも供給。
2000年06月 ミシガン州Warrenに内装拠点を新設。DaimlerChryslerの乗用車およびトラック向けのドアートリムをジャストイン・タイム (JIT) 方式で生産し、同社のミシガン州およびオハイオ州の組立て拠点に納入。投資額35百万米ドル。
2000年09月 日産系シートシステムメーカー池田物産 (株) の発行済み株式の約90%を取得。
2000年10月 DaimlerChryslerの2001年ミニバン用ヘッドライナーおよび荷室オーガナイザー (オプション) 生産のための新しい生産設備をミズーリ州およびカナダTecumsehに設立。オーストリアGrazの設備拡張。
2000年11月 自動車用リアビューミラーシステム、モジュール化ウインドウシステム、ハンドル製品のサプライヤーDonnelly Corporation (ミシガン州が本拠地)の株式を取得。
2000年11月 スパイラル鉛酸バッテリーメーカーGylling Optima Batteries AB、および欧州の冷却・エアコンシステムの大手メーカーMC Internationalを買収。買収費用総額は約2億ドル。
2001年01月 セーフティーコンセプトカー向けシートおよび内装システムの開発で、Volvoと提携。
2001年04月 ルーマニアの生産ラインに56.65百万ユーロの設備投資を計画。
2001年07月 ミシシッピ州Cantonに工場を新設。日産のミシシッピー新工場で生産される2004年モデル3車種向けに、シートシステムを供給。
2001年09月 W.E.T Automotive Systems AG (ドイツ) に、北米におけるシート冷却技術に関する技術・製造・販売のライセンスを供与することで合意。同社は、北米および欧州におけるシート暖房製品およびその関連技術の開発製造メーカー。
2001年10月 Sagem SA (フランス) の自動車電子機器用ソフトウエアおよびシステムエンジニアリング部門を買収。
ドイツの自動車用バッテリーメーカーHoppecke Automotive GmbH & Co. KGを買収。
2002年 Varta Automotive Battery Division (Varta) の自動車用バッテリー事業を買収。
2002年 売上高が200億米ドルを超える。
2003年 ドイツを本拠とする自動車電子機器メーカーBorg Instruments AG (Borg) を買収。
2005年 Delphiの自動車バッテリー部門を買収。
2009年 中国の吉利控股集団 (Geely Holding Group) とグローバル戦略提携に関する契約を締結。
2011年 C. Rob. Hammerstein Group (CRH) を買収。CRHはドイツのSolingenに本拠を置き、シートストラクチャー、シートアジャスター、ステアリングコラムアジャスターなどを開発・製造している。
Keiper、Recaroグループの自動車事業を買収。
ルーマニアSpumotim S.A.の自動車部門を買収。
ドイツのProseatとの合弁会社JP Foam Manufacturingの株式35%を追加取得し、完全子会社化。
2012年 スロベニアのNovo Mestoを本拠とする合弁会社TPV Johnson Controlsの株式24.9%を取得し、同合弁会社の過半数株式を所有。
2013年05月 Tata AutoCompとの折半出資による合弁会社Tata Johnson Controlsを完全子会社。
2013年09月 HomeLinkをGentexに売却。
2013年11月 コロンビアのバッテリメーカーMAC S.A.の株式90%を取得。
2014年05月 延鋒汽車飾件系統 [Yanfeng Automotive Trim Systems] と、自動車内装部品の合弁会社設立で合意。
2014年07月 上海延鋒工貿実業有限公司 [Shanghai Yanfeng Industry and Commerce] および安徽延生汽車内飾件有限公司 [Anhui Yansheng Automotive Trim] と、中国の安徽省淮南 (Huainan) 市にファブリックの合弁会社「Anhui New Nangang Johnson Controls Automotive Trim Co., Ltd.」を設立することで合意。
エレクトロニクス事業をVisteonに売却。
2015年07月 華域汽車系統股份 (HUAYU) の完全子会社と合弁会社「延鋒汽車内飾系統有限公司 [Yanfeng Automotive Interiors Co., Ltd.]」を設立し、内装事業を移管。
オートモーティブシステムズ部門 (Automotive Experience) に関して、非課税のスピンオフ手続きを進めると発表。新会社名は2016年10月1日付で「Adient」となり、独立した公開会社としてニューヨーク証券取引所に上場する予定。
2015年09月 中国の北京海納川汽車部件 (BHAP) と、バッテリーの生産・販売を行う合弁会社設立の了解覚書を締結。
2016年04月 AdientがJohnson Controlsからのスピンオフ計画に関連したForm 10登録届出書を米証券取引委員会 (SEC) に提出。
2016年10月 Johnson ControlsからのAdientスピンオフが完了。ニューヨーク証券取引所におけるAdient株式の取引開始。

補足 1

>>>2006年9月期の動向
>>>2007年9月期の動向
>>>2008年9月期の動向
>>>2009年9月期の動向
>>>2010年9月期の動向
>>>2011年9月期の動向
>>>2012年9月期の動向
>>>2013年9月期の動向
>>>2014年9月期の動向
>>>2015年9月期の動向

展示会取材アーカイブス

(注)
-本文中のカッコ内の数字は、減少幅や損失を指すマイナスを示しています。
-本レポートの2015年9月期までの情報は、スピンオフ前のJohnson Controls Inc. の内容が含まれています。
>>>Johnson Controls オフィシャルサイト