Johnson Controls 2008年9月期の動向
ハイライト
業績 | (単位:百万ドル) |
2008年 9月期 |
2007年 9月期 |
増減率 (%) |
主な要因 | ||
全社 | |||||
売上高 | 38,062 | 34,624 | 10 | + | -バッテリー部門の売上高伸張(12億米ドル) -ビルシステム管理部門の売上高伸張(8億米ドル) |
- | -北米および欧州の自動車市場の落ち込みを反映し、自動車部品事業が減収(5億米ドル) | ||||
セグメント 利益 |
2,077 | 1,884 | 10 | + |
-ビルシステム管理部門の販売増による増益(74百万米ドル) |
- | -北米、欧州における自動車市場の不振(25百万米ドル) | ||||
自動車内装部門 | |||||
売上高 | 18,091 | 17,552 | 3 | >>>自動車内装部品(地域別)参照 | |
セグメント 利益 |
579 | 519 | 12 | ||
バッテリー部門 | |||||
売上高 | 5,850 | 4,335 | 35 | + | -鉛原価の大幅上昇による単価の値上(863百万米ドル) -価格・製品構成の改善 (358百万米ドル) -為替差益による増収(262百万米ドル) -販売増(32百万米ドル) |
セグメント 利益 |
541 | 515 | 5 | + | -販売増および効率向上(44百万米ドル) -主にアジアの合弁企業の持分用適用利益(19百万米ドル) -為替差益による増収(14百万米ドル) |
- | -鉛原価上場分の価格転嫁未達分によるマイナス(51百万米ドル) |
-同社は2007年9月期より、業績の評価項目を"営業利益"から"セグメント利益"に変更。"セグメント利益"とはファイナンス費用と事業再建費用を除いた、税金等調整前継続事業から得られる利益をいう。
自動車内装部門(地域別) | (単位:百万ドル) |
2008年 9月期 |
2007年 9月期 |
増減率 (%) |
主な要因 | ||
北米 | |||||
売上高 | 6,723 | 7,276 | (8) | + | -2008年7月、Plastech Engineered Products, Inc.社の内装製品事業買収による増収(85百万米ドル) |
- | -Ford、GM、クライスラー、日産、トヨタの販売台数減少 -米系サプライヤー(1社)でストライキが発生し、同社主要顧客の1つに影響を与えたことに起因する減収(103百万米ドル) |
||||
セグメント 利益 |
79 | 72 | 10 | + | -調達コスト削減による売上総利益増(57百万米ドル) -業務効率化(49百万米ドル) -市況回復(44百万米ドル) |
- | -販売減少(98百万米ドル) -米系サプライヤー(1社)でストライキが発生し、同社主要顧客の1つに影響を与えたことに起因する減収(30百万米ドル) -2008年7月、Plastech Engineered Products, Inc.社の内装製品事業買収による影響(15百万米ドル) |
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欧州 | |||||
売上高 | 9,854 | 8,878 | 11 | + | -為替差益による増収(11億米ドル) |
- | -価格調整による影響(113百万米ドル) | ||||
セグメント 利益 |
464 | 445 | 4 | + | -為替差益による増収(85百万米ドル) -調達コスト削減(110百万米ドル) |
- | -プラットフォーム価格調整未達および原材料費転嫁未達(142百万米ドル) -販売減(34百万米ドル) |
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アジア | |||||
売上高 | 1,514 | 1,398 | 8 | + | -日本での日産向け販売増、韓国での合弁会社(連結子会社)の利益増 |
- | -為替差損による減収(39百万米ドル) | ||||
セグメント 利益 |
36 | 2 | * | + | -販売数量増(31百万米ドル) -調達コスト削減(9百万米ドル) -中国合弁企業の総売上総利益増(14百万米ドル) |
- | -市場拡大にともなう労務費高騰の影響(20百万米ドル) |
-2008年9月期における同社の3大顧客は、Ford、GM、Chryslerである。また米国での売上げについては、Ford、GM、Chryslerのデトロイト3にトヨタを加えたの4社が主要顧客であり、連結売上高の約11%を占める。
受注
-2008年1月、同社と仏Safの合弁会社であるJohnson Controls-Saft Advanced Power Solutionsは、中国・奇瑞汽車(Chery Automobile)が08年後半に中国市場に投入する新型セダン「A5 ISG」にハイブリッド車用バッテリーを供給すると発表。
-2008年1月、新型クロスオーバー車「Dodge Journey」向けにシートシステムとバッテリーを供給すると発表。グローバルモデルとして開発された「Dodge Journey」は北米市場では08年前半から、その他の市場では08年半ばから、それぞれ販売が開始される予定。
-2008年1月、Johnson Controls-Saft Advanced Power Solutionsは、上海汽車工業(集団)(SAIC Motor Corporation)向けにリチウムイオン電池を供給すると発表。供給するリチウムイオン電池はフリート走行実証試験用の燃料電池車に搭載される。
合弁事業
-2008年7月、08年2月に破産法の適用を申請したPlastechから買収した内装部品事業を合弁事業化すると発表。同社が株式70%を保有し、残り30%をPlastechの債権者が持ち合う。合弁会社の北米生産拠点は、計29工場。主力製品は、ドアパネルやフロアコンソールなどの射出成形部品・システム。同社では、この内装部品事業の買収・合弁事業化に伴い、Plastechの主要納入先との間で複数年の継続供給契約を締結。(2008年7月1日付プレスリリースより)
-2008年4月、Johnson Controls (Wuhu) Automotive Interiors Co., Ltd.が開設。この合弁会社は、同社、Chery Technology Co., Ltd.(Chery Automobile傘下企業)、Shanghai Jiehua Automobile Decorative Research Centerの3社が資本参加。新工場では、主に、インストパネル、コンソール、ピラー、ドアパネルなどの自動車用内装品を生産。また、研究開発機能を生かし、Chery Automobileが独自に取り組む内装部品の開発・生産に関する技術支援サービスも提供。(2008年4月14日付プレスリリースより)
開発動向
研究開発体制
自動車内装部門 技術センター
-米国 ミシガン州 Plymouth
-米国 ミシガン州 Holland
-ドイツ Burscheid
-ドイツ Grefrath
-ドイツ Karlsruhe
-フランス、Cergy
-ブルガリア Sofia
-スロバキア Trencin
-日本 綾瀬市
バッテリー部門 バッテリー技術センター
-米国 ミシガン州 Plymouth
-米国 ウィスコンシン州 Milwaukee
-ドイツ Hannover
-メキシコ Monterrey
-ブラジル Sorocaba
-中国 上海
新製品開発
Ecobondヘッドライナー
-2008年1月、開発中の「Ecobond」ヘッドライナーの量産を間もなく開始すると発表。Ecobondヘッドライナーは、環境配慮型製品の一つ。原料の50%(質量比)がバイオマテリアルで、強度、性能、遮音性に優れている。Ecobondヘッドライナーは大豆ベースの接着剤、大豆ベースのウレタンコアフォーム、数種の天然繊維を主原料に製造され、再生不可能な素材の配合率を減らしている。この新製品には同社が先行開発した特許Polybond(TM)技術が活用されている。Ecobondヘッドライナーは、個別の用途・ニーズに応じた硬さ、強度、遮音性を提供できるのが特徴。(2008年1月15日付プレスリリースより)
技術提携
-2008年4月、Johnson Controls-SaftとMaxwell Technologiesは、リチウムイオン2次電池の電極を共同開発し、性能評価テストを行うと発表。Maxwellが大容量キャパシタの電極製造で培った特許技術をハイブリッド車(HEV)向けリチウムイオン2次電池の量産に応用できるかをJohnson Controls-Saftがテスト、評価する。 (2008年4月15日付プレスリリースより)
自動車内装部門 技術センター
-米国 ミシガン州 Plymouth
-米国 ミシガン州 Holland
-ドイツ Burscheid
-ドイツ Grefrath
-ドイツ Karlsruhe
-フランス、Cergy
-ブルガリア Sofia
-スロバキア Trencin
-日本 綾瀬市
バッテリー部門 バッテリー技術センター
-米国 ミシガン州 Plymouth
-米国 ウィスコンシン州 Milwaukee
-ドイツ Hannover
-メキシコ Monterrey
-ブラジル Sorocaba
-中国 上海
研究開発費 | (単位:百万ドル) |
2008年9月期 | 2007年9月期 | 2006年9月期 | |
総額 | 829 | 767 | 743 |
顧客負担分 | 405 | 276 | 323 |
新製品開発
Ecobondヘッドライナー
-2008年1月、開発中の「Ecobond」ヘッドライナーの量産を間もなく開始すると発表。Ecobondヘッドライナーは、環境配慮型製品の一つ。原料の50%(質量比)がバイオマテリアルで、強度、性能、遮音性に優れている。Ecobondヘッドライナーは大豆ベースの接着剤、大豆ベースのウレタンコアフォーム、数種の天然繊維を主原料に製造され、再生不可能な素材の配合率を減らしている。この新製品には同社が先行開発した特許Polybond(TM)技術が活用されている。Ecobondヘッドライナーは、個別の用途・ニーズに応じた硬さ、強度、遮音性を提供できるのが特徴。(2008年1月15日付プレスリリースより)
技術提携
-2008年4月、Johnson Controls-SaftとMaxwell Technologiesは、リチウムイオン2次電池の電極を共同開発し、性能評価テストを行うと発表。Maxwellが大容量キャパシタの電極製造で培った特許技術をハイブリッド車(HEV)向けリチウムイオン2次電池の量産に応用できるかをJohnson Controls-Saftがテスト、評価する。 (2008年4月15日付プレスリリースより)
設備投資
設備投資額 | (単位:百万ドル) |
2008年9月期 | 2007年9月期 | 2006年9月期 | |
全体 | 807 | 828 | 711 |
自動車内装部門 | 462 | 347 | 425 |
自動車内装部門 - 北米 | 143 | 116 | 218 |
自動車内装部門 - 欧州 | 292 | 217 | 182 |
自動車内装部門 - アジア | 27 | 14 | 25 |
バッテリー部門 | 152 | 336 | 197 |
海外投資
-2008年1月、Johnson Controls-Saft Advanced Power Solutionsは、自動車用リチウムイオン電池の生産工場を稼働させたと発表。フランスのNersacに建設した新工場は業界初となる車載用リチウムイオン電池専用工場。ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)といった電気自動車の電源として先進のリチウムイオン電池を供給する。Johnson Controls-Saft では、初期投資としてNersac工場に1,500億ユーロを投じ、世界自動車メーカーへの供給体制を整える。(2008年1月31日付プレスリリースより)