ASEANの日系部品メーカー:グローバル市場の需要増に対応

輸出拡大を見込み、生産体制を強化、電動化関連の投資も増加

2018/08/09

要約

  以下は、ASEAN諸国における日系自動車部品メーカーの新生産拠点構築、生産能力増強、生産品目拡大・変更、事業体制・開発強化等の動きである (収録対象は、2017年7月から2018年3月までの約9カ月間)。

  タイの2017年の自動車生産台数は198.9万台で前年比2.3%増、2018年1~6月は105.7万台で前年同期比11.1%増と伸長。国内販売台数は2017年が87.2万台で同13.4%増と5年ぶりに増加に転じ、2018年1~6月は48.9万台で同19.3%増と好調を継続。新型車の導入、消費意欲の拡大、民間投資と公共支出の拡大、経済回復などが貢献した。完成車輸出は2017年が114.0万台で同4.1%減だったが、2018年1~6月は56.2万台で同4.8%増と回復している。
  こうした中、日系完成車メーカーではタイをグローバル輸出拠点とする戦略を進めつつ、タイ政府の政策に沿った省燃費エコカー生産に加え、電動車投入の動きも見られる。日系自動車部品メーカーも、タイや輸出先の中期的な需要増を見込んだ生産能力の増強や、電動化や軽量化などの需要に対応する部品・部材の投入を進めている。


  インドネシアの自動車販売台数は、2017年が107.9万台と前年比1.6%増、2018年1~6月は前年同期比3.8%増の55.4万台と回復。生産台数は、2017年が121.7万台で同3.3%増、2018年1~6月は62.4万台と同4.4%増と好調。MPV(多目的車)への需要が多いが、近年はSUVの販売も伸びている。日系自動車メーカー各社は、中期的なインドネシア市場の拡大を見込み、生産拠点の拡充や部品の現地化を進めている。日系部品メーカーでも生産能力増強を進めるとともに、新たな需要に対応した新品目投入がみられる。


  ベトナムでは、樹脂成形、精密ばね、ワイヤーハーネス、モーター、金型部品などでグローバル輸出を拡大させるための生産能力増強が行われている。エアバッグ関連では、豊田合成が分工場建設、帝人が基布の新工場建設を検討。

  マレーシアでは、小糸製作所が同国にランプ生産拠点を初めて設立。東洋ゴムはタイヤのフル生産が続いているため新棟建設を決定。第一精工は、車載用センサーなどの生産拠点を新設する。

  フィリピンでは、伊藤製作所が順送り金型で、バンダイがワイヤーハーネスで生産拠点を新設。日本航空電子が車載用コネクター、村田製作所が積層セラミックコンデンサで生産能力を増強。部品表ソフトを開発するエスツーアイは、英語関連の業務をフィリピンで行うための子会社を新設。

  シンガポールでは、旭化成が省燃費タイヤ用ゴムの生産能力を増強。日本ゼオンがASEAN・インド地域の顧客を対象とする特殊ゴムの技術サポート拠点を新設する。

タイの自動車工場マップ(クリックすると拠点マップが開きます)
インドネシアの自動車工場マップ(クリックすると拠点マップが開きます)
上記以外の国・地域は完成車メーカー工場立地マップよりご参照ください



タイにおける日系自動車部品メーカーの動き(生産品目など)

新規進出、買収 宇部興産(PP樹脂添加剤)、カネカ(ビーズ法発泡ポリオレフィン)、三洋化成(発泡ウレタン原料)、大同メタル(電動車向けアルミダイカスト製品)、帝人(樹脂コンパウンド、開発技術センター)、戸田工業(磁性コンパウンド)、日立化成(タイの鉛蓄電池企業を買収)
生産能力増強、生産ライン更新、新品目(*印)生産
<新たな工場建設>
セキコーポレーション(プレス加工部品の第2工場)、日本特殊陶業(自動車用センサー)
<工場拡張、設備増強>
新電元工業(車載用パワー半導体)、住友ゴム(SUV用タイヤ)、住友電工(*ハイブリッド車のモーター用平角巻線)、ダイヤモンド電機(点火コイル)、帝人フロンティア(ポリエステル繊維関連製品と研究開発拠点)、日本CMK(ADAS向け車載基板製品)、日立金属(電動車の電源系回路に使用するナノ結晶軟磁性材料)、船井電機(*小型EV向け樹脂成形部品)、三菱ケミカル(*スチレン系熱可塑性エラストマー)、三菱重工サーマルシステムズ(EV向けカーエアコンコンプレッサー)、山元(電装品向け精密プレス加工)、UACJ(熱交換器用のアルミ材)、ヨロズ(部品用金型)
経営・事業体制強化 神戸製鋼(東南アジア・南アジア地域の統括会社)、三洋貿易(合弁販売会社を完全子会社化:自動車部品)、ダイキン工業(販売・マーケティング子会社:フッ素化学製品)、豊田通商(車線単位の高精度ルートガイダンスシステムの実証実験)、バンドー化学(アジアヘッドクォーター機能の新会社)

資料:各社の計画から作成

インドネシアにおける日系自動車部品メーカーの動き(生産品目など)

新規進出 新日鉄住金(新工場稼働:冷延鋼板、防錆鋼板、高張力鋼板など)
生産能力増強・生産品目切り替え <新たな工場建設>
エムケーカシヤマ(新工場取得:補修用のディスクブレーキパッド増産)、日東精工(第2工場:特殊冷間圧造部品、太物ボルト・ねじ)
<設備増強、生産品目切り替え>
小糸製作所(工場建屋増築:ランプ増産)、メタルアート(既存工場の生産品目をプロペラシャフト構成部品からMT用ギアに切り替えへ )
事業体制強化 イワサ(賃貸工場稼働:鋼材の販売に加え新たに金属加工を開始)、共和産業(賃貸工場稼働:サンバイザーの輸入販売を現地生産に切り替え)、日本板硝子(現地会社に出資:鉛蓄電池用バッテリーセパレーター)、三菱製鋼(合弁会社を連結子会社化:特殊鋼鋼材)

資料:各社の計画から作成

ベトナムにおける日系自動車部品メーカーの動き(生産品目など)

新規進出 イコール(賃貸工場:アルミ、樹脂などの部品加工)、帝人(新工場設置を検討:エアバッグ基布の新工場設置検討)、日本モリマー(賃貸工場:射出成形部品)
生産能力増強・新品目の追加 <新たな工場建設>
アドバネクス(拡張した新工場に移転:精密ばね)、豊田合成(分工場:エアバッグ部品・ハンドル)、プロニクス(第2工場:樹脂成形部品)、マブチモーター(分工場:小型モーター)
<設備増設、生産品目(*印)追加>
東新製作所(鋳物や射出成形などの部品加工の仲介事業を本格化)、パンチ工業(設備増設:金型部品)、三谷産業(増築:樹脂成形部品)、ヨコオ(工場拡張:ワイヤーハーネス・AM/FM用マイクロアンテナ、*シャークアンテナなど)

資料:各社の計画から作成

 

関連レポート
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ASEAN:新車販売が回復、エコカー政策からEV導入策に移行 (2017年12月)
インドネシア:市場規模110万台水準に回復、現地生産化が進展 (2017年8月)

<日系部品メーカーの海外動向>
  中国・華南・華中・華北・東北地区 (2018年3月)
  中国・華東地区 (2018年3月)
  中東欧 (2018年2月)
  西欧 (2017年12月)
  インド (2017年9月)
  北米 (2017年8月)
  ASEAN (2017年8月)
  メキシコ・ブラジル (2017年6月)

 



タイ:宇部興産、カネカ、大同メタル、帝人、住友電工、日本特殊陶業、日立金属、神戸製鋼、豊田通商など

新生産拠点構築、買収

会社名 活動内容
宇部興産 軽量化に対応するPP樹脂添加剤の新工場建設、2019年9月に稼働予定
宇部興産は2018年3月、宇部マテリアルズの子会社UBE Chemicals (Asia) Public Company Limited(Rayong県)内に塩基性硫酸マグネシウム「モスハイジ」の工場を建設すると発表。バンパーなどに使われるポリプロピレン(PP)樹脂の強度を高める添加剤で、現在主流のタルク(滑石)と比較して、約1/3の添加量で剛性を維持できるため、軽量化に貢献。生産開始は2019年9月の計画。年産能力は1500トンで、海外では初生産となる。日本の工場の年産能力は3000トンで、合計すると1.5倍の能力増強になる。
カネカ ビーズ法発泡ポリオレフィン工場が2018年9月に稼働、軽量化需要増に対応
カネカは、バンパーやシート内部の緩衝材に使用するビーズ法発泡ポリオレフィンの新工場(Rayong県)を建設し、2018年9月に稼働予定。子会社のKaneka (Thailand) Co., Ltd.が約20億円を投資。年産能力は3,000トンで、マレーシア子会社の既存工場とあわせて域内の年産能力を6,000トン超とし、東南アジア・インド地域での軽量化需要増に対応する。また、2017年10月にマーケティング拠点のKaneka (Thailand) Co., Ltd.バンコクオフィスを開設し、事業拡大を目指す。
三洋化成 シート材の発泡ウレタン原料の合弁会社設立、工場稼働は2020年
三洋化成工業は、タイ石油公社(PTT)子会社や豊田通商とシート材などに使う発泡ウレタン原料「ポリオール」の製造・販売の合弁会社GC Polyols Co., Ltd(Bangkok市)を2017年8月に設立。出資比率は、PTT子会社82.1%、三洋化成14.9%、豊田通商3%。Rayong県に工場を建設し、2020 年の商業運転を予定。年産能力は、PPG(ポリプロピレングリコール)13万トン、PPG プレミックス2万トン。日本での生産能力と合わせて現在の2倍以上に高まる。
大同メタル 電動車向けアルミダイカスト製品の新工場設立、量産開始は2020年
大同メタル工業は、自動車向けを中心としたアルミダイカスト製品を製造する新会社DM Casting Technology(Thailand)Co., Ltd(Samutprakarn県)を2018年1月に設立。資本金は2億バーツ。新工場を建設し、HVやEVなどの電動車向け製品の生産を2020年2月に開始予定。投資規模や生産能力は今後詰める。同社の主力であるエンジン用すべり軸受以外の新事業を拡大する。
帝人 樹脂コンパウンド工場と開発技術センターを新設、2019年7月稼働予定
帝人は、Teijin Corporation (Thailand) Limitedの敷地内(Ayutthaya 県)に樹脂コンパウンド工場と開発技術センターを新設する。主にスーパーエンジニアリングプラスチックのポリカーボネート樹脂(PC)と炭素繊維や導電性の繊維を混ぜ合わせた製品を製造する。年産能力は1万トン。2019年7月の稼働を目指す。同時に、コンパウンドの開発(日中の開発拠点との連携を含む)やASEAN域内の顧客サポートを行う開発技術センターも設立。投資額は15億円前後。韓国化学大手のSKケミカル社との合弁会社が生産するPPS樹脂を活用したコンパウンドの展開も予定。
戸田工業 磁性コンパウンドの新工場が2017年に稼働
戸田工業は2017年8月、Toda Kogyo Asia (Thailand) Co., Ltd.(Ayutthaya県)の磁性コンパウンド新工場の稼働を発表。これまでは、中国、日本の製造拠点からタイに輸出していたが、現地生産化によりタイムリーな供給を図る。同製品は、自動車用モーター、センサーなどで使用。新工場の敷地面積は 8300平方メートル、延床面積は1400平方メートル。
日立化成 タイの鉛蓄電池企業を2017年に買収、東南アジアでの事業拡大を図る
日立化成は、自動車用・産業用鉛蓄電池事業を手がけるThai Storage Battery Public Company Limited(Samutprakarn県)の買収を2017年9月に完了。持ち分比率は86.9%で、取得総額は約156億円。東南アジア中心に展開する企業で、タイなどで高いシェアを有している。日立化成の製造ノウハウを取り入れることで製品力を強化し、東南アジア域内での蓄電池事業の拡大を図る。

 

既存工場の生産能力増強、新品目生産

会社名 活動内容
新電元工業 車載用パワー半導体の生産拡大
新電元工業は、パワー半導体の後工程(組み立て)を担うタイ現地法人、Lumphun Shindengen Co., Ltd.に約10億円を投資する。ディスクリート(個別半導体)は2018年夏に、モジュール品は同年末をめどに量産を開始、2021年までに車載用パワー半導体の年間生産量を現状比で4割増やす。車1台あたりの電子制御ユニット(ECU)の搭載数が増加し、小型化に貢献するモジュール品の受注が拡大していることに対応。また、EVやHVなど電動車向け新規需要の取り込みに向けて、将来の安定供給に備える。(2018年3月報道)
住友ゴム SUV用タイヤの生産比率を2021年頃までに5割以上に引き上げ
住友ゴム工業は、2019年までに主力のタイヤ工場Sumitomo Rubber (Thailand) Co., Ltd.(Rayong県)でSUV用タイヤを増産する。約150億円を投じ、20インチ以上の大口径タイヤを製造。2021年頃までに、SUV用タイヤの生産比率を現在の4割から5割以上に引き上げる。製造したタイヤは北米に輸出。米Buffalo工場でも70~80億円を投じてSUV用タイヤを増産する。(2018年6月報道)
住友電工 ハイブリッド車のモーター用平角巻線を生産開始
住友電気工業は、日本の工場でハイブリッド車のモーター用平角巻線の生産能力増強を進めており、タイの子会社でも生産を開始する。同製品の全社売上高は、2018年度に2016年度比2倍に増える見通し。(2017年11月報道)(注)タイではSumitomo Electric Wintec (Thailand) Co., Ltd.(Samutprakarn県)で巻線を生産している。
セキコーポレーション プレス加工部品の第2工場が2017年に稼働
セキコーポレーションは、SEKI Corp (Thailand) Co., Ltd(Saraburi 県)のプレス部品の第2工場が2017年7月に稼働。自動車やプリンター、OA機器向けの需要増に対応。(2017年11月報道)
ダイヤモンド電機 新型の点火コイルを3割増産へ、従来タイプの生産ラインも新設
ダイヤモンド電機は、小型エンジン向けの受注が好調な、コンパクトで高エネルギーの新型点火コイルを米国とタイで増産する。タイでは Diamond Electric Asia Pacific Co., Ltd(Bangkok市)のゲートウェイ工場(Chachoengsao県)のライン改造や自動化推進で2020年の年産能力を現状比3割増の450万個に高める。従来タイプの点火コイルの生産ライン(年産能力120万個)も新設する。(2017年9月報道)
帝人フロンティア ポリエステル繊維関連製品の生産能力増強へ、研究開発拠点を2018年に設立
帝人フロンティアは、日本の工場からTeijin Polyester (Thailand) Limited(Bangkok市)へのポリエステル繊維の主要銘柄の生産移管が2017年末に完了。これに合わせて、2019年から2020年にかけて生産能力を増強する。自動車用シートクッションや吸音材用の素材が対象。投資額や生産能力増の規模は不明。また、2018年1月に、ポリエステルを中心とした繊維の研究開発拠点としてTeijin Frontier Thai Innovation Laboratory(Pathum Thani県)を開設。原料の研究開発から生産・加工までの一貫対応が可能となった。これによりグローバル需要への対応を強化する。
日本CMK 車載基板製品の生産能力を増強、 ADASの普及に伴う需要拡大に対応
日本CMKは、CMK Corporation (Thailand) Co., Ltd.(Prachinburi県)で車載基板製品の生産能力を25%増に引き上げる。先進運転支援システム(ADAS)の普及に伴い需要拡大が見込まれるためで、工場建屋を増築して生産ラインを増設。2018年12月から順次稼働させる予定。投資額は約50億円。
日本特殊陶業 自動車用センサーの生産能力増強、2018年9月に新工場を稼働予定
日本特殊陶業は、NGK Spark Plugs (Thailand) Co., Ltd.(Chonburi県)の既存工場隣接地に自動車用センサーを生産する新工場を建設し、2018年9月末に竣工予定。総投資額は約120億円。2023年までにジルコニア酸素センサーの年産能力を現在の約2倍の2400万個に、温度センサーを同約2.5倍の2300万個に引き上げる。また、新たに全領域空燃比センサーの生産も計画。環境規制の強化が進む欧州や中国、インドなどアジア向けの生産拠点として強化する。
日立金属 ナノ結晶軟磁性材料の生産能力を増強、電動車での需要拡大に対応
日立金属は2017年10月、EVやHV、PHVなどの電源系回路に使用されるナノ結晶軟磁性材料「ファインメット」の生産能力を2018年度末までに2017年度比3倍に増強すると発表。需要の急拡大に対応する。日本のメトグラス安来工場とHitachi Metals (Thailand), Ltd.(Ayutthaya県)で製造ラインを増強する。同製品は、従来使われてきた電磁鋼板よりも高い透磁率と磁束密度を合わせ持っている。
船井電機 小型EV向けに樹脂成形部品を供給へ
船井電機は、小型EV向けにインスツルメントパネル周辺の樹脂成形部品などを2018年秋からタイで生産する。2017年11月に資本参加した日本のEVベンチャーのFOMMが2018年末にタイ市場向けに生産する小型EVに供給し、2020年の量産を目指す。また、液晶メーターや制動部品のモーターを制御するインバーターなどを両社で共同開発する計画。(2018年3月報道)(注)船井電機のタイ現地法人はFunai (Thailand) Co., Ltd.(Ratchasima県)のみ。現在、液晶TVを生産。
三菱ケミカル スチレン系熱可塑性エラストマーを2018年1月に生産開始
三菱ケミカルは、Mitsubishi Chemical Performance Polymers (Thailand) Co., Ltd.(Samutsakhon県)で2018年1月からスチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)の製造を開始した。これまで東南アジア諸国には、域外で製造したTPSを輸出して供給していたが、今後も需要拡大が見込まれるため、タイで製造することとなった。これにより、タイ工場の熱可塑性エラストマーのラインナップが3ブランドから4ブランドに増え、幅広いソリューションの提供が可能となる。
三菱重工サーマルシステムズ EV向けエアコンコンプレッサーの生産能力増強へ
三菱重工サーマルシステムズは、2020年をめどにEV向けカーエアコンのコンプレッサーの生産能力を現状の2~3倍に増強し、日米などの完成車メーカーのEVシフトに対応する。生産台数や投資額は今後詰める。(2018年1月報道)(注)タイでは、MHI Automotive Climate Control (Thailand) Co., Ltd. (Chachoengsao県)がエアコンコンプレッサーを生産している。
山元 電装品向け精密プレス加工の生産能力を50%増強
山元は、Yamagen (Thailand) Co., Ltd. (Ayutthaya県)の工場を2018年春までに増築し、車載電装品向けプレス加工の生産能力を現状比50%引き上げる。これまでの設備は、加圧能力30トンクラスまでの自動プレス機が中心だったが、60トンクラスを新たに6台導入して9台とし、やや大物の需要増に対応。組立ラインも新設する。(2017年9月報道)
UACJ 熱交換器用のアルミ材の生産設備を新設、2018年6月稼働
UACJは、UACJ (Thailand) Co., Ltd. (Rayong県)の工場に熱交換器用のアルミ板材(フィン材)の生産設備を新設し、2018年6月から量産開始。年間3万トンのペースで生産する予定。投資額は約45億円。また、Prachinburi 県にあるUACJ Extrusion (Thailand) Co., Ltdの拠点内にアルミを100%使用した熱交換器の組立工場を2017年に新設した。アルミ部材は飲料缶向けや自動車向けが中心だが、エアコン向けでも事業拡大を目指す。(2017年11月報道)
ヨロズ 部品用金型の生産能力を2023年度までに3.5倍に増強
ヨロズは、Yorozu Engineering Systems Thailand Co., Ltd.(Rayong県)でサスペンション部品などの金型の年産能力を2023年度までに現状比3.5倍の700型に引き上げる。2018年度中に10億円以上を投じ、工作機械などの設備を増設。2022年度をめどに、金型や生産設備の開発者を約110人増の約250人に増やす。

 

地域統括会社・販売会社設立、新産業創出への協力など

会社名 活動内容
神戸製鋼 東南アジア・南アジア地域の統括会社が2017年8月に業務開始
神戸製鋼は、東南アジアおよび南アジア地域の6カ国で事業展開する30社(連結・持分)の統括会社として、Kobelco South East Asia Ltd.(Bangkok市)を設立し、2017年8月から業務を開始。海外の統括会社としては、米国、中国に続く3カ所目。経営管理の強化やグループ内の連携、資金管理の一元化による事業の効率化を進める。
三洋貿易 自動車部品などの合弁販売会社を2018年に完全子会社化
三洋貿易は2018年1月、自動車用部品やゴム、化学品などの産業用原材料などを販売するタイの連結子会社サンタップ・インターナショナルの株式49%を現地パートナーから買い取り、完全子会社化すると発表。資本金を2860万バーツから2億2860万バーツに増額し、事業拡大を図る。(2018年3月報道)
ダイキン工業 フッ素化学製品の販売・マーケティング子会社が2018年1月に営業開始
ダイキン工業は、フッ素化学製品の販売や技術サポート、マーケティング機能を持つDaikin Chemical Southeast Asia Co., Ltd.(Bangkok市)を設立し、2018年1月に営業開始。資本金は1.6億バーツ。新会社では、空調機向けの冷媒ガスの安定供給、自動車向けのフッ素樹脂・ゴム製品の販売強化に加えて、分野別のマーケティングや用途開発による需要の掘り起こしにより、東南アジアでのフッ素化学事業の拡大をはかる。
豊田通商 車線単位の高精度ルートガイダンスシステムの実証実験を実施
豊田通商は、準天頂衛星システム「みちびき」やJAXAが開発した衛星信号補正データ生成システムを活用した車線単位の高精度ルートガイダンスシステムの実証実験を2018年3月にBangkok市で実施。交通情報サービスの向上による渋滞緩和への貢献を図るとともに、「高精度測位技術を活用した事業領域」でのビジネス拡大を目指す。同実証事業はJETROの「日ASEAN新産業創出事業」公募の採択案件で、チュラロンコン大学、ゼンリンデータコムなど数社が参加。
バンドー化学 アジアヘッドクォーター機能の新会社を設立
バンドー化学は、アジア市場における自動車用・産業用動力伝達ベルトなどの事業促進と業務のさらなる効率化を図るため、新会社のBando Asia & Pacific Co., Ltd.(Bangkok市)を設立し、2018年1月に事業開始。資本金は1100万バーツ。機能はアジアヘッドクォーターに近く、当初はフィリピン、マレーシア、インドネシアなどASEANとインドのグループ会社に対する業務支援と原材料調達の役割を担う。その後、段階的にマーケティングと販売促進、製品開発および域内の物流機能の統括へと業務を拡充させる予定。


インドネシア:新日鉄住金、小糸製作所、メタルアート、共和産業、日本板硝子など

新規進出・生産能力増強・生産品目切り替えなど

会社名 活動内容
新日鉄住金 自動車用鋼板の合弁工場が2017年7月に稼働
新日鉄住金は、合弁会社PT. Krakatau Nippon Steel Sumikin(Banten州)の新工場が2017年7月に営業運転を開始。新工場には、連続焼鈍ライン(冷延鋼板製造用)と溶融亜鉛めっきライン(亜鉛めっき鋼板製造用)を一体化させた最新鋭自動車鋼板製造ラインを設置し、中級品の冷延鋼板と防錆鋼板・高張力鋼板を含む高級・高品質の鋼板を1つのラインで生産。日系自動車メーカーの現地調達ニーズに対応。年産能力は48万トン。設備投資額は約3億ドル。
エムケーカシヤマ 補修用ディスクブレーキパッドの生産能力を増強、スラバヤで工場を取得
エムケーカシヤマは、現地子会社のPT. MK Prima Indonesia(East Java州Surabaya市)でディスクブレーキパッドの月産能力を2018年末に2017年比1.5倍の45万セットに引き上げる。既存工場と同規模の工場をスラバヤ市内に取得し、既存工場からブレーキパッドの生産設備を移設し、新設備も導入する。投資額は5億円。主力の補修向けの需要増や納期短縮のために、供給体制を強化。(2017年11月報道)
小糸製作所 2019年にランプの生産能力を5割増に、工場建屋を増築
小糸製作所は、PT. Indonesia Koito(West Java州Karawang県)で2017年にヘッドランプを年間100万台、リアランプを30万台生産。日本車の現地生産増加に対応して新たに建屋を増設し、2019年に生産能力を5割引き上げる。投資額は20億円程度。(2017年12月報道)
日東精工 日系ねじ製造会社から事業取得、第2工場として2017年12月から稼働
日東精工は、工業用ねじを生産するPT. Nitto Alam Indonesia(以下NAI)のBanten州Tangerang工場の生産能力が限界に達していたため、同業者のPT. Isogai Indonesiaのねじ製造・販売事業の一部を譲り受けた。同社のWest Java州Bekasiの工場をNAI の第2工場として2017年12月に稼動。特殊冷間圧造部品や太物ボルト・ねじ工場と位置付け、製品の供給体制を整える。
メタルアート プロペラシャフト構成部品からMTギアへ生産品目を切り替えへ
メタルアートは、合弁会社のPT. Metalart Astra Indonesia(West Java州Karawang県)で2019~2020年度をめどにマニュアルトランスミッション(MT)用ギアの生産開始を検討。2020年以降にFF車への移行が本格化し、FR車需要が頭打ちとなり、生産中のプロペラシャフト向け構成部品の生産量が減少する見通し。工場の操業度を落とさないために、日本から輸出していたMT用ギアを現地で生産する計画。早ければ2019年頃から生産品目を切り替える。(2017年8月報道)

 

事業体制強化・出資

会社名 活動内容
イワサ 鋼材の卸売りに加えて、金属加工事業を開始
イワサは、2017年にジャカルタ郊外に空き工場を借りて、新たに金属加工を開始。同社は現地で精密棒鋼などの鋼材の販売を手がける商社。現地顧客の要望に応え、新工場で加工も施す体制を整えた。自動車や農業機械などに使うボルトやナットなどの部品を供給。熱処理などを手がける現地の協力企業を20社以上確保。現地のスタッフは日本人1人を含む12人。増員も検討。(2017年12月報道)
共和産業 サンバイザーの輸入販売を2017年末から現地生産に切り替え
共和産業は、サンバイザーを従来の輸入販売から現地生産に切り替え、需要の拡大に対応する。現地子会社のPT. Kyowa Sangyo Indonesia Internationalがレンタル工場に生産ラインを整備し、2017年12月に稼働。まず、トヨタ向けに供給し、他の日系メーカーへの拡販を目指す。2019年1月をめどに月産能力3万台を想定。(2017年10月報道)
日本板硝子 現地のバッテリーセパレーター会社へ出資
日本板硝子は、液式鉛蓄電池用ポリエチレンセパレーターの合弁会社 PT. ENTEK Separindo Asia(West Java州)に2017年に出資。同合弁会社は、米ENTEK社とインドネシアのSeparindo 社が設立したもので、日本板硝子はマイナー出資し、役員派遣はない。アジアで需要が増加しているアイドリング・ストップ・スタート(ISS)用のバッテリーセパレーターの生産と研究開発で協力し、供給体制を拡充する。
三菱製鋼 特殊鋼鋼材の合弁会社を2018年1月に連結子会社化
三菱製鋼は、合弁会社のPT. Jatim Taman Steel Mfg.(East Jawa州Surabaya市郊外)への出資比率をそれまでの35.2%から2018年1月に56.2%に引き上げ、連結子会社とした。経営権を取得して事業のスピードを速め、主要顧客の現地調達ニーズへの対応を強化する。工場は、製鋼から鋼材加工、板ばね部品の成形までの一貫生産体制を整えており、2016年からばね平鋼、2017年9月から丸鋼を販売している。


ベトナム:イコール、帝人、日本モリマー、アドバネクス、豊田合成、マブチモーター、ヨコオなど

工場新設

会社名 活動内容
イコール アルミ、樹脂などの部品会社を新設、内製率を向上
イコールは、部品加工子会社のEQual Vietnam Ltd.を2017年9月に設立。資本金は6600万円。ホーチミン市郊外に工場を賃借し、産業機械や自動車用などのアルミや鉄、樹脂の部品を加工。日本での受注の一部をベトナムで生産し、内製率を高める。投資額は3000万円。3年以内に営業担当を置き現地需要を開拓し、自社工場建設も計画。総投資額は5億円を見込む。(2017年8月報道)
帝人 エアバッグ基布の新工場設置を検討
帝人は、2019-20年頃をめどに、ベトナムにエアバッグ基布工場設置を検討。中国工場(江蘇省)で2018年度に行う予定の増産計画において、増設余地がなくなったため、同等規模の工場をベトナムに新設するというもの。(2017年11月報道)
日本モリマー 射出成形部品工場を新設、将来は自動車部品も
日本モリマーは、TS Molymer Vietnam Co., Ltd.(Dong Nai省)が工場施設をレンタルして、主に電機用の射出成形部品を2018年4月から生産(予定)。主力顧客の仏シュナイダーエレクトリックがベトナムでの生産能力を拡大したことを受け、新規進出を決定。成形機6台で生産を始め、5年後には30台体制を目指す。将来は自動車関連部品も手がける考え。投資額は1000万ドル(約11億円)。(2017年8月報道)

 

生産能力拡充、新品目投入

会社名 活動内容
アドバネクス 工場を移転・拡張し、自動車向けなどの精密ばねを増産
アドバネクスは、Advanex (Vietnam) Ltd.の工場をBac Ninh省に移転・拡張し、生産能力を現状の3倍に引き上げる。敷地面積の制約から現工場に拡張の余地がないため、新たに4倍以上の8000平方メートルの建屋面積をもつ工場を建設し、2018年12月に稼働予定。生産中の線ばねに加えて、自動車などの電装品に使う板ばねや線径の太い線ばねを新たに導入し事業を拡大する。投資額は約14億円。
東新製作所 鋳物や射出成形など部品加工の仲介事業を本格化
東新製作所は、子会社の東新ベトナムが鋳物や射出成形、切削加工、塗装などの地場メーカー約10社と提携し、日本企業を対象に部品加工の仲介事業を行っている。2016年の子会社開設以来、現地で受注するのは、日本企業が中国メーカーに発注していた部品などの加工が殆ど。これが急増しているため、事業をより本格化させる。現地の提携メーカーを増やすとともに、2017年8月には日本でも専用営業窓口を新設した。(2017年8月報道)
豊田合成 新工場を建設し、エアバッグ部品などの生産能力増強
豊田合成は、Toyoda Gosei Haiphong Co., Ltd.の分工場をThai Binh省に建設し、エアバッグ部品(衝突時に膨らむバッグ)、ハンドルを2019年7月から生産し、日本や北米、欧州などにある同社のエアバッグ最終組付拠点へ輸出する。投資額は2460万米ドル(約26億円)。これにより、ベトナムでの年産能力を2016年度のエアバッグ部品1450万個、ハンドル220万本から、2023年度にはエアバッグ部品2300万個、ハンドル320万本に増強する。
パンチ工業 金型部品の一部を日本からベトナムに生産移管
パンチ工業は、自動車部品向け金型の量産部品をPunch Industry Manufacturing Vietnam Co., Ltd.(Binh Duong省)の工場で一貫生産できるようにする。10億円を投じて工作機械などを導入。コスト削減のため、宮古工場で生産している量産部品の一部を2018年夏からベトナムに移管し、部品メーカーの日本国内での生産向けに供給する。(2017年9月報道)
プロニクス 樹脂成形品の第2工場を2017年10月に設立、価格競争力強化を図る
プロニクスは、ベトナム第2工場のPronics Hanoi Co., Ltd.(Ha Nam省)を2017年10月に新設。第1工場のホーチミン工場で生産している金型を用いてワイヤーハーネスやモーターなどの樹脂成形部品を量産し、価格競争力強化を図る。第2工場に近いハノイ周辺には、取引先の日系部品メーカーが多数進出しており、事業拡大が見込めると判断した。(2017年10月報道)
マブチモーター 小型モーターの生産能力を増強、 2019年に分工場を操業
マブチモーターは、小型モーターを生産するMabuchi Motor Vietnam Ltd.(Dong Nai省)の分工場を新設し、2019年第3四半期に操業する予定。電装機器用モーターの現地での需要増に対応する。分工場では、小型モーター生産設備の開発・製造、基幹部品の生産を手がけ、グループ全体の生産体制を強化する。
三谷産業 樹脂成形品の工場を2017年に増築
三谷産業は、ベトナム子会社のAureole unit-DEVices Manufacturing Service Inc.(Dong Nai省) の車載向け樹脂成形品や電子部品と組み合わせた複合ユニットを製造する工場を増築し、2017年8月に竣工。延べ床面積を従来の2倍にし、生産能力を2倍超に拡大。自動化による効率化も図り、成形、組立や検査エリアを新たに設置した。ASEAN域内の日系自動車メーカーの需要増に対応。
ヨコオ 2017年に工場を拡張、生産品目を追加
ヨコオは2017年9月、Yokowo Vietnam Co., Ltd.(Ha Nam省)の第3期拡張工事が完了し、稼働したと発表。工場の延べ床面積を3090平方メートル拡張し、1万8390平方メートルとした。従来は、ワイヤーハーネスやAM/FM用マイクロアンテナなどの組立加工が中心だったが、シャークフィンアンテナの組立加工や樹脂成形部品の内製を拡大する。(2017年9月報道)


マレーシア:小糸製作所、東洋ゴム、日本化薬など

新工場稼働、生産能力拡充など

会社名 活動内容
小糸製作所 ランプ生産拠点を設立、2019年12月に生産開始予定
小糸製作所は、マレーシアで初のランプ生産拠点Koito Malaysia Sdn. Bhd.(Negeri Sembilan州)を2017年10月に設立。新工場を建設し、2019年12月に生産開始予定。マレーシアの自動車工場に全量出荷する。2021年末にヘッドランプとテールランプの年産能力を各25万台にする予定。投資額は50億円。
住友商事 コイルセンターの保有株式を100%に買い増し、完全子会社化
住友商事は2018年1月、コイルセンターのSumiputeh Steel Centre Sdn. Bhd.(Selangor州)の保有株式を従来の50%から100%に買い増し、完全子会社化したと発表。規制緩和で外資が全額出資できるようになったためで、経営資源をより効率的に活用し、マレーシア薄板市場での更なる競争力強化とシェア拡大を目指す。
第一精工

車載用センサーの新工場を建設、2018年10月の稼働予定
第一精工は、新たな現地法人Dai-ichi Seiko Malaysia(Johor州)を2017年8月に設立。車載センサー・関連部品と民生用コネクターの新工場を建設し、2018年10月に操業予定。同じ民生用コネクターを生産している既存工場のMDI社(Johor州)と合わせて、南アジアの一大生産拠点とする。(2017年8月報道)

東洋ゴム タイヤの生産能力増強、2019年10月に新棟を稼働予定
東洋ゴムは、年産能力500万本(乗用車用タイヤ換算)のToyo Tyre Malaysia Sdn. Bhd.(Perak州)でフル生産が続いているため、新たに年産能力480万本規模の建屋を建設する。投資額は約 210 億円。第1段階として、その1/2である年産240万本のタイヤ生産に必要な設備を導入し、2019年10月に稼働する予定。大口径と乗用車用高性能タイヤを増産する。マレーシア工場は、東南アジアのみならず、欧州や日本、北米など世界市場に供給するグローバルハブ機能を果たしている。
日本化薬 エアバッグ用インフレータのグローバル生産能力を増強
日本化薬は、エアバッグ用インフレータのグローバル生産能力を3年後をめどに5割増強する。2017年度に計画する207億円の設備投資の約7割をチェコ、中国、メキシコ、マレーシアのインフレータ工場の生産能力増強に充てる。2018年度には、軽量・低コストの新型インフレータを日本で生産開始し、順次、マレーシアや中国でも生産する。(2017年11月報道)(注)マレーシアでは、Kayaku Safety Systems Malaysia(Negeri Sembilan州)でインフレータを生産している。
富士電機 半導体増産のための設備投資を実施
富士電機は、EVやロボットに使う半導体の生産設備に2017年度、2018年度合計で500億円近くを投資する。世界的なEV開発の加速や、中国を中心としたロボットの需要増に対応するもの。主力の松本工場やマレーシア工場などには、2017年度に100億円程度を投じている。(2017年10月報道)(注)マレーシアでは、Fuji Electric (Malaysia) Sdn. Bhd.(Kedah州)でEV&HEVシステム部品のパワー半導体を生産している。


フィリピン:エスツーアイ、日本航空電子工業、バンダイ、村田製作所など

新会社稼働、生産能力増強など

会社名 活動内容
伊藤製作所 順送り金型工場の生産開始式典を2017年9月に開催
伊藤製作所は、Ito-Seisakusho Philippines Corporation (Laguna州)の順送り金型工場の生産開始式典を2017年9月に開催。ASEAN諸国の日系部品メーカーで、順送り金型の需要が高まっていることに対応し、生産体制を整備。(2017年9月報道)
エスツーアイ 部品表ソフトの開発子会社が2018年1月に稼働、IT人材の採用にも活用
エスツーアイは、自動車部品の開発・生産準備の部品表(BOM)ソフトウエア事業で、100%子会社のS2I Solutions Factory Corp.(マニラ首都圏Makati市)を2017年10月に設立し、2018年1月に稼働。資本金は3100万円。本社から派遣するフィリピン人社員3人を含む10人でスタートし、2021年までに50人体制にする計画。開発の一部を委託するとともに、外国人開発者からの相談対応など英語関連の業務をフィリピンに移す。また、フィリピンの大学でITの専門教育を受けた現地人材の確保でも開発子会社を活用する。(2017年9月報道)
日本航空電子 車載向けコネクターの生産能力を増強
日本航空電子工業は、JAE Philippines, Inc(Cavite州)の第2工場の敷地に新棟を増設し、2018年11月に竣工予定。車載向け情報通信やETC用のコネクターを生産する。生産設備を段階的に増やし、コネクターの年産能力を将来最大で1.5倍に増やす。新棟の延べ床面積は1.8万平方メートル、第1工場を含む全体の総床面積は現状の1.5倍の4.9万平方メートルとなる。投資額は約20億円。
バンダイ ワイヤーハーネスの新工場が2018年3月に生産開始
バンダイは、Bandai Wireharness Philippines, Inc. (Batangas州)を2017年に設立。ワイヤーハーネスを2018年3月に生産開始し、2019年に本格稼働する。投資額は約6億円。部材は日本から調達し、日本をメインに、メキシコ、米国、タイなどに製品を輸出する。アジアでは、ベトナムでの生産に全て依存してきたが、雇用と供給が追いつかなくなるため、フィリピンに新工場を建設。今後、2~3年で2000人体制、年産3000万本を目指す。バンダイの売上高全体に占めるフィリピン工場の割合を6割まで引き上げ、主力工場とする計画。(2018年2月報道)
丸一鋼管、豊田通商 二輪・自動車向け鋼管の製造拠点新設、2019年春に生産開始
丸一鋼管は豊田通商と共同出資で二輪・自動車用鋼管の製造子会社Maruichi Philippines Steel Tube Inc. (Batangas州)を設立。資本金は15.6億円。出資比率は、丸一鋼管70%、豊田通商グループ30%。新工場は2019年春頃の稼働予定。ステンレス鋼管を生産し、フィリピン国内の需要増に対応。月産能力は1000トンで、現地の日系企業向けを中心に供給。投資額は約15億7500万円。
村田製作所 現地工場の第2生産棟を建設し、電子部品の生産能力を増強
村田製作所は、Philippine Manufacturing Co. of Murata, Inc.(Batangas州)の2棟目の生産棟が2018年3月に完成。延べ床面積は73,117平方メートル。建物への投資額は50億円。これによりスマホや車載用の積層セラミックコンデンサの生産能力を増強して、更なる需要拡大に対応する。主に中国や欧米自動車メーカー向けに供給。


シンガポール:旭化成、サンライズ工業、日本ゼオンなど

生産能力増強、持ち株会社・技術サポート拠点設立など

会社名 活動内容
旭化成 低燃費タイヤ向け合成ゴムの生産能力を3割増強へ
旭化成は、Asahi Kasei Synthetic Rubber Singapore Pte. Ltd.の工場に1ライン増設。低燃費タイヤ向け溶液重合法スチレンブタジエンゴム(S-SBR)の年産能力を3万トン増強し、13万トンに引き上げる。新ラインは2019年1月から稼働。投資額は約50億円。環境規制強化を背景とする新興国など世界各国での低燃費タイヤの需要拡大に対応する。
サンライズ工業 2018年内に持ち株会社設立へ
サンライズ工業は、2018年内に持ち株会社制に移行する。同社と海外子会社(マレーシア、タイ、中国、インド、インドネシア)を統括する持ち株会社をシンガポールに設立し、経営判断の迅速化を図る。また、シンガポールで事業拡大のための資金調達なども行う。(2017年12月報道)
日本ゼオン 特殊ゴムの技術サポート拠点を2017年に開設
日本ゼオンは、Asia Technical Support Laboratory(ATSL)を2017年にサイエンスパーク内に開設した。日本、欧州、中国に続く第4の技術サポート拠点。特殊ゴムに関する需要家からの依頼試験への対応や配合提案など様々なソリューションを提供する。今後も内燃機関が主流であり続け、需要も拡大するASEAN・インド地域をカバーする。
村田製作所 ソニーからの電池事業買収により、リチウムイオン二次電池工場を取得
村田製作所は、ソニーの電池事業子会社ソニーエナジー・デバイスの譲り受けを2017年9月に完了した。これに伴い、リチウムイオン二次電池を生産する中国(Sony Electronics (Wuxi) Co., Ltd.)とシンガポール(Murata Energy Device Singapore Pte. Ltd.)の2工場を取得。


ASEAN全般:ニチコン、本多通信工業

急速充電器の販売、製造拠点設置計画

会社名 活動内容
ニチコン EV急速充電器などを2018年度にアジア諸国に輸出販売
ニチコンは、EVの急速充電器とEVを使った家庭用蓄電システム機器を日本からマレーシア、タイ、欧州などに輸出する。EV用急速充電器は課金システムを担う現地のシステムベンダーなどと提携し、2018年度にマレーシア、タイ、インド、スリランカで販売する。(2017年7月報道)
本多通信工業 アセアン地域に車載用コネクターの製造拠点設置へ
本多通信工業は、車載カメラ用コネクターの海外生産を中国・深圳で行っているが、アセアン地域ではタイに販売拠点のHTK C&H (Thailand) Ltd.を置いているのみ。自動車市場拡大に伴い車載カメラ用コネクター需要も高まっているため、2018年度中にアセアン地域にも製造拠点を1ヵ所設置する計画。2020年には、チャイナプラスワンで現状の2倍の年産2000万個を見込む。(2017年11月報道)

 


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キーワード
ASEAN、アセアン、タイ、インドネシア、ベトナム、マレーシア、フィリピン、シンガポール、日系、サプライヤー、部品メーカー

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