欧州の日系部品メーカー:欧米韓メーカーへの拡販を狙う投資が続く
ロシア/東欧での新工場建設・生産能力拡大
2013/10/04
要 約
欧州29カ国の2013年1-8月の乗用車の新規登録台数は、欧州自動車工業会(ACEA)によれば、前年同期比5.2%減の814万台と、2012年に続き前年割れとなっている。こうした中、日系自動車部品メーカーによる欧州での事業展開は、欧州・米国・韓国など非日本乗用車メーカー・部品メーカーへの新規納入、販路拡大を目指すものが多い。
新会社(工場)建設は、東欧諸国・トルコに集中している(KYB、テイ・エステック、デンソー、トヨタ紡織、住友ゴムなど)。生産能力拡充では、省エネ型部品の需要拡大(豊田自動織機)や取引先拡大に備えるもの(NTN、ケーヒン、大同メタル、ハイレックス、ブリヂストンなど)が多い。
企業買収や合弁会社設立も活発。現地パートナーの持つ欧州自動車メーカーへの販路活用に加えて、開発体制・商品の強化(GSユアサ、ニフコ、三菱化学、ユーシン、リケン)、グローバルな生産体制の補完(東海ゴム、タチエス、伊藤忠丸紅鉄鋼)などがみられる。
事業体制の再編では、現地法人の事業基盤強化のための完全子会社化(IHI、三桜工業)、生産会社の統合(デンソー)、開発拠点の設立(三菱重工、ホンダエレシス、河西工業)、開発拠点の拡充(KYB、デンソー)、販売体制の強化(ヨコオ)などがある。
ロシアの2013年1-8月の自動車販売は前年同期比6.8%減の180万台と、2012年の拡大基調から減少に転じている。2013年1-8月の生産台数も139万台(同2.9%減)と低迷。
こうした中にあっても、日系部品メーカーによる新工場建設が数多くみられる。多くはアフトワズへの納入のためにTogliatti市に設立されている(アツミテック/豊田通商、エクセディ、鬼怒川ゴム、三桜工業、ハイレックス)が、その他地域での設立(住友電工・住友電装、ブリヂストン)もみられる。このほか、進出に先立つ現地企業への技術支援(小糸製作所)や、モスクワ事務所開設(ジヤトコ)などがあり、進出を検討中の部品メーカーも多い。
日系部品メーカー動向関連レポート:
・インド編 (2013年8月)
・中国 (華北/東北/西南地域) 編 (2013年8月)
・中国 (華南/華中地域) 編 (2013年7月)
・中国 (華東地域) 編 (2013年6月)、
・米国編 (2013年7月)
・メキシコ・ブラジル編 (2013年5月)
・タイ編 (2013年3月)
・ASEAN編 (2013 年2月)、
・欧州編 (2012年12月)