インドの日系部品メーカー:日系自動車メーカーの生産増強・新興国モデル投入に対応

愛三工業、カルソニックカンセイ、ケーヒン、小糸製作所、デンソー、豊田自動織機、ニッパツなどの動向

2013/08/21

要 約

日系自動車メーカーの主なインド拠点
日系自動車メーカーの主なインド拠点

 インドの2012年の自動車生産台数は414万台(前年比5.3%増)、新車販売台数は359万台(同8.9%増)と2011年に続き1ケタの低成長となった。2013年1~7月は、高金利や燃料高の継続により、各月の新車販売台数は前年同月比6~15%縮小したため、稼働率が低下する日系部品メーカーもみられる。とはいえ、自動車メーカー各社の中期的な増産計画などを受けて、日系部品メーカーの新規進出、生産能力拡充などの投資は続いている。

 投資地域は、Haryana州、Rajasthan州、Uttar Pradesh州などのインド北部、Tamil Nadu州、Karnataka州、Andhra Pradesh州などの南部、西部のMaharashtra州に広がっている。

 新規工場建設では、ルノー・日産の新興国向けの低価格新型車投入への対応(河西工業ニッパツなど)、ホンダの乗用車第2工場稼働への対応(テイ・エステック)、インド国内および輸出向けの大型トラック用部品生産(TBK)、タイヤ原料量産(丸紅)などがみられる。販売会社設立(住友ゴムクラリオン)では、拡大が見込まれるアフターマーケット向けもターゲットにしている。

 生産能力増強では、他地域の取引先への納入(愛三工業小糸製作所の南部での第2工場など)、事業領域の拡大・新品目の追加(デンソーエクセディ豊田自動織機など)、鋼管の一貫製造体制(新日鉄住金)、CNG用インジェクター生産のインドへ全面移管(ケーヒン)、インド地場企業との提携による顧客拡大(日立金属)などがみられる。R&Dにおいても、インド地場企業との提携によるエンジニアリング・センター設立(カルソニックカンセイ)が行われている。

 なお、低価格指向のインド市場では利益確保が難しいとの理由で、工場進出や製品輸出を見送るケース(曙ブレーキ)もみられる。

 以下は、インドにおける日系部品メーカーの最近動向である(収録対象は、2013年8月初までの9カ月間)。


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