マレリ (株) (旧 カルソニックカンセイ (株))

会社概要

■URL

https://www.marelli.com/jp/

■本社所在地

〒331-8501 埼玉県さいたま市北区宮原町2-19-4

業容

-日産系サプライヤー大手のカルソニックカンセイがイタリアのランプメーカー大手Magneti Marelliを2019年に買収、社名を変更しマレリとなった。

-旧カルソニックカンセイの主な製品は、コックピットモジュール/インテリア、空調システム、熱交換器、コンプレッサー。また、旧Magneti Marelliは、ライティング、エレクトロニクス、パワートレイン。

-同社は10の事業分野で事業を展開している: 自動車用照明とセンシング、電動パワートレイン、サーマル・ソリューション、エレクトロニクス・システム、グリーン・テクノロジー・ソリューション、インテリア・エクスペリエンス、パワートレイン、ライド・ダイナミクス、モータースポーツ、アフターマーケット。

-同社は2022年3月、負債総額が1兆円を超えるとして、私的整理の一種事業再生ADRの申請を行った。メインバンクのみずほ銀行など取引金融機関に対し債権放棄などを要請するとしていたが、同年6月、債権者会議において全債権者からの同意が得られず、民事再生手続きに移行することとなった。

事業再生計画

-2022年3月、負債総額が1兆円を超えたため、私的整理の一種である事業再生ADRを申請。メインバンクのみずほ銀行をはじめ、取引金融機関に債務免除を要請するという。同年6月、債権者集会で債権者全員の同意が得られず、民事再生手続きに移行することを決定した。

-2022年7月、同社は簡易民事再生を開始した。簡易民事再生手続により、ADR手続の再生計画を引き継ぐことができる。同月、米国投資ファンドKKR & Co. Inc.による追加出資、金融機関による債権放棄を含む事業再生計画も承認された。事業再生計画では、組織・人員体制の見直し、コスト競争力の強化、人材・イノベーションへの投資などを柱とする。

-2022年8月、東京地方裁判所による事業再生計画の認可が確定したと発表した。認可確定により、再生手続は終了した。また、再生計画の効力発生に伴い、親会社の米投資ファンドKKRがマレリに追加出資し、金融機関が債権を放棄する。

主要製品

コックピットモジュール (Cockpit modules)・内装製品 (Interior products)
-インストルメントパネル (Instrument panels)
-コンソール(Consoles)
-加飾フィニッシャー(Decorative finisher)
-ステアリングメンバー(Steering members)
-フルデジタルクラスター (Full digital cluster)
-コックピットドメインコントローラー (Cockpit domain controller)

電子製品 (Electronics products)
パワーエレクトロニクス (Power electronics)
-インバーター(Inverters)
-LBC (Li-ionバッテリーコントローラ) (LBC; Lithium ion Battery Controller)
-回生蓄電システムSonic Power (Regenerative energy storage system)
-ブロワーモーター (HVAC用) (Blower motors for HVAC)
-HVAC用LIN通信モーターアクチュエーター (LIN communication motor actuators for HVAC)
-BCM (ボディコントロールモジュール) (Body Control Module)
-キーレスエントリー (Keyless entry)
-ゲートウェイ(Gateway)
-インバーター (Inverter)
-SiC/GaN DC-DCコンバーター (DC-DC converter evolution with SiC/GaN technologies)

e-Axle

ヒューマンマシンインターフェイス (Human machine interface)
-メーター (Meter clusters)
-集中コントロールスイッチ(Integrated control switch)
-エアコンコントロールスイッチ(Air conditioner control switch)
-乗員検知システム (Occupant detection system)

テレマティクスボックスモジュール (Telematics box module)

排気製品 (Exhaust products)
-排気システム(Exhaust systems)
-マフラー本体 (Mufflers)
-エキゾーストマニホールドコンバーター (Exhaust manifold converters)
-スピニング(Spun converters)
-バルブ(Control valves)
-板金タービンハウジング CK-SMiTH (Sheet metal turbine housing CK-SMiTH)
-バーナー (Burner)

空調製品 (エアコンシステム) (Climate control systems)
-エアコンユニット (Air conditioning units)
-エバポレーター(Evaporators) 
-ヒーターコア(Heater Cores)
-クールボックス(Cool Box)

熱交換製品 (Heat exchange systems)
-ラジエーター (Radiators)
-コンデンサー (Condensers)
-モーターファン (Motor fans)
-EGRクーラー (ガソリンエンジン用) (EGR coolers for gasoline engines)
-ビルトイン オイルクーラー/ウォーマー (Built-in oil coolers / warmers)
-チャージエアクーラー (インタークーラー) (Charge air coolers (Inter coolers))
-EVサーマルシステム (EV Thermal System (iTMS))
-熱エネルギー回収システム (Heat Energy Recovery System (HERS))

パワートレイン製品 (Powertrain products)
-高圧・超高圧燃料システム (High and ultra high pressure fuel systems)
-変速機制御システム (Transmission control systems)
-スロットルボディ (Throttle body)
-インテークマニホールド (Intake manifold)
-ビークルダイナミクスコントロールモジュール (Vehicle dynamics control module (VDCM))
-TJIインジェクター (Injector With TJI Technology)
-6速デュアルクラッチトランスミッション制御ユニット (DCT TCU 11TDF)

電動パワートレイン (Electric Powertrain)

コンプレッサー (Compressors)
-可変容量タイプ (Variable displacement compressors)
-固定容量タイプ (Rotary compressor series)

ライト/センサー (Automotive Lighting & Sensing)
-LiDAR
-新型照明モジュール h-Digi (h-Digi lighting module)
-ヘッドランプモジュール(Headlamp module)
-リアランプモジュール(Rear lamp module)
-スマートコーナー(センサー内蔵ライトユニット)(Smart corner (light unit with integrated sensors))
-照明付きフロントパネル(Illuminated front panel)
-ニアフィールド地上投影システム(Near field ground projection system)

ライドダイナミクス (Ride dynamics)
-フルアクティブサスペンション (Full active suspensions)

グリーン・テクノロジー・ソリューション(Green Technology Solutions)

沿革

1938年08月 東京都港区赤坂溜池において資本金2万円で日本ラジエーター製造株式会社を設立。
1948年12月 本社を東京都中野区南台 (現在地) に移転。
1952年12月 社名を「日本ラヂヱーター株式会社」と変更。
1954年06月 日産自動車株式会社に各種ラジエーターの全面的納入を開始。
1962年02月 東京証券取引所に株式を上場。
1962年06月 神奈川県横須賀市夏島町に追浜工場を建設。
1966年06月 神奈川県愛甲郡愛川町 (神奈川県内陸工業団地) に厚木工場を建設。
1969年07月 栃木県佐野市栄町 (佐野工業団地) に佐野工場を建設。
1972年10月 米国カリフォルニア州ロサンゼルスに米国駐在員事務所を開設。
1974年05月 群馬県邑楽郡邑楽町に群馬工場を建設。
1976年06月 米国カリフォルニア州ロサンゼルスにカルソニック・インコーポレティッド (1988年1月社名を「カルソニック・クライメート・コントロール社」と変更) を設立。
1977年02月 大分県中津市に九州工場 (現 株式会社CKK中津工場) を建設。
1983年04月 米国テネシー州にカルソニック・マニュファクチャリング社を設立。
1986年02月 米国カリフォルニア州ロスアンゼルスに米国子会社を統括するカルソニック・インターナショナル社を設立。
1986年03月 英国にTI-ニホンU.K.社 (現 カルソニックカンセイ・ユーケー社ワシントン工場) 設立。
1986年05月 栃木県宇都宮市 (清原工業団地) にゼネラル・モーターズ社と合弁でカルソニックハリソン株式会社 (現 カルソニックカンセイ宇都宮株式会社)を設立。
1988年07月 米国テネシー州にシーイーアイ社を設立。
1988年08月 社名を「カルソニック株式会社」と変更。
1989年06月 英国デフェド州スラネスリーのスラネスリー・ラジエーター社グループを買収し、欧州子会社を統括するカルソニック・インターナショナル (UK) 社 (現 カルソニック・インターナショナル (ヨーロッパ) 社) を設立。
1991年04月 スペインにクリマティサドーレス・カルソニック社 (現 カルソニックカンセイ・スペイン社) を、韓国に大韓カルソニック社を設立。
1991年06月 栃木県佐野市栄町に開発本館を建設し、旧空調技術センターをテクニカルセンターに改称。
1991年09月 大分県宇佐市にカルソニック大分株式会社を設立。
1995年10月 カルソニック・マニュファクチャリング社およびカルソニック・クライメート・コントロール社を合併し、社名を「北米カルソニック社」とする。
1996年01月 韓国にセスコ社を設立。
1996年10月 カルソニックツインティー株式会社、カルソニックニットー株式会社およびカルソニックコーワ株式会社を合併し、社名を「カルソニックプロダクツ株式会社」とする。
1997年05月 メキシコにカルソニック・メキシコ社を設立。
1999年11月 株式会社カンセイとの合併契約書を締結。(合併期日2000年4月1日)
2000年04月 株式会社カンセイと合併し、社名を「カルソニックカンセイ株式会社」と変更。
2001年03月 米国に北米統括会社として北米カルソニックカンセイ社、メキシコにメキシコ統括会社としてカルソニックカンセイメキシコ社を設立。
2001年04月 タイにカルソニックカンセイ (タイランド) 社を設立。
2001年09月 マレーシアにセイコーインスツルメンツ株式会社と合弁でカルソニックエスアイアイ・コンプレッサー社 (現カルソニックカンセイ・マレーシア社) を設立。
2002年07月 ハーネス事業の営業の一部を譲渡。
2002年07月 九州工場を既存子会社 (カルソニック大分(株)) へ吸収分割により分社化し、(株) シーケーケー (現CKK株式会社) に社名変更。
2002年07月 中国にカルソニックカンセイ (無錫) 社を設立。
2003年07月 千葉県習志野市にセイコーインスツルメンツ社と合弁でカルソニックコンプレッサー株式会社を設立。
2003年10月 二本松工場を会社分割により分社化し、(株) CKFを設立。
2004年05月 東京ラヂエーター製造株式会社の第三者割当増資を引き受け、株式保有比率を40.07%に引き上げ連結子会社化。
2005年01月 日産自動車株式会社が当社の第三者割当増資を引き受け、株式保有比率を41.9%に引き上げ同社の連結子会社化。
2005年07月 中国上海に中国統括会社カルソニックカンセイ (中国) 社を設立。
2006年04月 北米カルソニック社、カンタス社の2社が合併。(合併後社名「北米カルソニック社」)
2006年06月 ルーマニアにカルソニックカンセイ・ルーマニア社を設立。
2007年01月 カンタス・メキシカーナ社、カルソニック・メキシコ社、カルソニックカンセイ・メキシコ社の3社が合併。(合併後社名「カルソニックカンセイ・メキシコ社」)
2007年04月 北米カルソニックカンセイ社、北米カルソニック社の2社が合併。
(合併後社名「北米カルソニックカンセイ社」)
2008年05月 埼玉県さいたま市に本社・研究開発センターを建設し、本社を移転、開発設計部門を集約。
2008年07月 マグナカンセイ社の株式を追加取得し連結子会社化。(現社名「カルソニックカンセイ・サンダーランド社」)
2008年12月 カルソニックコンプレッサー株式会社を吸収合併。
2010年09月 厚木工場での生産終了。
2012年05月 ブラジルにCalsonic Kansei do Brasil Industria e Comercio Ltda.を設立。
2012年05月 ロシアにCalsonic Kansei RUS LLCを設立。
2013年12月 Siam Calsonic Co., Ltd.の株式を追加取得し、連結子会社化。
2019年05月 FCAよりMagneti Marelliを約58億ユーロで買収。
2019年10月 Magneti Marelli買収に伴い、社名を「マレリ株式会社」に変更。
2019年11月 約20年ぶりの国内新工場となる東海工場 (愛知県岡崎市) を開設。
2021年02月 Highly International (Hong Kong) Limitedとの合弁会社Highly Marelli Holdings Co., Ltd.を設立。
2022年03月 事業再生ADRを申請。
2022年6月 事業再編ADR手続から簡易再生手続に変更。
2022年7月 経営再建のため簡易民事再生手続開始。
2022年8月 東京地裁で事業再生計画の認定を確定。

補足 1