GM (2) グローバル販売は減少、収益は好調を維持
中国ではEV拡充を進めるローカルブランド車が販売の7割に迫る
2024/11/27
- 要約
- グローバル販売の状況
- 米国販売の状況
- 中国販売の状況
- ブラジル:電動化・投資計画
- グローバル業績
- GlobalData販売予測:GMの2027年販売は462万台で2023年水準に届かず
要約
![]() |
GMグループの自動車販売台数(2024年1-6月)国別販売比率 参照先:MarkLines ![]() ![]() |
GMグループのグローバル販売は、2023年通年で対前年4.2%増の618.8万台となり、6年続いた減少傾向に歯止めをかけたが、2024年上期(1~6月)は中国での販売が落込み、グローバル販売も減少(対前年同期-6.3%)した。一方で北米での高収益車の拡販による売上増に支えられ、グローバル収益は堅調であった。2024年上期には中国事業が赤字に転じており、グループ収益を北米事業へ依存する構図が一層明確になった。
米・中の主要市場でEVラインアップの拡大を進めており、グローバル販売に占めるEV(PHV含む)の割合は2024年上期に13.0%(+5.3%pt)に高まったが、中国での合弁企業による中国ローカルブランド車の積極的なEVモデル投入に負うところが大きい。
米国では2024年上期販売は微減(-0.4%)となったが、2022年にトヨタから奪還した市場シェア1位の座を、2023年通年、2024年上期と続いて堅持している。収益源のフルサイズ・ピックアップトラックと、韓国製車の導入を進めるコンパクトSUVが伸長する。
中国では、EV投入の遅れる米国系ブランド車(ビュイックなど)の落ち込みが大きく、全体でも大きな販売減となった(-18.1%)。一方で合弁企業の上汽GM五菱が中国市場ニーズに合ったEVやPHVのラインアップを急拡大しており、中国販売の7割近くを中国ローカルブランドが占めるに至った。
2024年上期実績報告では通年の利益予想(EBITガイド)を130~150億ドルへ上方修正した。バーラCEOはGMの強靭な収益力をアピールするが、軸足を置く米中市場で激しく変化する競争環境と市場ニーズに対応していくための課題は大きい。
GMアップデートレポートの第2部となる本編は、主に米国のEV商品の展開や関連投資に焦点を当てた第1部に続き、米国、中国を中心とするグローバル市場での主要車種や販売動向の要点、並びに直近の企業業績などについて報告する。併せてGlobalDataによるGMの販売予測を掲載する。
GMの販売台数に占めるEVの割合、主要市場比較
![]() |
(注:EVにはPHEVを含む)
(出所:マークラインズ – 自動車販売台数)
関連レポート:
GM (1) EV拡販は失速、電動化計画の見直し(2024年10月)
WCX 2024(2)持続可能性の向上と自動車業界の展望(2024年5月)
米国の電動モビリティ(2024年1月)
米国市場:BEV販売比率7.5%、カリフォルニア州は20%超(2023年11月)
GM(2):米国での販売増によりグローバル売上、収益が増加(2023年9月)
GM(1):2025年に北米で年間100万台のEV生産を目指す(2023年9月)
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。