[スマートエネルギーWeek 2023] ホンダ、次世代燃料電池を出展

・本田技研工業(ホンダ)は、2023年3月15日から17日まで東京ビッグサイトで開催されている「第19回スマートエネルギーWeek (春) 2023」において、次世代の燃料電池モジュール及びそのアプリケーションについて紹介した。一般の展示会では初公開となる。ブースは、燃料電池モジュールの展示及びプレゼンテーションを行うエリア、アプリケーションの紹介を行うエリアの2つから構成される

・燃料電池モジュールは、同社の燃料電池車(FCV)「Clarity Fuel Cell」(2019年モデル)で使用されていたシステムからコストを3分の1、耐久性を2倍、耐低温性を向上させたもの。最大出力は80kW、出力電圧は275~600V。外寸は長さ732mm、幅1,070mm、高さ620mmで、重量は206kgとなる。また、最高効率は58%で最低起動温度は-30度といったスペックをもつ。

・ホンダが燃料電池モジュールのアプリケーションとして紹介した1つ目は、工場における定置電源。模型を使用し次のようなユースケースを紹介した。まず、敷地内に設置されたエレクトロライザーにより水素を生成する。生成された水素は水素タンクに貯蔵され、その後同社が提案するFC定置電源で電気に変換される。変圧器により最適な電圧まで昇圧されたのち、直流(DC)から交流(AC)に変換されて工場用電源として分配される。なお、類似のアプリケーションは同社の米国子会社アメリカン・ホンダモーターの敷地内に実証実験として導入されている。同工場で導入されているのは、4基のFCシステム(250kW)を2台組み合わせたもので、最大出力は576kWに上るという。

・アプリケーションの2つ目としては、トラック向けのユースケースを紹介した。長距離輸送を行うトラックの場合、EVではバッテリー搭載量が大きくなるため、貯蔵に有利な水素が適しているとし、FCVトラック向けの提案を図る。同社はいすゞと共同で、燃料電池を使用したトラックの公道実験を開始しているほか、東風汽車とも共同で実証実験を行っているという。

・ホンダは燃料電池システムを使用したソリューションについて、他社との協業を通じて開発サポートから運用サポートを行い、水素エコシステムの構築を推進していく。