Avante/Elantra (Hyundai)

 ニュース
2024年07月17日(水)

・現代自動車のベトナム法人であるHyundai Thanh Congは7月10日、2024年6月の新車販売台数が前年同月比1.2%減の5,047台だったと発表した。

・同社6月販売をモデル別でみると、サブコンパクトセダン「アクセント(Accent)」が968台で首位、サブコンパクトクロスオーバーSUV「クレタ(Creta)」がこれに続き686台となった。ミッドサイズクロスオーバーSUV「サンタフェ(Santa Fe)」は573台で3位。コンパクトクロスオーバーSUV「ツーソン(Tucson)」は554台に達し、MPV「スターゲイザー(Stargazer)」が542台と続いた。

・また、サブコンパクトSUV「ベニュー(Venue)」は342台、ミッドサイズMPV「Custin」は156台だった。サブコンパクトハッチバック「グランドi10 (Grand i10)」は132台、コンパクトセダン「エラントラ(Elantra)」は102台、ミッドサイズクロスオーバーSUVの「パリセード(Palisade)」は80台となった。6月の商用車販売台数(輸出含む)は912台だった。そのうち、14台の小型バス「ソラティ(Solati)」が輸出された。

・2024年1-6月累計販売台数は前年同期比13.0%減の2万4,381台だった。

・同社は2024年下半期の見通しについて、政府の支援政策と購買力の回復により、上半期に比べて改善すると予想する。

(From Hyundai Vietnam press release on July 10, 2024 and on July 12, 2023)

2024年07月16日(火)

・現代自動車は7月15日、米国における2025年モデルの投入計画を発表した。15車種のリストには、キャリーオーバーモデルのほかに、新型車2車種、フェイスリフト車1車種、改良車2車種が含まれる。

・2025年型「アイオニック3列シートSUV」:新型電気SUV、2024年末発売予定
・2025年型「アイオニック5N(Ioniq 5N)」:新型モデル
・2025年型「アイオニック5(Ioniq 5)」:改良型モデル
・2025年型「アイオニック6(Ioniq 6)」:キャリーオーバー
・2025年型「サンタクルーズ(Santa Cruz)」:改良型モデル
・2025年型「ツーソン(Tucson)」(ICE、HEVPHEV):フェイスリフト
・2025年型「パリセード(Palisade)」:キャリーオーバー
・2025年型「サンタフェ(Santa Fe)」(ICE、HEV):キャリーオーバー
・2025年型「コナ(Kona)」(ICE):キャリーオーバー
・2025年型「コナ(Kona)」(EV、EV N ライン):キャリーオーバー
・2025年型「ベニュー(Venue)」:キャリーオーバー
・2025年型「ネッソ(NEXO)」燃料電池車(FCV):キャリーオーバー
・2025年型「エラントラ(Elantra)」(ICE、HEV):キャリーオーバー
・2025年型「エラントラN(Elantra N)」:キャリーオーバー
・2025年型「ソナタ(Sonata)」 (ICE、HEV、N ライン):キャリーオーバー

(Hyundai press releases on July 15, 2024) 1 / 2

2024年06月19日(水)

※英GlobalData社 (旧LMC)のアナリストによるショートレポート (6月17日付) をマークラインズが翻訳したものです。

・2024年の中国乗用車市場は、中国メーカー間の競争の激化にもかかわらず、安定した成長を続けている。2月は春節(旧正月)の休暇により販売日数が少なかったため一時的に落ち込んだものの、3月と4月には回復し、成長軌道に戻った。

中国国内での生産と販売の伸び

・輸出を除く中国国内での乗用車の販売台数は、3月が前年同月比5.4%増、4月が同4.2%増となった。2024年1-4月累計では、前年同期比5.5%増の630万台に達した。生産台数はさらに力強い伸びを示しており、前年同期比9.0%増の760万台となった。これは、生産台数の伸びが販売台数のそれを上回っていることを示唆しており、市場の飽和または在庫の積み増しの可能性を示している。

輸出の寄与

・輸出は生産台数の増加に大きく寄与している。2024年4月の輸出台数は42.4万台となり、前年同月比36.9%増と大きく伸びた。これは乗用車の総生産台数の21%に相当し、2023年年間の16%を大きく上回っている。総生産台数に占める輸出の割合が拡大していることは、自動車産業の成長に中国国外での販売が大きく寄与していることを示している。中国国外市場のポテンシャル増大は、中国の自動車メーカー数社に、生産コストをさらに削減するための国外進出を促している。

・電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、レンジエクステンダーEVから構成される新エネルギー車(NEV)の普及率は上昇傾向にあり、4月には43%と過去最高となった。2024年1-4月の平均では38%で、前年の35%から3ポイント上昇した。普及率の上昇は、中国の各自動車メーカーが国内市場の変化に対応し、戦略的に事業再編を進めたことの成果であろう。NEVは保有コストと運転体験の価値でICE車より優れているため、中国市場におけるICE車の減少は予想以上に速い。また、2023年以降続いている価格競争においても、ICE車は値下げの機会がないため不利な立場にある。

合弁ブランドの課題

・合弁ブランドのNEVは中国市場における市場浸透率が相対的に極めて低く、苦戦が続いている。2024年1-4月、中国ブランドのNEVは市場浸透率が60%に迫り、前年同期比で7ポイント上昇した。他方、合弁ブランドは12%で、前年同期比で1ポイントの上昇だった。この差は、市場がNEVにシフトする中で合弁ブランドが競争上不利になる可能性を示唆しており、合弁ブランドが新エネルギー車への移行を加速させる必要性を示している。

技術革新と市場の混乱

・中国市場の急速な変化は、NEVへの移行や輸出拡大だけでなく、技術革新においても生じている。

・3月、中国のスマートフォンメーカー小米集団(Xiaomi Corporation、以下、シャオミ)傘下の小米汽車は、ミッドサイズ電気セダン「SU7」を発表し、自動車市場に参入した。この動きは、シャオミのコンシューマーエレクトロニクス分野での強力なバックグラウンドに後押しされ、注目を集めた。2023年、同社は約1億4,600万台のスマートフォンを販売し、2023年末までに同社のAIoT (AIとIoTを組み合わせた技術)プラットフォームは7億4,000万台のデバイス(スマートフォン、タブレット、PCを除く)を接続し、前年比25.5%増となった。5台以上のIoTデバイスを持つ1,300万人以上のユーザーを含むシャオミのエコシステムは、自動車事業においても競争優位性を創出する。「人-車両-家」をつなぐこの相互接続エコシステムは、小米汽車を中国のインテリジェント自動車市場における強力な競争相手として位置づけ、業界の競争を再構築する可能性がある。

・小米汽車に続き、BYDは5月末、第5世代のDMハイブリッド車(HV)技術を搭載したミッドサイズセダンの新型「秦L DM-i (Qin L DM-i)」を発表した。この新技術はICE車に代わる魅力的な選択肢を提供し、従来の市場の認識を変えつつある。「秦L DM-i」の航続距離は燃料満タン、バッテリー満充電で2,100kmと驚異的で、価格も9万9,800-13万9,800元と競争力があり、合弁ブランドのホンダ「アコード」やトヨタ「カムリ」などC/Dセグメント車や、VWのコンパクトセダン「サジタ―(Sagitar、速騰)」やコンパクトセダン「ラヴィダ (Lavida、朗逸)」などの人気ICE車を競合車としている。「秦L DM-i」は、低コストで高品質な輸送手段を求める需要に応えることで、市場競争力の高さを示し、自動車業界の再編を加速させると予想される。

価格競争が激化

・2024年、中国乗用車市場の価格競争はかつてない水準に達し、大手メーカーが市場シェア獲得のために積極的な価格戦略を展開している。テスラは年初に価格競争を開始し、競合各社に連鎖反応を引き起こした。

・2月、BYDはミッドサイズセダン「秦(Qin) Plus」とミッドサイズセダン「駆逐艦(Destroyer) 05」の新バージョンを発表し、合弁ブランドのICE車が支配的で、かつユーザーが価格に敏感なセグメントに7万9,800元からという価格設定で参入した。この動きには、他のNEVメーカーが迅速に反応した。長安汽車のOXシリーズ、上汽GM五菱、吉利、哪吒汽車(Neta)、長安汽車の NEVブランド深藍汽車(Deepal)、零跑汽車(Leapmotor)は、競争力を維持するために価格を引き下げ、追随した。例えば、長安汽車のOXシリーズ「A05」は7万8,900元に値下げされ、哪吒汽車は全面的な値下げを実施し、最も大きな値下げ幅は2万2,000元に達した。

・ICE車を主力としてきた合弁ブランドは、中国市場におけるシェア低下に反応して反撃せざるを得ない事態に追い込まれている。北京現代と上汽GMのビュイックブランドはそれに素早く対応し、現代は新型コンパクトセダン「エラントラ(Elantra)」のベース価格を9万9,800元から7万5,800元に引き下げ、上汽GMは「ビュイック」1台あたり最大6万5,000元の値引きを提示した。当初は反応が鈍かったブランドも、やがて価格競争に加わった。日産はコンパクトセダン「シルフィー(Sylphy、軒逸)」を6万9,800元に値下げした。VWも同セグメントの競合車であるコンパクトセダン「ボーラ(Bora、宝来)」を6万8,000元に値下げしつつ、NEV顧客維持の特別オファーを強調しており、競争が激しい市場であることが伺える。

・プレミアム・セグメントも値下げを免れず、キャデラックはミッドサイズセダン「CT5」を7万元値下げした。メルセデス・ベンツやBMWもこの流れに乗り、BMWはコンパクトサイズSUV「iX1」を15万元近く値下げした。BMWのミッドサイズセダン「i3」とコンパクトSUV「iX3」のエントリーモデルの価格は20万元に設定され、メルセデス・ベンツのコンパクト電気SUV「EQA」と「EQB」は20万元を下回った。

・こうした価格引き下げは業界再編を加速させ、合弁ブランドは、市場シェアの縮小と新興自動車メーカー勢力との競争激化という2つの課題に直面している。価格競争の影響は、自動車業界を熾烈な競争と市場再編の可能性の局面へと押しやっている。

中国政府の政策と消費喚起

・自動車販売を促進するため、中国政府は2024年にいくつかの政策を実施した。ひとつは買い替え促進政策「以旧換新」で、それにより自動車ローン政策が改正され、金融機関が独自にローンの頭金の比率を決定できるようになり、従来はICE車とNEVでそれぞれ購入価格の80%と85%とされていた融資限度額が緩和された。

・また、中国財政部は5月31日、「2024年自動車買い替え補助金の中央財政予算配分に関する通知」を発表した。それによると、自動車下取り補助金の年間資金総額は112億元であることが明らかになった。このうち、中央政府資金は64.4億元、地方政府の資金は47.6億元である。実績指標では、年間の廃車リサイクル台数を378万台としている。この政府施策は、2024年の自動車市場の成長を促進するための強力な財政支援となるものだ。

持続的成長のための展望

・中国政府の補助金政策の後押しもあり、2024年には市場全体が安定的に成長すると予測される。しかし、自動車業界内部での競争は激化するだろう。ICE車は価格引き下げの余地が限られているため、NEVの販売増加がICE車の販売低迷の一因となっている。このことは中国の自動車市場全体にとっても障害となっている。

結び

・2024年の中国乗用車市場は岐路にあり、成長、競争、変革がその動向を決めるだろう。市場が新エネルギー、技術革新、政府政策に適応していく中で、関係者は持続可能な成長とイノベーションを促進する戦略を採用し、市場の継続的な進化と成功を確保しなければならない。今後数年間は、世界の自動車産業の中で中国の乗用車市場がどのような位置づけにあるかが決まる時期となるだろう。

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