カルソニックカンセイ_2008年3月期の動向

ハイライト

業績
(単位:
百万円)
2008年
3月期
2007年
3月期
増減率 主要要因
全社
売上高 833,496 700,775 18.9% 主要得意先の販売台数の増加、モジュール受注製品の拡大、為替換算影響等により、各地域とも堅調に推移。
営業利益 14,210 12,266 15.9% 前年度に実施した設備投資による償却費負担増、前年度新車立ち上がりロスの影響等の減益要因があったものの、主要得意先の生産台数の増加、モデルミックスの変化による操業度影響および為替差益等により増益。
経常利益 10,208 10,270 (0.6%) 英国現地法人の借入に係る為替換算差損等による費用増加。
当期純利益 2,809 156 1,700.6 中野本社売却による固定資産売却益。

海外動向 (2008年3月期)

-インド

インドの部品メーカーと合弁生産拠点を設立する契約を締結。2007年11月に新会社「カルソニックカンセイ・マザーソン・オートプロダクツ[Calsonic kansei Motherson Auto Products Limited](略称:CKM)」を設立、エアコンなど自動車部品の生産を開始する。

>>>詳細は 設備投資 参照

-タイ

タイでは「カルソニックカンセイ・タイランド社」が新たに可変容量コンプレッサーの生産を開始。なお、2009年3月期中には固定容量コンプレッサーの生産も始める予定。

-ルーマニア

東欧地域では、2007年に設立した「カルソニックカンセイ・ルーマニア社」がコンポーネントの本格生産を開始。

事業再編

-米国

米デルファイとのカーエアコン用コンプレッサーに関する業務提携を解消。日本とハンガリーの合弁事業を取りやめ、日本の合弁会社については同社が、ハンガリーはデルファイがそれぞれの持株を買い取る。同社は2007年末からタイでコンプレッサーの生産を開始、グローバルな供給に目処がついたことから合弁を解消し、独自の事業展開に乗り出す。(2008年3月11日付日刊自動車新聞より)

-フランス

子会社「カルソニックカンセイ・フランス社(Calsonic Kansei France S.A.S.)」を2010年6月をもって解散する。この子会社は、在欧自動車メーカーを中心に開発業務、市場調査等を行っているが、欧州地区におけるグループ全体の効率的な事業展開を図るために解散することとなった。現行事業は子会社のカルソニックカンセイ・ヨーロッパ社、カルソニックカンセイ・ユーケー社に移管する予定。(2008年3月31日付プレスリリースより)

-南アフリカ


現地法人「カルソニックカンセイ・サウスアフリカ」を2008年12月に清算。南アフリカ地域においてコンバーター等の吸排気製品の製造・販売を行っていたが、受注量・生産量の減少に対応し、欧州・アフリカ地域におけるグループ全体の効率的な事業展開を図る。(2007年10月26日付プレスリリースより) 

事業計画

カーエアコン用コンプレッサーの生産体制を強化する。2010年を目処に、海外で年間100万台規模の増産体制を整え、グローバル生産台数を500万台超に引き上げる。

>>>詳細は 設備投資 参照

筆頭株主である日産自動車以外の自動車メーカーへの自動車部品、ユニットの販売を拡大する。2010年度には、現状の2倍超となる600億円に伸ばす計画。ルーマニア工場やインドに新設する生産拠点などを活用し、新興国で増産に取り組む日系、欧米自動車メーカーの新規ニーズを吸収する。(2008年2月19日付日刊自動車新聞より)

開発動向

研究開発体制

-「環境」「安全」「快適」への取り組みに重点を置き、新製品、新技術開発に取組んでいる。

-研究開発拠点

国名 拠点名
日本 研究開発センター
*2008年5月に設立
英国 Calsonic Kansei Europe Technology Center
米国 Calsonic Kansei North America Technical Center
中国 Calsonic Kansei (Shanghai) Corp.
(R&D Center)

2008年5月、さいたま市に研究開発センターを設立。これまで佐野、厚木、追浜の各地区に分散していた設計部門を集約すると同時に、本社を同地に移転。開発機能と本社機能を一体化した。


研究開発方針

(1)環境技術ニーズに対応した熱交換器等、環境対応コンポーネント/システムの開発
(2)燃費向上、浄化性能向上に貢献する排気システム、構成部品の開発
(3)燃料電池車、ハイブリッド車等、次世代の車両動力源に対応したシステム、製品開発
(4)モジュールの高度化と構成部品の高性能化、軽量化開発
(5)安全を促進するメータや情報提供システムの開発
(6)快適な運転環境を提供する空調システムの開発

研究開発費

(単位:百万円) 2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期
金額 27,933 28,728 28,572

研究開発実績 (2008年3月期)

-複数の熱交換器をコンパクトに融合した新構造熱交換器により、性能とスペース効率を向上させた熱交換器システムの製品化。

-意匠、触感の向上とエアバック展開性能を両立したインストルメントパネルの実用化。


技術供与契約 (2008年3月31日現在)
会社名
(国名)
契約内容 契約期間
マグナカンセイ社
(英国)
自動車用樹脂部品の製造技術 2000年6月11日-
2001年12月31日
(以降1年毎に自動更新)

設備投資

設備投資額
(単位:百万円) 2008年3月期 2007年3月期 2006年3月期
金額 39,000

39,500

41,500

2008年3月期は、主要受注先のモデルチェンジに対応した生産設備の増設を行ったほか、さいたま新本社、研究開発センター、生産性向上を目的とした合理化投資などを実施し、自動車部品事業を中心に39,000百万円の設備投資を実施。

自動車部品事業においては、新規立ち上がり製品の生産対応に加え、東欧新拠点の生産開始、アジアでのコンプレッサー生産体制強化のために、群馬工場、吉見工場、北米カルソニックカンセイ社、カルソニックカンセイ・ルーマニア社、カルソニックカンセイ・タイランド社を中心に24,100百万円の投資を実施。


海外投資 (2008年3月期)

インドの部品メーカーと合弁生産拠点を設立する契約を締結。2007年11月に新会社「カルソニックカンセイ・マザーソン・オートプロダクツ(CKM)」を設立、エアコンなど自動車部品の生産を開始する。新会社は現地サプライヤーのスミマザーソン(MSSL、ニューデリー市)との合弁で、ハリヤナ州マネサール工業団地に設立。資本金は1億ルピー(約2億5千万円)で、同社が51%、MSSLが49%を出資。MSSLは自動車用ハーネス、内外装品、生産設備などを手がけ、インドの自動車メーカーと幅広くビジネスを展開中。(2007年8月11日付日刊自動車新聞より)

カーエアコン用コンプレッサーの生産体制を強化する。2010年を目処に、海外で年間100万台規模の増産体制を整え、グローバル生産台数を500万台超に引き上げる。筆頭株主の日産自動車を始めとした自動車メーカーが、新興国を対象にした低価格車を発売することを受け、これに対するニーズを確実に吸収するのが狙い。増産を行う拠点は、ルーマニアやタイなど日本以外にある同社の既存生産拠点を軸に検討する。同社のカーエアコン用コンプレッサーは、大型車から軽自動車までフルラインアップで用意している。日本国内2ヶ所とマレーシアに生産拠点を持っており、年間330万台を生産中。さらに、2007年にはタイで100万台の生産能力を持つ拠点を立ち上げており、2009年までには430万台まで生産能力を引き上げる計画。(2008年1月8日付日刊自動車新聞より)


設備投資計画 (2009年3月期)

2009年3月期は、同社グループで31,300百万円の設備投資を計画している。