マレリ (株) (旧 カルソニックカンセイ (株)) 2019年3月期の動向

 

業績

(単位:百万円)
2019年3月期 2018年3月期 2017年3月期
売上高 892,100 998,600 1,012,600

 

Magneti Marelli社の買収

2018年8月
Detroit Free Pressは、投資ファンドのKKRFCA傘下で照明部品、電子機器、パワートレイン製品を製造するMagneti Marelliを買収する交渉を行っていると報じた。買収の可能性は、43,000名の従業員を有するMagneti Marelliのスピンオフに取り組んでいたFCAの方向性を変えることになる。KKRカルソニックカンセイを通じてMagneti Marelliを買収する予定で、重複事業などの排除によりコスト削減を図るという。KKR2017年に日産などの株主からカルソニックカンセイを45億ドルで買収した。(2018822日付Detroit Free Pressより)

2018年9月
ー複数の欧米メディアは、FCAが子会社のMagneti Marelliを投資ファンドKKRが所有するサプライヤーに60億ユーロで売却する交渉を行っていると報じた。関係者によると、FCAの分割計画の条件が悪化したため、KKR50億ユーロ規模の支払いを目指しているという。KKRは、会談を主導している子会社のカルソニックカンセイMagneti Marelliとの合併を計画している。FCAKKRとの評価価値の違いにより、8月末の交渉締切は2度延長され、今後も協議が行われるとしている。(2018912日付各種報道に基づく)

2018年10月
ーFCAは、FCA傘下の自動車部品部門のMagneti Marelliを、日本の大手部品メーカーであるカルソニックカンセイの持ち株会社CKホールディングスに売却する最終契約段階に入ったと発表した。売却が完了すると、CKホールディングスは「Magneti Marelli CK Holdings」に社名変更する。売却額は62億ユーロ。2019年上半期に売却完了見込であるが、最終的には規制当局の承認やその他慣例となっている完了条件に依るという。この取引は2つの成功した企業を合併し、売上高152億ユーロの世界7位の独立系部品メーカーを生みだすという類いまれな機会となる。新会社は、欧州、日本、南北アメリカ、アジア大洋州に約200カ所の工場や研究開発センターを保有することになる。 (20181022日付プレスリリースより)

2019年5月
ーFCAは、 Magneti Marelli(マニエッティ・マレリ)カルソニックカンセイの持株会社CKホールディングスに売却したと発表した。売却額は約58億ユーロ。統合後の新会社は、引き続きFCAの主要サプライヤーとして製品を供給をするという。FCAはまた、取締役会が今回の取引額のうち約20億ユーロの特別現金分配を承認したこともあわせて発表した。 (FCA press release on May 2, 2019) (Detroit Free Press article on May 2, 2019)

カルソニックカンセイMagneti Marelli(マニエッティ・マレリ)は、世界共通のブランドとして「MARELLI」を採用すると発表した。今回のブランド統一は、両社が確実に統合を進め、世界規模で効果的に事業展開を進めるための重要な一歩となるとしている。カルソニックカンセイが誇る製品力や品質の高さである「モノづくり」と、Magneti Marelliで定評のあるイノベーションという両社の強みをもとに、今後は一つのブランドとして競争力を高めるという。(2019510日付プレスリリースより)

 

技術動向

ー自動車向け空調システムで、生体信号を直接検知することで最小エネルギーで制御するシステムの開発に着手し、2~3年での技術確立を目指す。同社は、従来型の車室内全体の空気温に基づいた空調制御を進化させ、乗員の温冷感指標を基準にした省エネ型空調制御技術をすでに確立している。次のステップとして、心拍センサーの活用などで乗員の代謝状態を把握し、よりエネルギー効率と快適性の高い空調システムの技術確立を急ぐ。(2019年3月22日付日刊自動車新聞より)

 

名称変更

グループのさらなる一体感醸成を目的に、一部の子会社の名称を変更すると発表した。名称を変更するのは、自動車部品用設備・金型および冶工具の設計・製造を行うケーエスエンジニアリング、自動車部品の製造・販売を行うCKKCKPCKF、岩代精器の計5社。新社名は(順に)カルソニックカンセイ マシーンワークス、カルソニックカンセイ九州、カルソニックカンセイ栃木、カルソニックカンセイ福島、カルソニックカンセイ岩代となる。名称変更は201841日の予定。(2018312日付プレスリリースより)