カルソニックカンセイ (株) 2018年3月期の動向
業績
(単位:百万円)
2018年3月期 | 2017年3月期 | 2016年3月期 | |
売上高 | 998,600 | 1,012,600 | 1,053,318 |
事業動向
ー自動車サイバーセキュリティー分野に本格進出すると発表した。仏ITベンチャーのクォークスラブと合同会社「ホワイトモーション」を設立、車載セキュリティーソフトウエアを開発する。当面は自動車業界向けだが、IoT(モノのインターネット)などにも領域を広げる。合弁会社は本社をカルソニックの本社内に置く。資本金は2千万円で、両社が折半出資した。社長には日本マイクロソフト出身の蔵本雄一氏が就任した。自動車のセキュリティー対策を強化する製品の開発やサービスの提供に加え、車載製品のセキュリティー評価や、セキュリティーに関する教育、コンサルティングも行う。(2017年7月20日付日刊自動車新聞より)
研究開発
ー先進技術の研究開発体制を強化するため、2021年度までに国内のエンジニア数を16年度比30%増員する。21年度までの中期経営計画で注力分野に位置付けるエレクトロニクス部門のソフトウエアエンジニアを中心に積極的に採用する。またエンジニアセンターを置いている中国とミャンマーでもエンジニアを拡充する方針で、グローバルで開発体制を強化する。 (2017年9月19日付日刊自動車新聞より)
製品
ーターボチャージャーのタービンハウジングを板金化することで軽量化および触媒の昇温性を改善する新製品「CK-SMiTH」を市場に投入したと発表した。「CK-SMiTH」は、ディーゼルエンジン車向けとしては世界初の製品。従来の鋳物ハウジングと比較して15%軽量化し、触媒昇温性能の向上や大気質の改善を実現した。「CK-SMiTH」は、「Calsonic Kansei Sheet Metal innovative Turbine Housing」の頭文字。(2017年10月25日付プレスリリースより)
設備投資
ー16.33百万ドルを投資してミシシッピ州のMadison工場を拡張すると発表した。98名の雇用を創出し、日産向けの製品を生産する。カルソニックカンセイでは500名超の従業員が日産のサプライヤーパークに勤務しており、工場拡張に伴い42名が新施設に配置転換する。新施設はすでに稼働中で、現在拡張の第2段階に入っており、2018年中の完成を予定している。(2017年7月17日付 Mississippi Economic Developmentより)
中期経営計画「コンパス2021」
ー同社は、システムソリューションプロバイダーとして2021年までに7,500憶円の付加価値売上高*を目標とした。
注力分野は自動運転・電動化・コネクティビティに対応したキャビンとして大型メーター・HUD・ディスプレイミラー等や、ECU間の統合コントロール、また電気エネルギーマネジメントとして回生蓄電・インバーター・BMS等の新世代パワーエレクトロニクス製品、サーマルエネルギーマネジメントとして熱交換器製品・高効率エアコンなど。
新製品・革新的製品売上など付加価値売上*が現在6%を占めているが、今後30%まで引き上げる目標を掲げた。
また、新製品開発強化のため2017年10月には商品企画室を設立。
*完成車メーカーによる指定・支給部品を除く売上高