アジアOEMの電動化戦略:電動車投入タイムライン (Part 1)

トヨタは電動化推進に向けて、スバル、マツダ、スズキと連携

2019/12/27

要約

 トヨタは世界最大手の自動車メーカーの一社として、2025年までに電動車の販売を550万台に引き上げることを目指すなど、電動化戦略でも大きな目標を掲げている。同社の規模、経営資源、主にハイブリッド車など電動車事業におけるこれまでの経験が、トヨタと提携・連携する魅力である。トヨタは中国の比亜迪(BYD)や寧徳時代(CATL)と、バッテリーの開発・調達で提携している。スズキ、スバル、マツダとも、さまざまな規模の電動車の開発で提携を結んでいる。

 トヨタ、スズキ、スバル、マツダの電動車ラインナップでは、ハイブリッド車が大半を占めている。特にスズキはハイブリッド車のみを揃える。こうした現状に関わらず、これらOEM4社の動向は別のトレンドを示唆している。トヨタはCorolla/Levinプラグインハイブリッド車を発売した2019年に、RAV4プラグインハイブリッド車の投入計画を明らかにした。スバルの最新電動モデルは新型Crosstrekプラグインハイブリッドバージョンであり、マツダは2019年の東京モーターショーで同社初の量産電気自動車「MX-30」を初披露した。さらにスズキも、Waku Spoプラグインハイブリッド車を東京モーターショーで初公開し、新たなトレンドを表明した。

Toyota Prius Nissan Leaf e+
Toyota Prius Subaru Crosstrek Hybrid
(出典:Subaru)


 このレポートはOEM各社の現在および将来の電動化戦略の概要を紹介するシリーズの第4弾となるもの。本編では、日本のOEM、特にトヨタ、スバル、マツダ、スズキを取り上げる。前回のレポートでは米国、ドイツ、欧州のOEMの電動化戦略に焦点を当てた。

トヨタと他社OEMの電動車に関する提携・連携相関図 電動車の新発売モデル数
注:将来のモデルは発売予定日が公表されたものに限る

 

OEMの電動化戦略シリーズ:
アジアOEMの電動化戦略:電動車投入タイムライン (Part 2) (2019年12月)
欧州OEMの電動化戦略:電動車投入タイムライン (2019年11月)
ドイツOEMの電動化戦略:電動車投入タイムライン (2019年10月)
米国OEMの電動化戦略:電動車投入タイムライン (2019年9月)

関連レポート:
東京モーターショー2019:マツダ、SUBARU、スズキ、ダイハツの出展 (2019年11月)
東京モーターショー2019:トヨタが多彩なEV/FCVとモビリティを出展 (2019年11月)
スズキ:トヨタとの資本提携を発表、電動化・相互供給を推進 (2019年9月)
マツダ: SKYACTIV第2世代のMazda3とCX-30を投入 (2019年7月)
トヨタ:EVのビジネスモデルを発表、電動車550万台計画を2025年に5年前倒し (2019年6月)
スバル:リコール費と売上減により2018年度通期で42%営業減益見込み (2019年1月)

 



トヨタ:幅広い企業との提携を活用

 トヨタは当初、2017年12月に長期電動化戦略を発表し、2030年までに100万台のゼロエミッション車を含む電動車の販売を550万台に引き上げる方針を表明した。また2025年頃までに、トヨタ・レクサスの全モデルに電動車を設定することを明らかにした。2019年6月、トヨタは急成長する電動車市場に対応するため、計画を加速させると説明した。2025年までに全世界販売の半数である550万台を電動車モデルとする計画。トヨタとして初めての電気自動車の発売は2020年を予定している。

 電動化車両の量産に必要なバッテリーを調達することが、計画達成に向けたトヨタの課題である。2017年12月、トヨタは電気自動車のバッテリーの開発・生産に合計1.5兆円を投資し、投資額の50%超を設備投資に割り当てると発表した。さらにパナソニックと車載用角形バッテリーの開発・生産に向けた協業で合意し、2019年1月に合弁会社を設立した。2019年のトヨタの戦略発表では、中国の比亜迪(BYD)や寧徳時代(CATL)ともバッテリーの購買・開発で提携を発表した。

Lexus ES300h
Lexus ES300h

 2017年9月、トヨタは米国の5工場に合計3億7,380万ドルを投じ、インディアナ州Princeton工場で生産されている北米向けのハイブリッド車Highlander Hybridに搭載されるパワートレインの生産を増強すると発表した。2019年3月、RAV4 Hybrid、LexusのES 300hハイブリッド車、関連システムの生産準備に向けた一連の投資として、米国5工場に合計7億4,900万ドルを投じると公表。インドネシアでの電動車の開発では、トヨタは2019-2023年に約20億ドルを投じ、まずハイブリッド車から着手するとした。

 トヨタは電動車の開発・製造で多くの企業と提携や連携を結んでいる。電気自動車用バッテリーの開発と購買で提携する以外にも、2017年9月にトヨタはマツダとデンソーと幅広い電気自動車のセグメントや車種の技術開発を共同で行う新会社のEV C.A. Spiritを設立した。2019年6月、トヨタはスバルと電気自動車専用プラットフォーム、ならびにSUVモデルの電気自動車をそれぞれのブランド向けに共同開発することに合意した。

 2018年のトヨタの電動車販売台数は、前年比4.7%増の約138万台だった。Priusは前年比20.2%減、Prius vは30.8%減と減少したが、その他のモデルの販売増によって相殺された。特に、2018年販売はCamryハイブリッド車が59.3%増の8万900台、Crownハイブリッド車が128%増の4万4,200台、Corollaハイブリッド車が35.6%増の12万8,700台となった。レクサスブランドでは、RXが35.1%増の2万3,900台、 NXが86.4%増の2万900台だった。

 現在、トヨタブランドのハイブリッド車は以下のラインナップとなっている。

モデル名 現行モデル発売日 車両セグメント パワートレイン バッテリー
Prius alpha 2011年5月 2列または3列シートミニバン 1.8L 直4エンジン, 60 kW モーター 1.3 kWh ニッケル水素(2列シート)
1.0 kWh リチウムイオン (3列シート)
Aqua 2011年12月 サブコンパクトハッチバック 1.5L 直4エンジン, 45 kW モーター 0.9 kWh ニッケル水素
Yaris 2012年6月
(次世代型
2020年2月)
サブコンパクトハッチバック 1.5L 直4エンジン, 45 kW モーター 0.9 kWh ニッケル水素
Prius Plus 2012年6月 7人乗りミニバン 1.8L 直4エンジン, 60 kW モーター 1.0 kWh リチウムイオン
Highlander 2014年1月
(次世代型
2020年2月)
ミッドサイズクロスオーバー 3.5L V6エンジン, 123 kW フロントモーター, 50 kW リアモーター 1.9 kWh ニッケル水素
Harrier 2014年1月 ミッドサイズクロスオーバー 2.5L 直4エンジン, 105 kW フロントモーター, 50 kW リアモーター (6.5 Ah) ニッケル水素
Noah 2014年2月 7人乗りミニバン 1.8L 直4エンジン, 60 kW モーター 1.3 kWh ニッケル水素
Alphard 2015年1月 3列シートミニバン 2.5L 直4エンジン, 105 kW フロントモーター, 50 kW リアモーター 1.6 kWh ニッケル水素
Sienta 2015年7月 2列または3列シートコンパクトミニバン 1.5L 直4エンジン, 45 kW モーター (6.5 Ah) ニッケル水素
Prius 2015年12月 コンパクトハッチバック 1.8L 直4エンジン, 53 kW モーター, 5.3 kW リアモーター (AWDバージョンのみ) 0.75 kWh リチウムイオン
1.2 kWh ニッケル水素(AWDのみ)
C-HR 2016年12月 サブコンパクトクロスオーバー 1.8L 直4エンジン, 53 kW モーター
2.0L 直4エンジン, 80 kW モーター
1.3 kWh ニッケル水素
(207.2 V) リチウムイオン
Camry 2017年7月 ミッドサイズセダン 2.5L 直4エンジン, 88 kW モーター 1.0 kWh リチウムイオン
1.6 kWh ニッケル水素
Avalon 2018年5月 フルサイズセダン 2.5L 直4エンジン, 88 kW モーター 1.6 kWh ニッケル水素
Crown 2018年6月 フルサイズセダン 3.5L V6エンジン, 132 kW モーター
2.5L 直4エンジン, 105 kW モーター
(3.6 Ah) リチウムイオン
(6.5 Ah) ニッケル水素
Century 2018年6月 フルサイズプレミアムセダン 5.0L V8エンジン, 165 kW モーター (6.5 Ah) ニッケル水素
RAV4 2019年2月 コンパクトクロスオーバー 2.5L 直4エンジン, 88 kW フロントモーター, 40 kW リアモーター 1.6 kWh ニッケル水素
Corolla 2019年3月 コンパクトカー 1.8L 直4エンジン, 53 kW モーター
2.0L 直4エンジン, 80 kW モーター
1.2 kWh ニッケル水素
0.75 kWh リチウムイオン

Toyota Avalon Toyota Mirai
Toyota Avalon Toyota Mirai

Toyota brand product timeline
Toyota brand product timeline

注:タイムライン上の将来モデルの推定発売日について、情報が不十分な場合は予想発売年の中央とした。


 現在、Lexusブランドのハイブリッド車は以下のラインナップとなっている。

モデル名 現行モデル発売日 車両セグメント パワートレイン バッテリー
CT200h 2011年1月 サブコンパクトハッチバック 1.8L 直4エンジン, 60 kW モーター 1.3 kWh ニッケル水素
GS450h 2012年3月 プレミアムエグゼクティブカー 3.5L V6エンジン, 147 kW モーター (JPN) 200 kW モーター (EU) 1.9 kWh ニッケル水素
IS300h 2013年5月 プレミアムコンパクトセダン 2.5L 直4エンジン, 105 kW モーター (230 V) ニッケル水素
GS300h 2013年10月 プレミアムエグゼクティブカー 2.5L 直4エンジン, 105 kW モーター (JPN) 143 kW モーター (EU) 1.3 kWh ニッケル水素
NX300h 2014年7月 プレミアムコンパクトクロスオーバー 2.5L 直4エンジン, 105 kW フロントモーター, 50 kW リアモーター (AWD) 1.6 kWh ニッケル水素
RC300h 2014年10月 プレミアムコンパクトクーペ 2.5L 直4エンジン, 105 kW モーター (230 V) ニッケル水素

RX450h/
RX450hL

2015年第4四半期 2/3列シートプレミアムミッドサイズクロスオーバー 3.5L V6エンジン, 123 kW フロントモーター, 50 kW リアモーター 2 kWh ニッケル水素
LC500h 2017年3月 プレミアムクーペ/コンバーチブル 3.5L V6エンジン, ツインモーター(出力132 kW) 1.1 kWh リチウムイオン
LS500h 2017年10月 プレミアムフルサイズセダン 3.5L V6エンジン, ツインモーター(出力132 kW) 1.1 kWh リチウムイオン
ES300h 2018年9月 プレミアムミッドサイズセダン 2.5L 直4エンジン, 88 kW モーター 1.6 kWh ニッケル水素
UX250h 2018年11月 プレミアムコンパクトクロスオーバー 2.0L 直4エンジン, 80 kW モーター 1.4 kWh ニッケル水素

Lexus LS500h Lexus RX450h
Lexus LS500h Lexus RX450h


 トヨタはさらに、ハイブリッド車の他にも、以下の電動車をラインナップしている。

    • Toyota Prius PHEV/Prime: 2017年1月に発売された第2世代のコンパクトハッチバックのプラグインハイブリッドバージョン。デュアルモータードライブシステムを採用した1.8L 直4エンジンを搭載。容量8.8kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、EV航続距離(EPAモード)は25マイルとなる。
    • Toyota Corolla/Levin PHEV: 中国で2019年3月に発売されたコンパクトセダンのプラグインハイブリッドバージョン。1.8L 直4エンジンを搭載し、モーター出力は53kW。共通のパワートレインを採用している。容量10.3kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、EV航続距離(NEDCモード)は約34マイル。
    • Toyota RAV4 Prime: 2020年夏季に発売予定のコンパクトクロスオーバーSUVのプラグインハイブリッドバージョンで、RAV4をベースとしている。2.5L 直4エンジンを搭載予定。リチウムイオンバッテリーを組み合わせ、EV航続距離(EPAモード)は39マイル。
    • Toyota Mirai: 2014年12月に初代モデルが発売された中型セダンの燃料電池車。113 kWのモーターと1.6 kWhのニッケル水素バッテリーを搭載。高圧水素タンクを2本採用し、5kgの水素を充填できる。航続距離(EPAモード)は312マイル。
    • Lexus UX300e: Lexusブランド初の電気自動車となるコンパクトクロスオーバーSUV。150kWのモーターと54.3kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載する。2019年の広州モーターショーで初披露され、2020年春季に発売予定。航続距離(NEDCモード)は約250マイル。
Future Toyota BEV designs
Future Toyota BEV designs
(出典:トヨタ)
  • その他の電気自動車:2019年6月、トヨタは新たに6つのバリエーションの電気自動車を披露し、今後の開発の方向性を示した。中でもミディアムSUVはスバルと共同で企画・開発を行い、コンパクト車はスズキ、ダイハツ工業と共同企画しているほか、ミディアムクロスオーバー、ミディアムセダン、ミディアムミニバン、ラージSUVを揃える。また、軽自動車よりも小さい2人乗りの超小型電気自動車も発表した。東京モーターショーで披露された超小型電気自動車は、航続距離が62マイル。日本で2020年に発売される見通し。

 

Lexus brand product timeline
Lexus brand product timeline

注:タイムライン上の将来モデルの推定発売日について、情報が不十分な場合は予想発売年の中央とした。



スバル:既存モデルの電動化を推進

 2017年、スバルは既存モデルの電動化バージョンの開発に注力するという電動化戦略を明らかにした。また、プラグインハイブリッド・パワートレインやその他電動化技術の研究開発を中心に、2018年3月期の研究開発費が12億ドルに達するとも発表した。プラグインハイブリッド・パワートレインは、2018年末に発表された「Crosstrek Hybrid」に搭載された。

 中規模な自動車メーカーとしてスバルは、EV開発への投資をトヨタやGM、VWといったより大手のOEMと同規模で行うことが不可能と判断し、パートナーシップを締結することを戦略としている。スバルは、トヨタとの長期的なパートナー関係を活用して、2019年6月に新型のEVプラットフォームとそのプラットフォームを用いたSUVの電気自動車を共同開発すると発表した。この共同開発したプラットフォームは、その他のセダンやSUVにも流用される予定であるが、プラットフォームやコンパクトSUVの導入時期などの具体的な日程の発表はなかった。パートナー関係以外では、スバルは独自のEVを2021年までに投入するとしている。

 スバルの電動車の販売は、2017年の約600台から大きく上昇して2018年は合計で約10,000台となった。2018年に日本で発売された「Impreza」と「Forester」のハイブリッドモデルはそれぞれ約1,900台、7,700台を売り上げ、スバルの電動車の成長に貢献した。

Subaru Forester Subaru Forester
Subaru Forester Subaru XV Advance

  スバルの現在のラインナップで入手可能な電動モデルは以下の通り。

  • Forester: 2018年9月に導入されたスバルのハイブリッドコンパクトクロスオーバー。日本市場向けの「Advance」バージョンは、2.0L 水平対向4気筒エンジンに10kWの電気モーターと0.6kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載する。欧州市場向けの「e-Boxer」バージョンは、2.0L 水平対向4気筒エンジンに12.3kWの電気モーターと0.6kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載する。
  • XV/Impreza: コンパクトクロスオーバーである「XV」のハイブリッドは、2018年10月に日本で投入されたモデルで、「Forester」と同様のパワートレインを搭載する。日本市場向けの「Advance」バージョンは、2.0L 水平対向4気筒エンジンに10kWの電気モーターと0.6kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載する。欧州市場向けの「e-Boxer」バージョンは、2.0L 水平対向4気筒エンジンに12.3kWの電気モーターと0.6kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載する。
  • Crosstrek Hybrid: コンパクトクロスオーバーの「Crosstrek Hybrid」は、スバル初のプラグインハイブリッド・モデルとなる。2018年12月に北米で投入されたこのモデルは、2.0L 水平対向4気筒エンジンに合計88kWを発揮する2つの電気モーターが組み合わされ、8.8kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載する。「Crosstrek Hybrid」は、EVモードでの航続距離がEPA基準で17マイルとなる。
Subaru product timeline
Subaru product timeline

注:タイムライン上の将来モデルの推定発売日について、情報が不十分な場合は予想発売年の中央とした。



マツダ:ロータリーエンジンをハイブリッドパワートレインに使用する計画

 マツダは、2018年10月のプレスリリースで2030年に向けた車両の電動化計画と目標を含んだ長期的戦略を発表した。その計画では、マツダは2030年までに、全ての量産車両に電動化技術を導入し、マツダ世界販売の95%を内燃機関と電動化システムを組み合わせたモデルに、残りの5%をEVモデルにすることが盛り込まれた。また発表時に同社は、レンジエクステンダーとしてマツダのロータリーエンジンを使用したEVの開発を行う将来計画も明らかにした。ロータリーエンジンは、小型で高出力なことから様々な電動化システムの実現に貢献するため、マツダの電動化計画の重要な要素となっている。

 マツダCEOの丸本明氏は2019年6月、Automotive Newsのインタビューでより具体的な将来モデル投入計画を明かした。丸本氏は、マツダは2020年にEVを投入し、2022年までに複数のプラグインハイブリッド・モデルを投入すると明かした。マツダとトヨタ、デンソーとの3社合弁で設立した企業は、様々なセグメントにわたるEV向けの技術開発を行う。また、マツダのさらなるEVモデル展開にも貢献すると見込まれている。

 スズキからのリバッジモデルを除いた場合、マツダの電動化モデルの販売は「Mazda3」および「Axela」のみで構成されていた。2018年には約600台の「Mazda3」ハイブリッドモデルが販売された。2013年に投入されて以来、「Mazda3」ハイブリッドの販売は2014年の6,700台をピークに現在のレベルまで減少している。2019年にマイルドハイブリッドのパワートレインを搭載した第4世代の「Mazda3」と、2020年にEVモデルの「MX-30」が投入されることで、マツダの電動化車両の販売は増加すると見込まれている。

  マツダの現行および、既に発表されている電動化モデルは以下の通り:

  • Flair Crossover S-eNeCharge:クロスオーバースタイルの軽自動車スズキ「Hustler」のリバッジモデル。「Flair Crossover S-eNeCharge」ハイブリッドは、2015年5月に日本で投入された。エンジンは、660cc 3気筒エンジンもしくは、660ccターボチャージャー付き3気筒エンジンの2種類から選択可能。「Flair Crossover S-eNeCharge」ハイブリッドは1.6kWhの電気モーターと3Ahのリチウムイオンバッテリーを搭載する。
  • Flair: 2017年3月に投入されたハイブリッドの軽自動車で、スズキ「Wagon R」のリバッジモデル。660cc 3気筒エンジンに2.3kWの電気モーターと、10Ahのリチウムイオンバッテリーを搭載する。
  • Flair Wagon:2018年2月に投入されたハイブリッドの軽自動車で、スズキ「Spacia」のリバッジモデル。660cc 3気筒エンジンに2.3kWの電気モーターと、10Ahのリチウムイオンバッテリーを搭載する。
  • Mazda3:2019年3月に欧州で披露されたマイルドハイブリッドのコンパクトカー。4.8kWの電気モーターを搭載するマツダのMハイブリッドシステムと2.0L直4エンジンのSkyactiv-G、もしくは2.0L直4エンジンSkyactiv-Xのエンジンが組み合わされる。搭載される電気モーターは24V。
  • MX-30:2020年の下半期に欧州の大半の地域で導入が予定されているMX-30は、コンパクトクロスオーバーのEVで、2019年の東京モーターショーで披露された。MX-30のパワートレインは、105kWの電気モーターと35.5kWhのリチウムイオンバッテリーから構成される。マツダによると、MX-30は約130マイルの航続が可能だという。
Mazda3 Mazda MX-30
Mazda3 Mazda MX-30

Mazda product timeline
Mazda product timeline

注:タイムライン上の将来モデルの推定発売日について、情報が不十分な場合は予想発売年の中央とした。



スズキ:インドと日本での事業を強化

 スズキは電動化に向けた戦略や投入情報、目標を公式に発表していない一方で、多岐にわたるハイブリッドモデルを展開しており、さらなる電動化に向けた行動をとっている。2018年5月、スズキは14.6億ドルを、電動化を含めた先進技術の研究開発に充当すると発表した。この数字は、前年の研究開発費と比較して約15%拡大している。2019年の東京モーターショーでは、プラグインハイブリッド・コンセプト「WAKUスポ」を披露した。このコンセプトモデルは、スズキの電動化への取り組みがプラグインハイブリッドの開発に向かう可能性を示唆している。

 スズキは他の日系メーカーと同様に、トヨタを含む複数社と電動化開発の分野で協業している。スズキは、インド市場でトヨタに対して2車種のコンパクトモデルを提供する代わりに、トヨタのハイブリッドシステムをインド市場向けの車両で活用する。両社はまた、インド市場でのEV開発でも協業している。2017年9月、スズキはデンソーおよび東芝と、リチウムイオンバッテリーを製造する工場の合弁会社設立を発表した。初期投資額は180百万ドル。この工場は2020年に稼働開始し、年産約6百万ユニットのバッテリーセルの生産を予定している。

 スズキの主力販売市場は日本とインドである。スズキの2019年3月期の決算によると、同社のハイブリッドモデルの販売台数は約56.1万台となり、日本が38.2万台、インドが14.9万台という内訳であった。同社のハイブリッドモデル販売台数は前年比で21.5%の増加となり、インドにおけるハイブリッド車販売の需要増加が主要因となっている。スズキの2019年3月期におけるインドでのハイブリッドモデルの販売台数は、前年比で75.3%の増加となった。

Suzuki XBEE Suzuki Baleno
Suzuki XBEE Suzuki Baleno


  スズキの現行の電動モデルは全てハイブリッドとなり、ラインナップは下表の通り。

モデル名 現行モデル発売日 車両セグメント パワートレイン バッテリー
Hustler S-eNeCharge 2015年5月 軽自動車 660cc 3気筒エンジンまたは660cc 3気筒ターボエンジン, 1.6 kW モーター 0.04 kWh リチウムイオン
Solio/Solio Bandit 2015年8月 ミニMPV 1.2L 直4エンジン
マイルドハイブリッド: 2.3 kW モーター
フルハイブリッド: 10 kW モーター
マイルドハイブリッド: 0.04 kWh リチウムイオン
フルハイブリッド: 0.44kWh リチウムイオン
Ciaz 2015年9月 コンパクトセダン 1.3L 直4ディーゼルエンジンまたは 1.5L 直4エンジン, 電気モーター リチウムイオン
Ignis 2016年2月 サブコンパクトハッチバック 1.2L 直4エンジン, 2.3 kWモーター 0.37kWh リチウムイオン
Baleno Dualjet 2016年4月 サブコンパクトハッチバック 1.2L 直4エンジン, 2.3 kWモーター 0.37kWh リチウムイオン
Landy
(日産 Serena リバッジモデル)
2016年12月 ミニバン 2.0L 直4エンジン, 1.9 kWモーター 鉛蓄電池
Swift 2017年1月 サブコンパクトハッチバック 1.2L 直4エンジン
マイルドハイブリッド: 2.3kWモーター
フルハイブリッド: 10kWモーター
マイルドハイブリッド: (3Ah) リチウムイオン
フルハイブリッド: (4.4Ah) リチウムイオン
Wagon R 2017年2月 軽自動車 660cc 3気筒エンジン, 2.3kWモーター (10 Ah) リチウムイオン
Swift Boosterjet 2017年4月 サブコンパクトハッチバック 1.0L 3気筒エンジン, 2.3kWモーター 0.37kWhリチウムイオン
S-Cross Smart 2017年9月 コンパクトクロスオーバー 1.3L 直4ディーゼルエンジン, 電気モーター リチウムイオン
Xbee 2017年12月 コンパクトクロスオーバー 1.0L 直4エンジン, 2.3kWモーター (3 Ah) リチウムイオン
Spacia 2017年12月 軽自動車 660cc 3気筒エンジン, 2.3kWモーター (10 Ah) リチウムイオン
Ertiga 2018年11月 コンパクト MPV 1.5L 直4エンジンまたは1.3L 直4ディーゼルターボエンジン, 電気モーター リチウムイオン

Suzuki product timeline
Suzuki product timeline

注:タイムライン上の将来モデルの推定発売日について、情報が不十分な場合は予想発売年の中央とした。


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キーワード:
電動化、トヨタ、スバル、マツダ、スズキ、Prius、Mirai、Crosstrek Hybrid、Mazda3、MX-30

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