トヨタ:EVのビジネスモデルを発表、電動車550万台計画を2025年に5年前倒し
超小型EVを日本でスタート、グローバルには6つのバリエーションでEVを投入
2019/06/26
- 要約
- 電動車550万台計画を5年前倒して、2025年に実現を目指す
- 2020年からEVを本格展開、日本で超小型EV、グローバルに6つのバリエーションでEVを投入
- EVの開発体制:EV C.A. Spirit CorporationとトヨタZEVファクトリー
- 耐久性の高い電池を開発、世界の電池メーカーから調達
- 説明会終了後の質疑応答(主にEVの市場性について)
要約
トヨタは、6つのバリエーションでEVをグローバルに展開する (本レポートに掲載する図表の出所は全てトヨタ) |
トヨタは2019年6月、「~トヨタのチャレンジ~ EVの普及を目指して」と題して今後のEV事業について発表した。寺師 茂樹 副社長が戦略説明会と質疑応答を担当し、「トヨタが考えるEVビジネスモデル」「主なゼロエミッションビークル」「EV普及のための体制」「電池の開発・供給」など、EVを取り巻く環境や課題について幅広く説明した。
トヨタは、自動車会社から、全ての人に移動の自由を提供するモビリティカンパニーへの変革を目指している。また、「ホ-ムプラネット」の考え方を掲げ、地球規模での電動車の普及を目指すとしている。
電動車の普及ペースについては、2017年12月に「2030年に電動車550万台(うちEV・FCVが100万台)」とする計画を発表した。しかし、この計画を上回るペースで電動化が急速に進展していることから、5年程度先行させ2025年に電動車550万台を目指す。その背景には、ZEV/NEV規制の具体化やEUでの2025年・2030年のCO2規制が正式決定されたことなどがある(レポート末尾の「質疑応答」と図表「規制動向」を参照方)。
「トヨタが考えるEVビジネスモデル」では、電池の残存価値を査定・判別する仕組みをつくり、中古EVの販売体制や電池リユースを促進し、最終的に電池リサイクル(希少資源の回収を含む)までの仕組みを構築する。
投入する車種としては、超小型EVや歩行領域EVのビジネスモデル構築に向け、まず日本でスタートする。また、グローバルに展開するEVとしては6つのバリエーションを予定し、中大型車5ボディタイプをSUBARUなどと共同企画、コンパクトEVはスズキ/ダイハツと共同企画する。
EVの企画から製品化を担うのが「トヨタZEVファクトリー」で、2019年6月時点で20を超える企業・団体からの出向者を含め290人体制だが、近く2,000人体制に拡充する。
電池については、2025年に2018年比約20倍の電池容量が必要となる見込み。従来のパナソニックとプライムアースEVエナジーに加えて、GS YUASA、TOSHIBA、CATL、BYDからも調達する方針。グループの豊田自動織機も、電池を生産する。
トヨタは、環境技術は普及しなければ地球環境改善に役立つことはできないとの考え方から、トヨタ単独で進めるのではなく、オープンに仲間を募り、一緒に取り組みを加速させていくとしている。
EV普及に向けてトヨタが取り組むこと
トヨタは協調の姿勢で、多くの方々と仲間になって、新しいビジネスモデルの構築に向けた取り組みを推進する | |
(1) | 超小型EVを活用した新たなビジネスモデル構築に向け、まず日本でスタート |
(2) | 米国・欧州・中国など既にEVの市場ができつつある地域に向けては、市場ニーズに応じた様々なタイプのEVを、低コストで効率的に開発 |
(3) | 商品力向上のキーとなる高性能で劣化しにくい電池の開発、電動車の急速な拡大に対応する電池の供給体制整備 |
資料:トヨタ
関連レポート:
トヨタの電動車戦略:2030年に電動車550万台、EV・FCV 100万台を目指す (2018年3月)
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。