欧州の日系部品メーカー:欧州自動車メーカーへの販売拡大を狙う

現地部品メーカーを買収・提携、合弁会社設立、東欧・ロシアでは生産能力増強、新工場建設

2014/07/17

要 約

 西欧17カ国の2014年1-6月の乗用車の新規登録台数は、LMC Automotiveによれば、前年同期比5.4%増の638万台と増加に転じた。こうした中、日系自動車部品メーカーによる欧州での事業展開は、欧州自動車メーカー・部品メーカーへの納入拡大を目指すものが多い。

ドイツ:ドイツメーカーへの販売拡大を目指す

 ドイツでは、地元部品メーカーとの合弁会社設立(富士機工、長野計器)、買収(豊田合成ニフコ)、提携(セーレン)や、自社の営業拠点・駐在員事務所の設置(三菱レイヨン、エフテックショーワ東洋ゴムなど)によってドイツメーカー等への販路拡大を目指す動きがみられる。予防安全技術開発では、デンソーによる現地部品メーカーへの出資がみられる。

東欧:工場拡張・設備増強が続く

 東欧では、欧州自動車メーカーからの受注拡大に対応した工場拡張・設備増強(KYB大豊工業大同メタルなど)が比較的多くみられる。ユーロ6対応や燃費向上・軽量化部品の生産開始(デンソー:新型コモンレール、日本ガイシ:排ガス浄化セラミックス、大同メタル:ターボチャージャー用軸受、東海ゴム:樹脂部品内製化、トヨタ紡織:シートなど)も特徴的。新規進出では、曙ブレーキアドヴィックスタカタなどが工場建設。

西欧など:生産能力増強の一方、整理統合も

 英・仏・蘭・スウェーデンなどでは、新規進出に備える持株会社設立(ニッパツ)、高機能製品の生産開始(日本板硝子)、受注拡大に伴う生産能力増強(曙ブレーキジーテクトプレス工業、三菱重工)がある一方で、生産拠点の整理・統合(ケーヒンジェイテクトユーシンなど)の動きもみられる。

ロシア/トルコ:ロシアでは進出が続くも、新車市場は販売減が続く

 ロシアの2014年1-6月の自動車販売台数は前年同期比7.6%減の123万台と、1月から6カ月連続で前年比マイナス。6月も5月に続いて2ケタ減となっている。2014年1-5月の生産台数も84万台(同3.8%減)と低迷。

 こうした中にあっても、2014年から2015年にかけての新工場建設・稼働(ユニプレス、GMB、アツミテック/豊田通商、住友電工/住友電装ブリヂストン)、生産能力増強(大同メタル横浜ゴム)がみられる。このほかに、資本進出を検討中(河西工業住友ゴム小糸製作所など)との動きもある。

 トルコでは、駐在員事務所新設による営業機能の強化(古河電工)、受注拡大や需要増を見込んだ生産能力拡充(TPRブリヂストン)が見られる。


日系部品メーカー動向関連レポート:

インドネシア編 (2014年6月)、ベトナム/マレーシアなど編 (2014年6月)、米国編 (2014年3月)
中国編(下):華南・華北・東北などでの動向 (2014年3月)、中国編(上):華東・華中地域の動向 (2014年3月)
中南米編(下) (2014年2月)、中南米編(上) (2014年2月)、
タイ編(上) (2014年1月)、タイ編(下) (2014年1月)、ASEAN編 (2013年11月)
欧州編 (2013年10月)、インド編 (2013年8月)



ドイツ:豊田合成・ニフコが現地企業買収、デンソーが出資、エフテックなどが駐在員事務所設立

 

会社名 活動内容
エフテック
駐在員事務所を2014年度に開設
エフテックは、2014年度中にドイツに駐在員事務所を開設する。取引先のGMがドイツで開発を行っていることに対応。顧客ニーズの迅速な把握や、欧州の技術動向調査が目的。エフテックはサブフレームなどの足回り部品を手がけている。(2014年4月報道)
ショーワ
フランクフルト近郊に営業・開発拠点を2014年4月に設置
ショーワは、英子会社SHOWA UK LTDの支店として、2014年4月にFrankfurt市近郊にショックアブソーバーなどの営業・開発の拠点を設置。欧州の自動車メーカーとの本格的な取引関係を築くには、現地拠点が欠かせないとの判断。
セーレン
自動車用内装材でドイツSchmitz社と業務提携
セーレンは2014年7月、自動車内装材を製造・販売するTuchfabrik Willy Schmitz GmbH &Co.KG (以下Schmitz社) との自動車内装材に関する業務提携契約の締結を発表。業務提携の範囲は、全ての自動車メーカーを対象とした内装材事業。契約期間は5年。セーレンは日系自動車メーカーを主要顧客として米国、中国、アセアン、ブラジル、インドなどで生産しているが、欧州には生産拠点を持たない。Schmitz社は、欧州自動車大手メーカーを主要顧客にドイツのみに生産拠点を持つ。提携により両社は、共同マーケティング、開発・生産のための技術支援、グローバルでの生産・販売支援で協力関係を構築する。
デンソー
予防安全技術開発でドイツADASENS社に出資
デンソーは2013年9月、安全分野の技術開発を強化するため、先進予防安全に関わる技術開発に優れたドイツのADASENS Automotive GmbH (以下、ADASENS社)への出資を発表。2013年末までに同社の50%の株式を取得。ADASENS社は、先進運転支援システムの開発を行っており、特に、カメラを使って自車周辺の障害物を認識する画像認識技術の開発を強みとしている。
東海ゴム
ポーランドとドイツの2ヵ所で開発・営業体制拡充
東海ゴムは、VW向けに2016年度から2018年度にかけて世界各地で防振ゴムの供給を目指す。このため、ポーランドの子会社TRI (Poland) Sp. z o. o.(Wolbrom)と2013年に買収したドイツの防振ゴムメーカーAnvis Group GmbH(Hessen州)の2ヵ所でVW向け開発を行う。将来的には、ポーランドに研究開発機能を集約することも検討。(2014年2月報道)
東洋ゴム
タイヤ販売会社を2014年5月設立、ドイツ、オーストリア市場を担当
東洋ゴムは、2014年5月にタイヤ販売会社Toyo Tire Deutschland GmbH(North Rhine-Westphalia州 Willich市)を設立。資本金は500万ユーロ。同市に本社を置く欧州販売統括会社Toyo Tire Europe GmbHの販売部門を分離独立させたもので、ドイツ、オーストリアでの販売を担当。欧州販売統括会社は、管理機能を強化し、欧州内での整合性ある価格政策や統一的なマーケティング展開、最適物流の構築などで、より機動的なマネジメントを行う。
豊田合成
買収した独ゴム部品メーカーの事業を、2014年1月設立の現地子会社が譲受
豊田合成は、2014年4月にドイツの自動車用ゴム部品メーカーMeteor Gummiwerke K. H. Baedje GmbH & Co, KG(以下、Meteor社)の買収を完了。買収金額は明らかにしていない。買収資産の受け皿は2014年1月に設立したウェザーストリップなどのオートモーティブシーリングを製造するToyoda Gosei Meteor GmbH(Niedersachsen州)。Meteor社は、ダイムラー・BMW・アウディなどにウェザーストリップなどを供給しており、豊田合成はこれらメーカーと初めて取引することになる。2014年度の売上高は1.4億ユーロの見込み。中期的には、豊田合成製品の欧州自動車メーカーへの拡販も行う。
トヨタ紡織
ドイツ工場の閉鎖や欧州生産拠点での効率改善などで収益構造改革
トヨタ紡織は、2016年度までに欧州事業を営業利益ベースで黒字転換させるため収益構造改革に着手。2014年にBOSHOKU AUTOMOTIVE EUROPE GMBH(以下、BAE。Munchen)から管理部門を分離し、欧州統括会社に統合。組織のスリム化と効率化を図る。また、2015年度にBAEのGeretsried工場を閉鎖。同工場で生産している欧州メーカー向けドアトリムなどの内装部品は、他の拠点で生産。また、トヨタ向けを含む欧州域内の全生産拠点で、生産プロセスの見直しによる効率改善、製造部門の体質強化を図る。これと並行して受注増により売上高拡大を実現し、黒字化につなげる。
長野計器
合弁会社を2014年7月に設立し、車載用圧力センサー生産へ
長野計器は、ドイツのIntelligente Sensorsysteme Dresden GmbH と合弁会社JaDe Sensortechnik GmbH(Sachsen州Dresden市)を2014年7月に設立。ドイツの自動車メーカーおよびサプライヤーからの車載用圧力センサーの需要拡大を見込み、現地生産体制を整え事業基盤を強化し、収益の確保を目指す。併せてドイツの駐在員事務所を法人化して販売会社を設立し、販売・サービスの強化を図る計画。
日信工業
先進安全情報収集の事務所を2013年12月に開設
日信工業は、スペインの連結子会社Nissin R&D Europe, S.L.U.の欧州第2拠点としてNissin R&D Europe, S.L.U. Niederlassung Deutschland (Frankfurt市)を2013年12月に設立。欧州での先進安全情報の収集体制の強化、市場および顧客ニーズの先取りなどを通じて、欧州自動車大手メーカーへの四輪車用ブレーキ製品を開発・販売する。
ニフコ
ドイツのプラスチック部品メーカーを買収
ニフコは2014年2月、ドイツの自動車向けプラスチック部品メーカーであるKTW GmbH & Co.KGとそのグループ企業(Weisenburg)の全株取得を発表。買収額は70億~100億円とみられる。KTWは、インストルメントパネルやドアトリムなどの部品の装飾で高い技術を持ち、BMWを主要顧客に持つ。ニフコは2013年4月にVWを主要顧客に持つドイツ部品メーカーのKTSを買収したが、売上高はそれほど伸びず、欧州メーカー向け事業はニフコの売上高全体の5%に満たない。このため、KTWの買収で早期に10%程度まで引き上げる考え。欧州域外での欧州自動車メーカーへのニフコ製品の拡販も計画。
富士機工
米社とシート部品の合弁会社設立
富士機工は2014年1月、米国のFisher Dynamics Germany GmbH(以下、Fisher社)と自動車用シートの機構部品・骨格部品の開発・製造・販売の合弁会社Fuji Kiko Fisher Dynamics Automotive Europe GmbH(Wuppertal 市)設立を発表。資本金は200万ユーロ。出資比率は富士機工51%、Fisher社49%。欧州およびその他地域へのビジネス拡大を図る。
古河電工
フランクフルトに営業拠点を2014年5月に開設
古河電気工業は、2014年5月に駐在員事務所(Frankfurt)を新設。エアバッグ部品「SRC」の欧州自動車メーカーへの営業活動を強化する。SRCはステアリングロールコネクターのことでエアバッグを起動させるための電気信号をステアリング内に伝達する部品。同社は欧州に数ヵ所の営業拠点をもつが日系自動車メーカーが主たる顧客。新拠点は欧州メーカーが対象。(2014年4月報道)
三菱レイヨン
ドイツの駐在員事務所を改め、2013年11月に欧州現地法人設立
三菱レイヨンは、2013年11月にDuesseldorfの駐在員事務所を改め、欧州現地法人のMRC Europe GmbHを設立し2014年4月から営業開始。従来からのマーケティング活動に加え、市場拡大が進む自動車と風力発電翼向け炭素繊維の本格的な販売活動を実施。また、自動車向け炭素繊維複合材(CFRP)事業については、欧州のコンポジット企業を買収して欧州自動車メーカーに直接供給する体制の構築を検討している。

 

 



東欧:KYB・大豊工業などが生産能力拡充、曙ブレーキ・アドヴィックスなどが新規進出

 

会社名 活動内容
曙ブレーキ
スロバキアにブレーキキャリパーの製造子会社を2014年4月設立
曙ブレーキは、ブレーキキャリパーの製造子会社Akebono Brake Slovakia s.r.o.(Trencin市)を2014年4月に設立。新中期経営計画の重点施策の一つである「日米中心から日米欧アジアへのグローバル化の加速」の一環。生産開始は2015年8月。鋳鉄製ブレーキキャリパーの組み立てからスタートし、アルミ製ブレーキキャリパーの組み立て、将来的にはアルミ鋳造から加工、組み立てを一貫して行う計画。欧州に拠点を持つ自動車メーカーを対象に2017年に5800万ユーロ程度の売上高を見込む。
アドヴィックス
チェコにブレーキ部品生産子会社を2014年3月設立
アドヴィックスは、2014年3月にブレーキ部品の生産子会社ADVICS Manufacturing Czech s.r.o.(Pisek市)を設立。資本金は約9.5億円。欧州で初の拠点。独ダイムラーからディスクブレーキキャリパーの初受注が内定したため、アイシン精機の現地子会社Aisin Europe Manufacturing Czech s.r.o.(同市)工場の一部を借り受け、2015年5月から生産開始する。当面の生産量は未定だが、将来的には月産数万個を見込む。将来的にはダイムラー以外の欧州メーカーや日系自動車メーカーへの受注活動を強化する。
KYB
チェコのショックアブソーバー(SA)工場を拡張、2015年に年産能力650万本へ
KYBは、チェコの子会社KYB Manufacturing Czech, s.r.o. (Pardubice市)の工場に約30億円を投じてラインを増設。SAの年産能力を2012年の450万本から2015年1月には650万本に増強する。PSA、ルノー、ダイムラーなどの欧州メーカーから大きな受注を得ており、今後も安定的に現地メーカーからの需要が見込めると判断。取引先の非日系比率を2012年度の18%から2020年度には34%とする計画で、SA構成部品のスプリングを内製するために新工場の建設も検討している。
GMB
ルーマニアに孫会社設立、2015年4月からウォーターポンプ組み立て
GMBは、韓国の子会社GMB KOREAが2014年6月にROMANIA GMB AUTOMOTIVE S.R.L.(Arges県)を設立。資本金は約700万ドル。欧州向け新車用部品の製造拠点として、ウォーターポンプを加工・組立。2015年4月から稼働予定。
大豊工業
ハンガリーの既存工場で軸受生産能力を増強、新建屋を建設しDE用部品生産へ
大豊工業は、ハンガリーの生産子会社Taiho Corporation of Europe Kft.(Budapest郊外のUjhartyan)のエンジン軸受の2015年度の月産能力を2011年度比3倍強の250万個に引き上げる計画。また、2016年以降の生産基盤拡充のために新たな工場建屋を設置し、生産スペースを2倍にする。投資額は15億から20億円を見込む。ディーゼルエンジン用燃料噴射システム向けのリングカムアウター増産を先行させ、エンジン軸受の生産能力増強とともに樹脂コーティング工程などの設置も視野に入れている。
大同メタル
チェコで軸受のコンパクトライン導入・テクニカルセンター新設、モンテネグロではライン増設
大同メタル工業は、チェコのDAIDO METAL CZECH s.r.o.(Brno市)の生産能力増強を進めており、このうち大衆車・小型車向けの1ラインをコンパクトラインとして2014年内に立ち上げる。また、需要が増加しているターボチャージャー用軸受の生産も2014年中頃から開始。更にチェコでテクニカルセンターを2014年3月に新設し、欧州自動車メーカーへの技術対応を迅速化し、受注拡大を図る。
同社は、スウェーデンのボルボから年間40万台分の新型エンジン用滑り軸受けを受注し2015年4月に供給開始する。生産は、モンテネグロ、チェコ、日本の工場で行うため、モンテネグロのDAIDO METAL KOTOR AD(Koto)でも約2億円を投じて生産ラインの増設を進めている。
タカタ
ハンガリーでエアバッグ製造子会社を新設、2014年10月に生産開始
タカタは、ハンガリーでエアバッグ及び同部品を製造するTakata Safety Systems Hungary Kft.(Miskolc市)を2013年10月に設立。2014年10月から操業開始し、欧州自動車メーカーに納入。投資総額は6,830万ユーロ。新工場には、製品開発、製品試験、品質管理、カスタマーサービスのための最新鋭システムを導入。
デンソー
ハンガリーで新型コモンレールシステム生産へ
デンソーは、燃料噴射気圧を2500気圧まで高めた新型コモンレールシステムの海外生産を2015年から2016年にかけてハンガリーとタイで開始する。ハンガリーでは、DENSO MANUFACTURING HUNGARY LTD.(Szekesfehervar)で生産。「ユーロ6」によるディーゼル乗用車への規制強化に対応し、主要メーカーへの受注活動を強化する。(2013年9月報道)
天昇電気
ポーランドの子会社の株式を一部売却
天昇電気工業は2014年4月、ポーランドでテレビや自動車の部品を製造販売する子会社Tensho Poland Corporation Sp. z o.o.(Lysomice)の株式(20.1%保有)の一部をBoryszew 社(Warsaw、以下BRS)に売却。BRSはVWのティア1の有力部品メーカーであるため、売却によって自動車部品事業を強化し、従来のテレビ部品中心からの業態転換を図る。売却後の株主構成は、BRSが80.0%、三甲13.7%、天昇電気6.3%。
東海ゴム
ポーランド子会社での樹脂部品の内製強化により売上増を図る
東海ゴムは、ポーランドの子会社TRI (Poland) Sp. z o. o.(Wolbrom)でドイツ自動車メーカー向けの売上高比率を2013年度の1~2%から2015年度に1割に引き上げる計画。このため、アウディ向けなどに樹脂部品を組み合わせた防振ゴム製品の販売を強化する。工場に樹脂成形機を増設し、樹脂部品の内製率を高める。2014年度の設備投資額は他の設備も含め6億~7億円の見込み。(2014年2月報道)
トヨタ紡織
BMWから初受注のシートをポーランド子会社で生産
トヨタ紡織は、2013年にBMWからシートを初受注。ポーランドのTbai Poland Sp. Z O.O.(Nowogrodziec)の工場にBMWの品質管理手法に基づいた組立ラインを新規導入し、EV「i3」、PHV「i8」向けに生産開始した。納入するシートは、骨格材に通常の鉄ではなくガラス繊維強化ナイロン樹脂を使用。軽量化するのと同時にシート全体を薄くしたもの。従来、BMWにはドアトリムやシート構成部品を供給していた。
日本ガイシ
ポーランドで排ガス浄化用セラミックスの生産設備増強
日本ガイシは2014年4月、ポーランドの製造子会社NGK CERAMICS POLSKA Sp.z.o.o(Gliwice市)でコージェライト製自動車排ガス浄化用セラミックスの生産設備を増強すると発表。工場敷地内に新棟を建設し、ディーゼル車排ガス浄化触媒担体を2013年度の年産800万個を1500万個に増強するほか、ディーゼル車用PM減少装置(DPF)の生産も開始する。また、初となる直噴ガソリン車用のPM減少装置(GPF:Gasoline Particulate Filter)の量産も開始する計画。欧州での「ユーロ6」開始に伴う需要拡大に対応する。

 

 



西欧など:ジーテクト・プレス工業などが生産能力増強、ジェイテクトなどが生産拠点の整理・統合

 

会社名 活動内容
曙ブレーキ
フランスで2015年にブレーキ摩擦材の工場増強、キャリパーの開発拠点開設も計画
曙ブレーキは、フランスのAkebono Europe S.A.S. (Arras)の工場建屋を増築して生産ラインを増設。ディスクブレーキパッドの月産能力を2013年の60万個から2015年夏に80万個に増強する。新車装着用や補修用の販売増に対応。スロバキアに新設したAkebono Brake Slovakia s.r.o.(Trencin市)のブレーキキャリパー工場と合わせて、パッドからキャリパーまでの一貫生産体制を欧州で整え、欧州メーカーとの取引拡大を図る。2015年には、フランスにキャリパーの開発拠点も開設する計画。(2014年1月報道)
河西工業
英国工場で2015年からジャガーランドローバーに納入開始、アントリンとのグローバル提携を解消
河西工業は、2015年央から英国のR-TEK Ltd. Merthyr Tydfil工場でジャガーランドローバーとの新規ビジネスを開始する。また、河西工業とスペインの内装部品メーカーGRUPO ANTOLINは、2014年1月にグロ―バル提携の解消で合意。業務の進め方の違いなどにより、顧客の要望に迅速に対応する体制づくりが難しいとの判断。これにより日本やインドでの合弁会社は、出資や仕事の形態をそれぞれ見直す。なお、地域毎の提携は今後も続ける方針。
ケーヒン
英国での電子制御製品生産を2014年9月に停止予定
ケーヒンは2014年2月、英国の生産子会社Keihin Europe Ltd.(Glasgow)での電子制御製品(ECU)の生産を2014年9月に停止予定と発表。生産品目の大幅な減少が見込まれ、生産活動の維持が困難と判断。生産停止後は、グローバルネットワークを活用して製品を供給。英国子会社は営業活動や物流機能を担う。
ジェイテクト
欧州の部品加工拠点を集約化、現地部品調達率を9割に引き上げへ
ジェイテクトは、欧州での自動車部品事業が2013年度に5年ぶりに黒字化。これまで、欧州本社のあるJTEKT AUTOMOTIVE LYON S.A.S.のIrigny工場をマザープラントと位置付け、生産性向上の取り組みを他の工場に広げてきた。今後も競争力強化のため、各工場でのカイゼン活動を継続。また、複数国に点在する部品加工工場を、西欧と東欧で各1ヵ所に集約する方針。現地部品調達率は2013年度の8割から中期的に9割に引き上げる。
ジーテクト
英ジャガーの高級セダン向けプレス部品受注
ジーテクトは、2013年にジャガーの高級セダン向けプレス部品を年産4万台規模で受注。この他、トヨタからアベンシス用、BMWからMini向けの部品も新たに受注。2013年にG-TEKT Europe Manufacturing Ltd.の第3工場(G-TEM3、Wales)を取得し、設備を導入。既存工場と合わせた大型・中型・小型部品用の3工場体制で生産効率化を図る。
椿本チエイン
欧州メーカーへの拡販のため現地供給体制の拡充を検討
椿本チエインは、日系メーカー向けを中心にタイミングチェーンなどを生産する英国子会社Tsubakimoto U.K. Ltd.(Nottingham)の工場規模が小さく、能力いっぱいの生産状態にある。2020年度の長期ビジョンでの世界売上高1000億円を目指すためには、欧州メーカー向けの拡販が必要なため、今後、欧州地域での供給体制拡充を検討する。(2014年7月報道)
ニッパツ
オランダに持株会社を設立しドイツ支店も開設。スペインの現地法人には増資を計画
ニッパツは2014年3月、欧州における事業母体としてオランダに持株会社NHK Spring Europe B.V. (Amsterdam)を設立。ドイツ支店(Wolfburg)も開設する計画。資本金は35万ユーロ。欧州進出に向けての準備会社と位置付け、需要動向や工場建設に適した立地を調査する。将来的には、主力のばね製品に加えてシート関連部品の生産を検討。また、40.17%を出資するスペインのばね製造現地法人Iberica de Suspensiones S.L(Alsasua)に増資し、事業規模の拡大を図る予定。
日本板硝子
英国で高機能ガラス繊維補強材を2014年5月に生産開始
日本板硝子は、英国のNGF Europe(Merseyside州)に高強度繊維の紡糸炉を新設し、ガラス繊維の加工からコードの加工まで一貫生産できる体制を整備。2014年4月から、エンジンのタイミングベルト補強材の高機能ガラス繊維「グラスコード」を生産・出荷。従来は「グラスコード」の材料を日本から輸出していたが、現地生産によりコスト削減を図る。製品は、従来のガラス繊維に加えて炭素繊維を撚り合わせたことで、ベルト強度や燃費が向上・騒音低下・軽量化。エンジンの小型化が図れるため積極的に拡販する方針。
プレス工業
スウェーデン工場に大型プレス機導入
プレス工業は、PRESS KOGYO SWEDEN AB(Oskarshamn)の工場に新たに1,250トンの大型プレス機を導入。投資額は3億円前後。2014年春から本格稼働し、スカニア、ボルボ向けにバス用の足回り部品のサイドメンバーを生産。(2014年1月)
三菱重工
オランダの基礎開発拠点で設計人員増強
三菱重工業は、欧州でのターボチャージャーとエンジン事業の拠点Mitsubishi Turbocharger and Engine Europe B.V.(Almere)で、基礎開発部門の設計人員を2012年の70人から2015年に120人に増やす方針。顧客の要望に沿ったターボチャージャー開発の機能を強化する。(2014年3月報道)
ユーシン
ヴァレオと重複している欧州の生産拠点の整理統合へ
ユーシンは、ヴァレオのアクセスメカニズム(キーセットやドアハンドルなど)事業買収に伴い2社で重複している欧州の生産拠点の整理統合を進める。また、相互の販売ルートを活用し営業体制を強化する計画。(2014年2月報道)

 

 



ロシア:ユニプレス・ブリヂストンが新拠点設立、大同メタル・横浜ゴムが生産能力拡充

 

会社名 活動内容
アツミテック
シフターシステムを2014年からアフトワズ向けに生産開始
アツミテックは、豊田通商との共同出資のAtsumitec Toyota Tsusho Rus LLC(Samara州)で変速機のシフターシステムを2014年からアフトワズ向けに生産。年間15億円程度の売上高を見込む。また、ロシアに進出した日米欧メーカーからの受注も狙う。(2013年11月報道)
河西工業
生産拠点進出を検討
河西工業は、2014年3月期決算説明会において、ロシアでの生産拠点進出を検討と発表。詳細は不明。
小糸製作所
技術支援先のアフトワズ子会社に資本参加を検討
小糸製作所は、技術支援を行っているアフトワズの関連子会社からロシアでのビジネスを発展させられるとの考え。今後は、資本参加などを検討する意向。
GMB
韓国子会社を通じてエンジン部品の生産会社設立
GMBは、韓国の子会社GMB KOREA CORP.を通じてエンジン部品を製造・販売するSAMARA GMB AUTOMOTIVE, LLC.(Samara州Togliatti市)を2014年2月に設立。資本金は約300万ドル。工場は2016年3月の稼働予定。投資額は3.5億円。2018年には、エンジン冷却用のウォーターポンプ50万台、オイルポンプ50万個の生産を計画。アフトワズやルノーへの納入を目指す。
住友電工
住友電装
ワイヤーハーネス工場が2014年6月に稼働
住友電気工業と住友電装は、関連会社OOO Ural Wiring Systems(Sverdlovsk州)の工場を2014年6月に稼働させた。ワイヤーハーネスをルノー・日産連合の現地工場に供給する。 同工場は、ロシアの通信機器・電線メーカーOAO Zavod Radioapparatury(ZRA社:Sverdlovsk州)との合弁で、オランダに設立した持株会社Ural Wiring Systems B.V.(Amsterdam市)の、ロシアでの完全子会社。(2014年2月報道)
住友ゴム
タイヤ新工場の建設を検討
住友ゴムは、2020年にタイヤの世界シェアを2013年比3ポイント増の9%に引き上げる計画で、その一環として、ロシアでのタイヤ生産新工場の建設を検討中。2014年中に意思決定する。(2013年12月報道)
大同メタル
エンジン軸受の生産能力増強へ
大同メタルは、子会社DAIDO METAL RUSSIA LLC(Nizhny Novgorod州)の工場で生産するエンジン用すべり軸受の年産能力を、2017年までに2013年比約40%増の200万台分に引き上げる。このため、年産能力25-30万台分の機械加工ラインを、2014-15年をめどに1本、2016年をめどにさらに1本新設。投資額は約4億円。欧米自動車メーカーのロシアでの本格生産やトラック市場を睨んだもの。
ブリヂストン
乗用車用ラジアルタイヤ新工場が2016年上期に生産開始
ブリヂストンは、Bridgestone Tire Manufacturing C.I.S. LLC(Ulyanovsk州)での乗用車用ラジアルタイヤの生産を2016年上期に開始。生産品目はロシア・CIS市場向けのウィンタータイヤで、日産能力は2018年下期に約12,000本。総投資額は375億円。
ユニプレス
車体プレス部品会社を2014年1月に設立、工場の操業開始は2015年6月
ユニプレスは、2014年1月に現地子会社UNIPRES RUSSIA LLC(Saint Petersburg市)を設立。資本金は約30億円。工場の操業開始は2015年6月(予定)。日産がサンクトペテルブルグ工場で生産するSUV向けに年間7万台相当の骨格部品を組み立て、納入する。プレス部品は英国、中国、日本の各工場から輸送。工場への投資額は約60億円。2017年3月期に60億円の売上高を目指す。将来は、他の自動車メーカーへの受注活動も行う。
横浜ゴム
乗用車用タイヤ工場の生産能力増強、2014年から新車用タイヤも生産開始へ
横浜ゴムは、2014年以降の新車販売の増加を見込み、乗用車用タイヤ生産販売子会社Yokohama R.P.Z.(Lipetsk州Lipetsk特別経済区)の年産能力を2013年の140万本から2014年に160万本に拡張し、同年秋からフル生産に入る予定。また、早ければ2014年夏から新車用タイヤの生産も段階的に始める模様。

 

 



トルコ:TPR・ブリヂストンが生産能力拡充、古河電工が駐在員事務所新設

 

会社名 活動内容
住友ゴム
合弁会社の新工場が2015年7月稼働予定
住友ゴム工業は、トルコ現地企業との合弁会社Sumitomo Rubber AKO(Cankiri県)での乗用車・トラック用タイヤの生産を2015年7月に開始予定。総投資額は約400億円。日産能力は2019年に3万本。トルコ国内の新車用、市販用への販売のみならず、販売増が見込まれる中東・北アフリカ・ロシア等の新興市場、及び欧州市場向けに輸出する。各国市場に近いトルコから供給することで、輸送コストやリードタイムで大きなメリットを見込む。将来は日産6万本への拡大を期待。
TPR
シリンダーライナーの生産能力増強
TPRは、シリンダーライナーを製造するFederal-Mogul TP Liner Europe Otomotiv Ltd. Sti.(Istanbul)の工場建屋を増築して加工設備を導入し、月産能力を2013年度の30万本から2014年度に40万本に引き上げる。(2014年3月報道)
ブリヂストン
乗用車用ラジアルタイヤの第2工場建設へ、2018年1月の稼働予定
ブリヂストンは2013年10月、子会社のBrisa Bridgestone Sabanci Lastik Sanayi ve Ticaret A.S.(Istanbul市)の乗用車用ラジアルタイヤ第2工場(Aksaray工業団地)の建設用地を決定。トルコでの更なるタイヤ需要の増加を見込み、操業開始は2018年1月(予定)。日産能力は、2022年下期に約1.3万本を予定。総投資額は約280億円。既存工場(Izumit市)の日産能力は約3万本。
古河電工
イスタンブールに駐在員事務所新設
古河電気工業は、2013年12月に欧州販売子会社のFurukawa Electric Europe Ltd(英国London)が、トルコでの駐在員事務所Furukawa Electric Europe Ltd Istanbul Representative Office(Istanbul市)を新設。マーケティング活動を強化し、自動車やエレクトロニクス関連市場での高機能素材の販売増加や電力・交通などのインフラ事業を拡大する。トルコのみならず東欧、中央アジア、中東、北アフリカ地域に商圏拡大を図り、2016年に年間20億円の売上高を目指す。


(参考資料:各社広報資料, 各紙報道)

                     <自動車産業ポータル、マークラインズ>