韓国市場と韓国メーカーの動向:EV需要が鈍化、HVモデルも拡大
現代・起亜は韓国にEV専用工場、米国にLGES/SK Onとバッテリー合弁工場
2024/07/23
- 要約
- 韓国政府:2030年までにEV420万台普及、EV補助金は2024年も継続
- 韓国の自動車生産能力は448万台、現代自と起亜がEV専用工場を建設
- 現代自動車グループの電動化戦略
- 現代自動車グループの海外工場生産能力、インド・米国で拡大
- 現代自動車グループ:2023年の世界販売は734万台、2年連続で世界3位
- GM Korea:米国向けSUVのChevrolet Trax CrossoverとTrailblazerが好調
- Renault Korea(旧Renault Samsung):釜山工場を刷新し、HV・EVを生産へ
- KG Mobility(旧双竜自動車):2024年に低価格電気SUV Korando EVを発売
- 韓国内の生産・販売・輸出:2023年は好調に推移、2024年は横ばいの見通し
- GlobalData販売予測:韓国のライトビークル販売台数は2027年に180万台となる見通し
要約
韓国政府は2030年までに韓国で電気自動車(EV)420万台の普及、330万台の生産を目指している。EVの普及のために購入補助金を支給しており、2024年には車両価格が5,500万ウォン未満のEVには補助金を100%支給する(補助金は最大650万ウォン)。また、EV用バッテリーについても産業育成戦略を提示しており、2025年までに韓国内の生産容量60GWh以上を確保する計画。
韓国の自動車生産能力は448万台。現代自動車が蔚山工場で建設中のEV専用工場と、起亜が華城工場で建設しているEV専用工場が2025年に完成すると、韓国の生産能力は483万台となる見込み。
現代自動車グループは電動化を加速し、2030年までに韓国内で年間151万台のEVを生産し、そのうち92万台を輸出する計画。しかし、2023年下期からEV需要が低迷しているため、現代自と起亜はHVモデルの投入やHVの設定拡大も計画している。
GM Koreaは2024年にChevroletとCadillacブランドからEVとガソリン車を2車種ずつ投入する計画。また、富平工場に2,000億ウォンの設備投資を行い、2023年6月から新型コンパクトクロスオーバーSUVのBuick Envistaを生産している。
Renault Korea Motorsは2024年4月にRenault Koreaに社名を変更。吉利グループとの提携によりCMA(Compact Modular Architecture)プラットフォームを開発した。2024年6月に新型HV SUVのGrand Koleos HV(コードネーム Aurora 1)が投入された。
KG Mobilityは2023年11月、韓国内でのブランド名を海外市場で使用している「KGM」に統一。また、BYDと次世代ハイブリッドシステムの共同開発および韓国でのバッテリーパック生産に関する協約を締結した。
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起亜の新型コンパクト電気SUV EV3(出典:Kia) | KG Mobilityの新型電気SUV Korando EV(出典:KG Mobility) |
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