韓国市場と韓国メーカー:官民共同でEV・バッテリー生産能力を整備
起亜は韓国に特定用途向け商用EV工場、現代自は米国にEV専用工場を建設
2023/07/05
- 要約
- 韓国政府:2030年までに330万台のEV生産、EV補助金の上限は500万ウォン
- 韓国の自動車生産能力は450万台、現代自動車グループが78%を占める
- 現代自動車グループの電動化戦略
- 現代・起亜:2022年の世界販売は679万台、初の世界3位
- GM Korea:米国向けSUVのChevrolet Trax Crossoverが好調
- Renault Korea(旧Renault Samsung):吉利汽車が株式の34%を保有
- KG Mobility(旧双竜自動車):KGコンソーシアムのもとでモビリティ技術分野に集中
- 韓国の生産・販売・輸出台数:2022年下期から部品供給が改善、生産が拡大へ
- GlobalData(グローバルデータ)生産予測:韓国のライトビークル生産台数は2026年に391万台となる見通し
要約
韓国政府は2030年までにEV生産を330万台に引き上げ、EV生産国のトップ3となることを目標に掲げている。EVの普及のために購入補助金を支給しており、2023年には車両価格が5,700万ウォン未満のEVには補助金を100%支給する(中大型車の補助金上限は500万ウォン)。また、政府と自動車メーカーは共同でEV用バッテリーの開発に20兆ウォンを投資し、他国に先駆けて次世代EV用バッテリーを量産するとしている。
韓国メーカーの国内生産能力は450.1万台。現在建設中の起亜の特定用途向けのEV工場が2025年に完工すると、生産能力は465.1万台となる。韓国メーカーの中で唯一本格的に海外生産を行う現代自グループの海外生産能力は575.8万台。現代自が建設中の米国のEV工場とインドネシア工場、インド工場の拡張工事等が完成すると、海外生産能力は613.8万台となる見込み。
現代自動車グループは電動化を加速し、2030年までにEV生産を韓国内151万台、グローバルで364万台に拡大する計画。現代自は2030年までにEVを187万台、起亜は160万台(うち100万台は特定用途向けのPBV)を販売する計画。
GM Koreaは2023年にChevrolet、Cadillac、GMCのブランドから6車種の新型車と改良車を投入する計画。2023年2月に米国、続いて韓国で発売されたコンパクトクロスオーバーSUVのChevrolet Crossoverは韓国・昌原工場で生産されているが、グローバルでの販売が好調で、韓国での生産を拡大している。
Renault SamsungはSamsungが保有株を売却し、Samsungの商標契約期間が終了するため、2022年3月にRenault Koreaに社名を変更した。同年5月、吉利汽車がRenault Koreaの株式の34%を保有することに合意(Renaultは引き続き大株主)。Renault Koreaは吉利・Volvo Carsの技術を導入した新型HV SUVを韓国国内および輸出市場に2024年に投入する。
双竜自動車は2022年8月、韓国KGグループを主軸とするKGコンソーシアムに買収され、2023年3月、社名をKG Mobilityに変更。2022年7月に投入した新型SUV Torresの販売が好調で、2023年3月にはEVバージョンも導入した。
起亜のEV専用車、中型クロスオーバーSUVのEV9(写真:Kia) | KG Mobility(旧双竜自動車)の新型ミッドサイズ電気SUV Torres EVX(写真:KG Mobility) |
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