Stellantis(1):2030年までにBEV75車種を投入、欧州のBEV販売比率を100%へ
2027年までに6つのギガファクトリー建設へ、バッテリー原材料供給で6社と提携
2024/01/11
- 要約
- 長期計画「Dare Forward 2030」を推進、2024年末にBEVのポートフォリオは48車種へ
- JeepブランドのBEV攻勢:2023年欧州にAvenger、2024年北米にRecon、Wagoneer S
- EV生産拡大:生産車両追加、EV専用工場への転換
- 2027年までに6つのギガファクトリーを建設へ
- バッテリーの原材料サプライチェーンを構築
- 自動運転技術:ドイツ政府のプロジェクトに参加、ソフトウェア開発会社を買収
- モビリティ・サービス子会社 Free2moveの低排ガス化を推進
要約
Peugeotの新型Cグメントクロスオーバー電気SUV e-3008(出典:Peugeot) |
Stellantisは2022年3月に発表した長期計画「Dare Forward 2030」で、売上高を倍増させながら2桁の営業利益率を維持し、脱炭素と電動化を加速させるとしている。2030年までに世界で75車種超のバッテリー電気自動車(BEV)を投入し、BEVの世界販売台数500万台を目指す。BEVの販売比率は欧州で100%、米国で50%にする。また、2038年までにカーボンネットゼロ達成を目標とする。
Stellantis傘下の各ブランドは、BEVモデルの投入を急いでいる。2023年半ばに市場に投入されているBEVモデルは25車種だったが、2024年末までに48車種となる見込み。各地域の工場では、EV生産を可能にするために新たな設備の導入やラインの改修を行っている。
EV用バッテリーについては、Automotive Cells Company (ACC)、LG Energy Solution、Samsung SDIなど3社の電池メーカーと提携し、6つのギガファクトリーを建設する計画。バッテリーの原材料に関しては垂直統合を重視しており、原材料会社と個別契約を結んで供給を確保している。
本稿は、Stellantisの戦略と最近の動きに関するレポートの前編として、長期計画の進展状況、電動化戦略、自動運転技術、モビリティ・サービスについて報告する。後編では、最近の販売状況と業績、主要市場での動き、最近合意に達した労使交渉等について報告し、併せてGlobalData社の生産予測を掲載する。
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