米国インフレ抑制法:EV/PHEV/FCEV購入支援策
税額控除対象モデル一覧、バッテリーサプライヤーと製造拠点
2023/06/27
- 要約
- インフレ抑制法(IRA)要件の概要
- IRA税額控除対象モデル一覧:車両組立拠点、バッテリーのサプライヤーと製造拠点、車両価格
- 税額控除の対象とならないモデルは何か?
要約
インフレ抑制法(Inflation Reduction Act;IRA)が2022年8月に成立し、いくつかの変更が加えられた電気/電動自動車に関する条項が2023年4月18日に発効となった。同日以降の購入車両(実際の製造日に拘わりなく)に適用される。
それらの変更が意図するのは、バッテリーやEV関連のビジネスの発展を促すことで、販売される車両は、構成部品や最終組立ての国に関するより一層厳しい要件を満たすことが求められる。さらにこの法律は新たな雇用を生み出し、失業を減らし、ひいてはインフレーションの抑制につながるものである。
IRAの主な条項を確認すると、税額控除対象の車両が以下の要件を満たせば、最大7,500ドルの控除が得られる。
- 3,750ドルの控除を得るためには、少なくともバッテリー部材の50%が北米で製造、または組立てられていなければならない。
- 追加の3,750ドルの控除対象となるには、バッテリーの重要鉱物のうち少なくとも40%が米国、或いは自由貿易協定締結国で採掘、或いは精製されていなくてはならない。
- さらに、購入者の所得、並びに車両の販売価格(MSRP)が控除対象になるかの判断要素に加わる。
- 言い換えると、購入車が電気/電動自動車であるというだけで自動的に税額控除7,500ドルが得られることにはならない。
条項に改訂が加えられた背景には、米国内でのEV部品/車両の製造拡大、及び/或いは米国が自由貿易協定を結ぶ国からの部品や車両の輸入拡大、という意図がある。最終的に目指すものは、中国(特にリチウム)を始めとする他国への依存を減らし、生産プロセスを可能な限り米国に取り込むことである。
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