韓国市場と韓国メーカーの動向:半導体供給不足で生産・販売が減少
現代グループは電動化を加速、韓国政府はバッテリー戦略を発表
2022/02/28
- 要約
- 韓国政府:個別消費税引き下げ措置を延長、RCEP協定発効、バッテリー戦略を発表
- 国内市場シェア:現代グループが61%に減少、輸入車が16%に拡大
- 生産台数:2021年生産は前年比1.3%減の346.2万台
- 韓国メーカーの生産能力は国内481.3万台、海外548万台
- 現代自動車グループ:2026年に170万台のEVを販売へ
- GM Korea:半導体供給不足・新型車生産準備で生産減少
- Renault Samsung:Samsungが保有株売却、吉利グループと提携
- 双竜自動車:韓国の新興EVメーカー エジソン・モーターズが買収
- LMC Automotive販売予測:韓国のライトビークル販売台数は2025年に191万台となる見通し
要約
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韓国の2021年の国内生産台数は前年比1.3%減の346.2万台、国内販売台数は10.6%減の144.1万台となった。半導体の供給不足で各社とも生産が減少し、販売も低迷した。一方、2021年の韓国からの輸出は前年比8.2%増の204.1万台。輸出先の主要国・市場が新型コロナウイルスの影響から回復し、自動車需要が拡大した。
韓国政府は自動車業界への支援策として、自動車の個別消費税の引き下げ措置を2022年6月まで延長する。自動車の輸出に関する動きとしては、韓国で2022年2月1日に「地域的な包括的経済連携(RCEP)」協定が発効。この協定には日本や中国、ASEAN諸国等が参加しており、今後の輸出増加が期待される。
韓国政府は脱炭素(カーボンニュートラル)目標時期を2050年とし、その目標達成のため、電気自動車(EV)の普及を進めており、2021年7月にはEV用バッテリー産業の発展戦略を発表した。
現代自動車グループは2021年の販売台数について、半導体供給不足等の影響を受けたが、サプライチェーンの管理、SUVやGenesis高級ブランドモデルの販売拡大等により、好調を維持。電動化戦略を加速化しており、2026年のEVの販売目標を100万台から170万台に引き上げた。
GM Koreaは半導体供給不足や新型CUVの生産準備で工場の稼働を中断しているため、生産・販売・輸出が低迷。
Renault Samsungは2021年8月にSamsungが保有株を売却すると発表。2022年下期からはRenaultブランドで韓国での事業を行うことになる。一方、2022年1月に中国・吉利グループと提携し、吉利の技術を使用したハイブリッド車を含む新型車を韓国市場に導入する計画。
双竜自動車は2020年12月に会社更生手続きを申請し、売却先を探していたが、2022年1月、韓国の新興電気バスメーカー、エジソン・モーターズを中心としたコンソーシアムと買収本契約を締結。韓国のEVメーカーの下で経営再建を進める。
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Genesis のフルサイズセダンG90(写真:Hyundai Motor) | 起亜のコンパクトSUV 新型Niro(写真:Kia) |
韓国での生産・販売・輸出・輸入台数
(台)
2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | |
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国内生産台数 | 4,524,932 | 4,555,957 | 4,228,509 | 4,114,913 | 4,028,834 | 3,950,614 | 3,506,774 | 3,462,299 |
国内販売台数 | 1,463,893 | 1,589,393 | 1,600,154 | 1,560,202 | 1,552,346 | 1,539,766 | 1,611,218 | 1,440,779 |
輸出台数 | 3,063,204 | 2,974,114 | 2,621,715 | 2,530,194 | 2,449,651 | 2,401,383 | 1,886,683 | 2,040,572 |
輸入台数 | 196,359 | 243,900 | 225,279 | 233,088 | 260,705 | 241,510 | 262,404 | 267,171 |
資料:KAMA (Korea Automobile Manufacturers Association)
(注) 国内販売には輸入車を含まない。
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