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人とくるまのテクノロジー展2022:HMI、モニタリングシステム

ドライバーの状態推定の技術開発の新しい流れ

要約

 晴天のパシフィコ横浜で行われた「人とクルマのテクノロジー展」(2022年5月25~27日)は久しぶりのリアル開催で大いに盛り上がった。

 HMIに関しては人目をひくような派手なコンセプトモデルや魔法のような未来技術の展示は少なかったが、ドライバーの状態を推定することで安全を向上させるような、ある意味まじめな新技術が多く展示されていたのが特徴であった。また情報表示装置についてもいくつかの新しい技術が展示されていた。

人とクルマのテクノロジー展 人とクルマのテクノロジー展
京セラの路車協調システムのデモンストレーション 矢崎総業のHMI統合制御ユニット


 東海理化電機製作所は新しいHMI技術をまとめたコックピットのコンセプトモデルを展示しており、会場の中でもとりわけ大きな存在感があった。既存の複数の技術を組み合わせることで新しいカスタマーベネフィットをイメージさせることができるという意味で、このようなコックピット全体のコンセプトモデルは有用であると再認識させられた。

 ドライバーの状態推定についてはドライバー正面に設置したカメラを使ってドライバーの視線や眼の開閉、頭の向き等の状態を計測・分析するタイプ(ams-OSRAM、矢崎総業、マツダ)とステアリングホイールやシートに接触センサーをつけて心拍などの生体データを計測・分析するタイプ(東海理化電機製作所、トヨタ紡織、住友理工)の2種類の展示があった。前者は車両に組み込むことが前提で、後者は後付けしてスマホと連携することを想定しているのが特徴である。

 このようなドライバー状態推定技術が多く発表されている理由は、将来の自動運転への対応と近年の物流の現場で運転者の過労による事故への対応が重要になってきていることにある。後者については国土交通省がドライバーの過労・居眠りを運航管理者が管理できるようにするための新しい技術を支援*している影響が大きい。各社とも開発にあたっては研究機関と共同で進めていることをアピールしていた。社会全体での働き方改革の流れもあるなか、このようなドライバーの状態推定技術の開発は今後ますます活発になっていくと思われる。

(参照先)国土交通省 運送事業者等の交通事故防止のための先進的な取組等の支援
 https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha07_hh_000380.html


 また表示する情報がますます増える中、液晶ディスプレイを「立体的に見せる」、「遠方に見せる」(矢崎)や「統合して見せる」(日産)などの工夫や、ホログラムを使うことでHUD(Head Up Display)を小型化する(コベストロ)技術が展示されていた。

 その他のHMI関連技術としては木目を透過してスイッチを照明し、オフ時には完全にスイッチが見えなくなる技術(東海理化)、トラックのAピラーに視界を投影し視界妨害を低減する技術(京セラ)などが目を引いた。またHMIそのものではないが、HMIを使う人間をサポートするという意味で車酔いを低減するシート技術(ニッパツ)も注目される。昨今のHMIの高度化でソフトウェアとハードウエアを融合した開発が極めて複雑になっているため、設計ソリューションや開発サポートに関する展示もあった(カンデラ ジャパン)。


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