欧米Tier1サプライヤー:電動化関連の事業動向 (2)

Continental、Schaefflerは新部門を立上げ、Faurecia、Aptiv、Mahleは得意分野を強化

2020/08/18

要約

  環境基準が厳しさを増し、持続可能なモビリティに対する要求が高まるなかで、自動車OEM各社は電動化モデルのラインアップ拡大に取り組んでいる。Bloombergの予測では、2022年までに世界中で500モデルを超える電気自動車が販売され、2025年に電気自動車の販売台数は850万台に達する。J.P. Morganは、2025年の自動車販売総台数の約30%を電動車が占めると予測する。また、充電インフラストラクチャも更なる拡充が進むだろう。2018年に世界でおよそ540万基あった充電器の数は、2019年には730万基となっている。このような電動車市場の成長に対応し、自動車部品サプライヤー各社も電動システムと関連部品の開発に一層力を入れている。

Mahle Efficient Electric Transport vehicle concept
Mahleの高効率電動輸送(Efficient Electric Transport)車両コンセプト

  製品種類や機能の拡大を戦略に掲げるサプライヤーがある一方で、より活動の焦点を絞ったり、組織の再編で対応を図る企業もある。たとえば、Faureciaのエレクトロモビリティ製品は燃料電池と水素貯蔵システムであり、Aptivは、高電圧システム/ソリューションの開発に重点を置いている。Mahleは熱管理システムと電動パワートレインシステム/コンポーネントの両方に注力する。

  組織再編に関して、Continentalは新型コロナウイルス感染拡大が起きる前にエレクトロモビリティへの取り組み強化のためにパワートレイン部門をVitesco Technologiesとして切り離して独立事業体とすることを計画。Schaefflerは2018年1月にエレクトロモビリティ関連の全ての事業を統合するEモビリティ事業部門を設立した。

  本レポートは2018年7月から2020年6月までの、欧州と北米の大手サプライヤーによるeモビリティ関連の活動を示した2編のレポートのうちの後編となるもので、特にContinental、Faurecia、Schaeffler、Mahle、Aptivに焦点を当てて報告する。


関連レポート:
欧米Tier1サプライヤー:電動化関連の事業動向 (1) (2020年8月)
48Vパワートレインを搭載する電動自動車 (2020年6月)
CES 2020: 電動車と電動化技術 (2020年2月)
欧米Tier1サプライヤー:欧州・中国を中心とする電動化関連の事業動向 (2019年12月)
東京モーターショー2019:サプライヤー各社の電動化関連展示 (2) (2019年11月)
IAA 2019:燃料電池技術の展示取材 (2019年10月)
IAA 2019:欧州サプライヤーのフランクフルト・モーターショー展示取材 (2019年10月)
欧米Tier1サプライヤー:欧州を中心とする電動化関連の事業動向 (2018年7月)

このレポートは有料会員限定です。 残り 5 章
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。