CES 2024:代替車両とユーザーエクスペリエンス技術

現代・起亜の代替モビリティコンセプト、車載エンターテインメントを促進する技術

2024/02/29

要約

CES 2024 sign outside of convention hall
コンベンションホールの外に置かれたCES 2024のサイン

 2024年1月9日から12日まで、米国ネバダ州ラスベガスでCES 2024が開催された。世界最大の、最も急成長している自動車と輸送手段の展示会といわれる本イベントには、50万平方フィートの展示スペースに600社以上のモビリティ企業が出展した。CES 2024の来場者数は前年比17%増の13万5,000人で、そのうちの40%以上は米国外からの来場者であった。

 従来の生産モデルやコンセプトモデルに加えて、出展企業はモビリティと輸送手段のユースケースを拡大する車両を展示した。起亜はPlatform Beyond Vehicle(PBV)シリーズを発表し、さまざまな用途に対応する5つのコンセプトモデルを展示した。起亜はまた、電気自動車におけるVehicle to Home(V2H)とVehicle to Load(V2L)の潜在的なユースケースを紹介した。現代は、「Digital Curated Experience(DICE)」コンセプト、「Spatial Curated Experience(SPACE)」コンセプト、「CITY_POD」物流システムなど、複数のモビリティコンセプトを発表した。

 その他の出展企業は、高度なユーザーエクスペリエンスやインターフェース技術などを発表した。Mercedes-Benzは更新したMB.OSシステムを発表し、Sound Driveオーディオ体験システムを展示した。BMWは、新しいエンターテインメントオプション、およびValeoと共同開発した遠隔操作のデモシステムを展示した。MarelliとValeoは乗員向けエンターテインメントのインテリアディスプレイと体験を披露し、パナソニックは現行モデルと今後の車両に搭載されるプレミアムオーディオシステムを紹介した。

 複数の企業が、代替移動モードを提供する車両を展示した。ホンダは「Motocompact」スクーターを展示し、Bosch、Valeo、VinFastはeバイクとそのシステムを発表した。Schaefflerは、VDLおよびMobileyeと共同開発した自動運転シャトルを紹介した。本イベントでは、モビリティ飛行車両が注目を集めた。現代の子会社のSupernalはeVTOLのコンセプトモデルを発表し、Xpeng AeroHTは「Flying Car」を北米デビューさせた。

 本稿はCES 2024の自動車とモビリティ分野に焦点を当てた一連のレポートの第二部である。本稿では、現代、起亜、ホンダが発表したモデルを含む、非従来型のユースケースに対応する代替車両に焦点を当てる。また、Mercedes-Benz、BMW、Valeo、Marelli、パナソニックのユーザーエクスペリエンス技術についても取り上げる。前回のレポートでは、Mercedes-Benz、ホンダ、ソニー、およびスタートアップ各社が本イベントで発表したコンセプトと生産車両の詳細を取り上げた。

 

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