東風汽車:2025年までに商用車、自主ブランド乗用車、NEV販売でそれぞれ100万台超を目指す
低迷する合弁事業を切り離し、CASEを加速、ハイテク企業へ転換を図る
2022/08/25
- 要約
- 東風汽車グループの概况:2021年の販売台数は320万台、外資合弁ブランドが約70%近くを占める
- 中期計画:「新四化」に焦点を当て、車両事業、ハイテク分野、エコシステムサービスに注力
- 商用車:2021年の中国商用車販売台数でトップ、3つの自主ブランド商用車を保有
- 乗用車:EVプラットフォームを開発、嵐図、東風風神及びハイエンド電動オフロードブランドに注力
- CASE:モーター、電池、IGBTモジュールなどを自社開発、自動運転パイロットプロジェクトを推進
- 東風汽車グループの中国販売台数(工場出荷台数)
- LMC Automotive販売予測:東風汽車の2025年のライトビークルの販売は76.3万台
要約
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東風汽車集団有限公司(東風汽車グループ)の2021年の販売台数は319.4万台で、中国市場における自動車メーカーの中で第3位となった。内訳は、商用車が66.5万台、乗用車が252.9万台。また、自主ブランド及び中国合弁ブランドと外資合弁ブランドの台数は、それぞれ103.9万台、215.5万台となっている。
東風汽車グループ(DFMC)は中国大型国有自動車メーカーであり、傘下の東風汽車集団股份有限公司(DFMG)は香港証券取引所に上場している。東風(Dongfeng)、乗龍(Chenglong)、華神(Vasol)の3つの商用車ブランドを有しており、自主ブランド乗用車では、東風風神、東風風行、プレミアムEVブランドの嵐図(VOYAH)などを有する。また、ハイエンド電動オフロードブランドを立ち上げる予定。さらに日産、ホンダ、Stellantisなどの外資と合弁で乗用車事業を展開している。近年は、東風Renaultの解散、東風裕隆の破産、東風悦達起亜の撤退など傘下の低迷する合弁事業の切り離しが加速、子会社の再編を引き続き推進している。
「第14次五カ年計画」期間(2021-2025年)において、東風汽車グループは商用車、自主ブランド乗用車、新エネルギー車(以下、NEV)の販売台数がいずれも100万台超となることを目標とし、市場シェアの16%超を目指す。研究開発に1,000億元を投入し、2024年には主力の乗用車ブランドの新型車を全て電動化する。また、「車両事業+ハイテク分野+エコシステムサービス」事業を構築し、ハイテク企業への転換を加速させる。
(注: 本レポートで使用しているMarkLines乗用車販売台数は、セダン、SUV、MPVを指す)
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