スズキ:2025年までに電動化技術を集中的に開発、研究開発に1兆円投資

インドにストロングハイブリッドとEV、日本では軽自動車EVを投入へ

2021/12/07

要約

ワゴンRスマイル
2021年9月に発売したスライドドアを搭載するワゴンRスマイル(出典:スズキ)

  スズキは、2021年9月に国内で両面スライドドアを搭載する「ワゴンRスマイル」、11月にインドで新型「CELERIO(セレリオ)」を発売した。

  2021年2月に発表した新中期経営計画では、前中計の反省点として「CASE対応の遅れ」を挙げ、今後5年間の研究開発に1兆円を投資し、2025年までに電動化技術を集中的に開発する計画。今後5年間で「スズキハイブリッドシステム」と「EV」を開発・製品化するとしている。具体的な商品計画は発表されていないが、

  • EV開発では、トヨタとの共同開発を活用する
  • インド市場に、2025年までにストロングハイブイリッド車とEVを投入する
  • 国内では、CJPプロジェクトで商用軽EVを開発、乗用軽自動車にも展開し、実質負担額を100万台に抑えた軽自動車EVを2025年までに投入する

とされている。

  スズキは2021年7月に、ダイハツとともに「Commercial Japan Partnership(CJP)」プロジェクトに参画した。CASE技術の普及を通じたカーボンニュートラルへの取り組みの加速を目指す。

  同年4月にはトヨタグループの次世代車載通信機の技術仕様の共同開発に参画した。

 

  スズキの2021年上半期(4~9月期)の業績は、前年同期が新型コロナウイルスの影響で大幅減であったため、世界販売台数、売上高、利益の各項目とも大幅に改善した。

  しかし第2四半期(7~9月期)には、半導体を含む部品供給不足やコロナ禍の影響に伴う減産などにより、世界販売台数は63.1万台(前年同期比10.1%減)、営業利益は446億円(39.3%減)の減益となった。国内販売と生産は6月以降、また海外生産と販売は9月から前年同月実績を下回っている。

  通期業績予想では、世界生産台数は257.9万台(前期比2.7%減)、販売台数は248.6万台(3.3%減)、売上高は0.7%の微増だが、営業利益は1,700億円(12.6%減)で、4期連続の営業減益と見込んでいる。生産正常化には、まだ時間がかかるとされる。


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