インド:コロナ禍に揺れる自動車市場
政府の支援策、OEM各社による投資と新車投入が需要回復を牽引
2021/03/17
- 概要
- 2020年の乗用車販売の落ち込み
- 政府による自動車需要喚起策
- 乗用車市場の中期トレンド
- 乗用車市場のセグメント構成
- 乗用車市場におけるOEM各社の状況
- インドにおける新たなOEMの動き
- 生産工場と研究開発センター関連の投資計画
- LMC Automotive 販売予測:インドのライトビークル販売は2024年まで400万台を下回る見通し
概要
インドの乗用車販売台数 (出所:MarkLines Data Center) |
2020年はインドの自動車市場にとってジェットコースターのような年であった。インドの乗用車業界は2020年に近年経験したことのない最悪の業績を示したが、年末にかけて販売は通常のレベルまで戻った。業績不振の主な要因は、消費者心理の冷え込み、調達コストの上昇、不安定な燃料価格、流動性の逼迫、BS-VI規制、そして新型コロナウイルスの感染拡大である。新型コロナウイルスは2020年半ばに自動車販売を過去最低の水準に追い込んだ。政府は新型コロナウイルスの影響拡大を見て、自動車産業を支援するために様々な需要喚起策を発表した。
2020年はまた、インドで新たなOEMの参入や、コネクテッドカー、電気自動車の登場が見られた年でもあった。農業分野での活況、各種新型車の発売が、販売促進策の展開やワクチン接種プログラム導入と共に、コロナ禍のロックダウンによる歴史的な不振に苦しんだ市場を再起させるものと期待される。しかしながら、年末にかけては、半導体不足とサプライチェーンの障害が販売の伸びを再び抑え込む要因となった。
関連レポート:
インドにおけるCASE関連の開発動向 (2):モビリティ (2021年2月)
インドにおけるCASE関連の開発動向 (1):電動化 (2021年2月)
インドオートエキスポ 2020:インド系・欧州系メーカーは新型SUVやEVを発表 (2020年3月)
インドオートエキスポ 2020:長城汽車と海馬汽車がインド市場に参入 (2020年3月)
インド:新車販売が低迷、排出ガス規制BS-VIの導入 (2019年9月)
このレポートは有料会員限定です。 残り 8 章
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。