第30回 Aachen Colloquium:サステイナブルモビリティ
バッテリー、xEV、ADASなどの技術・戦略に関する講演要旨
2021/11/22
- 要約
- 本レポートで取り上げるプレゼンテーション
- 開会プレナリーセッション(Audi、Bosch)
- A1.2 将来のバッテリーシステム - 安価、安全で高度に統合(FEV Europe)
- A4.1 メルセデス・ベンツの第4世代プラグインハイブリッドドライブ(Mercedes-Benz)
- B3.3 主力BEVのための液浸冷却による革新的なバッテリー冷却システム(Ricardo)
- B5.1 バッテリーか燃料電池か(Roland Berger)
- B5.3 2050年までの道路交通車両の車両コスト分析(Forschungszentrum Jülich)
- B6.1 マイルドハイブリッドソリューションのコンセプトとCO2削減効果(Dayco)
- D2.1 安全性と快適性を向上させるLiDAR(XenomatiX)
- 閉会プレナリーセッション(NVIDIA、現代モービス)
要約
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公式ロゴ (© Aachener Kolloquium Fahrzeug- und Motorentechnik GbR) |
「アーヘン・コロキウム(Aachen Colloquium)」(主催:Aachen Kolloquium Fahrzeug- und Motorentechnik GbR)は今年30周年を祝った。10月4日から6日まで、リアルとオンラインのハイブリッド形式で開催されたこのイベントには、会場に約1,000名、オンラインで約200名が参加した。
このイベントには、自動車駆動技術分野を専門とするOEM、サプライヤー、エンジニアリングプロバイダー、研究機関、大学などの幹部や専門家が集まり、持続可能なモビリティに向けた未来志向の開発について共同で議論した。
開発技術には、バッテリーや燃料電池による電気駆動に加え、水素や合成燃料を使った最新の内燃エンジンも含まれている。
この年次イベントを共同開催する組織を代表して、昨年同様、アーヘン工科大学(RWTH Aachen University)から、燃焼エンジン研究所(VKA)所長のStefan Pischinger教授と、自動車工学研究所(ika)所長のLutz Eckstein教授が参加した。
両教授は開会のあいさつで、EUの「fit for 55」法案に適合するためには気候ニュートラルやカーボンフリーの概念が重要だと強調した。
2日間の会議では32のセッション、合計110件の技術講演と基調講演が、ユーログレス会議センター(Eurogress Conference Center)の5つのホールで並行して行われた。なお、新型コロナウイルス流行により、11名の講演者が会場に出席できず、それらの講演はビデオストリーミングで配信された。
講演内容の詳細は「公式プログラム」を参照のこと。
2冊組の予稿集は、過去のコロキウムの予稿集と同様、Aachen Colloquium homepageから入手できる。
参加者は休憩時間に併設展示会の36のブースを見学できた。各ブースでは、サプライヤー、サービスプロバイダー、ソリューションプロバイダー、研究機関、エンジニアリングコンサルタント会社が、最新の製品、技術、コンセプトを紹介した。
コロナウイルス対策のため、これまで行われてきたikaテストコースでの試乗会は中止されたが、代わりに、ユーログレス会議センターから出発する試乗を下記のモデルで体験できた。
- トヨタ「ミライII(Mirai II)」燃料電池車(FCEV)
- フォード「モンデオ(Mondeo)」:FEVのスマート車両技術と開発プラットフォームを採用
- メルセデス・ベンツ「GLE」:従来のステアリングホイールに代わる、Schaeffler ParavanのSpace by Wire技術と2つの電子制御アクティブドライブスティックを採用
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アーヘン・コロキウムの会場となったドイツ・アーヘンのユーログレス(Eurogress) | 会場入口のテスト車両 |
(30. Aachen Colloquium Sustainable Mobility、主催:© Aachener Kolloquium Fahrzeug- und Motorentechnik GbR、画像:© MarkLines Europe GmbH)
サーカス・ミニマス(Circus Minimus)と呼ばれる会場では、ヒューマンハイブリッド・デモカーなど、持続可能なモビリティに向けた新しいコンセプトカーが展示された。
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サーカス・ミニマス(Circus Minimus) |
(30. Aachen Colloquium Sustainable Mobility、主催:© Aachener Kolloquium Fahrzeug- und Motorentechnik GbR、画像:© MarkLines Europe GmbH)
次回のアーヘン・コロキウムは2022年10月10日から10月12日まで開催される。論文受付期間は2021年12月1日から2022年2月15日までとなる。
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