第29回 Aachen Colloquium:サステイナブルモビリティ

内燃機関(ICE)およびxEVパワートレイン技術に関するオンライン講演要旨

2020/11/27

要約

バーチャル会場 (Aachen Colloquium 2020)

  第29回アーヘン・コロキウム(The 29th Aachen Colloquium - Sustainable Mobility)は、2020年10月5日から7日にかけて開催された。今回は新型コロナウイルスの状況を考慮して、同イベントとしては初のオンライン開催のデジタルカンファレンスとなった。また、名称も「アーヘン・コロキウム:自動車・エンジンテクノロジー」から「アーヘン・コロキウム:サステイナブルモビリティ」に変更され、自動車業界のトレンド (高効率化と環境を配慮した未来のモビリティ) を反映したものとなった。アーヘン工科大学の内燃エンジン研究所 (VKA) のStefan Pischinger教授および自動車工学研究所(ika)のLutz Eckstein教授がこのイベントを共同開催する2つの団体を代表して参加した。団体を紹介するスライドには、「ゼロインパクトエミッション」、「モビリティエクスペリエンス」、「交通安全」、「エネルギー効率化」といった課題を持つサステイナブルモビリティのスケッチが入っており、デジタル化、コネクテッド、自動運転、新エネルギーキャリアを取り入れたものとなっていた。

  10月6日から7日にかけて、OEM、サプライヤー、エンジニアリング会社、研究所、大学機関の自動車専門家による100の技術プレゼンテーションが5つのセッションに分かれて行われた。これらのプレゼンテーションは、高効率燃焼プロセス、新エンジン、電動ドライブユニット、電気およびハイブリッドパワートレイン、燃料消費およびエミッションソリューションなどの多くのトピックに沿ってグループ化された。プレゼンテーションは事前に録音されたものであったが、質疑応答のセッションではプレゼンターとオンライン接続されており、その場での応対が行われた。全講演のアジェンダを掲載した公式プログラムは以下から入手可能。
https://www.aachener-kolloquium.de/images/vortragsprogramm/Programmheft_2020.pdf

  バーチャル展示会は開催日前日の夕方に公開された。バーチャル展示では、37のブースで動画、画像、資料を閲覧したり、ダウンロードしたりすることが可能。また、チャット機能を通じて、スタッフとのコミュニケーションができるほか、問い合わせフォームではメールでの質問を行うことができた。

バーチャル展示会の例
(アーヘン・コロキウム2020 / fka)
バーチャル展示会の例
(アーヘン・コロキウム2020 / FEV)

 

  27カ国から800名を超える参加者が、4つの基調講演、様々なカテゴリーの100の技術プレゼンテーション、バーチャル展示会に訪れた。講演録は2冊で1,800ページを超えるものとなり、以下ホームページから注文が可能 (過去の講演録もダウンロード可能)。
www.aachen-colloquium.com.

  次回はアニバーサリーイベントとなる。2021年10月4日から6日まで開催される第30回アーヘン・コロキウムは、2020年12月1日から2021年1月31日までの間に論文の募集を行う。

アーヘン・コロキウムの変遷
(アーヘン・コロキウム2020)
アーヘン・コロキウムのサステイナブルモビリティへのビジョン
(アーヘン・コロキウム2020)

 

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