OEM各社の米国事業動向

関税問題に苦慮、クロスオーバーとSUVへのシフト

2018/12/26

要約

 2018年の米国ライトビークル市場はかなり荒れ模様だった。年の前半こそ堅調な国内経済と楽観的な景況感に支えられて市場は成長したが、後半は利上げと車両価格の上昇によって販売が前年実績を割り込んだ。

 政府の通商政策も逆風となっている。ほとんどの貿易相手国に対して鉄鋼・アルミニウムに関税を課し、中国とは輸入で2,500億ドル相当、輸出で1,100億ドル相当の品目が関税の対象となる貿易戦争を始めた。この直撃を受けたOEM各社は、生産体制とラインアップの見直しを余儀なくされた。Fordは中国製Focus Activeの国内販売計画を撤回、VolvoはS60を米国新工場から輸出する計画を断念、BMWはX3生産の一部をSpartanburg工場から移転した。

 国内販売のトレンドはクロスオーバーとSUVに傾き、ライトトラック(SUV・クロスオーバー・ピックアップトラック)の市場シェアが拡大を続けた結果、乗用車のシェアは過去最低を記録した。このため米国系OEM各社は戦略の見直しを迫られ、FordとGMは国内向けラインアップからセダンの大半を外すと発表した。

生産終了となるCadillac CT6

 OEM各社はコネクティビティ・自動運転・電動化・ライドシェアといった技術動向への対応も続けている。トヨタはUberに出資し、この配車サービス会社とモビリティサービスの自動運転技術開発で提携することに合意した。GMとホンダは先進バッテリー技術を開発し、またGM Cruise社で自動運転車を開発することに合意。Mercedes-Benzはアラバマ州Tuscaloosa工場で新バッテリー工場の建設に着手した。

 本レポートでは2018年の米国におけるOEM各社の主要な動向と、LMC Automotiveによる2021年までの米国市場概況および各社の販売予測を報告する。


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