日本自動車メーカー:決算発表に見る今後の方向性・計画

各社は米国事業の収益改善に取り組む一方、中国事業のさらなる拡大を目指す

2018/06/01

要約

上場9社の連結売上高
上場9社の連結売上高

  本レポートは、2017年度決算発表で示された、日本の上場自動車メーカー9社の2018年度決算見通しおよび今後の方向性・計画について報告する。

  2017年度決算については、レポートの始めに概要を報告し、レポート後半に主要な売上高・利益・販売台数・為替レート等の実績・見通しのデータを掲載した。

  なお、LMC Automotiveによる、日本での2021年までのブランド別生産台数予測を添付した。

  2017年度の好決算のなかでも、今後についての慎重な見方が多く見られた。各社は、円高を警戒し、またCASEと総称される新たな競争分野への巨額の資金を確保するために、全社的に効率化を進める構え。トヨタは、同社の強みである「トヨタ生産方式、TPS」と「原価低減」をさらに徹底すると発表。ホンダは、世界6極体制を見直し、またグローバル生産能力を2016年3月の555万台から2022年に527万台へ調整して生産効率を向上させる。



関連レポート
日本自動車メーカーの決算:2016~2017年度の2期連続で減益見込み (2017年5月)

 



2017年度決算と2018年度の見通し

  日本の上場自動車メーカー9社の2017年度決算は、売上高71.6兆円(前年度比7.0%増)、営業利益5兆円(9.7%増)、当期純利益5兆円(42.9%増)。全メーカーが増収、営業損益は、日産、ホンダとスバルは減益であったが、6社で増加した。

  当期純利益の急増は、米国でのトランプ減税の効果が大きい。トヨタは法人税等の減少2,496億円が貢献し36.2%増加して2兆4,939億円、日産は12.6%増加して7,469億円、ホンダは71.8%と急増して1兆593億円と、各社とも過去最高を記録した。各社の純利益率は、トヨタの8.5%を筆頭に、日産、ホンダ、スバルの3社も6.0%を超えた。

  為替変動の影響は、9社平均で1ドル=108.4円から111円に2.6円の円安、対ユーロは119円から130円に11円の円安。日産を除いて為替変動の影響がプラスになり、9社合計で4,093億円のプラスとなった。


  2018年度業績見通しでは、9社合計の売上高はほぼ横ばい(0.2%増)、営業損益は、1ドル=105円と堅めな見方を前提に、為替変動の影響が7,156億円のマイナスで、営業利益合計が4兆5,700億円(8.1%減)を見込んでいる。

9社の営業利益と当期純利益 乗用車7社の連結営業利益率
9社の営業利益と当期純利益 乗用車7社の連結営業利益率



日本自動車メーカー9社の連結売上高と利益

(億円)

2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
予想
連結売上高 452,105 508,466 599,097 649,252 692,081 668,861 715,910 717,400
連結営業利益 14,184 28,215 45,346 51,230 54,482 45,319 49,731 45,710
営業利益率 3.1% 5.5% 7.6% 7.9% 7.9% 6.8% 6.9% 6.4%
当期純利益 9,362 20,391 34,600 38,932 40,560 35,428 50,616 39,150
同上前年度比
連結売上高 -2.7% 12.5% 17.8% 8.4% 6.6% -3.4% 7.0% 0.2%
連結営業利益 -26.1% 98.9% 60.7% 13.0% 6.3% -16.8% 9.7% -8.1%
当期純利益 -31.4% 117.8% 69.7% 12.5% 4.2% -12.7% 42.9% -22.7%

資料:各社の決算資料



日本自動車メーカー9社の2017年度実績と2018年度計画

(億円)

連結売上高 営業利益
2016年度 2017年度 伸び率 2018年度
予測
伸び率 2016年度 2017年度 伸び率 2018年度
予測
伸び率
トヨタ 275,971 293,795 6.5% 290,000 -1.3% 19,943 23,998 20.3% 23,000 -4.2%
日産 117,200 119,512 2.0% 120,000 0.4% 7,422 5,748 -22.6% 5,400 -6.0%
ホンダ 139,992 153,611 9.7% 156,000 1.6% 8,407 8,335 -0.9% 7,000 -16.0%
スズキ 31,695 37,572 18.5% 38,000 1.1% 2,667 3,742 40.3% 3,400 -9.1%
マツダ 32,144 34,740 8.1% 35,500 2.2% 1,257 1,464 16.5% 1,050 -28.3%
三菱自 19,066 21,924 15.0% 24,000 15.0% 51 982 19倍 1,100 9.5%
スバル 33,260 34,052 2.4% 32,500 -4.6% 4,108 3,794 -7.6% 3,000 -20.9%
いすゞ 19,532 20,704 6.0% 21,400 3.4% 1,464 1,668 13.9% 1,760 5.5%
日野 16,837 18,380 9.2% 18,600 1.2% 712 803 12.8% 830 3.3%
9社合計 668,860 715,910 7.0% 717,400 0.2% 45,319 49,731 9.7% 45,710 -8.1%

資料:各社決算発表
(注)1. トヨタの連結決算は、ダイハツと日野を含む。日野の数値はトヨタの連結決算に含まれるため、9社合計には加算していない。
2. 上場していない三菱ふそうトラック・バスとUDトラックスを除く。



為替変動の営業利益への影響

(為替影響は億円)

2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
予想
2018年度予想レート(円)
ドル ユーロ
トヨタ 9,000 2,800 1,600 (9,400) 2,650 (2,300) 105 130
日産 2,476 686 (133) (2,819) (47) (1,350) 105 130
ホンダ 2,887 790 (601) (2,832) 219 (2,072) 105 -
スズキ 543 222 (29) (793) 383 (220) 105 130
マツダ 1,127 170 (424) (1,027) 400 (220) 107 130
三菱自 659 123 (172) (775) 91 (310) 105 130
スバル 1,702 1,037 1,084 (1,438) 327 (584) 105 130
いすゞ 253 83 75 (298) 70 (100) 105 -
合計 18,647 5,911 1,400 (19,382) 4,093 (7,156) 105 130

資料:各社の決算発表
(注)日野は「為替変動の影響」の項目を発表していない。

 

 



米国市場での収益性が低下、中国市場ではさらなる拡大を目指す

  世界の2大自動車市場である米国と中国に注目すると、それぞれの勢いの違いが顕著になっている。米国市場では、販売競争の激化や日本各社が得意としてきた中型以下の乗用車が販売不振のため収益性が低下。トヨタ、日産、ホンダ、スバルの各社は、それぞれ収益性の改善に取り組むと発表している。5月29日付日本経済新聞によると、日産は夏場まで米国とメキシコでの乗用車生産台数を前年同期に比べ1~2割減らす。ホンダも、主力セダンのAccordを減産している。

  トランプ政権が、米国へ輸入する乗用車への関税を2.5%から25%へ引き上げる検討を開始したことも懸念材料である。

  一方、中国市場では、トヨタ、日産、ホンダ、三菱自が、EV・PHV投入を含め、さらなる事業拡大を目指している。収益性も順調で、トヨタの中国事業持ち分利益は2016年度の851億円から2017年度は889億円に増加、ホンダの中国を含むグローバルでの持ち分利益は、1,647億円から2,476億円に増加した。

  中国政府は、2018年7月から輸入乗用車に課す関税を、25%から15%に引き下げると発表した。高級車の輸入が増えると言われている。

 

 



乗用車各社の2018年度および今後の方向性

  以下に、決算での発表を中心に、乗用車各社の今後の方向性・計画をまとめた。


トヨタ:豊田社長は、トヨタを「自動車をつくる会社」から「移動に関わるあらゆるサービスを提供するモビリティ・カンパニー」にモデルチェンジすると宣言した。トヨタの強みは、「トヨタ生産方式、TPS」と「原価低減」である。生産現場のTPSを全グループに浸透させるとともに、原価低減により「稼ぐ力」を強化し、豊富な資金を背景に新技術に投資するテクノロジー・カンパニーに対抗する。

  豊田社長は、2017年度の決算を、たゆまぬ改善という「トヨタらしさ」が現れはじめた決算と総括した。



トヨタの今後の方向性・計画

2018年度は減益見込み   2017年度決算では、売上高(29兆3,795億円)と当期純利益(2兆4,939億円)が過去最高を更新。2018年度は、1ドル=105円、1ユーロ=130円の前提で、為替変動の影響をマイナス2,300億円と想定し、売上高29兆円(1.3%減)、営業利益2兆3,000億円(4.2%減)、当期純利益2兆1,200億円(15.0%減)を見込む。
設備投資・研究開発費   2018年度の設備投資は1兆3,700億円、研究開発費は1兆800億円で、ともに2年連続で過去最高を更新。研究開発費の35%を、自動運転、コネクテッドカーや電動化など次世代技術に投入する。
大変革に備え資金を捻出   自動車産業は、「100年に一度の大変革の時代」に突入し、ライバルも競争のルールも変わり、未知の世界での生死を賭けた闘いが始まった、と総括。あらためて、「トヨタ生産方式、TPS」と「原価低減」を徹底し稼ぐ力をつけ、将来に向けた投資資金を捻出する。
  生産現場の「TPS」を全部門に広げ、固定費やムダの抜本的な見直しを行い、全社の総原価削減につなげる。車のスペックの見直し、会議の持ち方の再検討や、不要な書類の削減にも取り組む。
  2巡目に入ったTNGAでは、1つのアウトプットを出すために必要な時間・コストというTPSの概念を持ち込み、開発のリードタイム短縮を図る。また、モビリティ・サービスに「ジャストインタイム」を導入し、サービスを提供するリードタイムの大幅な短縮にチャレンジしている。
地域別対策   地域別には、販売費用の増加で利益が落ちている米国事業を、短期間で立て直すプロジェクトを進めている。中国事業は2017年の販売実績129万台を、2018年は140万台に拡大する計画。
  2017年2月以来提携しているスズキとの間で、以下の新たな共同プロジェクトを開始することで合意した。①スズキが主体となって開発する小型超高効率パワートレインに対し、デンソーとトヨタが技術支援を行う。②スズキが開発した車両をトヨタキルロスカ自動車(株)(以下、TKM)で生産し、トヨタ・スズキの両ブランドでインド国内において販売する。③上記TKM生産モデルを含むスズキの開発車両を、トヨタ・スズキ両社がインドからアフリカ市場向け等に供給し、それぞれの販売網を活用して販売するとともに物流・サービス領域の協業を進める。



日産:日産は、2016~2018年度3期連続で営業減益の見込み。2018年度は、米国での販売費を抑えて収益性を改善する。また中国での販売を、2017年の152万台から2022年には260万台に100万台強増やす計画。



日産の今後の方向性・計画

3期連続で営業減益   2017年度の売上高伸び率は2.0%で、9社平均の7.0%を下回り、また22.6%の営業減益。営業利益率は4.8%で、目標とする8%との差が大きい。完成車検査の問題、タカタ製エアバッグリコール関連費用、米国での販売費増加が響いた。当期純利益は、米国で減税効果により7,469億円と過去最高。
  2018年度は、売上高は横ばい(0.4%増)、為替影響(1,350億円)、原材料費高騰(800億円)、研究開発費増などにより営業利益は5,400億円(6.0%減)を見込む。2016年度を含め3期連続で営業減益の見込み。
米国市場での収益を改善  米国市場は、中期的にはさらなる成長を狙うが、2018年度は、フリート販売を絞り個人向け販売に注力して販売費を抑え収益の改善を目指す。2018年春~夏にかけて、米国とメキシコでの乗用車生産を1~2割減らす計画。2018年度の米国販売目標は155万台(2.7%減)。
中国市場で2022年までに
100万台増の計画
  日産は、中国市場での大幅成長を目指している。2018年2月に発表した、東風汽車有限公司の新中期計画によると、販売台数は2017年の152万台から2022年260万台に100万台強増やす方針。20以上の電動駆動車(電気自動車とe-Power)を投入予定で、2018-2019年に日産、ヴェヌーシア、東風のブランドで6車種の電気自動車を投入する。2022年には、総販売台数の30%を電動駆動車で占める計画。
  北京モーターショー2018に、現地生産するシルフィEVを出展した。



ホンダ:グローバルな生産・供給体制を変革、グローバル生産能力を527万台に絞り効率アップ



ホンダの今後の方向性・計画

2期連続の営業減益   2017年度決算は、売上高は9.7%増の15兆3,611億円、営業利益は、前年度年金制度改定(840億円)やエアバッグインフレーターに関連する和解金(537億円)などの影響で0.9%の微減となった。当期純利益は、米国法人税率の引き下げ影響(3,461億円)などにより過去最高の1兆593億円。
 2018年度は、売上高は1.6%の微増(15兆6,000億円)だが、為替影響のマイナス(2,072億円)、販売費等増(510億円)などにより16.0%の営業減益(7,000億円)を見込む。
生産・供給体制を調整し、効率アップ   ホンダは、グローバルでの体制を変革し、効率アップを目指す。もともとは世界6地域での開発・生産・販売の独立性向上を目指していた「6極体制」を「地域の協調と連携」へと修正する。また、グローバル生産能力を、現在の世界販売に合わせて、2022年には527万台に調整する。(下記の発表スライド参照方)
米国市場を立て直し   中心となる市場である北米は、2017年度の所在地別営業利益が30.2%減(2,784億円)。米国市場は、販売台数の伸びが止まり、販売競争が激化している。ホンダは、Accordの生産を調整中。また、北米市場に向け、2018年3月に新型Accord HVを投入、2018年度後半にInsight HVを発売し巻き返しを図る。
中国で電動化やカーシェアリング市場に積極参入   ホンダは中国市場で、電動化やカーシェアリング市場に積極参入する。2018年4月の北京モーターショーで、2025年までに20車種以上の電動化モデルを投入すると発表した。2018年中国市場専用に投入する初の量産EV「理念EVコンセプト」や、Accord Hybridを投入する。理念EVコンセプトは、提携した中国のカーシェアリングサービス会社リーチスター社を通じて、シェアEVとしても活用する。
  ホンダは電気自動車(EV)の主力モデルに使う新型電池を車載用で世界最大手の中国・寧徳時代新能源科技(CATL)と共同で開発する。2020年代前半に中国などで発売する量販EVを中心に電池や関連する技術で協力する。

グローバル補完体制 グロ-バル生産体制 電動車投入計画
グローバル補完体制 グロ-バル生産能力 電動車投入計画

資料:ホンダ2017年度決算発表



スズキ:2017年度決算は、アジアや欧州の販売が伸びて、販売台数、売上高、各段階の利益全て過去最高を更新した。2018年度は、円高と研究開発費の増加により増収・減益を見込む。



スズキの今後の方向性・計画

売上高・利益とも過去最高   2017年度は、世界販売台数322.4万台(10.5%増)、売上高3兆7,572億円(18.5%増)、営業利益3,742億円(40.3%増)、営業利益率10.0%(スバルの11.1%に続く第2位)など過去最高を更新した。
インドで好調を維持   インドでの2017年度販売は、前年度比14.5%増加し165.4万台。2018年度も、通期で6%増を見込む。欧州での2017年度販売は14.9%増加し28.1万台。
次世代技術への投資を強化   2018年度の売上高は3兆8,000億円で1.1%微増の計画だが、円高とEV化や自動運転など次世代技術強化に向け過去最高の1,600億円(14.8%増)の研究開発費を計画するため、各利益の減少を見込む。



・マツダ:現在進めている2016-18年度中計「構造改革ステージ2」に続く、今後の取組み方向性を発表した。次世代SKYACTIV商品の導入、販売基盤強化、米国新工場稼働等により、2021年度以降の本格的成長を期し、2023年度に世界販売200万台を目指す。



マツダの今後の方向性・計画

米国で安定的に40万台販売を目指す

  2017年度の売上高は3兆4,740億円で8.1%増、営業利益は1,464億円で16.5%増。2018年度は、トヨタと合弁の米国工場稼働に備えて米国販売網への投資100億円(今後4年間で累計400億円を投資し、米国で安定的に40万台販売を目指す(2017年度実績は30.4万台)や円高(1ドル107円を想定)で、営業利益1,050億円(28.3%減)を見込む。

2023年度に世界販売200万台を目指す   マツダは、2012-15年度の「構造改革プラン」、2016-18年度の「構造改革ステージ2」の成果をベースに、2019-23年度の取組み方向性を発表した。2018~2021年度は「足場固め」の時期として、通常ベースの年間1,000億円の設備投資に、米国新工場向けを中心に累計2,500億円を上乗せする。米国新工場が稼働する2021年度に180万台、2023年度に200万台販売を目指す。
第2世代SKYACTIV商品群を投入   商品開発では、従来全車種を対象としていた「一括企画」を、CX-3を中心とする「Small商品群」とCX-5を中心とする「Large商品群」に分割する。Small商品群は、コスト競争力、生産フレキシビリティのさらなる向上を図り年販120万台、Large商品群は電動化を含むパワートレインのバリエーションを充実させ、年販80万台を目指す。
  SKYACTIV第2世代については、トヨタと協力しながら、EV、Plug-in HV、マイルドHV、Range Extenderなどの電動車を強化していく。

次世代商品/新技術の開発・導入 販売ネットワーク改革の加速 2021年度以降の本格的成長に向けて
次世代商品/新技術の開発・導入 販売ネットワーク改革の加速 2021年度以降の本格的成長に向けて

資料:マツダの2017年度決算発表



・三菱自:世界戦略車エクリプス・クロスを日本市場に投入、中国で新型PHVを現地生産、V字回復を目指す



三菱自の今後の方向性・計画

回復から成長へ   2017年度の世界販売台数は、燃費不正以前のレベルを超え、東南アジア・中国で拡大して110.1万台(前年度比18.9%増)に回復し、売上高2兆1,924億円(15.0%増)、営業利益982億円(19倍)。
  2018年度も、世界販売125万台(13.5%増)、売上高2兆4,000億円(15.0%増)、営業利益は9.5%の増益で1,100億円を見込む。
ASEANと中国に注力   三菱自は2017年10月に、2019年度の年間販売台数目標と年間売上高目標をそれぞれ、2016年度比30%以上増の130万台、2.5兆円とする3ヵ年の中期経営計画「DRIVE FOR GROWTH」を発表した。同期間中に、11の新型車を投入し、業績のV字回復を目指す。ASEANと中国に注力し、2019年度までにASEANの販売を31万台(2017年度27.5万台)、中国の販売を22万台(同13.6万台)に拡大する計画。
エクリプス・クロスを日本で発売   2018年3月に、世界80カ国に投入する世界戦略車・新型コンパクトSUVエクリプス・クロスを日本で発売(2020年までにPHEVも投入予定)、同3月に中国で生産する広汽三菱ブランドのプラグインハイブリッドEV(PHEV)の新型SUV「祺智(チーツー)-PHEV」を発売(中国で外資合弁会社が生産する初のPHEV)、4月にインドネシア工場で生産するクロスオーバーMPVエクスパンダーの輸出を開始した。



・スバル:2017年度実績で、グローバル販売の68%を北米で販売した。北米に集中することでここ3~4年間の高収益を実現したが、米国市場での価格競争の激化とともに収益性は伸び悩んでいる。



スバルの今後の方向性・計画

3期連続の営業減益   米国市場に照準を合わせた商品開発の成功から、2015年度に営業利益率17.5%、当期純利益率13.5%を記録した。しかし主力の米国市場での競争が激しくなり、米国の金利上昇に伴う販売費の増加、原材料市況等の影響および試験研究費の増加などにより、2017年度営業利益は前年度比7.6%減の3,794億円。無資格検査やタカタエアバッグ問題を受けたリコール費用も響いた。
米国市場対策を強化   2018年度には、北米専用3列シートSUV「Ascent」や、新型フォレスターなどを北米市場に投入し、北米販売を2017年度の72.8万台から76.8万台に増加させる。米国市場は、さらに競争激化が予想されるが、車を作りすぎて在庫過剰となり安売りに走らないよう、「生産と販売のマネジメント」を厳しくチェックしていく。またインディアナ工場の生産を急激に増やした結果クレームが多くなっており、品質を最優先させて対策を打っていく。

 

 



2021年の日本ライトビークル生産は880万台(LMC Automotive社予測)

(LMC Automotive, 2018年4月)

日本のライトビークル生産

  LMC Automotive社の生産予測(2018年4月)によると、日本での2021年ライトビークル生産は880万台の見込み。LMC Automotive社は、以下のようにコメントしている。

  「2017年のライトビークル生産は、前年比5.5%増加し、925万台であった。良好な国内市場が貢献した。日本経済は昨年予測したよりも良好で、LMC社は毎月ごとの販売予測を上方修正した。」

  「2018年の生産は、1.4%の微減により911万台と予測するが、2019年には再度拡大する。2019年に消費税の8%から10%への引き上げが予定されており、駆け込み需要が発生すると予測している。」

  「2020年より先については、日本の人口動態から、ライトビークル生産に緩やかな減少が開始する見込みで、860-870万台に収斂すると思われる。高齢化の進行と若者の車離れにより、車の所有者は減少していく。」

  「LMC Automotive社の輸出の見通しは大きくは変わっていない。長期的に450万台程度で安定するものと思われる。2018年初めに、ドルのレートは2017年の113円から106円まで上昇した。しかし、これは日本の自動車メーカーが生産を海外へ移そうと考えるレベルではないので、日本からの輸出台数が大きく変化するとは考えない。」



2021年の日本のライトビークル生産は880万台(LMC Automotive)

SALES GROUP GLOBAL
MAKE
2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021
Total 8,860,289 8,794,211 9,246,900 9,113,826 9,195,114 8,740,473 8,802,624
Toyota Group Toyota 2,706,846 2,818,953 2,896,524 2,766,997 2,750,373 2,535,391 2,565,959
Lexus 542,633 500,452 505,206 543,736 610,097 614,664 667,903
Daihatsu 631,905 576,802 645,980 682,702 629,462 571,010 570,796
Hino 55,423 55,359 62,817 54,313 53,440 52,951 42,993
Scion 28,455 5,504 0 0 0 0 0
sub-total 3,965,262 3,957,070 4,110,527 4,047,748 4,043,372 3,774,016 3,847,651
Renault-Nissan-
Mitsubishi
Nissan 901,802 927,900 1,076,818 1,022,998 1,077,262 1,016,637 1,003,695
Mitsubishi 470,649 441,726 431,461 435,662 432,057 469,516 477,772
Infiniti 128,721 137,040 120,051 114,886 109,710 122,760 124,608
Suzuki 0 0 0 0 0 0 145
sub-total 1,501,172 1,506,666 1,628,330 1,573,546 1,619,029 1,608,913 1,606,220
Honda Group Honda 717,283 816,994 818,442 899,289 1,028,645 918,542 939,922
Acura 2,402 2,033 2,076 2,710 2,148 3,180 3,000
sub-total 719,685 819,027 820,518 901,999 1,030,793 921,722 942,922
Mazda Mazda 975,496 926,234 945,385 959,968 931,373 930,184 884,423
Suzuki Suzuki 815,096 685,588 873,060 846,041 790,050 736,031 739,964
Subaru Subaru 722,717 735,750 719,945 645,832 646,997 636,191 647,852
Isuzu Isuzu 104,885 97,678 95,537 97,438 98,897 97,568 98,008
Daimler Fuso 33,602 29,396 30,800 28,090 26,155 27,603 28,284
Fiat Chrysler Fiat 0 20,277 18,190 10,711 8,390 8,190 7,244
PSA Group Peugeot 8,844 5,643 2,279 1,236 0 0 0
Citroen 13,484 10,831 2,283 1,170 0 0 0
sub-total 22,328 16,474 4,562 2,406 0 0 0
Other UD Trucks 46 51 46 47 58 55 56

資料: LMC Automotive "Global Automotive Sales Forecast" (Quarter 1 2018)
(注) 1. データは、小型車(乗用車 + 車両総重量6t以下の小型商用車)の数値。
2. 本表の無断転載を禁じます。転載にはLMC Automotive社の許諾が必要になります。
3. より詳細なデータのご用命やお問い合わせはこちらの頁へ

 

 



2017年度決算および2018年度見通しについてのデータ集

  以下に、下記の2017年度決算実績および2018年度計画のデータ集を掲載する。

  • 日本乗用車メーカー7社の地域別販売台数
  • 日本の自動車メーカー9社の連結売上高/営業利益/当期純利益
  • 日本の自動車メーカー9社の連結営業利益率/当期純利益率
  • 日本の自動車メーカー9社の決算為替レート
  • 日本の自動車メーカー9社の連結設備投資・減価償却費・研究開発費



日本乗用車メーカー7社の地域別販売台数

(1,000台)

2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
計画
日本 トヨタ 2,071 2,279 2,365 2,154 2,059 2,274 2,255 2,190
日産 655 647 719 623 573 557 584 615
ホンダ 588 692 818 761 668 668 696 690
スズキ 596 672 728 756 630 639 668 675
マツダ 206 216 244 225 232 203 210 215
三菱自 152 134 143 115 102 80 98 105
スバル 172 163 182 163 145 159 163 151
7社合計 4,440 4,803 5,199 4,797 4,409 4,580 4,674 4,641
北米 トヨタ 1,872 2,469 2,529 2,715 2,839 2,837 2,806 2,800
日産 1,404 1,466 1,648 1,829 2,011 2,130 2,091 2,030
ホンダ 1,323 1,731 1,757 1,750 1,929 1,970 1,902 2,015
スズキ 32 30 - - - - - -
マツダ 372 372 391 425 438 429 435 457
三菱自 106 85 97 117 135 138 155 184
スバル 309 390 478 570 630 721 728 768
7社合計 5,418 6,543 6,900 7,406 7,982 8,225 8,117 8,254
欧州 トヨタ 798 799 844 859 844 925 968 940
日産 713 660 676 755 754 776 756 675
ホンダ 158 171 169 161 172 184 183 185
スズキ 223 197 205 195 207 245 281 280
マツダ 183 172 207 229 257 262 269 265
三菱自 218 181 202 227 206 179 193 210
スバル 55 61 47 47 48 46 48 44
7社合計 2,348 2,241 2,350 2,473 2,488 2,617 2,698 2,599
アジアおよび
その他地域
トヨタ 2,611 3,324 3,378 3,244 2,939 2,935 2,935 3,020
日産 2,073 2,141 2,145 2,111 2,085 2,163 2,339 2,605
ホンダ 1,039 1,420 1,579 1,695 1,974 2,206 2,418 2,485
スズキ 1,710 1,761 1,778 1,917 2,024 2,034 2,275 2,344
マツダ 486 475 489 518 607 665 716 725
三菱自 525 587 605 631 605 529 655 751
スバル 104 110 118 131 134 139 128 137
7社合計 8,548 9,818 10,092 10,247 10,368 10,671 11,466 12,067
合計 トヨタ 7,352 8,871 9,116 8,972 8,681 8,971 8,964 8,950
日産 4,845 4,914 5,188 5,318 5,423 5,626 5,770 5,925
ホンダ 3,108 4,014 4,323 4,367 4,743 5,028 5,199 5,375
スズキ 2,560 2,660 2,711 2,868 2,861 2,918 3,224 3,299
マツダ 1,247 1,235 1,331 1,397 1,534 1,559 1,630 1,662
三菱自 1,001 987 1,047 1,090 1,048 926 1,101 1,250
スバル 640 724 825 911 958 1,065 1,067 1,100
7社合計 20,753 23,405 24,541 24,923 25,248 26,093 26,955 27,561

資料:各社の決算発表資料
(注)トヨタ、スバル、いすゞの販売台数は連結販売台数(トヨタはダイハツと日野を含む)その他のメーカーは小売販売台数または自社ブランド販売台数で、いずれも連結決算参考資料による。



日本の自動車メーカー9社の連結売上高/営業利益/当期純利益

(億円)

2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
予想
売上高 トヨタ 185,837 220,641 256,919 272,345 284,031 275,971 293,795 290,000
日産 94,090 87,373 104,825 113,752 121,895 117,200 119,512 120,000
ホンダ 79,481 98,779 118,424 133,281 146,011 139,992 153,611 156,000
スズキ 25,122 25,783 29,383 30,155 31,807 31,695 37,572 38,000
マツダ 20,331 22,053 26,922 30,339 34,066 32,144 34,740 35,500
三菱自 18,073 18,151 20,934 21,807 22,678 19,066 21,924 24,000
スバル 15,171 19,130 24,081 28,779 32,323 33,260 34,052 32,500
いすゞ 14,001 16,556 17,609 18,794 19,270 19,532 20,704 21,400
日野 13,146 15,414 16,996 16,853 17,455 16,837 18,380 18,600
9社合計 452,105 508,466 599,097 649,252 692,081 668,860 715,910 717,400
営業利益 トヨタ 3,556 13,208 22,921 27,505 28,539 19,943 23,998 23,000
日産 5,458 4,388 4,984 5,896 7,933 7,422 5,748 5,400
ホンダ 2,313 5,448 7,502 6,706 5,033 8,407 8,335 7,000
スズキ 1,193 1,446 1,877 1,794 1,953 2,667 3,742 3,400
マツダ (387) 539 1,821 2,029 2,268 1,257 1,464 1,050
三菱自 637 674 1,234 1,359 1,384 51 982 1,100
スバル 440 1,204 3,265 4,230 5,656 4,108 3,794 3,000
いすゞ 974 1,308 1,742 1,711 1,716 1,464 1,668 1,760
日野 375 651 1,122 1,055 983 712 803 830
9社合計 14,184 28,215 45,346 51,230 54,482 45,319 49,731 45,710
当期純利益 トヨタ 2,835 9,621 18,231 21,733 23,126 18,311 24,939 21,200
日産 3,414 3,411 3,890 4,576 5,238 6,635 7,469 5,000
ホンダ 2,114 3,671 5,741 5,094 3,445 6,166 10,593 5,700
スズキ 539 804 1,075 969 1,167 1,600 2,157 2,050
マツダ (1,077) 343 1,357 1,588 1,344 938 1,121 800
三菱自 239 380 1,047 1,182 726 (1,985) 1,076 1,100
スバル 385 1,196 2,066 2,619 4,367 2,824 2,204 2,200
いすゞ 913 965 1,193 1,171 1,147 939 1,057 1,100
日野 163 477 891 745 651 494 514 520
9社合計 9,362 20,391 34,600 38,932 40,560 35,428 50,616 39,150

資料:各社の決算発表資料



日本の自動車メーカー9社の連結営業利益率/当期純利益率

2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
予想
営業利益 トヨタ 1.9% 6.0% 8.9% 10.1% 10.0% 7.2% 8.2% 7.9%
日産 5.8% 5.0% 4.8% 5.2% 6.5% 6.3% 4.8% 4.5%
ホンダ 2.9% 5.5% 6.3% 5.2% 3.4% 6.0% 5.4% 4.5%
スズキ 4.7% 5.6% 6.4% 5.9% 6.1% 8.4% 10.0% 8.9%
マツダ -1.9% 2.4% 6.8% 6.7% 6.7% 3.9% 4.2% 3.0%
三菱 3.5% 3.7% 5.9% 6.2% 6.1% 0.3% 4.5% 4.6%
スバル 2.9% 6.3% 13.6% 14.7% 17.5% 12.4% 11.1% 9.2%
いすゞ 7.0% 7.9% 9.9% 9.1% 8.9% 7.5% 8.1% 8.2%
日野 2.9% 4.2% 6.6% 6.3% 5.6% 4.2% 4.4% 4.5%
9社合計 3.1% 5.5% 7.6% 7.9% 7.9% 6.8% 6.9% 6.4%
当期純利益 トヨタ 1.5% 4.4% 7.1% 8.0% 8.1% 6.6% 8.5% 7.3%
日産 3.6% 3.9% 3.7% 4.0% 4.3% 5.7% 6.2% 4.2%
ホンダ 2.7% 3.7% 4.8% 3.8% 2.4% 4.4% 6.9% 3.7%
スズキ 2.1% 3.1% 3.7% 3.2% 3.7% 5.0% 5.7% 5.4%
マツダ -5.3% 1.6% 5.0% 5.2% 3.9% 2.9% 3.2% 2.3%
三菱 1.3% 2.1% 5.0% 5.4% 3.2% -10.4% 4.9% 4.6%
スバル 2.5% 6.3% 8.6% 9.1% 13.5% 8.5% 6.5% 6.8%
いすゞ 6.5% 5.8% 6.8% 6.2% 6.0% 4.8% 5.1% 5.1%
日野 1.2% 3.1% 5.2% 4.4% 3.7% 2.9% 2.8% 2.8%
9社合計 2.1% 4.0% 5.8% 6.0% 5.9% 5.3% 7.1% 5.5%

資料:各社の決算発表資料



日本の自動車メーカー9社の決算為替レート(円)

2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
予想
ドル トヨタ 79 83 100 110 120 108 111 105
日産 79.1 82.9 100.2 109.8 120.2 108.3 110.9 105.0
ホンダ 79 84 100 110 120 108 111 105
スズキ 79 83 100 110 120 108 111 105
マツダ 79 83 100 110 120 108 111 107
三菱自 79 82 100 109 121 109 111 105
スバル 79 82 100 108 121 108 111 105
いすゞ 79 82 98 107 120 109 111 105
日野 79 82 100 109 120 109 111 105
平均 79.0 82.7 99.8 109.2 120.2 108.4 111.0 105.2
ユーロ トヨタ 109 107 134 139 133 119 130 130
日産 109.0 106.8 134.2 138.7 132.6 118.7 129.7 130.0
ホンダ 108 108 136 139 - - - -
スズキ 109 107 134 139 133 119 130 130
マツダ 109 107 134 139 133 119 130 130
三菱自 111 105 134 139 133 119 130 130
スバル 108 106 133 140 133 119 130 130
平均 109.0 106.7 134.2 139.1 132.9 119.0 130.0 130.0

資料:各社の決算短信と決算発表資料



日本の自動車メーカー9社の連結設備投資・減価償却費・研究開発費

(億円)

2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
計画
設備投資 トヨタ 7,067 8,527 10,007 11,774 12,925 12,118 13,027 13,700
日産 4,064 4,687 5,363 4,631 4,790 4,693 4,854 5,400
ホンダ 4,065 5,936 7,261 6,579 6,474 5,410 4,338 4,800
スズキ 1,267 1,693 2,136 1,945 1,715 1,988 2,134 2,500
マツダ 780 772 1,332 1,310 892 944 1,041 1,450
三菱自 710 514 722 680 690 581 999 1,350
スバル 543 702 685 1,107 1,357 1,585 1,414 1,300
いすゞ 333 575 819 780 980 938 766 910
日野 429 499 662 693 881 745 579 800
9社合計 18,829 23,406 28,325 28,806 29,823 28,257 28,573 31,410
減価償却費 トヨタ 7,329 7,273 7,759 8,062 8,851 8,932 9,644 10,000
日産 3,344 2,966 3,471 3,733 4,019 3,808 3,842 3,950
ホンダ 2,937 2,866 3,456 4,083 4,404 4,376 4,673 4,550
スズキ 1,031 937 1,172 1,344 1,683 1,634 1,509 1,500
マツダ 688 600 577 689 790 824 870 900
三菱自 534 503 527 533 536 462 520 600
スバル 537 559 549 648 650 770 898 930
いすゞ 360 356 416 481 558 588 599 620
日野 435 408 379 382 428 440 514 530
9社合計 16,760 16,060 17,927 19,573 21,491 21,394 22,555 23,050
研究開発費 トヨタ 7,798 8,074 9,105 10,045 10,556 10,375 10,642 10,800
日産 4,280 4,578 5,006 5,061 5,319 4,904 4,958 5,400
ホンダ 5,198 5,602 6,341 6,626 7,198 6,853 7,307 7,900
スズキ 1,098 1,193 1,271 1,259 1,310 1,315 1,394 1,600
マツダ 917 899 994 1,084 1,166 1,269 1,360 1,430
三菱自 550 599 675 746 787 890 1,025 1,220
スバル 481 491 601 835 1,024 1,142 1,211 1,200
いすゞ 588 612 666 776 911 914 970 1,000
日野 404 434 463 501 610 631 626 670
9社合計 20,910 22,048 24,659 26,432 28,271 27,662 28,867 30,550

資料:各社の決算発表資料


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キーワード
日本、トヨタ、日産、ホンダ、スズキ、マツダ、三菱自、スバル、いすゞ、日野、米国市場、中国市場、為替レート

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