FCAの新5カ年計画:Jeep、Alfa Romeo、Maserati、Ramのラインアップを一新

電動化に90億ユーロを投資、Waymoのレベル4自動運転システムを市販車に搭載へ

2018/08/03

要約

  FCA Groupが2018年6月1日に発表した新5カ年計画(2018-2022年)の製品計画では、Jeep、Ram、Alfa Romeo、Maseratiといった利幅の大きいグローバルブランドと高級ブランドに注力する。新セグメントへの参入を積極的に行い、Ramのミッドサイズピックアップトラック、Jeep Grand Cherokeeの3列シートバージョン、Maseratiのミッドサイズクロスオーバー等を新たに投入する。一方、大衆車ブランドであるDodge、Fiat、Chryslerブランドの中期製品計画は発表されていない。

  2018-2022年には年平均7%の売上高拡大を目指す。また、アーキテクチャの統合等により、同期間に生産・購買コストを100億ユーロ削減する。新5カ年計画の財務目標としては、調整後EBIT(利払い・税引前利益)を2017年の66億ユーロから2022年に130億-160億ユーロに引き上げる計画。

  自動車業界が現在直面しているCASE(Connectivity, Autonomous, Shared, Electric:コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)対応では、2022年までに電動化に90億ユーロを投資し、ラインアップの多くに電動車を設定する。自動運転分野では、Googleの持株会社であるAlphabet傘下の自動運転技術会社Waymo、BMW、Aptiv(旧Delphi Automotive)の3社とそれぞれ提携し、多角的なアプローチをとる。コネクティビティでは、2019年4月にFCAのコネクティビティプラットフォームの利用を開始する。モビリティサービスでは、北米でJeep車のオーナーを対象にレンタルサービスや月額制の利用サービスを2019年から開始する。

  FCA Groupは2018年6月末に、2009年にFiatとChryslerが合併して以来、初めて現金が負債を上回り、手元資金が黒字となった(a net industrial cash position)。多額の負債を抱えていたFiatと経営破綻したChryslerを再建したMarchionne氏は2019年にCEOを退くと公言していたが、2018年7月21日に健康上の理由でMike Manley氏に後任を託した後、7月25日に他界した。Manley氏は、DaimlerChrysler時代の2000年から同社の事業に携わり、アジア太平洋地域の責任者やJeepおよびRamブランドのトップを務め、一貫して自動車業界を歩んできた。今後は、同氏がFCAの新5カ年計画を実施していく。

FCAの5ヵ年計画(FCA Business Plan 2018-2022)の概要

ラインアップ更新  2022年までに各ブランドのラインアップを一新し、世界販売台数の78%は新たに参入したセグメントの新モデルかモデルチェンジした新型車とする。設備投資の75%以上はグローバルブランドを対象とする。
強化するブランドで
売上高拡大
 2022年まで年平均7%の売上高拡大を目指す。FCA全体で新参入セグメントの新モデルを19車種投入する。Jeep、Alfa Romeo、Maserati、Ram、Fiat Professionalの売上高は、2017年に全体の65%だったが、2022年には80%に拡大する。
コスト削減  2018-2022年で100億ユーロの生産・購買コストを削減。そのため、車両の基本設計であるアーキテクチャを統合し、アーキテクチャの総数を2017年の16から2022年には12に削減する計画。2017年は5つのアーキテクチャを全車種の60%に使用していたが、2022年には80%に拡大する。
財務目標  調整後EBIT(利払い・税引前利益)を2017年の66億ユーロから2022年に130億-160億ユーロに引き上げ、調整後EBITマージンは6.3%から9.0-11.0%へ、調整希薄化後EPS(1株当たり利益)は2.3ユーロから5.9-7.3ユーロへ引き上げる計画。
CASE対応 
電動化  欧州では2021年までに乗用車のディーゼルバージョンを廃止。2022年までにPHVを25車種、EVを10車種投入する。
自動運転車  Waymo、BMW、Aptiv(旧Delphi Automotive)と提携。Google系のWaymoとは提携を拡大し、同社の無人配車サービスにChrysler Pacifica Hybrid(車両はPHV)を62,000台追加提供するほか、同社のレベル4自動運転システムをFCAの市販車に搭載することも協議。BMWとはレベル3、Aptivとはレベル2+の自動運転システムの開発で提携。
コネクティビティ  2019年4月にFCAのコネクティビティプラットフォームの利用を開始し、2021年までにFCAのすべての新車で利用可能にする計画。
モビリティサービス  北米でJeepオーナーのメンバーシッププログラムの一環として、保有しているモデル以外のJeep車をレンタルするサービスや、月額制でFCAの多様な車両を使用できるサービスを2019年から開始する。

資料:FCA June 1 2018 CMD_BP Financial Overview他

 

FCA Business Plan (2018-2022) 売上高拡大計画 中国向け専用車Grand CommanderのベースとなるJeep Yuntu Concept
FCA Business Plan (2018-2022) 売上高拡大計画 (資料:FCA) 中国向け専用車Grand CommanderのベースとなるJeep Yuntu Concept
(2017年上海モーターショー)

 

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FCA:2017年はJeepとAlfa Romeoの世界展開等で増収増益の見込み(2017年11月)

 



2018-2022年のJeep、Alfa Romeo、Maserati、Ram、Fiatブランドの製品計画

Jeepブランド
新型Jeep Wrangler
新型Jeep Wranglerはマイルドハイブリッドを設定

  Jeepブランドはグローバル市場でAセグメント市場に参入、北米市場ではGrand Cherokeeの3列シートバージョンの追加、WagoneerおよびGrand Wagoneerの復活によりラインアップを拡大する。世界のSUV市場で2017年にJeep車は17台に1台であったが、2022年には12台に1台とする計画。

  2022年までにPHVを10車種、EVを4車種投入するなど、全車種に電動化バージョンを設定する。また、2019年からレンタルサービスや月額制の利用サービス等のモビリティサービスを開始する。

Jeep:北米では利益率の高いセグメントに参入、モビリティサービスを開始へ

北米  Grand Wagoneerの復活により、利益率の高いセグメントに参入。8車種のPHVを投入。100%の新車がコネクティビティを搭載。レベル3の自動運転車を投入。Jeep車オーナーのメンバーシッププログラムJeep Waveを拡大し、モビリティサービスを追加。Jeepの年間生産能力を2017年比で50万台増強する。
欧州  排ガス規制の遵守に注力。ディーゼル車を廃止。新型車・改良型車を7車種投入。PHVを8車種、マイルドハイブリッド車を5車種投入。2車種を現地生産化。Jeepの年間生産能力を2017年比で3.5倍とする。
中南米  市場は引き続き回復。新型車・改良型車を7車種投入。3列シートの中型SUVセグメントに参入。1車種を現地生産化。Jeepの年間生産能力を2017年末比で15万台増強する。
アジア  中国では、政府が2025年の新エネルギー車(NEV)の販売目標を市場の15-20%としている。中国メーカーは引き続き力をつけており、価格圧力も強い。Jeepは新型都市向けUVを含む新型車・改良型車を8車種投入。中国市場専用車を2車種(Grand Commanderを含む)投入し、うち1車種を現地生産する。電動車はPHVを4車種、EVを4車種投入。100%の新車がコネクティビティを搭載。レベル3の自動運転車を投入。
 インドでは排ガス規制・安全基準が厳しくなっている。4m以下の小型車が引き続き人気があり、SUVは急成長している。Jeepは4m以下のSUVと3列シートの中型SUVを投入。年間生産能力を2017年比で最大1.5倍まで増強して、輸出拠点とする。

 

Jeepブランドの製品計画

セグメント 2018年(市場カバー率:80%) 2022年(市場カバー率:100%) PHV BEV 自動運転 コネクティビティ
A/B 新モデル
B Renegade 新型Renegade
C Compass
新型Wrangler
改良型Compass, Wrangler
D 改良型Cherokee
Grand Commander
新型Cherokee, Low D 3-Row,
Grand Commander, Truck
E Grand Cherokee Grand Cherokee 2-Row
E-segment 3-Row
F Wagoneer/Grand Wagoneer

資料:FCA June 1 2018 CMD_Jeep Brand



Alfa Romeoブランド
Alfa Romeoの2022年の市場カバー率は71%
Alfa Romeoの2022年の市場カバー率は71% (資料:FCA)

  Alfa Romeoブランドは今後5年間に7車種の新商品を投入。Bセグメントのサブコンパクトハッチバック車Mitoとスポーツカーの4C Coupe、4C Spiderを廃止。高級セダンの8CとスポーツクーペのGTVを復活。新たにCセグメントSUVとEセグメントSUVを追加。また、多数のモデルにロングホイールバージョンを追加する。前5カ年計画では世界販売台数の目標を70万台として達成できなかったが、新5カ年計画では2022年の目標を40万台としている。

Alfa Romeoブランドの製品計画

セグメント 2018年(市場カバー率:46%) 2022年(市場カバー率:71%) PHV 自動運転 コネクティビティ
B Mito
C Giulietta Giulietta MCA, C UV
D Giulia, Stelvio Giulia MCA LWB, Stelvio MCA LWB
E E UV
Specialty 4C Spider, 4C Coupe GTV, 8C

資料:FCA June 1 2018 CMD_Alfa Romeo Brand



Maseratiブランド
MaseratiのEVサブブランド Maserati Blue
MaseratiのEVサブブランド Maserati Blue (資料:FCA)

  Maseratiブランドは、2022年までに新たにDセグメントの新型ミッドサイズSUVを追加するほか、7車種をモデルチェンジし、ラインアップを一新する。世界販売台数を2017年の5万台から2022年には10万台に倍増する計画。

  電動化ではPHVを8車種、EVを4車種投入。EVはMaserati Blueと称するサブブランドで発売し、Alfieri、Alfieri Cabrio、新型Quattroporte、新型Levanteに設定する。全車種に電動パワートレインを設定し、ディーゼル車は廃止する。ガソリンエンジンはFerrariから調達する。

Maseratiブランドの製品計画

セグメント 2018年(市場カバー率:43%) 2022年(市場カバー率:68%) PHV BEV 自動運転 コネクティビティ
D 新モデルD-UV
E Levante, Ghibli MCA 新型Levante, 新型Ghibli MCA
F Quattroporte MCA 新型Quattroporte
Specialty GranTurismo MCA
GranCabrio MCA
新型Alfieri, 新型Alfieri Cabrio

資料:FCA June 1 2018 CMD_Maserati Brand



Ramブランド

  Ramブランドは2022年までに、高性能ピックアップトラックのFord F-150 Raptorと競合するTRXを投入する。Ram車の平均販売価格はFordやChevroletより低いが、TRXの投入により平均販売価格が上昇する見込み。2019年にはRamピックアップトラックの新型Heavy Dutyバージョンを投入し、さらに平均販売価格を引き上げる。また、Chevrolet ColoradoやGMC Canyon、Ford Rangerと競合する新型Mid-sizeピックアップトラックも新たに投入する。商用バンでは、2022年までに小型商用バンのRam ProMaster Cityのモデルチェンジを行う。世界販売台数は2018年見込みの77万台から2022年には93万-100万台に引き上げる計画。

新型Ram 1500 Ram 1500 REBEL TRX Concept
新型Ram 1500はマイルドハイブリッドを設定 Ram 1500 REBEL TRX Concept (資料:FCA)

 

Ramブランドの製品計画

セグメント 2018年 2022年 電動化 自動運転 コネクティビティ テレマティクス
Light duty 新型1500 新型TRX HV L2 2021 100% 100%
Heavy duty Heavy duty 新型Heavy duty L2 2022 100% 100%
Mid-size 新型Mid-size/Metric ton
Small van ProMaster City 新型ProMaster City L2 2021 100% 100%
Large van ProMaster ProMaster 100% 100%

資料:FCA June 1 2018 CMD_Ram Brand



Fiatブランド

Fiat:500シリーズとPandaは継続

中南米  中南米地域に新型SUV (Aセグメント)、新型SUV (Bセグメント)、新型3列シートSUV (Low Dセグメント)を投入。
電動化  次期Fiat 500およびワゴンバージョンの500 GiardinieraのEVを投入。500シリーズのSUV、500XとMPVの500LにはHVバージョンを設定。
継続・廃止  500シリーズとPandaは継続。Puntoは廃止する計画。

資料:FCA June 1 2018 CMD_BP Financial Overview



電動化:2022年までに90億ユーロを投資

  FCA Groupは2022年までに電動化に90億ユーロを投資する。ラインアップの多くに電動車を設定し、FCA全体でPHVを25車種、EVを10車種投入する計画。欧州では2021年までに乗用車のディーゼルバージョンを廃止する。

 

FCAの既存の電動車

Chrysler Pacifica Hybrid  2017年4月発売。7/8人乗りミニバン。PHV。前輪駆動。3.6L V6ガソリンエンジン、交流同期モーター、LG化学製リチウムイオン電池(容量:16kWh)を搭載。システム最高出力は248hp。燃費/電費(EPAモード)は84 MPGe、 EV航続距離は30マイル以上、航続距離は500マイル以上。充電時間は2時間(240V)。
Ram 1500
マイルドハイブリッド
 2018年3月発売。フルサイズピックアップトラック。後輪/四輪駆動。3.6L V6ガソリンエンジン Pentastarまたは5.7L V8ガソリンエンジン HEMIに48V eTorqueマイルドハイブリッドシステムを搭載。ベルトドライブモータージェネレーター、三元系リチウムイオン電池(容量:430Wh)を使用。
Jeep Wrangler
マイルドハイブリッド
 2017年末発売。コンパクトオフロード車。2.0L直4ガソリンターボエンジンに48VマイルドハイブリッドシステムeTorqueを搭載。
Maserati Blue
(EV用サブブランド)
 MaseratiのEVはMaserati Blueサブブランドで発売される。Alfieri、Alfieri Cabrio、新型Quattroporte、新型LevanteのEVは、3モーター採用のAWD、トルクベクタリング、800Vバッテリー、軽量化、急速充電機能が特長。


自動運転:Waymo、BMW、Aptivと提携

自動運転技術会社Waymoとの提携拡大
自動運転技術会社Waymoとの提携拡大 (資料:FCA)

  FCA Groupは自動運転分野では複数の企業と提携し、多角的なアプローチをとる。Google系の自動運転技術会社 Waymoとの提携を拡大し、無人配車サービスにミニバンのChrysler Pacifica Hybridを追加提供するほか、同社の自動運転システムをFCAの市販車に搭載することを検討。このほか、自動車メーカーのBMWとはレベル3、Tier 1部品メーカーのAptivとはレベル2+の自動運転システムの開発で提携。2021年までに、Jeep、Ram、Alfa Romeo、Maseratiの各ブランドでレベル3の自動運転を目指す、としている。

自動運転分野では3社と提携

Waymoとの提携拡大
(レベル4)
 Googleの持株会社であるAlphabet傘下の自動運転技術会社WaymoとFCAは2018年5月、2018年後半から開始するWaymoの無人配車サービスのフリートに、ミニバンのChrysler Pacifica Hybridを62,000台追加することで合意したと発表した。2018年6月時には同車を600台使用しており、2021年までに同車の数は62,600台に増加する計画。
 また、個人顧客向けに販売するFCA車でのWaymoの自動運転技術の利用についても協議を開始。ライセンス契約での使用も検討するとしている。2023年までにはWaymoのレベル4自動運転システムが一部のFCA車で利用可能となる。当初のシステムの価格は約3万ドルだが、1万ドルにまで引き下げられる予定。
 Waymoは、現在公道でドライバーが乗車しない完全自動運転車両フリートを提供している唯一の会社で、2018年後半に、同社のアプリを通して配車を要請する、世界初の自動運転車無人配車サービスの開設を計画している。
BMW
(レベル3)
 2017年8月、BMW Group、Intel、Mobileyeが行うグローバル展開を見据えた自動運転プラットフォームの共同開発に、FCAが参加するMOUを締結。主に自動車専用道路でのレベル3自動運転システムを共同開発する。FCAのエンジニアは独ミュンヘン所在のBMWの自動運転キャンパスにて、BMWチームと共に開発に従事。投入資金を分担し、有効性・信頼性を検証するためのデータを含むリソースを共有する。
Aptiv
(レベル2+)
 大手部品メーカーのDelphi Automotiveは2017年12月、パワートレイン部門をスピンオフ後、社名をAptivに変更。Aptivは主にレベル2+ 自動運転システムを開発する。FCAはAptivと協力し、自動運転技術の調査および開発プロジェクトを実施。2020年には次世代Jeep Grand Cherokeeを含むFCAのプレミアム車やハイエンド車にAptivのレベル2+ システムを搭載する計画。

資料:FCA Press Release 2018.5.31, FCA June 1 2018 CMD_Technology Update



コネクティビティ:2021年にはすべての新車が搭載

FCAのコネクティビティプラットフォームの利用は2019年4月から

コネクティビティ
プラットフォーム
 FCAのコネクティビティプラットフォームは2019年4月に利用を開始する計画。2021年までにFCAのすべての新車で利用可能にする。
第4世代 Uconnect
システム
 2018年型Jeep WranglerにはApple CarPlayとAndroid Auto対応の車載コネクティビティシステム、第4世代Uconnectシステムが搭載されている。新しいUconnectサービスの機能に含まれるものには、スマートウォッチとの共用性、帰宅時間・境界線・速度制限の設定、オンラインクラウド検索機能、Amazon Alexaとの接続など。
ナビゲーションアプリ
Waze
 Fiatは2018年6月、AセグメントコンパクトカーのPandaにWazeを設定し、欧州市場に投入すると発表。WazeはGoogle傘下のイスラエルのWaze Mobileが開発した世界最大規模の自動車向けナビゲーションアプリ。リアルタイムで渋滞や道路状況をシェアできる。地図はユーザーによって編集され、ナビに反映。Pandaに設定されたWazeでは、車載コネクティビティのPanda UconnectにWazeのナビゲーションアプリを統合。これによりドライバーは、ユーザーコミュニティの助けを借りながら、最適なルートを検索する。

資料:FCA June 1 2018 CMD_Technology Update



モビリティサービス:Jeep車オーナーを対象に2019年から実施

 Jeep車オーナーのメンバーシッププログラム、Jeep Waveの一環として、以下の2つのサービスを実施する。

 

モビリティサービス

レンタル  Jeep WranglerおよびJeepの他のクロスオーバーとSUVのHawkバージョンのオーナーに、「コイン」を提供。オーナー達は「コイン」を使用して、保有しているモデル以外のJeep車をレンタルすることができる。必要に応じて「コイン」を買い足すことも可能。2019年から米国北東部で試験的に実施する。
月額制  毎月一定額を支払えば、FCAの多様な車両を使用できる。プログラムにはGood、Better、Bestの3段階があり、保険、車両の種類、コンシェルジュサービスのレベルを選択できる。2019年から実施する計画。

資料:FCA June 1 2018 CMD_Jeep Brand, Automotive News 2018.6.4



2018-2022年の財務目標

  新5カ年計画の財務目標は、調整後EBITを2017年の66億ユーロから2022年に130億-160億ユーロに引き上げ、調整後EBITマージンは6.3%から9.0-11.0%へ、調整希薄化後EPSは2.3ユーロから5.9-7.3ユーロへ引き上げる計画。手元資金を示すNet Industrial Cash (Debt)は、2017年の24億ユーロの赤字から2022年に190億-210億ユーロの黒字とすることを目指す。また、2022年までに合計450億ユーロの設備投資を行い、モデル更新、新モデル開発、電動化等に投じる。

 

主要な財務目標(2019年初頭にスピンオフ予定のMagneti Marelliを除く)

2017年 2018年
(計画)
2020年
(計画)
2022年
(計画)
2017-2022年
増減率
調整後EBIT(10億ユーロ) 6.6 ≧8.2 9.2-10.4 13.0-16.0 +17%
調整後EBITマージン 6.3% ~6.8% 7.5-8.5% 9.0-11.0%
調整希薄化後EPS(ユーロ) 2.3 ~3.0 4.0-4.6 5.9-7.3 +24%
Industrial free cash flows (10億ユーロ) 1.5 ~6.2 3.5-4.5 7.5-10.0 +42%
(備考)Net Industrial Cash (Debt)(10億ユーロ) (2.4) ~4.0 19.0-21.0
(備考)Capex(10億ユーロ) 8.1 7.4-7.9 ~10 ~9

資料:FCA June 1 2018 CMD_BP Financial Overview
(注)FCAは2018年7月25日の2018年第2四半期の決算報告で、2018年通期見通しの売上高を6-8%、調整後EBITを8-14%下方修正したが、2018-2022 Business Planの財務目標は変更しないとしている。

 

設備投資の内訳(2018-2022年の合計:450億ユーロ)

モデル更新 ~30%
新セグメント参入 ~20%
電動化 ~20%
パワートレイン ~15%
インフラ ~15%

資料:FCA June 1 2018 CMD_BP Financial Overview


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キーワード
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