欧米Tier1サプライヤー:自動運転、コネクテッド、HMI動向 (4)
ValeoはADASで他社をリード、Faureciaは未来のコックピットを開発、LearによるXevo買収
2020/11/09
- 要約
- Valeo:ADASプラットフォームの開発成果で他社をリード
- Valeo:インド、中国、フランスにおけるR&D施設への投資
- Valeo:Meituanと自動デリバリーサービスのコンセプトで協業
- Valeo:コネクテッド技術の動向
- Faurecia:未来のコックピット開発に注力
- Faurecia:AI及びADAS技術開発でアライアンスを構築
- Faurecia:未来のコックピット技術 (ディスプレイ、インフォテインメント、アプリプラットフォーム) を披露
- Faurecia:Microsoftと車載コネクテッドサービスを開発
- Lear :スタートアップ投資部門を設立、車載ソフトウェア事業に向けてXevoを買収
要約
Valeo SCALA 2 LiDARシステム |
Valeo、Faurecia、Learの3社は、自動車内装に注力している会社であるが、昨今の自動車業界のトレンドについては、3社とも異なったアプローチを取っている。例えば、Valeoは先進運転支援システム (ADAS: Advanced Driver Assistance System) 技術の開発に注力している。同社は2017年から2019年にかけて、フロントカメラ、ドライバー管理システム、小型自動運転車両、SCALA LiDARシステムなどのADAS関連システムを含む複数の技術プラットフォーム開発に5億ユーロを投じた。この投資により、ValeoはADAS市場を牽引する存在となった。自動運転システム以外では、同社のComfort & Driving Assistance Systems部門がコネクテッドシステムや人工知能 (AI) ベース技術の開発を行っている。
Faureciaは、ディスプレイやスマートコントロール、インテリジェントシートなど個人に合わせることが可能な技術を統合した未来のコックピット開発に重点を置いている。2019年3月、Faureciaはクラリオンの買収に成功し、そのエレクトロニクス事業の経営資源をFaureciaの事業ポートフォリオに組み込んだ。新設されたFaurecia Clarion Electronics部門は、ADASの機能性や、自動駐車などの低速走行における自動運転システム、車載ディスプレイに開発の焦点を当てている。
Learは、E-Systems部門が通信やゲートウェイモジュール、サイバーセキュリティ、車両測位モジュール、ロードサイドインフラシステム、各種消費・サービスプラットフォームの事業を行っており、主にコネクテッドの動向に注力しているといえる。特に、2019年4月にコネクテッドカーソフトウェア事業を手掛けるXevoを買収したことが注目すべき点である。また、2019年1月、Learは革新的な技術開発を行うと見込まれるスタートアップに出資するため、Innovation Ventures Possibilities部門を発足させた。また、モビリティや自動車技術のスタートアップを支援するため、他のベンチャーキャピタルにも出資している。
本レポートは、2019年1月から2020年7月までの期間における、欧州及び米国大手サプライヤーの自動運転、コネクテッド及びHMI分野における各動向に焦点を当てており、今回のレポートはValeo、Faurecia、Learについて記述している。
【欧米Tier1サプライヤー:自動運転、コネクテッド、HMI動向】レポート
(1) Bosch、Marelli
(2) Continental、Schaeffler
(3) ZF、Aptiv、Magna
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