ASEANの日系部品メーカー:インドネシアで事業体制の強化が続く

ベトナム、マレーシア、フィリピン、ラオス、カンボジア、ミャンマーでの動向

2013/11/19

要 約

 以下は、ASEAN諸国 (タイを除く) における日系自動車部品メーカーの最近動向である (収録対象は、2013年10月下旬までの約10カ月間)。

 インドネシアの自動車販売台数は、2012年の108.0万台(同24.3%増)に続き、2013年1-10月は前年同期比10.8%増の98.9万台(登録台数)と拡大。トヨタ、日産、ホンダ、ダイハツなどによる生産能力増強が進められるなか、日系自動車部品メーカーにおいても新規進出や生産能力拡充が行われている。また、インドネシアでの事業をより本格化させるための合弁会社の完全子会社化、事業拡大のための増資や生産品目の追加、一貫生産体制構築による顧客ニーズへの対応強化、インドネシアの輸出拠点化など様々な動きがみられる。

インドネシアにおける日系自動車部品メーカーの動き

新規進出 自動車メーカーに納入愛知機械(MT)、ニッパツ(シート)は日産・ダットサン向け、アサヒフォージ(ホンダ向けファイナルギア。輸出も)、メタルアート(ダイハツ向けエンジン部品)、エフテック(サスペンション部品)、児玉化学(内外装品)、山下ゴム(防振ゴム)、TDF(トラック用フロントアクスル)など
一次サプライヤーに納入:旭ケミカルズ(樹脂コンパウンド品。タイからの輸入を現地で委託生産に)、サンライズ工業(カーエアコン用ホース口金具。マレーシアからの輸入を現地生産に)、名古屋精密金型(ランプ向け樹脂金型。ベトナムからの輸入を現地生産に)など
インドネシアを輸出拠点にも位置付けエイチワン(骨格部品の金型)、西川ゴム(自動車用ゴム・樹脂製品)、タツミ(電装部品、ブレーキ部品)など
生産能力拡充 第2工場建設:明石機械(MT)、豊田自動織機(エアコン用コンプレッサー。インド、ブラジルに輸出も)、河西工業(ドアトリム)、JFE商事(鋼材加工)など
ライン新増設・工場拡張愛三工業(スロットルボディなど。周辺国に輸出も)、デンソー(点火プラグ)、豊田合成(エアバッグ)、ユタカ技研(排気部品)など
新品目追加:JFEスチール(溶融亜鉛めっき鋼板生産の新会社設立)、日信工業(四輪車用ブレーキ)、プレス工業(大中型トラック用フレーム。東南アジア諸国へ輸出も)など
一貫生産体制構築テイ・エステック(シート組立工場新設)、トヨタ車体(大物樹脂部品の金型内製)、ユニバンス(ギア。鍛造工場・トランスファー新建屋建設。中国に輸出も)など
子会社化、
増資、買収
ジーテクト(合弁会社の独資子会社化)、日本ピストンリングTPR(両社の合弁 子会社を解消し、各々独自に事業)、タチエス(増資によりシート組立工場建設)、豊田合成(シーリング生産合弁会社の出資比率引上げ)、豊田通商(大手地場自動車部品メーカーに出資)、黒田電気(地場自動車部品メーカー買収)など

(資料)各社の計画から作成


 ベトナムへの新規進出では、デンソーが排気センサーの新工場を建設。ブリヂストンは建設中のラジアルタイヤ新工場の生産能力増を決定。ヨコオはワイヤーハーネス新工場の二期工事を実施中。いずれも東南アジア、日米欧等への輸出拠点。この他、山下ゴムは自動車用防振部品のR&Dなどを行う合弁会社を設立し、将来は本社機能の移転を計画。日本精機は車載用計器ソフトウェアの設計開発拠点を設立し、日本での上流設計に基づく下流工程の設計開発を行う。

 ベトナムでの既存工場の拡充では、ワイヤーハーネス生産で住友電装が増資により生産設備を追加。矢崎総業が2つ目の分工場を建設。三谷産業が設備を増設。この他、藤倉ゴムが成形加工用の第2工場を建設し一貫生産体制を構築。生産品目の追加では、日本電産トーソクが第2拠点を建設し、電動オイルポンプを生産。そのいずれもが輸出拠点。

 その他の国々では、マレーシアで宇部興産がタイヤ向け合成ゴム、明石機械がAT生産の合弁会社を設立。東洋ゴムが最新鋭工法のタイヤ新工場を建設し、製品の約85%を輸出する計画。東研サーモテックは、既存工場の隣接地に新棟を建設し、ギアの熱処理加工設備を導入。

 フィリピンでは、古河ASがワイヤーハーネス増産のために新工場を建設し、横浜ゴムが乗用車・SUV用タイヤ工場の第二次拡張を行い、輸出拡大に備えている。

 ラオス・カンボジアでは、タイと連携する新会社が設立されている。ラオスでは、旭テックがタイの自社工場を補完するアルミダイカスト部品の新会社を設立。トヨタ紡織ではタイのシート工場のサテライト工場としてシートカバー新会社を設立。カンボジアでは、デンソーがタイの自社工場に輸出するための二輪用センサー部品会社を設立し、将来は四輪車用への拡大を視野に入れている。丸三金属はホイール部品生産会社を新設し、タイに集積する部品メーカーからの受注を目指す。

 なお、タイでの日系部品メーカーの動向は、別途報告する予定。

 
 日系部品メーカー動向関連レポート:  
・欧州編 (2013年10月)
・インド編 (2013年8月)

・中国 (華北/東北/西南地域) 編 (2013年8月)

中国 (華南/華中地域) 編 (2013年7月)
・中国 (華東地域) 編 (2013年6月)
・米国編 (2013年7月)
・メキシコ・ブラジル編 (2013年5月)
・タイ編 (2013年3月)
・ASEAN編 (2013 年2月)




インドネシア:新生産拠点の構築

(2013年10月下旬までの約 10カ月間の動向。配列は企業名 50音順)

相栄産業:プレス部品製造の合弁会社設立

 相栄産業は、プレス部品の合弁会社(Jakartaの南)を現地の部品メーカーPT.Guna Senaputra Sejahtera(West Java州Bogor県)と2013年10月(予定)設立。出資比率は相栄産業が51%。投資額は4億円程度を見込み、トランスファープレス機などを導入する。稼働は2014年8月予定で、日系部品メーカーにプレス部品を供給する計画。日本国内の受注が減少傾向にあるため、インドネシアでの需要を取り込み、2017年に売上高7億円を目指す。(2013年4月報道)

愛知機械:マニュアルトランスミッションをKD生産

 愛知機械工業は、日産が2014年に発売する「ダットサン」向けの手動変速機を受注。日本の工場で主要部品を生産・加工し、インドネシアの日産の完成車工場近くでKD生産する。(2013年3月報道)

旭化成ケミカルズ:ポリアミド66樹脂コンパウンド品の委託生産を開始

 旭化成ケミカルズは2013年8月、日本ピグメントとの合弁会社P.T. NIPPISUN INDONESIA (West Java州Bekasi)での自動車向けポリアミド66樹脂コンパウンド品の委託生産を開始した。従来は、旭化成プラスティックス(タイランド)から輸出していたが、今後の自動車需要拡大に伴い、日系自動車部品メーカーを中心とした顧客のニーズに迅速に対応するため、インドネシアでの供給に切り替えた。年間4000万トン生産する。

アサヒフォージ:ファイナルギアの工場建設、2013年12月に量産開始

 アサヒフォージは、全額出資のPT. ASAHI FORGE INDONESIA (West Java州Karawang県)の工場が2013年4月に竣工し、同年12月からファイナルギアの量産を開始する予定。投資額は約20億円。年産能力は100万個。従来は、日本から主要顧客のホンダ経由で輸出してきたが、ホンダの現地新工場の稼働に合わせて、東南アジアで初の工場を建設。将来は、ホンダ以外からの受注獲得やアジア各国への輸出拠点を目指す。

臼井国際産業:配管部品の工場建設、2014年3月に稼働予定

 臼井国際産業は、2013-14年度に総額100億円弱を投じてアジア・北米地域で配管部品の生産体制を増強する。うち、インドネシアではPT.USUI INTERNATIONAL INDONESIA (Banten州Tangerang市)の新工場が2014年3月に稼働予定。投資額は数10億円。顧客の自動車メーカーのニーズに迅速に対応する生産拠点とするもの。

エイチワン:骨格部品の金型工場新設

 エイチワンは2013年9月、合弁会社のPT. H-ONE KPGI PRIMA AUTO TECHNOLOGIES INDONESIA(West Java州Karawang県)を同年11月(予定)に設立すると発表。資本金は約15億円。出資比率はエイチワン50%、虹技㈱25%、PT.RODA PRIMA LANCAR(RPL)25%。3社の専門性を融合し、素材から手掛けることで競争力のある自動車用金型鋳物、プレス金型の製造・販売を計画。工場はRPLの既存建屋を使用し、20億円を投じて鋳物と金型の生産設備を導入。金型の年産能力は150型。生産開始は2014年1月予定。金型は、日本、北米、中国、インド、タイにあるエイチワンの生産拠点のほか、RPLやインドネシアの自動車関連メーカーに提供する予定。

エフテック:新会社でサスペンション部品を2013年秋から生産

 エフテックは、2013年1月に生産子会社のPT.F.TECH INDONESIA(Jakarta郊外のKarawang県Karawang工業団地)を設立。資本金は約5億円。当初はレンタル工場で2013年秋からサスペンション部品を生産を開始する。アジア域内の既存施設を有効活用するために、プレスはタイ工場で行い、インドネシアでは溶接と塗装を行う。自社工場の建設は、生産動向を見ながら検討。

児玉化学工業:樹脂部品を2013年3月に生産開始

 児玉化学工業は、PT. Echo Advanced Technology Indonesia(West Java州Karawang県)の工場が2013年3月に本格稼働した。ポリプロピレンやABS樹脂で作るインパネなど内外装部品を生産し、日系自動車メーカーに販売。

サンライズ工業:ホース口金具の生産工場が2013年2月に稼働開始

 サンライズ工業は、マレーシアの子会社Sunchirin Industries (Malaysia) Berhad(Selangor州Shah Alam市)のインドネシア新工場(West Java州Karawang県)が完成し、2013年2月からカーエアコン用ホース口金具の生産を開始した。デンソーインドネシア等に納入。従来はマレーシアから供給していたが、インドネシアでの需要拡大に対応したもの。生産能力は月間5万台分で、2013年度からフル生産の見込み。

JSR:カーボン配合ゴム生産の合弁会社設立

 JSRは2013年6月、グループ会社のエラストミックスがインドネシアのPT.Prospect Motor(West Java州Bekasi県)と合弁会社PT.ELASTOMIX INDONESIA(West Java州Karawang県)を設立。資本金は約8.1億円。出資比率はエラストミックスが75%、PT.Prospect Motorが25%。タイヤや自動車用窓枠向けの「カーボンマスターバッチ」を生産する。ASEAN地域ではタイに次ぐ第2の拠点。年産能力9,000トンのバンバリー(混練機)1基を導入し、2014年4月の操業開始を予定。日系自動車メーカー向けに加えてローカル市場の開拓を目指す。需要の増加に応じ、生産能力を順次増強していく。

ダイニック:不織布材料の生産子会社設立

 ダイニックは2013年8月、自動車用不織布材料の生産子会社PT.DYNIC TPCを、タイの繊維メーカーTEXTILE PRESTIGE PUBLIC Co.,Ltd.との合弁で設立すると発表。資本金は500万ドル。出資比率はダイニックが51%。現地生産により価格競争力を高める。東南アジアの拠点はシンガポール、タイに続く3カ国目で、域内での拡販を図るもの。

ダイヤモンド電機:点火コイル生産の現地法人設立

 ダイヤモンド電機は、2013年7月に現地法人PT. Diamond Electric Indonesia(Jakarta)を全額出資で設立。West Java州Bekasi県に新工場を建設し、2014年6月に竣工する予定。投資額は約5億円。エンジン用点火コイルを生産し、主に日系自動車メーカーに供給する。生産能力は年産200万個でスタートし、需要に応じて拡大する。将来はカーエレクトロニクス関連製品の生産も視野に入れている。

タツミ:電装部品・ブレーキ部品の子会社を設立

 タツミは2013年10月、親会社のミツバとの合弁会社PT. TATSUMI INDONESIA(Banten州)を設立。資本金は500万ドル。出資比率はミツバ60%、タツミ40%。ミツバの現地子会社の第3工場内で2013年4月から、自動車と二輪車の電装部品、ブレーキ部品を生産開始。タツミは、この初めての海外子会社を東南アジア地域の既存顧客や新規顧客への輸出拠点にする考え。売上高は、初年度2億円、5年後に約10億円を目指す。

津田工業・万能工業:シフトレバーの生産開始

 津田工業と万能工業が2012年7月に設立した合弁会社PT.MTAT-INDONESIA(West Java州Bekasi県)の新工場が2013年7月に稼働開始。当初は変速機用シフトレバー組み付け加工が主体で、構成部品はタイ工場から送るほか現地調達する。万能工業がMT向け、津田工業がAT向けを別々のラインで生産する。

TDF:自動車部品工業、現地企業との3社合弁に伊藤忠丸紅鉄鋼が参加して設立

 TDFは、2013年3月設立の合弁会社PT.TJForge Indonesia(West Java州Karawang県)に当初参画予定のなかった伊藤忠丸紅鉄鋼を同年6月に加えた。資本金約24億円。出資比率はTDF40.0%、自動車部品工業25.2%、現地企業24.8%、伊藤忠丸紅鉄鋼10.0%。工場は、アイメタルテクノロジーの鋳造工場の敷地内に建設しており、2014年5月の稼働を予定。アイメタルテクノロジーの鋳造品とTDFの鋳造品の製造、自動車部品工業の機械加工・組立の一貫体制を構築し、車両用部品(トラックのフロントアクスル等)の組立販売を行う。鋼材調達などの点で商社のノウハウを活かして事業拡大を進める。生産能力は鍛造品換算で年約1万トン。

名古屋精密金型:樹脂金型生産工場が2013年3月に稼働

 名古屋精密金型は、2013年3月にPT. MSMOLD INDONESIA(West Java州Bekasi県)の新工場が稼働し、4輪車と2輪車のランプ向け樹脂金型の供給を開始。従来はベトナム子会社から輸出していたが、納期短縮とメンテナンス体制の整備により日系部品メーカーの生産拡大に対応し、受注拡大を目指す。投資額は約3億円。2016年暦年の売上高は2億円を目指す。

西川ゴム:2013年末からゴム・樹脂製品を生産

 西川ゴムは、2012年12月に現地企業のPT.KARYA PUTRA SANGKURIANGと合弁で、PT.NISHIKAWA KARYA INDONESIA(West Java州Sumedang県)を設立。資本金1600万ドル。西川ゴムの出資比率は80%。工場を建設中で、2013年末から自動車用ゴム・樹脂製品の生産開始を目指す。アセアン諸国への対応を強化し、製品を拡販して事業の安定化を図る。2018年12月期に約10億円の売上高を目標にしている。

ニッパツ仏フォルシアなどと合弁でシート生産会社設立

 ニッパツは2013年8月、フォルシアと現地部品メーカーPT.KARUYA BAHANA UNIGAM(KBU)との合弁シート生産会社PT. NHK F. KBU INDONESIA AUTOMOTIVE SEATING(West Java州Purwakarta県)の設立手続完了を発表。資本金は1200万ドル。出資比率はニッパツ51%、KBU30%、フォルシア19%。ニッパツ初のインドネシア生産拠点。2014年3月(予定)に生産開始し、日産の新型車向けにシートを供給する。売上高は、2015年度に35億6400万円を予定。

橋本エンジニアリング:インパネフレーム工場が2013年9月に稼働

 橋本エンジニアリングの、同社初の海外拠点(West Java州Karawang県)の工場が2013年9月に稼働開始。インストルメントパネル内部の鉄製フレームを生産し、日系大手部品メーカーに納入。工場は、初期投資を抑えるために日系の金型工場を賃借。投資額は5000万円。月産能力は当初約1万台分で、順次増強する計画。部品の量産加工が軌道に乗れば、金型や治具を生産する計画。

光精工:インドネシア進出を検討

 光精工は、ユニバーサルジョイントをはじめとする駆動系やエンジン系の部品のほか軸受などを生産しているが、2015年迄の3年間に海外工場に約10億円を投資し、米国、中国、フィリピンでの生産能力を増強するほか、インドネシアへの進出も検討する。(2013年7月報道)

フジオーゼックス:エンジンバルブ生産の合弁会社設立

 フジオーゼックスは、2013年8月に現地企業PT. Prospect Motorと合弁会社PT. FUJI OOZX INDONESIA(West Java州Karawang県)を設立。資本金2000万ドル、出資比率はフジオーゼックスが75%。2014年10月にエンジンバルブの生産を開始し、日系自動車メーカーに供給。当初は月間140万本を生産し、2020年には同約220万本にする計画。自動車メーカーの部品の現地調達化に対応。

平安製作所:現地部品メーカーと提携、駆動系部品の技術を供与

 平安製作所は、2013年9月にも現地自動車部品メーカーPT. Pamindo(Jakarta)と技術供与を軸に業務提携。まず駆動系部品のドライブプレートの生産技術をライセンス供与する。製品は日系自動車メーカー2社に供給する。自社での投資はリスクが大きいと判断し、Pamindoとの協業を選択したが、2年以内に出資も検討。2年後には同製品の生産量を現状比2倍の年産100万個に増加させる見通し。

メタルアート:鍛造品の生産子会社を2013年5月に設立、同年9月に増資し合弁会社に

 メタルアートは、2013年5月にPT METALART INDONESIA(West Java州 Karawang県)を設立。ダイハツの現地工場に向けクランクシャフトやコンロッドなどのエンジン部品を生産・供給する。新工場を建設し、2014年9月の稼働を予定。また2013年9月に、財政基盤の強化、円滑な事業立ち上げ、事業の拡大を狙いとして増資し、資本金を590万ドルから1480万ドルに高めた。同時にインドネシア有数の自動車部品メーカーのPT ASTRA OTOPARTS Tbkに株式の約3割を譲渡し、同社の事業経験やサポートを得て事業拡大を図る。商号もPT METALART ASTRA INDONESIAに変更した。

山下ゴム:防振ゴム生産の新工場が2014年4月に稼働

 山下ゴムは、防振ゴムの新工場(Jakarta)を建設し、2014年4月に稼働を開始する。投資額は約25億円を予定。インドネシアでは初の生産拠点。生産品目はエンジンマウントなどの防振ゴムが中心で、ホンダ、スズキへの供給を開始する。2018年度に売上高30億円強を目指す。

資料:各社広報資料, 各紙報道

 

 



インドネシア:生産能力増強・新製品の追加、事業体制強化

(2013年10月下旬までの約10カ月間の動向。配列は企業名 50音順)

愛三工業:スロットルボディなどの生産ライン増設

 愛三工業は、2013年度にP.T. AISAN NASMOCO INDUSTRI(West Java州Bekasi)の工場に約10億円を投じて生産ラインを増設。主力のスロットルボディや燃料ポンプなどの生産能力を約1割高める。スロットルボディはインドネシア国内のほか、タイなどの周辺国にも供給。燃料ポンプは日系二輪車メーカー向けに供給する。このほか同社は、生産の分散化のためにインドネシア内かタイ、ベトナムなどに新工場を設置する方向で事業化調査を行う。

明石機械:MT生産の第2工場建設

 明石機械工業は、PT.AKASHI WAHANA INDONESIA(Jak-Ut)の第2工場を、ダイハツの新工場近くのWest Java州Karawang市に建設し、2014年初頭にもMTを生産する。既存工場の拡張余地がほぼなくなったため、約10億円を投じ、MT生産能力を約3割増加する。ギアなどの基幹部品を日本から送り、第2工場で最終組み立てを行う。明石機械のインドネシアでのMT生産能力は月4.5万台になる。

河西工業:内装部品の第2工場建設

 河西工業は2013年8月、P.T. Kasai Teck See Indonesia(West Java州Karawang市)の既存工場近くでの第2工場建設を発表。2014年4月から日産の小型車、SUV向けを中心としたドアトリムを生産。投資額は約12億円。工場増設により、インドネシアでの年間売上げを2012年の約12億円から2014年には約30億円に増加させる。

黒田電気:インドネシアの金属プレス・樹脂成形部品メーカーを買収

 黒田電気は2013年3月、インドネシアのPT. TRIMITRA CHITRAHASTA(West Java州Bekasi県)の発行済み株式51%の取得を発表。TRIMITRA社は、自動車(二輪/四輪)向けにハンドルやペダルなどの金属プレス部品や、ドアミラーなど樹脂成形品の製造および溶接加工、金型の製造を行う一次部品メーカー。売上高の約90%は日系自動車メーカー。黒田電気はフラットパネルディスプレイや情報通信分野などの電子部品が主力だが、買収によりインドネシアの自動車産業に参入すると共に、黒田電気の中国、タイ、ベトナムなどの自動車関連子会社との協業により、自動車部品分野での事業基盤を強化する方針。

JFEスチール:自動車用溶融亜鉛めっき鋼板の生産ラインを新設

 JFEスチールは、2013年5月にPT.JFE STEEL GALVANIZING INDONESIA(West Java州Bekasi県)を設立。インドネシアでの自動車用高級鋼板の需要拡大に対応し、中国、タイに続くアジア地域で3つ目の自動車用溶融亜鉛めっきラインを建設し、2016年3月の稼働を計画。年産能力は40万トン、総投資額は約3億ドル。

JFE商事:鋼材加工センターの第2工場建設

 JFE商事は2013年6月、鋼材加工拠点のPT. JFE SHOJI STEEL INDONESIA(以下JSSI。West Java州Bekasi県)に第2工場を建設し、大型レベラー1基を新設することを決定。今後高まる自動車鋼材需要を取り込み、業容の拡大を図るもの。JSSI稼働開始は2014年4月頃の予定。第2工場稼働後のJSSIの加工能力は、年間9.7万トンから約15.8万トンに拡大する。

ジーテクト:車体骨格部品の溶接組立の合弁会社を完全子会社化

 ジーテクトは2013年4月、エイチワンと同年2月に設立した折半出資会社のPT. Auto-Body Manufacturing Indonesia (以下AMI。West Java州Karawang県)を完全子会社にすることを発表。エイチワンの保有する全株式を取得して、AMIとジーテクトの既存のインドネシア子会社PT.G-TEKT Indonesia Manufacturing(West Java州Karawang県、骨格部品のプレス工場)との統合を視野に事業を拡大する。

ソミック石川:ボールジョイント部品の生産能力を増強

 ソミック石川は、子会社のPT. SOMIC INDONESIA(West Java州Bekasi県)の年産能力を2013年の約25万台分から2015年に約75万台分に増強する。トヨタ、ダイハツ、スズキなどの日系メーカーが中間層向けに投入する新型小型車のボールジョイント部品の需要増に対応するもの。投資額は4億円。更なる増産が必要になれば、新棟の建設も視野に入れている。

大豊工業:エンジン軸受の高効率ラインを2015年度以降に導入か

 大豊工業は、エンジン軸受の小規模・高効率な機械加工ライン「RRライン」を豊田市の細谷工場に2013年8月に1本増設して2本とし、トヨタ向けに小型エンジン向け軸受を生産。2015年度以降に計画する3本目のラインは、インドネシアか中国のいずれかの工場に導入する計画。小型・低価格車需要が伸びる中、コスト競争力の高いラインを活かし、受注を拡大するもの。

タチエス:シート工場を建設

 タチエスは2013年5月、TACHI-S INDONESIA(West Java州Karawang県)でのシート生産工場建設、設備費用に充てるために、850万米ドル増資すると発表。これまでは、現地企業などにシートの組立てを委託していたが、主要取引先のホンダが2014年中に新工場を稼働させ、ほかの日系自動車メーカーも生産を増やしているため、自社工場の建設を決定。生産開始は2014年11月の予定。骨格などの主要部品はタイ拠点から送り、新工場は最終的な組立てだけを手掛け、投資額を抑える。2016年度の年産規模は約7万台の予定だが、さらに生産台数を引き上げていく計画。

テイ・エステック:シート組立工場を新設

 テイ・エステックは2013年3月、子会社のPT. TS TECH INDONESIA(West Java州 Bekasi県)の四輪車用シートのトリムカバー(表皮)縫製専用工場の敷地内に、同シートの組立工場を建設することを発表。縫製から組立まで一貫生産によって、生産効率向上を図る。新工場の稼働開始は2014年1月の予定。投資額は約10億円。

TPR日本ピストンリングとの現地合弁を解消、独資の現地子会社での量産を13年度中に開始

 TPRは2013年7月、日本ピストンリングと合弁会社NT PISTONRING INDONESIAの解消で正式合意したと発表。これに伴い、TPRは2013年度中に独資子会社のPT.TPR INDONESIA(West Java州Bekasi県、2011年設立)を本格稼働させる。独立した事業形態に移行することで、多様化する顧客ニーズに迅速に対応する。独資子会社の年産能力は、四輪車と二輪車用ピストンリングを合わせて2014年に2400万本に設定。インドネシアでの、日系自動車メーカーのエンジン現地生産の拡大に対応し、更なる取引拡大を目指す。

デンソー:点火プラグの生産能力のために新ラインを設置

 デンソーは、点火プラグの世界販売を2015年度までに2012年度比17%増の2.9億本に引き上げる計画。特に、アジアを中心に安価なニッケルプラグの需要が拡大するとみており、2014年2月に稼働開始予定のPT. DENSO INDONESIA Fajar plan(West Java州Bekasi県)にニッケルプラグの新ラインを設置し、生産能力を拡大させる。セラミック部品は、日本の大安製作所で集中生産する。

豊田合成:エアバッグなどの生産能力の拡充、シーリング部品営業・技術の合弁会社を子会社化

 豊田合成は、P.T. Toyoda Gosei Safety Systems Indonesia(West Java州Bogor県)に2016年までに約8億円を投じ、工場を拡張し、生産設備を新たに導入して、エアバッグの生産能力を2013年の約5倍の年産約150万個に、ステアリングホイールの生産能力を同約1.5倍の年産約80万本に増強する。自動車の安全性を評価するASEAN-NCAPが、2013年1月にインドネシアで導入され、エアバッグ需要が拡大する見通しで、これに対応し供給能力を高める。
 また豊田合成は、2013年10月末(予定)にドアウェザストリップ等のオートモーティブシーリング製品の販売や技術サポートを行う合弁会社P.T. INOAC TG Indonesia(Jakarta)への出資比率を51%に引き上げ子会社化し、社名もP.T.TG INOAC Indonesiaに変更する。経営体制の刷新を機に顧客対応を強化し、受注拡大につなげ、2016年の売上高を2012年比約1.5倍の約30億円を目指す。

豊田自動織機:カーエアコン用コンプレッサーの第2工場建設へ

 豊田自動織機は2013年4月、P.T. TD Automotive Compressor Indonesia(West Java州Bekasi県)の第2工場を、同じ工業団地内に用地を取得し建設すると発表。2014年5月にカーエアコン用コンプレッサーを生産開始する計画で、年産能力は80万台。第1工場の生産能力(2012年160万台)も増強し、両工場合わせて2016年度までに300万台の年産能力を確保する。第2工場への投資額は約63億円。インドネシアでの納入先は日系自動車メーカーが中心だが、2013年度中には米自動車メーカーへの供給も開始。輸出では、東南アジア各国やインドに加えて、2013年度にはブラジルへの輸出も開始する。

トヨタ車体:大物樹脂部品生産を2013年11月から開始

 トヨタ車体は2013年9月、PT. Sugity Creatives (West Java州Bekasi県MM2100工業団地)に大型の金型加工機を導入し、内製金型によるバンパーを始めとする大物樹脂部品の生産を2013年11月から開始すると発表。これにより金型製造から部品の生産までを行う一貫生産体制を構築しコスト競争力を高める。

豊田通商:インドネシア最大の自動車部品メーカーに出資

 豊田通商は2013年5月、インドネシア最大の自動車部品メーカーPT Astra Otoparts Tbk(Jakarta)の発行済み株式4.9%の取得で合意したと発表。投資額は約93億円。Astra Otoparts社は、自動車部品の鍛・鋳造からプラスチック成型、タイヤ製造、アフターマーケットまで幅広い事業を行い、日系自動車メーカー・部品メーカーに製品を供給している。株式取得により、成長するインドネシアでの自動車関連事業の拡大を図る。

日信工業:既存工場で4輪車用ブレーキ部品の生産開始へ

 日信工業は、現地合弁会社のP.T. Chemco Harapan Nusantara (West Java州Bekasi県)のKarawang工場(2輪車用部品を生産)隣接地に工場用地を取得。新工場を建設して2013年度中にも4輪車用ブレーキ製品の生産を開始する計画。インドネシアでは、これまで2輪車用ブレーキ製品を製造していたが、成長が見込まれる4輪車向けの事業を拡大する。生産規模は未定。(2013年3月報道)

日本ピストンリングTPRとの合弁を解消し、全額出資子会社化

 日本ピストンリングは2013年7月、TPRとのPT.NT PISTON RING INDONESIA(West Java州Karawang県)の合弁関係を解消し、株式を全額取得し100%子会社化した。独自で顧客ニーズへの対応や成長戦略を策定を行い、ピストンリングの製造/販売をしていく。

パイオラックス:2013年8月稼働の新工場に、さらに8億円の設備投資へ

 パイオラックスは、2015年度までの中期経営計画で、海外売上げ高比率を2012年度の38%から58%に高める。北米、東南アジア、韓国、中国での生産拡大方針のもと、インドネシアでも更なる生産能力の増強を図る。2012年6月に設立したPT.PIOLAX INDONESIA (West Java州Karawang県)の工場は、2013年8月に稼働し、自動車および二輪車用部品を製造しているが、設備に8億円を追加投資する計画。

プレス工業:大・中型トラック用のフレーム部品事業に参入

 プレス工業は、PT. P K Manufacturing Indonesia(West Java州 Karawang県)の工場に約20億円を投じて、プレス機・穴あけ機・レーザー加工機、塗装設備を準備し、トラック用フレームの構成部品であるサイドメンバーの組立品の生産体制を整える。2014年からいすゞのトラック向けに生産開始し、年間に約1.7万台分を生産する計画。東南アジア向け大・中型トラック用のフレーム部品は、インドネシアで全てカバーする。

ユタカ技研:工場を拡張し、排気系部品の生産能力を年50万台体制に

 ユタカ技研は、東南アジアの排気系部品の生産能力を2013年度中に6割増の年間50万台分程度に引き上げる。インドネシアでは、P.T. YUTAKA MANUFACTURING INDONESIA(West Java 州Bekasi県)に四輪車用排気系部品の新棟を建設し、2014年初頭から年産能力を従来の1.4万台分から13万台分に拡大する。ホンダの新興国向け車「ブリオ」の排気系部品を受注したためで、サイレンサー・マフラー、触媒コンバーターを生産。2016年には、マフラーを23.5万台分、触媒コンバーターを26.3万台分生産する計画。

ユニバンス:ギアの一貫生産のために鍛造工場、トランスファー生産の新建屋を建設

 ユニバンスは、PT. UNIVANCE INDONESIA(West Java州Purwakarta)に鍛造工場を新たに建設し、トランスミッションやトランスファー用のギアの一貫生産を2014年初頭から開始する。投資額は約6.6億円。日本から輸入する鍛造品の物流費を含めた総コスト比で10%以上の削減を目指す。生産能力は、ユニバンス全体の25%に当たる月産15万個を見込む。同社は、インドネシア工場を日本と並ぶギアのグローバルな供給拠点と位置づけている。
 また、FF車向けトランスファー用の新建屋も別に建設し、2013年末から生産を開始。インドネシアの日産工場に納入すると同時に中国にも輸出する。年間数十万台の生産を計画。FF用トランスファーの海外生産は、米国に続き2ヵ所目。

資料:各社広報資料, 各紙報道

 

 



ベトナム:新拠点設立、既存工場の拡充

(2013年10月下旬までの約 10か月間の動向。配列は企業名 50音順)

佐原工業:自社工場を建設し、樹脂成型部品を量産

 佐原工業は、子会社のSAHARA INDUSTRY VIETNAM CO.,LTD.( Bắc Ninh省)ではレンタル工場で生産してきたが、受注拡大が見込めるため約1億円を投じて自社工場を建設し、2014年6月の稼働を予定。製品のドアロックやホーン、水温センサーなどエンジン回りの樹脂成型部品は、主に浜名湖電装のベトナム工場に納入する。将来、2棟目の工場建設も視野に入れている。

住友電装:車用電線、コネクター部品工場を増築し

 住友電装は、SEWS-COMPONENTS VIETNAM CO., LTD.(Hung Yen省)の車用電線工場を約14億円投じて拡張し、生産量を従来比2割増の月1600トンにする。また、同じ工業団地にあるコネクター部品工場も約14億円を投じて2階建て建屋を新築し、生産量を月2400万個から3400万個に増やす。稼働は2013年11月。また、2013年7月には8億円を投じた自動車用ケーブル部品工場がNam Dinh省で稼働。これらの電線やケーブル部品は、日本や北米に輸出し、完成車メーカーへ納入する。

豊田技研:照明部材の生産工場で金型を内製化

 豊田技研は、ランプ部品を製造するToyoda Giken Vietnam Co., Ltd.(Hanoi)に約1000万円を投じて2014年3月までに金型を内製するための工作機械を導入する。主要顧客の車照明大手などを中心に品種増が見込めるためで、現状はプレス、溶接、研磨、めっき処理工程を持つが、内製化で金型の、日本からの輸送費を減らすほか、現地化で競争力を高める。製品は、日米やアジア諸国へ輸出する。

日本精機:ソフトウエアの設計開発拠点を開設

 日本精機は2013年10月、車載用計器ソフトウェアの設計開発拠点DANANG NIPPON SEIKI COMPANY LIMITED(Da Nang市)を開設。資本金は100万ドル。設計者は現地採用を基本とし、コスト競争力の強化と開発体制の更なる拡充を図る。当初は日本の上流設計に基づいた下流工程の設計開発を担当する。

日本電産トーソク:新会社で電動オイルポンプ、コントロールバルブの生産開始

 日本電産トーソクは、2012年4月に第2拠点のNIDEC TOSOK PRECISION VIETNAM CO., LTD(Ben Tre省)を設立。工場は2013年夏までに量産開始予定で、ハイブリッド車やアイドリングストップ車向けの電動オイルポンプを生産する。製品は全て海外へ輸出する。また、日系新規顧客向けのATやCVT用のコントロールバルブの量産を2013年度下期から開始する。(2013年5月報道)

藤倉ゴム:四輪車用ゴム部品工場敷地内に第2工場を建設

 藤倉ゴムは、FUJIKURA COMPOSITES HAIPHONG, Inc.(Hai Phong市)の工場敷地内に第2工場を建設し、成形設備や加硫設備など一連の設備も導入。エンジン回り部品などの工業用ゴム部品の一貫生産体制を構築する。総投資額は960万ドル(予定)。東南アジア地域での二輪・四輪車の増産に対応できる体制づくりの一環で、工場の竣工は2014年4月中旬(予定)。

ブリヂストン:乗用車用ラジアルタイヤの新工場の生産能力増強を決定

 ブリヂストンは2013年10月、Bridgestone Tire Manufacturing Vietnam Limited Liability Company(Hai Phong市)で建設中の乗用車用ラジアルタイヤ(PSR)の新工場の生産能力増強を発表。工場は2014年3月に当初計画通り操業を開始し、生産能力は約25,000本/日(2016年上期予定)。さらに、米国などグローバル市場における需要増加に対応し、2017年下期までに約24,000本/日増強し、約49,000本/日とする予定。上積み分の投資額は約416億円。同工場は、欧米や日本への汎用タイヤを中心としたPSRの輸出基地の位置付け。

三谷産業:ワイヤーハーネス用の樹脂部品の生産能力拡充

 三谷産業は、Aureole Business Components & Devices Inc(Dong Nai省)のベトナム南北2つの工場でワイヤーハーネス用樹脂の生産設備を追加し、2013年秋までに生産量を月550万個から700万個まで引き上げる。投資額は約2億円。東南アジア各国や北米で自動車生産が伸びており、部品の需要が増えていることに対応する。

矢崎総業: ワイヤーハーネスの分工場を2013年12月にも建設着工

 矢崎総業は、Yazaki Haiphong Vietnam., Ltd. (Hai Phong市)のワイヤーハーネスの本工場をHai Phongに、北部のThai Binh省に分工場を運営しているが、新たにQuang Ninhh省の工業団地に2つ目の分工場を建設する。2013年12月をめどに建設工事を開始する方針。投資総額は3500万ドルを予定。ワイヤーハーネスのグローバルでの生産能力向上のため、新たな工場建設を決定。

山下ゴム: R&D・生産技術、本社機能などをベトナムに移管へ

 山下ゴムは、本社機能、R&D機能などをベトナムに移管する。まず2013年5月に、現地会社のTechnofront と合弁でY-TEC VIETNAM Ltd.(Hai Phong市)を設立。資本金は8400万ドル。2014年4月に建屋を完成させてR&D機能から本格稼働し、3年間で約40億円を投じて内製化(金型・金具・設備)、グローバルマザー工場、量産工場、グローバル人材育成機能、固定費圧縮などの機能を徐々に構築する。  埼玉県の本社は当面維持し、既存顧客への対応や日系自動車メーカー向けの開発、国内工場の運営を担う。

ヨコオ: 新工場の第2期工事が2014年3月に完了、アセアン市場向け製品も生産

 ヨコオは、新拠点Yokowo Vietnam Co.,Ltd.(ハノイ近郊のHa Nam省)の工場(第1期分)を完成させ、2012年9月から本格稼働。日本市場向けに車載通信機器用ワイヤーハーネスやAM/FM用マイクロアンテナなどを生産している。進行中の同工場の第2期工事が2014年3月末に終了し、同年秋には月産100万台を目指し、アセアン諸国、米欧市場向けの製品モデルにも対応した生産体制を構築する。

資料:各社広報資料, 各紙報道

 

 



マレーシア/シンガポール/フィリピン/ラオス/カンボジア/ミャンマー

(2013年10月下旬までの約10カ月間の動向。配列は企業名 50音順)

マレーシア

明石機械:電子制御式ATの新工場が稼働へ

 明石機械工業は、2012年2月に設立した合弁会社AKASHI KIKAI INDUSTRY (M) SDN.BHD.( Negeri Sembilan州)の新工場が2014年初頭に稼働する予定。電子制御式ATの生産能力は年15万台。駆動系ユニットの生産技術を確立し、高品質と低コストを両立させたATの生産を目指す。現地調達比率の拡大を進め、コスト競争力の強化を図る。

宇部興産:タイヤ用合成ゴム製販の合弁会社をロッテケミカルグループと設立

 宇部興産は、2013年3月タイヤ向けのポリブタジエンゴム(BR)製造販売の合弁会社Malaysian Synthetic Rubbers SDN.BHD.(Johor州)を設立。資本金は約58億円。出資比率は、宇部興産40%、韓国ロッテケミカルグループ40%、三菱商事10%、マレーシアのロッテケミカルタイタンホールディングス10%。年間5万トンのBR製造設備を建設し、2014年の稼働を予定。BR需要の増大に応じて年間2.2万トンの生産能力の増強も計画。日本、タイ、中国に続くグローバルな供給体制を強化することで急速に発展する市場の拡大に対応し、収益の拡大を図る。

サンライズ工業:合弁会社の上場を廃止し、自社出資比率を上げて事業拡大を目指す

 サンライズ工業は、2013年8月をめどにニチリンとの合弁会社Sunchirin Industries (Malaysia) Berhad(Selangor州)のクアラルンプール株式市場での上場を廃止し、かつニチリンの出資比率を20%から15%に減らしてサンライズ工業の比率を85%とし、カーエアコン用ホース金具の生産を自社主導に切り替える。また、タイ、中国、インド、インドネシアにはSunchirin Industries (Malaysia)が中心となり工場を進出しており、サンライズ工業は同社と一体となったアジア事業の展開を行う方針で、2013年内をめどに日本を含むアジア全域を管理する持株会社も設立する計画。(2013年6月報道)

東洋ゴム:タイヤ新工場が2013年5月に量産開始、最先端の製造工法を導入

 東洋ゴムは、Toyo Tyre Malaysia Sdn Bhd(Perak州Ipoh市)のタイヤ工場が2013年5月に操業開始。生産するタイヤの85%を輸出する計画で、東南アジアや中東、欧州、北米の各市場向けに乗用車、小型トラック用タイヤを年産約250万本生産する。2015年末には500万本の生産能力を計画。将来的には年産能力1000万本規模までへの増強を視野に入れている。新工場では自動化率を高めて日本と同等の品質を確保し、多品種・少量生産を低コストで生産可能な同社独自の製造工法「ATOM」の最新版を導入した。

東研サーモテック:既存工場の隣接地に新棟を建設し、生産能力増強

 東研サーモテックは、TOHKEN (M) SDN. BHD.(Negiri Sembilan州)で既存敷地の約2.5倍の用地を確保して新棟を建設。変速機部品の遊星ギアやウォームギアなどの熱処理加工設備を増強する。2014年春の一部稼働を目指す。投資額は約10億円。マレーシアやタイの日系部品メーカーは、コスト負担の大きな熱処理加工を専業メーカーとの協業を軸にしようとしているため、それを請け負い分担する予定。売上高を2012年度の6億円から2015年度に10億円へ引き上げる。

シンガポール

帝人: 高機能樹脂の生産ラインを2013年10月から一部停止に

 帝人は2013年9月、Teijin Polycarbonate Singapore Pte Ltd.の家電や自動車の外装材などに使われるポリカーボネート樹脂の4系列の生産設備のうち1系列を同年10月中旬から停止すると発表。中国の景気減速や日系電機機器メーカーの不振などで需給が悪化したためで、固定費の圧縮や生産性の向上を図る。生産ライン停止に伴い、2013年4~9月期に特別損失約24億円を計上する見通し。

フィリピン

古河AS:ワイヤーハーネスの新工場を建設

 古河ASは2013年5月、Furukawa Automotive Systems Lima Philippines, Inc. (Batangas州)の既存工場の隣接地にワイヤーハーネス増産のための新工場を建設すると発表。主に日本への輸出品を生産する。中国での人件費高騰や労働争議などの生産リスクを回避するための重要な受皿拠点とも位置付け。投資額は約25億円。2014年1月に操業開始し、同年秋のフル稼働を見込む。2015年までに既存工場を含め売上高を2012年比2倍の120億円に引き上げる計画。

ミツバ:モーター用部品の増産で新工場建設

 ミツバは、Mitsuba Philippines Corporation(Cavite州)の生産能力を増強する。モーター用部品を製造する第2工場の隣に新工場を建設し、車載用小型モーターの部品の生産能力を引き上げる。主要取引先の自動車メーカーによるグローバルな生産拡大に対応するもので、労務費の安いフィリピンで増産。北米などの他地域の生産拠点にも供給し、コスト競争力を高める。この他、既存の3工場でも設備の再配置などにより生産スペースを広げて増産対応を図る。(2013年10月報道)

横浜ゴム:乗用車・SUV用タイヤ工場の第1次拡張工事が終り、第2次拡張工事に

 横浜ゴムは、YOKOHAMA TIRE PHILIPPINES, INC.(YTPIと略、Pampamga州Clark Freeport Zone)の第1次拡張工事(年間300万本の生産能力拡大)が終わり、2013年2月から操業を開始した。引き続き2013年5月から第2次拡張工事(年間250万本の生産能力拡大)を開始し、2014年からフル生産に入る予定。これによりYTPIの年間生産能力は、1250万本に達する見込み。大半を北米、欧州、ASEAN諸国に輸出する。総投資額は第1次拡張が200億円、第2次拡張が110億円。

ラオス

旭テック:鋳造部品の合弁会社設立、タイ工場を補完

 旭テックは2013年4月、エンジン部品などのアルミダイカスト部品製造の合弁会社BMM Asahi Tec Co., Ltd.(Savannakhet県)をラオス企業のBMM Group Co., Ltd(食品卸、不動産業)と折半出資で設立すると発表。約45億円で工場を建設し、2014年11月にアルミダイカスト部品を生産開始する。生産能力は月産610トンで、製品は全量をタイの日系自動車メーカーなどに納める。これは旭テックのタイ工場の生産を補完するもので、両国を合わせた生産能力は月産1800トンとなる。

トヨタ紡織:シートカバーなどの内装品生産会社設立、タイ工場のサテライト工場の位置付け

 トヨタ紡織は2013年4月、自動車内装部品の生産会社TOYOTA BOSHOKU LAO CO., LTD(Savannakhet県.)を設立。新工場を投資額約5.5億円で建設する。新会社はタイのトヨタ紡織工場を補完するサテライト工場の位置づけで、タイ工場でのシート生産能力増強に合わせて、手作業の多いシートカバーの裁断、縫製工程の一部をラオス工場に移管する。2014年4月より生産開始し、製品をタイのシート工場に供給する。年産能力は自動車20万台分。

カンボジア

デンソー: 二輪車用センサー部品の生産会社設立、四輪車用部品への拡大も視野に

 デンソーは2013年1月、DENSO CAMBODIA Co. LTD(Phnom Penh経済特別区)を設立。資本金は30万ドル。賃貸工場で、2013年7月からマグネトー(二輪車用発電機)用センサー部品を生産開始。製品はタイにあるデンソーの生産拠点に輸出。カンボジアへの進出は、中長期的にタイの生産基盤を補完するのが目的。生産品目も、四輪車用部品に順次拡大することを視野に入れている。

丸三金属: ホイール部品などの生産会社設立、タイに輸出

 丸三金属は、ホイール部品や内装品などを生産するMarusan Plastic Phnom Penh Co., Ltd.(Phnom Penh経済特別区)を設立。工場を新設し、2013年9月に稼働。主に樹脂製の自動車部品や金属製の建築用資材を生産。カンボジア進出を機に、タイなどに集積する自動車部品メーカーからの受注を目指す。投資額は約1億円。

ミャンマー

アスモ:自動車用小型モーター部品の生産拠点設立

 アスモは2013年9月、子会社のASMO Indonesiaとの共同出資でASMO Myanmar Co.,Ltd(Yangon市)を設立。資本金は200万ドル。賃貸工場で、2014年1月から小型モーターの関連部品の生産を開始する。ASMO Indonesiaの支援拠点として位置付け、機械化が難しいサブアッセンブリー工程を担う。部材はインドネシアから供給し、構成部品に組立て再びインドネシアの工場に戻す。操業開始直後はウオッシャー液ホースの組み付けから開始し、段階的にブラシホルダーの組み立てに進む予定。(2013年10月報道)

資料:各社広報資料, 各紙報道

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