日系自動車メーカーの電動車投入計画

BEVとともにHEV/PHEVを強化、日本国内にバッテリー工場を新設

2024/09/13

要約

トヨタの描く「Software Defined Vehicle」

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  本レポートは日本自動車メーカーの2024年前半の発表を中心に、電動車投入計画を報告する。

  日本自動車メーカー各社は、カーボンニュートラルに向けて、BEVや水素関連の技術開発を進めるとともに、HEVやPHEVの技術も重要であるとして、それらの強化に取り組んでいる。


 2024年9月6日に、トヨタ、日産、マツダおよびSUBARUの電池開発・生産計画が、経済産業省から「蓄電池に係る供給確保計画」として認定された。費用の約1/3相当の助成金が支給される。

 トヨタ、日産は福岡県に、SUBARUは群馬県大泉町にリチウムイオン電池工場を新設する。マツダはパナソニックエナジーから将来のEVモデルに導入する円筒形リチウムイオン電池セルの供給を受ける計画。

日本自動車メーカー7社の電動車投入計画

トヨタ 電動化に適合する新たなエンジンを開発、CN燃料を本格的に検討、さらにBEV、水素、Software Defined Vehicleなど幅広い投資を計画。
ホンダ 二輪事業、ICE/ハイブリッド事業の体質強化により、2030年度までに電動化・ソフトウェア領域に投入する10兆円の資金を確保する。
日産 EVとシリーズハイブリッドであるe-POWERを中心に電動化を推進、2025~2026年度に4車種のPHEVを投入、2024年夏に欧州市場にジュークハイブリッドを投入する。
スズキ 2023年度世界販売の43.0%が、HEVとCNGであった。また使用するエネルギーを極小化し、排出するCO2を極限まで小さくする技術戦略を発表した。
マツダ BEVについては「意志あるフォロワー(一定の時間をかけてEVシフトを進める)戦略」をとる。同時にHEVやPHEVを強化していく。
三菱自 ICE・HEV・PHEV・BEVが混在する市場において、様々なパートナーシップを活用しながら各地域の状況に合わせて電動化の強化に取り組んでいる。
SUBARU 2026年末までにトヨタと共同開発するBEV 4車種をラインアップし、互いに供給しあう生産体制を構築。また次期型e-BOXERは、シリーズ・パラレル式のハイブリッドシステムを採用する。


  日産、ホンダ、トヨタの電動化計画は以下のレポートにまとめている。本稿では追加・補完の情報を記載した。

 

関連レポート:
トヨタ:マツダ、SUBARUと電動化に適合するエンジンを開発(2024年8月)
ホンダ:2030年までにEVとソフトウェアに10兆円投資(2024年8月)
日産:新経営計画「The Arc」を発表、次世代EVのコストを30%削減(2024年5月)
北京モーターショー2024:日系メーカー(2024年5月)
日系自動車メーカーの電動車投入計画(2023年8月)

関連ニュース:
経産省、EVバッテリー投資を助成(2024年9月9日)

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