日系自動車メーカーの電動車投入計画
中国でトヨタは知能化・電動化の現地開発を加速、日産はNEVを前倒し投入
2023/08/18
- 要約
- トヨタ:グローバル・フルラインアップで「電動化 + 新興国の成長」に対応
- ホンダ:ソフトウェアとE-Axle強化に向けた取り組み
- 日産:ルノーが設立したEV&ソフトウェア新会社アンペアに6億ユーロを出資
- スズキ:2030年度までのBEV投入計画を発表
- マツダ:2028年からBEVを本格導入、2030年のBEV比率は25~40%を想定
- 三菱自動車:今後6年間で研究開発費と設備投資を30%増額
- SUBARU:米国でBEVを生産し、2030年BEV世界販売 60万台(販売比率50%)を目指す
- 日系乗用車メーカーの2022年度業績および2023年度見通し
- GlobalData(グローバルデータ)販売予測:日本市場の2026年ライトビークル販売は500万台
要約
日本国内の電動車両組立工場 (出所:マークラインズ - 自動車・部品メーカー拠点マップ) |
本レポートは日本自動車メーカーの2023年前半の発表を中心に、より具体化・強化した電動車投入計画を報告する。
トヨタについては「フルラインアップ」の電動化戦略を進める背景と、電動化事業の収益性を高めていく方針、および中国での知能化・電動化技術の現地開発の強化、ホンダについては「電動事業 競争力強化に向けた取り組み」のうち、ソフトウェア開発とE-Axleの強化を取り上げる。
日産とルノーグループは2023年7月、2023年2月6日に公表された契約の締結を完了した。その一環として、日産はルノーグループが欧州に設立するEV&ソフトウェア新会社アンペアに最大6億ユーロ出資することを決定した。中国市場では日産の2023年1~6月の販売が前年同期から24.5%減少し、従来計画から前倒ししてNEVを投入し挽回を図るとしている。
スズキは2030年度までに日本で6モデル、欧州で5モデル、インドで6モデルのBEVを投入し、2030年度のBEV比率をそれぞれ20%、80%、15%に高める計画。
マツダは2030年までを3つのフェーズに分け、柔軟に電動化に対応していく。2028~2030年の第3フェーズからBEVを本格導入し、2030年時点のグローバル販売におけるEV比率は25%から40%を想定する。
三菱自動車は今後5年間でグローバルに9車種の電動車を投入する。また、2023~2028年度の6年間の研究開発費と設備投資を、それ以前の6年間に比べ30%増額する。
SUBARUは2030年にBEV世界販売60万台(BEV比率50%)とする新目標を発表した。生産体制については5月に発表した「国内で2028年以降に40万台規模のBEV生産能力構築」に加えて、2027~2028年から米国でBEVを生産する。2028年に米国でBEV販売40万台を目指す。
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