日産:新経営計画「The Arc」を発表、次世代EVのコストを30%削減
三菱自は新型トライトンなどをアセアンからグローバルに展開
2024/05/28
- 要約
- 日産:新経営計画「The Arc」を発表
- 「The Arc」の中期の取り組み(2024~2026年度)
- 「The Arc」の中長期の取り組み(~2030年度)
- 日産の業績:2024年度は売上高13.6兆円(7.2%増)、営業利益6,000億円(5.5%増)を見込む
- 三菱:2023年度に投入したトライトン、エクスフォースをグローバル展開
- 三菱の業績:2024年度売上高2.88兆円(3.2%増)、営業利益1,900億円(微減)を見込む
要約
![]() |
北京モーターショー2024で新エネルギー車(NEV)のコンセプトカーを公開 (出典:日産) |
本レポートは、ここ1年間を中心に日産と三菱自動車の動向を報告する。
日産は2024年3月、新経営計画「The Arc」を発表した。本計画は2020年度から2023年度にかけて実施した事業構造改革「Nissan NEXT」と長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」の架け橋になるとしている。
「The Arc」は、2024年度から2026年度までの中期の取り組みと、2030年までの中長期の取り組みから構成される。
中期の取り組みでは、地域毎に最適化した戦略を通じて2026年度までに年間販売台数を100万台拡大、電動車両とICE車のバランスの取れたポートフォリオを導入しながらEV移行を加速するための準備を進める。
中長期的には、スマートパートナーシップ、EVの競争力向上、イノベーションによる差別化、新たな売上の機会などを通じて、EV移行と長期的な収益ある成長を目指す。
EVの競争力強化に向け、日産は新たなアプローチで、手頃な価格で収益性の高いEVを実現していく。EVのファミリー開発、パワートレインの一体化、次世代モジュラー生産、グループソーシング、バッテリーの革新などにより次世代EVのコストを30%削減(現行アリア比)し、2030年度までにICE車と同等のコストを目指している。
三菱自は2023年3月に、2023-2025年度中期経営改革 “Challenge 2025”を発表した。2023年度から5年間で9車種の電動車を含む16車種を投入する計画。
三菱自はルノーからOEM供給を受ける2車種、コンパクトSUV ASXを2023年3月に、新型コンパクトハッチバック コルトを10月に欧州市場に投入した。2023年後半から、新型トライトン、新型コンパクトSUVのエクスフォースを発売。エクスパンダーHEVも加えて、アセアンからグローバル市場へ展開を進めている。
関連レポート:
オートモーティブ ソフトウェア エキスポ2023:SDVの実現に向けて(2023年12月)
日系自動車メーカーの電動車投入計画(2023年8月)
ReVision 電気自動車(EV)サミット2023:電動パワートレイン技術(2023年6月)
自動車技術会シンポジウム「電動車両技術の最新動向」講演(2023年3月)
ルノー:EV&ソフトウェア会社「アンペア」がSDV開発を推進(2023年3月)
日産:ルノーと15%の相互出資で合意、ルノーの新EV会社に15%出資(2023年3月)
無料会員登録により、期間限定で続きをお読みいただけます。