中国新興EVメーカー:中核部品を自社で開発し内製化を推進

合衆新能源汽車、蔚来汽車、理想汽車、小鵬汽車、零跑汽車

2023/04/10

要約

中国造车新势力销量TOP5

 2022年の中国の新エネルギー乗用車販売台数は656.5万台、うち中国新興EVメーカー15社(2010年以降に設立され、伝統的自動車メーカーの傘下でない企業)の販売台数シェアは、前年から3.3ポイント減で11.4%となった。このようななか、中国新興EVメーカー上位5社(合衆、蔚来、理想、小鵬、零跑)の販売台数はいずれも10万台を超えた。合衆新能源汽車(以下、合衆新能源)は15.2万台となり15社のうち初めて販売台数でトップとなり、零跑汽車も高い成長率でトップグループに入った。一方、2021年トップの小鵬汽車(Xpeng)は第4位に転落。威馬汽車(WM Motor)も大きく後れを取っている。中国のNEV市場は競争が激化し、再編が加速している。

 モデル別では、蔚来汽車(NIO)と理想汽車(Li Auto)は30万元以上のハイエンド市場に焦点を合わせているが、将来的には30万元以下のモデルも発売する可能性がある。合衆新能源と零跑汽車(Leapmotor)は依然として10万元以下のエントリーモデルへの依存度が比較的高いが、エントリーモデルの占める割合は2021年に比べて減少傾向にある。15-25万元のクラスを主力モデルとする小鵬汽車(Xpeng)は30万元を超えるハイエンドSUVを初めて発売した。

 本レポートでは、中国新興EVメーカー販売台数上位5社の最近の主要動向について紹介する。各社ともコア部品の自社開発や内製化を戦略の柱としている。合衆新能源は技術ブランド「浩智(Haozhi)」を発表し、電気駆動、レンジエクステンダー等の鍵となる部品の自社開発と製造体制を構築。蔚来汽車はバッテリー技術会社を設立するとともに、安徽省合肥市に初のバッテリー工場を建設するとの一部報道がある。理想汽車はすでに四川省と江蘇省にレンジエクステンダー、5 in 1電気駆動、SiCパワーモジュール生産拠点を擁する。小鵬汽車はバッテリーやモーター等の部品の開発/製造に関わる会社を複数設立。零跑汽車は垂直統合を深化させており、自社開発した部品が車両コストの70%を占める。

 

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