中国新興EVメーカー(2):トップ陣営に第2グループが迫る、IT大手も参入
合衆新能源汽車、零跑汽車、威馬汽車、集度汽車、小米汽車
2022/06/21
- 要約
- 合衆新能源汽車(Hozon Auto):セキュリティ大手が第2株主に、新たなプラットフォーム「山海平台」を発表
- 零跑汽車(Leapmotor):新戦略を発表、ソフトウェア/ハードウェアの自社開発を堅持
- 威馬汽車(WM Motor):香港証券取引所への上場を申請、バレーパーキングのソリューション開発に注力
- 集度汽車(JIDU Auto):Geelyとの共同開発「ROBO-01」を発表、2023年の発売を目指す
- 小米汽車(Xiaomi Auto):北京に年産30万台の生産拠点を設置、2024年に量産開始を目指す
要約
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新エネルギー車(以下、NEV)市場の競争が日々激化するに従い、新興EVメーカーの第2グループはトップ陣営への追撃を始めている。MarkLinesのデータによると、過去1年間(2021年5月-2022年4月)の月次販売台数は、小鵬汽車が首位を6回、蔚来汽車が3回、理想汽車が2回、零跑汽車が1回獲得。また、合衆新能源汽車は2位を3回獲得した。上位6社の月次販売台数の差が徐々に拡大している。
NEV市場の急拡大とともに、ますます多くの異業種がNEV産業とりわけスマートEV分野へ関心を持ち始め、新たな自動車製造ブームが現れている。なかでも、百度(Baidu)、小米(Xiaomi)などのIT大手の参入が業界内外の注目を集めている。
本レポートでは、新興EVメーカーの第2グループ(合衆新能源汽車、零跑汽車、威馬汽車)及びIT系(集度汽車、小米汽車)の直近1年間の主要動向を紹介する。中国新興EVのうち2021年販売台数上位3社(蔚来汽車、小鵬汽車、理想汽車)に続き、合衆新能源汽車は量産10万台を達成した第4の新興EVメーカーで、インターネットセキュリティ大手の360グループが第二株主である。零跑汽車は技術、製品、ユーザーに関する「2.0戦略」を発表するとともに、香港証券取引所への上場申請を行った。威馬汽車も香港市場への上場計画を正式に始動させた。新興EVメーカーの第2グループは、いずれもASEANや欧州市場への参入を計画している。IT大手では、百度と吉利との合弁の集度汽車が2023年に初モデルの発売を予定し、小米汽車が2024年に初モデルの量産を計画している。
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