中国市場2022年第4四半期:広汽、長安、NIO、小鵬などがバッテリー会社を設立

外資企業は電動化、コネクテッド化への転換を加速

2023/01/23

要約

因湃电池工厂
広汽グループ企業が出資するバッテリー工場(出所:広汽集団)

 2023年112日に発表された中国自動車工業協会(CAAM)のデータによると、2022年の自動車販売台数は前年比2.1%増の2,686.4万台、そのうち乗用車は前年比9.5%増の2,356.3万台、商用車は前年比31.2%減の330万台。なお、新エネルギー車(以下、NEV)は前年比93.4%増の688.7万台で、市場占有率は25.6%となった。 

 本レポートは2022年第4四半期の中国自動車メーカー及び外資大手自動車メーカーの中国市場における主要動向を紹介する。駆動用バッテリーの価格高騰、半導体不足などサプライチェーン混乱の影響を受け、中国自動車メーカーはNEV産業チェーンを整備している。東風汽車は欣旺達(Sunwoda)と合弁で駆動用バッテリーの生産拠点を設立し、長安汽車と寧徳時代(CATL)は、合弁会社の設立に合意。広汽グループは自社でバッテリー及び電動パワートレイン会社を、吉利(Geely)とRenaultはパワートレインの合弁会社を設立した。また、BYDは中国各地で複数のNEV部品プロジェクトを推進。長城汽車は半導体関連会社を設立した。新興メーカーでは、蔚来汽車(NIO)がバッテリー会社を設立し、小鵬汽車(Xpeng)は自動車テクノロジー及び駆動用バッテリー会社を設立した。

 外資大手自動車メーカーは、引き続き電動化及びコネクテッド化への転換を加速している。日産、GM、現代自動車はこれらに関する戦略計画を発表。VW傘下のソフトウウェア会社CARIADは地平線(Horizon Robotics)と合弁で自動運転関連会社を設立した。Audiブランドは中国国内の主要都市に充電ステーションを設置。BMWの瀋陽生産拠点では駆動用バッテリーを大規模拡充する。トヨタは天津と広州でNEV生産を開始するととともに、小馬智行(Pony.ai)と共同でRobotaxiを製造。日産はモビリティサービス会社を設立し、無人運転タクシーの運営などを展開する。


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