中国新興EVメーカー(1):生産拡大とカーボンニュートラルを推進
小鵬汽車、蔚来汽車、理想汽車は年販10万台に迫る
2022/06/13
- 要約
- 小鵬汽車(Xpeng):新興EVの中で2021年販売台数トップ、武漢と広州に工場新設
- 蔚来汽車(NIO):米国・香港・シンガポールで上場、バッテリー充電/交換システムの建設に注力
- 理想汽車(Li Auto):旧北京現代工場を改造、2023年にEVモデルを投入へ
要約
MarkLinesのデータによると、2021年の新エネルギー乗用車の販売台数は前年比約167%増の約333万台。そのうち中国新興EVメーカー14社(2010年以降の設立で従来の自動車メーカー傘下に属さない企業)の合計販売台数は約49万台と、全体の約15%を占めた。新興勢力を代表する上位3社の小鵬汽車(Xpeng)、蔚来汽車(NIO)、理想汽車(Li Auto)の販売台数はいずれも9万台超える。首位は小鵬汽車で9.8万台。合衆新能源汽車の販売台数は約7万台で第4位となり、トップグループに肉薄した。威馬汽車の販売台数は4.4万台と、2020年の第4位から第6位に転落した。
現在、中国のNEV市場は競争が非常に激しく、引き続き混戦状態にあり、未だに安定していない。従来の伝統的な自動車メーカーは電動化へのモデルチェンジを加速し、グループ傘下で相次いでNEV専用ブランドを発表している。代表的な新興EVメーカーも成長を続け、インテリジェントコネクテッドやユーザーエクスペリエンス等で強みを発揮し、従来の伝統的な自動車メーカーのNEVブランドと激しい競争を繰り広げている。
本レポートは販売台数トップ3の小鵬汽車、蔚来汽車、理想汽車のここ1年間の主な動向を紹介する。これらのメーカーは米国市場への上場に続き、相次いで香港市場への上場も果たし、さらに工場新設や生産能力拡大に力を入れている。中国の「ダブルカーボン目標」(カーボンピークアウトとカーボンニュートラル)に対し、代表的な新興EVメーカーは次々とカーボンニュートラル分野に焦点を合わせており、小鵬汽車と理想汽車はESG報告書を発表した。中国国内の販売台数の増加と同時に、小鵬汽車と蔚来汽車は欧州市場を起点に、グローバル市場の開拓に着手している。
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